JPH0141669Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自転車用クランク、詳しくは、自転車
用フレームのボトムブラケツトに軸受を介して回
転自由に支持するクランク軸の軸端に装着するク
ランクに関する。

（従来の技術） 一般に、此種クランクは、一端にクランク軸へ
の嵌合孔を設け、他端にペダルの取付孔を設け
て、前記嵌合孔をクランク軸の軸端外周に嵌合
し、前記クランク軸の軸端に螺着する取付ねじに
より固定すると共に、前記取付孔にペダルのペダ
ル軸を螺着し、前記ペダルの踏込みによる駆動力
を、前記クランクを介して前記クランク軸に伝達
し、該クランク軸又は、前記クランクの嵌合孔側
端部に装着するフロントチエンギヤを駆動する如
く構成されている。

所で、自転車において、前記フロントチエンギ
ヤ及び該チエンギヤとリヤチエンギヤとの間に掛
設するチエンをチエンケースで被覆し、乗用者の
衣服が、前記チエンに塗油した油で、汚れたり、
或いはチエンとチエンギヤとの間に食い込まれた
りするのを防ぐ一方、前記チエンケースの前記フ
ロントチエンギヤの側面と対向する位置に、クラ
ンク挿通孔をもつた円板状の目玉を着脱可能に装
着し、この目玉を取外して、前記着脱に給油した
り、或いは該チエンを前記フロントチエンギヤに
対し掛脱したりしている。

（考案が解決しようとする問題点） 所が、前記クランクをクランク軸に対し取外す
ことなく、前記目玉のみを取外し可能にするに
は、この目玉のクランク挿通孔を、前記クランク
の回転を許す最小孔径より大幅に大きく形成し
て、目玉をクランク軸の中心に対し傾倒させなが
ら前記挿通孔がクランクと干渉するのを防ぎ、前
記目玉を取外すようにする必要があるため、前記
目玉のクランク挿通孔とクランクとの間に大きな
隙間ができ、この隙間から泥水、砂塵などが内部
に浸入する問題があつたし、又、前記隙間が大き
くなることにより、この隙間から内部構造が見え
て外観を悪くする問題もあつた。

本考案は、従来において、クランクを取外すこ
となく、チエンケースの目玉を取外し可能に構成
した場合、大きな隙間ができる問題点を解消しよ
うとするもので、金属から成るクランク本体と、
該クランク本体の外面を被覆する合成樹脂から成
る外被体とを形成して、この外被体を利用し、該
外被体に、前記挿通孔を閉鎖する円形蓋を設ける
ことによつて、クランクを取外すことなく、前記
目玉を取外すことができ、しかもチエンケース内
に泥水などが浸入するのを防ぐことができるよう
にしたのである。

（問題点を解決するための手段） しかして、本考案は、長さ方向一端にクランク
軸への嵌合孔１２をもつた金属製クランク本体１
と、該クランク本体１の外面を被覆する合成樹脂
製外被体２とから成り、該外被体２における前記
嵌合孔１２の外周りに、チエンケースのクランク
挿通孔を閉鎖する円形蓋３を一体に設けたもので
ある。

（作用） クランク本体１の嵌合孔１２をクランク軸の軸
端外周に嵌合すると共に、円形蓋３をクランク挿
通孔内に嵌め込み、該クランク挿通孔を閉鎖する
ようにしたのである。

（実施例） 以下本考案クランクの実施例を図面に基づいて
説明する。

図において、１は鉄、アルミニユウムなどの金
属により細長ブロツク状に形成するクランク本体
であつて、その長さ方向一端部を肉厚方向一方側
に突出させて、突出部１１を設けると共に、この
突出部１１を貫通するクランク軸への嵌合孔１２
を設け、他端に、ペダル（図示せず）の取付孔１
３を設けている。

２はこのクランク本体１の外側に設ける合成樹
脂から成る外被体であつて、この外被体２を、埋
込成形により前記クランク本体１と一体に形成す
るのである。

この埋込成形は、例えば型枠内に挿入したクラ
ンク本体１の両端部を、前記嵌合孔１２及び取付
孔１３の一端開放口を閉鎖する１対の支持具を介
して前記型枠内に支持すると共に、前記嵌合孔１
２及び取付孔１３の他端開放口を閉鎖する１対の
押付具により前記クランク本体１を押付けて、該
クランク本体１を型枠内に宙吊状に保持し、前記
型枠内に溶融合成樹脂を充填して形成するのであ
る。

しかして、斯く形成した外被体２における前記
嵌合孔１２の外周りで、かつ前記突出部１１側端
部に、チエンケースＡのクランク挿通孔Ｂを閉鎖
する円形蓋３を一体に設けたのである。

この円形蓋３は、外被体２における前記嵌合孔
１２周りの外面２ａから前記嵌合孔１２の径方向
外方に延びる円板状部３１と、前記外面２ａに対
し前記嵌合孔１２の径方向外方に所定間隔を置い
た位置から軸方向に向つて突出する円環状部３２
とから成り、これら円板状部３１及び円環状部３
２の外面を連続させて円形に形成している。尚、
前記円形蓋３の形状は特に限定されるものでな
い。

又、図中、１４は前記嵌合孔１２に連続する内
ねじ１５をもつた内腔部、４はこの内腔部１４を
閉鎖するキヤツプ、５は金属環である。

以上の如く構成したクランクは、自転車フレー
ムのボトムブラケツトに軸受を介して回転自由に
支持するクランク軸の軸端外周に前記嵌合孔１２
を嵌合し、取付ねじにより固定すると共に、前記
取付孔１３にペダルのペダル軸を螺着し、前記ペ
ダルの踏込みによる駆動力を、前記クランクを介
して前記クランク軸に伝達し、該クランク軸又は
前記クランクの嵌合孔側突出部１１に装着するフ
ロントチエンギヤを駆動する如く成すのである。
又、前記フレームには、前記フロントチエンギヤ
及び該チエンギヤとリヤチエンギヤとの間に掛設
するチエンをチエンケースＡで被覆する一方、前
記チエンケースＡの前記フロントチエンギヤの側
面と対向する位置に、前記クランク挿通孔Ｂをも
つた円板状の目玉Ｃを着脱可能に装着し、この目
玉Ｃを取外して、前記チエンに給油でき、又、該
チエンを前記フロントチエンギヤに対し掛脱でき
るようになつている。

しかして、前記クランク本体１の嵌合孔１２を
クランク軸の軸端外周に嵌合すると、外被体２に
設けた円形蓋３が、例えば前記チエンケースＡに
おける目玉Ｃのクランク挿通孔Ｂ内に入つて該挿
通孔Ｂを閉鎖するのである。

従つて、前記円形蓋３により、チエンケースＡ
のクランク挿通孔Ｂからチエンケース内に泥水な
どが入るのを防ぐことができるのである。

又、前記クランクをクランク軸から取外すこと
なく、前記目玉Ｃを取外す場合は、例えば該目玉
Ｃの前記円形蓋３における円板状部３１側部分
を、前記円板状部３１がクランク挿通孔Ｂから抜
け出る程度に軸方向外方（矢印方向）に変位させ
ると、該目玉Ｃは、前記円板状部３１の突出長さ
Ｈ相当分だけクランクに対し径方向に移動可能と
なり、その結果、前記目玉Ｃを、クランク軸の中
心に対し傾倒させ長ら取外すことができるのであ
る。従つて、チエンへの給油及びチエンのフロン
トチエンギヤに対する掛脱を容易に行なうことが
できるのである。

（考案の効果） 以上の如く本考案は、長さ方向一端にクランク
軸への嵌合孔１２をもつた金属製クランク本体１
の外面を、合成樹脂製の外被体２で被覆したか
ら、表面処理加工をなくすることができると共
に、フアツシヨン性の高い外形及び色に形成する
ことができながら、しかも、前記外被体２を利用
し、この外被体２における前記嵌合孔１２の外周
りに、チエンケースのクランク挿通孔Ｂを閉鎖す
る円形蓋３を一体に設けたから、前記チエンケー
スにおける前記挿通孔をもつた目玉を、クランク
をクランク軸に装着した状態で取外し可能に構成
でき、その上、前記挿通孔から内部に泥水などが
浸入するのを防止できるのであり、又、内部の構
造を隠して、外観を良好にできるのである。

更に、前記円形蓋３は、前記外被体２の形成
時、一体に形成することができるので、前記した
効果を得ることができる割りに安価に提供できる
のである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案クランクの一実施例を示す断面図
である。 １……クランク本体、１２……嵌合孔、２……
外被体、３……円形蓋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長さ方向一端にクランク軸への嵌合孔１２をも
   つた金属製クランク本体１と、該クランク本体１
   の外面を被覆する合成樹脂製外被体２とから成
   り、該外被体２における前記嵌合孔１２の外周り
   に、チエンケースのクランク挿通孔を閉鎖する円
   形蓋３を一体に設けたことを特徴とする自転車用
   クランク。