JPS6126111Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、前方に向つて開口するミツシヨンケ
ースを、クラツチハウジング兼用筒胴状フレーム
を介して前方の原動部に固定連結してあるトラク
タ等移動農機の車体構造に関する。

従来のかかる移動農機の車体構造においては、
第５図に示すように、筒胴状フレーム５′の後端
部をミツシヨンケース１′に外嵌させるととも
に、その外嵌フレーム部分５A′を、外側からボ
ルト７′を介して固定連結させていたが、これに
よるときは、主として軽量化のためにミツシヨン
ケース１′を薄く構成してある場合、連結ボルト
７′として長尺ボルトを用いて連結強度を確保す
る上で、ミツシヨンケース１′のボルトねじ込み
部１a′を局部的に内方に大きく突出させる必要が
生じ、そのためにミツシヨンケース１′の製作
面、特に、鋳造製作面において型を複雑化するな
どコストアツプを招来する欠点があつた。

また、他の従来技術としては、第６図に示すよ
うに、筒胴状フレーム５の後端に、ミツシヨンケ
ース１前端に対する接合用フランジ５ｂを一体連
結して、両者５，１を連結ボルト７を使用して固
定連結する構造のものもあるが、この場合には、
筒胴状フレーム５に接合用フランジ５ｂを特別に
設けなければならず、筒胴状フレーム５の構造が
複雑となり、また使用材料を多く必要とする欠
点、さらに、ミツシヨンケース１の開口部の径に
比較して筒胴状フレーム５径を小にせざるを得な
いので筒胴状フレーム５の利用できる内部空間が
狭くなる欠点があつた。

本考案が解決しようとする技術的課題は、筒胴
状フレームとミツシヨンケースとを連結固定する
にあたり、ミツシヨンケースの開口部を蓋する状
態に設けてある前壁を有効に利用して、ミツシヨ
ンケース自体は軽量の薄肉のものでも筒胴状フレ
ームとの連結が強固に行なえ、しかも、そのため
にミツシヨンケースの形状の複雑化や、筒胴状フ
レームの構造の複雑化を招く、あるいは、その筒
胴状フレームの内部空間が狭くなる等の不都合を
避けられるように工夫することである。

上記課題を解決するために講じた本考案の技術
手段は、ミツシヨンケースの開口部を蓋する前壁
に、その前壁の面方向に沿つたネジ孔と、前壁を
厚さ方向に貫通するボルト挿通孔とを形成し、前
記ボルト挿通孔に挿通したボルトを介して前壁を
ミツシヨンケースの開口部に固定するとともに、
前記筒胴状フレームの前壁に対する外嵌フレーム
部分の外側から前記面方向に沿うネジ孔に螺入し
たボルトを介して外嵌フレーム部分と前壁とを固
定したことである。

上記技術手段を講じた結果、ミツシヨンケース
自体は、ケース内方への局部的な突出部を備えた
複雑な構造のものでなくとも、また、比較的薄肉
のもので構成しても、面方向では充分な厚みを有
する前壁を有効に利用することで、つまり、この
前壁の面方向に沿つてボルトを設けることによ
り、筒胴状フレームと前壁とを長尺ボルトを用い
て強固に固定することができ、また、前壁とミツ
シヨンケースとはその前壁の厚さ方向およびミツ
シヨンケースの面方向に沿うボルトを介して固定
すればよいものであるから、ミツシヨンケースの
厚みはボルト長さに関係なく、ボルトの挿入が可
能なボルト孔を形成するに足する厚みを有せしめ
るだけでよく、従つて、ミツシヨンケースの厚み
は、軽量化が可能な薄肉ものとしながらも、筒胴
状フレームとミツシヨンケースとの強固な固定が
行えるのである。

また、筒胴状フレームは前壁に外嵌させる状態
で固定できるので、その端部にフランジ部を形成
するなどの複雑な加工を伴う構造や、筒胴状フレ
ームの内部空間を狭めなければならないという不
都合を招くことがない。

以下に、本考案の実施例を図面の記載に基いて
説明する。

第１図はトラクタ（移動農機の一例）を示し、
第２図、第３図はトラクタの車体構造要部を示
す。

図において、１は、前方に向つて開口する鋳造
製のミツシヨンケースであり、３は、このミツシ
ヨンケース１の開口部２を蓋するために、該ミツ
シヨンケース１の前端面に接当する状態で装着固
定した前壁であり、５は、前記ミツシヨンケース
１と、これよりも前方のエンジン４とを連結する
ためのクラツチハウジング兼用筒胴状フレームで
あり、これは、その前端部の拡径クラツチハウジ
ング部５Ｂに一体連設のフランジ５ａを介してエ
ンジン４に固定連結し、その後端部は、前記前壁
３に外嵌させてある。

前記前壁３には、その前壁３の面方向に沿つて
前壁３の外周側から半径方向内方へ向うネジ孔
と、前壁３の周部近くで前壁３を厚さ方向に貫通
するボルト挿通孔とが形成してあり、筒胴状フレ
ーム５と前壁３とは、前壁３の周方向に間隔を隔
てて位置する複数本のボルト７・・を介して、前
壁３の外側から連結固定してある。また、前壁３
とミツシヨンケース１とは、前壁３の厚さ方向で
貫通するボルト挿通孔と、ミツシヨンケース１の
端部にミツシヨンケース１の面方向に沿つて周方
向適当間隔おきに設けてあるボルト孔とにわたつ
て装着したボルト６・・を介して連結固定してあ
る。

尚、前記前壁３のミツシヨンケース１側に向う
面には、ミツシヨンケース１に内装させる装置の
軸受け部３ａを一体構成してある。又、８はトラ
クタにおける前車輪、９は後車輪、１０は乗用運
転座席、１１はステアリングハンドルである。

第４図は、前記前壁３の中間部を、筒胴状フレ
ーム５に内装される状態に膨出し、この膨出部分
をもつて、トラクタにおける油圧操作式変速装置
のハウジングを兼用すべく構成してある別の実施
例を示す。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る移動農機の車体構造の実施
例を示し、第１図はトラクタ（移動農機）の全体
側面図、第２図は要部の拡大側面図、第３図は第
２図での−線断面図、第４図は別の実施例を
示す要部の横断平面図、第５図、第６図は夫々、
従来構造を示す要部の横断平面図である。 １……ミツシヨンケース、２……開口部、３…
…前壁、４……原動部、５……クラツチハウジン
グ兼用筒胴状フレーム、５Ａ……外嵌フレーム部
分、６，７……ボルト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 前方に向かつて開口するミツシヨンケース１
   の前記開口部２を蓋する状態に設けた着脱自在
   な前壁３に、前記ミツシヨンケース１とそれよ
   りも前方の原動部４とを連結するためのクラツ
   チハウジング兼用筒胴状フレーム５の後端部を
   外嵌させるとともに、前記前壁３には、その前
   壁３の面方向に沿つたネジ孔と、前壁３を厚さ
   方向に貫通するボルト挿通孔とを形成し、前記
   ボルト挿通孔に挿通したボルト６を介して前壁
   ３をミツシヨンケース１の開口部２に固定する
   とともに、前記筒胴状フレーム５の前壁３に対
   する外嵌フレーム部分５Ａの外側から前記面方
   向に沿うネジ孔に螺入したボルト７を介して外
   嵌フレーム部分５Ａと前壁３とを固定してある
   移動農機の車体構造。 前記ミツシヨンケース１は、鋳造製である実
   用新案登録請求の範囲第項に記載の移動農機
   の車体構造。