JPH0141498B2 - - Google Patents

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JPH0141498B2
JPH0141498B2 JP57045510A JP4551082A JPH0141498B2 JP H0141498 B2 JPH0141498 B2 JP H0141498B2 JP 57045510 A JP57045510 A JP 57045510A JP 4551082 A JP4551082 A JP 4551082A JP H0141498 B2 JPH0141498 B2 JP H0141498B2
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imide resin
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pai
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Hiroyuki Oogoshi
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Oiles Industry Co Ltd
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Oiles Industry Co Ltd
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ポリアミドイミド樹脂(PAIとい
う)複層材料ならびにその製造方法に関するもの
である。
PAIは、 (イ) 耐熱性にすぐれ、しかも熱時における機械的
性質の低下が僅かであること。
「このことは、単に高温雰囲気中での適用性
にすぐれていることを意味するばかりでなく、
摩擦熱による強度低下が小さいから、摺動材料
として使用された場合、速度特性にすぐれ高速
条件下でも有効に使用し得ることを意味する。」 (ロ) 可撓性にすぐれていること。
「このことは、摺動材料として、とくに湾曲
させたり巻いたりすることが容易であること、
そして耐衝撃性にすぐれ必要な場合はコールド
パンチが可能であること。」 (ハ) 金属との接着性にすぐれていること。
「このことは、裏金に被着させて複層摺動材
料としての適用性にすぐれ、また上記(ロ)の性質
と相俟つて曲率半径の小さい曲げにも剥離した
り亀裂を生じたりすることがない。」 などのすぐれた材料特性をもつている。
しかし、このようなすぐれた特性を有している
反面、PAIはワニスを出発材料とする場合、 (イ) 高沸点極性溶剤(N−メチル−2−ピロリド
ン、沸点204℃)を使用しているので、溶剤除
去の困難さがあり、また溶剤残留量が成形性を
大きく左右して、成形条件の設定を著しく困難
なものとしていること。
(ロ) 加熱時に比較的低粘度(溶剤が残留している
場合)となり、しかもこの状態が長く続くので
樹脂むらを生じ易いこと。急速に硬化を進める
ことは、上記溶剤が悪影響を及ぼす。
(ハ) 金型への固着があり、離形が困難である。
など、きわめて成形性に問題があり、満足のゆく
成形物を得がたいというのが実状である。
PAIのこのような問題に対して、種々の改質が
行なわれ、たとえば粉末やペレツト状の成形材料
(たとえば、日本ローデイア社の「キネル」、三菱
化成社の「Torlon」など)も市販されているが、
複層材料の製造には反つて問題もある。
すなわち、裏金上に薄く均一な厚さにPAIを散
布するには、それ相当の技術と設備を要するこ
と、また散布速度を上げることが困難であるこ
と、裏金との密着力にばら付きを生じ易いこと、
そして材料ロスが大きいことなどを挙げることが
できる。
本発明者は、PAIワニスを出発材料として、転
写技術を応用し、裏金上に効率よく樹脂層を被着
せしめる手法について鋭意研究を進め、上述した
如き問題を解決してきたが、PAIワニスに充填材
を多量に混入すると裏金との接着力にばら付きを
生じたり、接着力そのものが低下し、とくに曲率
半径の小さいu曲げや丸曲げに際しては、亀裂や
剥離などを生じ易いという新たな問題に当面し
た。
本発明は、このような問題を解決すべくなされ
たもので、充填材入りPAI層(第二のPAI層)と
裏金との間に、接着力や樹脂の可撓性に悪影響を
及ぼすような充填材を含まないPAI層(第一の
PAI層)を接着層として介在せしめたことを特徴
とするものである。
すなわち、裏金上に第一のPAI層が一体に被着
形成されており、該PAI層上に第二の粉末充填材
入りPAI層が一体に被着されてなるPAI複層材料
に係わり、第一、第二の樹脂層を設けるにあたつ
て、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PETと
いう)フイルムを使用した転写技術を用いること
を特徴とし、第一のPAI層には、裏金と第二の
PAI層との間にあつて、専らこの両者を結合する
接着剤としての役割をもたせ、第二のPAI層には
多量の充填材の混入を可能ならしめて充填材の機
能を充分に発揮させるとともに裏金との接着強度
の低下を生ぜしめないようにしたPAI複層材料な
らびにその製造方法を提供するものである。
本発明に使用されるPAIは、たとえば日本ロー
デイア社の「ローデフタール」、米国アモコ社の
「AIシリーズPAI」、大日精化社の「AI630、
AI602」、日立化成社の「HI400、HI404」など、
おおむね固形分が30〜40重量%(以下重量%)の
N−メチール−2−ピロリドンを溶剤としたワニ
スが用いられる。
第一のPAI層形成には、無充填PAIワニスを用
いるが、着色その他の目的で必要な場合は、小量
の着色料または添加材を配合してもよい。要は裏
金と第二のPAI層とを結合するに際し、接着力に
影響が出ない程度、通常数%以下の配合とすべき
である。
第一のPAI層の厚さは、通常10数ミクロンない
し100ミクロン程度であるが、PAIワニスの塗布
作業性、裏金の表面状態などを勘案して数10ミク
ロンとすることがもつとも好ましい。
第二のPAI層に添加される充填材は、黒鉛、二
硫化モリブデン、二酸化タングステン、窒化ホウ
素、四ふつ化エチレン樹脂の各粉末からなる潤滑
充填材、またはガラス繊維、アスベスト繊維、チ
タン酸カソ繊維、炭素繊維の各繊維粉末からなる
強化充填材、あるいはまたこの潤滑充填材と強化
充填材とを混合して使用されらが、その添加量は
樹脂固形分との合量に対して60%を越えない範囲
とする。
本発明者の実験によれば、充填材とくに潤滑充
填材は、おおむね40%以下の配合であれば本発明
の目的に著しい弊害は顕れないが、40%を越えて
多量に配合すると金属に対する接着力にばら付き
を生じたり、接着後の曲げに対して接着界面にお
ける両者の変形に対しての追従性が不十分とな
り、とくに曲率半径の小さい曲げに対して不都合
を生じ易い。
したがつて、充填材の配合量が40%以下であれ
ば、そしてまた平板の状態で使用する場合であれ
ば、この第一のPAI層は必ずしも必要としないと
いえるが、潤滑充填材の添加はいずれにしても接
着力や樹脂層の強度の低下を招く傾向にある。
詳述すれば、PAI転写時および硬化時に、その
溶剤残留量がコントロールされていないと、10%
程度の充填材を添加した場合でも接着力に悪影響
が出ることがある。これはとくに複層材としての
樹脂層の厚さを狭い許容値内に納めようとするな
どの目的で、ワニス塗布層の乾燥を強く進めて溶
剤残留量を少くした場合に往々にして生じ易い。
しかし、このような溶剤残留量の少ない場合で
あつても、裏金上に第一のPAI層を設けておく
と、上述したような問題は解消される。
このような点を考慮して、充填材とくに潤滑充
填材を10%以上添加する場合は、接着に対しての
二重安全の見地からもこの第一のPAI層の存在理
由は大きいものである。ただし、いずれにしても
充填材は上述したように60%を越えないことが必
要である。
この第二のPAI層および第一、第二を合わせた
PAI層の適正厚さについては後述する。
本発明に使用される裏金は、一般構造用圧延鋼
材、冷間圧延鋼板、冷間圧延ステンレス鋼板など
の鋼板のほか、銅および銅合金板、アルミニウム
合金板等、鉄系・銅系・アルミニウム系の金属板
が使用される。また必要に応じては、上記鋼板上
におおむね200メツシユを通過する銅合金粉末あ
るいはセラミツク粉末からなる多孔質焼結層を設
けた複層金属板を使用することもできる。
裏金は脱脂する程度で特別な前処理を施す必要
はないが、複層金属板を除く裏金については、そ
の接着面に通常行なわれているようなサンドペー
パーまたはグリツトブラストによる表面の粗面化
処理を施すことは、接着強さを向上せしめる点で
有効である。
粗面化処理を施す場合は、10数ミクロンないし
数10ミクロンの表面あらさとすることが好まし
い。
転写に用いられるPAI被着用フイルムについて
は、本発明者は離型紙、四ふつ化エチレン樹脂フ
イルム、シリコン樹脂シート、PETフイルムな
どを用いて種々実験を行なつたが、PAIワニス塗
布性の濡れ性、均一塗布性、熱変形および熱劣
化、転写後のフイルムの引剥し易さ、その他取扱
い易さなどから、PETフイルム(たとえば、ジ
ユポン社の「マイラー」など)がもつともすぐれ
ており、本発明の目的に有効に使用し得ることが
分つた。
PETフイルムは、あまり薄くてもまたあまり
厚くても取扱いにくく、通常数10ミクロンから
100数10ミクロン程度の厚さのものが好ましい。
PETフイルムにPAIワニスを塗布するに際し、
予めフイルムに離型剤などを塗つておくなどの配
慮は全く不要である。
N−メチール−2−ピロリドン溶剤を使用した
PAIワニスは、PETフイルムに対して、きわめ
て濡れ性が良いにもかかわらず、ある程度以上溶
剤が飛んだのちの指触乾燥状態(溶剤残存率25〜
30%)のPAIは、該フイルムからの離型性にすぐ
れるといつた相反する性質をもつていることを実
験によつて確認した。
PETフイルムにPAIワニスを塗布するには、
たとえばフエノール樹脂積層成形材料(レジンク
ロス)の製造が用いられる「接触法」などを適用
し得るが、とくにロールコーターを使用するここ
とが好ましい。
粉末充填材入りワニスの場合は、その混入量が
増すにしたがつて見掛け粘度が上昇するから、塗
布作業その他取扱性に支障をきたすことがある。
このような場合は、溶剤を新たに加えて粘度を
調整することができる。
無充填PAIワニスを使用した場合、上述した濃
度範囲のもので一回の塗布操作によるPETフイ
ルムへの塗着量は、指触乾燥後の厚さでおおむね
150ミクロン程度が最大限度である。
粉末充填材入りPAIワニスを使用した場合は、
同様の状態で200ミクロン程度が限度である。
いずれの場合も、これ以上厚くしようとすると
指触乾燥後のPAI層の厚さが不均一となり易いば
かりでなく、塗布作業そのものが極めてやりにく
くなる。
このようにして得られた指触乾燥状態のPAI層
が被着形成されたPETフイルムを用いて裏金上
に転写を行なう。
まず、予め用意された裏金上に無充填PAI層の
転写が行なわれる。
裏金にPAI層を接触させてフイルムを重ね合わ
せ、プレスを用いて加熱加圧する。加熱温度は
175〜195℃で溶剤の沸点以下の温度とし、加圧力
は10〜40Kg/cm2が好ましい。おおむね10分ほどこ
の状態を保持したのち全体を冷却する。
裏金に接着したPAI層は、指触乾燥状態のPAI
に残存していた溶剤量よりもさらに減小し、通常
20〜30%程度となつている。しかしまだ硬化が完
全に進んだ状態ではないから裏金との接着力は完
全でなく、またPAI層そのものの機械的強度も低
いものである。
この状態においてPAI層の裏金およびPETフ
イルムに対する接着力を比較すると、前者が比較
にならない程大きく、しかもすでに述べたよう
に、PAI層のPETフイルムに対する接着力は小
さなものとなつているから、PETフイルムを
PAI層から引剥すと、PAI層には何んら損傷を与
えることなくきわめて容易にこれを除去すること
ができる。
このようにして第一のPAI層の転写が完了した
ら、ついで同様の塗布方法によつて別途に得られ
た指触乾燥状態の充填材入りPAI層をもつた
PETフイルムを裏金上の第一のPAI層上に重ね
合わせ、同様の方法で転写を行ない、PETフイ
ルムをこの第二のPAI層から除去する。
この工程で、第一のPAI層と第二のPAI層は溶
融し、両者の界面には樹脂の拡散(流動混合)が
起つて一体となる。
もし、第一のPAI層を完全に硬化させてから第
二のPAI層の転写を行なうと、この工程で第二の
PAI層のみに溶融が起り、両層の界面には上述し
た如き樹脂の流動混合は生ぜず単なる接着が行な
われることになる。
第二のPAI層が充填材を含まないものであつた
り、充填材配合量が少ない場合は相当な接着強度
となるので問題ないが、本発明では充填材を多量
に含むものであるので、同種の樹脂同志の接合で
あつても、接着強度は十分でなくかつばら付きを
生じ易い。
平板状態の摺動材料として使用する場合は、こ
のような接着状態であつても著しい不都合は生じ
ないが、曲率半径の小さい曲げ加工を施す場合に
は問題を生ずる。
したがつて、第一のPAI層は完全に硬化を進め
ない段階、少くとも第二のPAI層の転写時に互に
溶融して樹脂の流動混合が行なわれる状態で適用
されることが重要である。
このようにして得られた第一、第二のPAI層を
もつた裏金をプレスに挾んで加圧しながら加熱す
るか、あるいは無加圧の状態で熱風乾燥炉に収納
して、溶剤の沸点以上であつてかつ300℃以下の
温度にまで徐々に昇温させて数時間ないし10数時
間を費やして硬化を進めると、第一、第二のPAI
層はともに機械的強度を増して強靭となり、第二
のPAI層は第一のPAI層を介して裏金に強固にし
かも均一な状態で接着し、本発明のPAI複層材料
が得られる。
一般に、裏金上に合成樹脂層を設けた複層摺動
材料としては、 (イ) 裏金と一体となつて、使用した樹脂の耐クリ
ープ性、耐衝撃性その他機械的性質の向上、 (ロ) 熱伝導性(熱放散性)の向上、 (ハ) 熱膨張を可及的に小さくすることによる寸法
安定性の向上、 そして、 (ニ) 樹脂層の機械加工の必要性有無の問題、 (ホ) 許容設計摩耗限界の問題、 (ヘ) 平板としてか、あるいは曲げ加工を施して使
用するものであるかなど適用形状の問題、 などを狙い目としたり考慮したりして検討される
が、一般には樹脂の被着厚さは数100ミクロン以
下、通常300ミクロン以下とする事例が多い。
また被着厚さの下限は、特殊な場合で数ミクロ
ン程度の事例もあるが、通常10数ミクロン以上で
ある。
したがつて、第一のPAI層と第二のPAI層とを
合わせた厚さが、指触乾燥状態で300ミクロンの
オーダーであると、硬化の進行による樹脂の収縮
を見込んだとしても複層摺動材料としての樹脂被
着厚さとして十分であり、さらに本発明において
はワニス塗布工程において、もつと薄層に仕上げ
るように調整することもできるから、上述した如
き複層摺動材料として望ましい樹脂層厚さのもの
が容易に得られるのである。
以下実施例について説明する。
実施例 トリメリツト酸無水物と芳香族ジアミンとの縮
合重合生成物からなるPAIをN−メチル−2−ピ
ロリン溶剤に溶かして得た固形分が30%のワニス
(たとえば大日本精化社製「AI630」)を、ロール
コーターによつて厚さ125ミクロンのPETフイル
ムに塗布したのち、熱風乾燥炉内に導き、135〜
138℃で4分間乾燥して、PAI固形分73%、溶剤
27%からなる指触乾燥状態の樹脂被着フイルムを
得た。
被着PAI層の厚さは約40ミクロンであつた。
これを脱脂処理を施した表面あらさ20ミクロン
の冷間圧延鋼板(板厚2mm)上に重ね合わせてプ
レスの熱板間に挾み、圧力15Kg/cm2、温度180℃
で5分間保持したのち冷却し、転写されたPAI層
からPETフイルムを引剥して除去した。
つぎに、同じPAIフイルムを用いて、これに潤
滑充填材として四ふつ化エチレン樹脂粉末(三井
フロロケミカル社製、PTFEフアインパウダー)
を、PAI固形分との合量に対して50%となるよう
に加え、溶液の見掛け粘度が1000ポイズの混合液
を得た。
この混合液をロールコーターを用いて厚さ125
ミクロンのPETフイルムに片面塗布したのち、
熱風乾燥炉内に導入して127〜130℃で4分間乾燥
してPAIおよびPTFE固形分が70%、溶剤が30%
からなる指触乾燥状態の樹脂被着フイルムを得
た。被着樹脂層の厚さは約80ミクロンであつた。
このようにして得た潤滑充填材入りのPAIが被
着されたPETフイルムを、先に得た無充填PAI
層をもつた裏金に重ね合わせてプレスの熱板間に
挾み、15Kg/cm2の圧力、180℃の温度で4分間保
持して無充填PAI層上に潤滑充填材入りPAI層を
転写させ、以下同様に冷却後PETフイルムを除
去した。
ついで、これを熱風乾燥炉に入れて以下の条件
でPAIを硬化させた。
150℃ 1時間 170℃ 1時間 180℃ 1時間 220℃ 1時間 250℃ 1時間 最終工程を経たPAI複層材料は、これを同温度
でさらに1時間処理したが重量減少は認められ
ず、溶剤は完全に除去され硬化が完了しているこ
とを確認した。
このようにして得られたPAI複層材料は、樹脂
被着層が強靭でかつきわめて強固に裏金に接着さ
れており、樹脂層を内側にして160度折曲げ(曲
率半径10mm)を4回繰返したのちも樹脂被着層の
剥離は認められなかつた。
因みに、この第一の無充填PAI層を設けないで
PTFE50%を含むPAIが直接裏金に120ミクロン
の厚さに被着された複層材料は、同様の折曲げテ
スト2回終了後、部分剥離を生じた。
実施例 実施例の固形分30%のPAIワニスに実施例
と同じPTFE粉末を添加し、さらに強化充填材と
してカーボン繊維粉末(呉羽化学社製、M107T)
を加えて均一に混合した。
各固形分は、PAI50%、PTFE45%、カーボン
繊維粉末5%で、溶液の見掛け粘度は約1100ポイ
ズであつた。
この混合液をロールコーターを用いて厚さ125
ミクロンのPETフイルムに片面塗布したのち、
熱風乾燥炉に導入して127〜130℃で4分間乾燥し
て固形分が70%、溶剤が30%からなる指触乾燥状
態の樹脂被着フイルムを得た。被着樹脂層の厚さ
は約80ミクロンであつた。
このようにして得た潤滑充填材および強化充填
材入りのPAIが被着されたPETフイルムを、以
下実施例と同様の方法で裏金上に被着されてい
る40ミクロン厚さの無充填PAI層上に転写し、つ
いで実施例と同条件で硬化を進めた。
このようにして得られたPAI複層材料を、樹脂
層を内側にして160度折り曲げ(曲率半径10mm)
を4回繰返したのちも樹脂被着層の剥離は認めら
れなかつた。
実施例 で得られた平板状の複層材料を切
断して小片となし、これを試験機のテーブルに固
定して、機械構造用炭素鋼からなるブツシユ状相
手材の環状端面を樹脂被着層に押付け、すべり速
度12m/min、負荷30Kg/cm2で回転させた。
乾燥摩擦状態で摩擦係数はそれぞれ0.10〔実施
例〕、0.12〔集施例〕であり、同条件で10時間
摩擦させた後の摩耗量は、いずれも0.10mm以下で
あつた。
本発明は、 (イ) PETフイルムへの塗布工程において、PAI
ワニスの塗布厚さの調整が容易で、しかも連続
的に作業性よく行なうことができるばかりでな
く、溶剤および溶剤ガスの飛散を防止すること
が容易である。
(ロ) PAI被着層を有するPETフイルムは、保存、
持運び、切断などの加工、その他取扱い性にす
ぐれている、 (ハ) 転写によつて裏金への被着が容易でかつ確実
であるほか、加熱加圧工程も経るので転写層の
厚さの矯正を行なうこともできる、 (ニ) 転写後、PETフイルムを引剥した面がきわ
めて平滑で、被着層が硬化完了したのちもこの
平滑性はかなりよく保たれる、 (ホ) PAIは可撓性にすぐれており、複層材として
とくに曲げ加工に適している、 (同類のポリイミド樹脂は、可撓性に乏しいの
で冷間曲げ加工はきわめて困難である。曲げを
行なう場合は加熱下で行なわなければならな
い) (ヘ) 摩擦摩耗特性の向上をはかるべく、多量の粉
末充填材を添加しても、第一の無充填PAI層の
存在によつて裏金との接着を強固に保つことが
できる。
(ト) 特別の理由から、樹脂層を厚くしたい場合、
比較的強靭な第一のPAI層を厚くすることによ
つて全体を厚くすることができる、 などの種々の効果がある。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 裏金上に第一のポリアミドイミド樹脂層が一
    体に被着されており、該第一のポリアミドイミド
    樹脂層上に第二の粉末充填材入りポリアミドイミ
    ド樹脂層が一体に被着されてなるポリアミドイミ
    ド樹脂複層材料。 2 裏金が鉄系、銅系またはアルミニウム系の金
    属板であることを特徴とした特許請求の範囲第1
    項記載のポリアミドイミド樹脂複層材料。 3 粉末充填材が、黒鉛、二硫化モリブデン、二
    硫化タングステン、窒化ホウ素、四ふつ化エチレ
    ン樹脂の各粉末からなる潤滑充填材、またはガラ
    ス繊維、アスベスト繊維、チタン酸カリ繊維、炭
    素繊維の各繊維粉末からなる強化充填材、または
    上記潤滑充填材と強化充填材との混合物であつ
    て、第二のポリアミドイミド樹脂層中の樹脂固形
    分と粉末充填材との合量に対して粉末充填材が重
    量比で10〜60%であることを特徴とした特許請求
    の範囲第1項記載のポリアミドイミド樹脂複層材
    料。 4 (イ) ポリエチレンテレフタレート樹脂フイル
    ムに、ポリアミドイミド樹脂ワニスを塗布し、
    全体を加温して溶剤の大部分を除去して指触乾
    燥状態のポリアミドイミド樹脂層が一様に形成
    されたポリエチレンテレフタレート樹脂フイル
    ムを得る工程、 (ロ) 該フイルムを裏金上に重ね合わせて溶剤の沸
    点以下の温度に加熱加圧し、ポリエチレンテレ
    フタレート樹脂フイルム上のポリアミドイミド
    樹脂層を該裏金上に転写して第一のポリアミド
    イミド樹脂層を形成させる工程、 (ハ) 転写後に、ポリエチレンテレフタレート樹脂
    フイルムを第一のポリアミドイミド樹脂層から
    引剥して除去する工程、 (ニ) ポリエチレンテレフタレート樹脂フイルム
    に、粉末充填材入りポリアミドイミド樹脂ワニ
    スを塗布し、全体を加温して溶剤の大部分を除
    去して指触乾燥状態の粉末充填材入りポリアミ
    ドイミド樹脂層が一様に形成されたポリエチレ
    ンテレフタレート樹脂フイルムを得る工程、 (ホ) (ニ)で得たポリエチレンテレフタレート樹脂フ
    イルムを、(ハ)で得た裏金の第一のポリアミドイ
    ミド樹脂層上に重ね合わせて溶剤の沸点以下の
    温度に加熱加圧し、該粉末充填材入りポリアミ
    ドイミド樹脂層を第一のポリアミドイミド樹脂
    層上に転写して第二のポリアミドイミド樹脂層
    を形成させる工程、 (ヘ) 転写後に、ポリエチレンテレフタレート樹脂
    フイルムを第二のポリアミドイミド樹脂層から
    引剥して除去する工程、 (ト) (ヘ)によつて得られた第一、第二のポリアミド
    イミド樹脂層を有する裏金を加圧または無加圧
    の状態で溶剤の沸点以上であつて300℃以下の
    温度に徐々に昇温させてポリアミドイミド樹脂
    を硬化させる工程、 以上、(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)(ヘ)および(ト)の工程か
    らなるポ
    リアミドイミド樹脂複層材料の製造方法。 5 ポリアミドイミド樹脂ワニス中の溶剤が、N
    −メチル−2−ピロリドンであることを特徴とし
    た特許請求の範囲第4項記載のポリアミドイミド
    樹脂複層材料の製造方法。
JP4551082A 1982-03-24 1982-03-24 ポリアミドイミド樹脂複層材料ならびにその製造方法 Granted JPS58162341A (ja)

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JP4551082A JPS58162341A (ja) 1982-03-24 1982-03-24 ポリアミドイミド樹脂複層材料ならびにその製造方法

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Publications (2)

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JPS58162341A JPS58162341A (ja) 1983-09-27
JPH0141498B2 true JPH0141498B2 (ja) 1989-09-06

Family

ID=12721402

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JP4551082A Granted JPS58162341A (ja) 1982-03-24 1982-03-24 ポリアミドイミド樹脂複層材料ならびにその製造方法

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JPS5134952A (ja) * 1974-07-23 1976-03-25 Gen Electric
JPS55139429A (en) * 1979-04-16 1980-10-31 Oiles Ind Co Ltd Synthetic resin-laminated slide material

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