JPH0141497Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は使用済エアゾール缶に関するものであ
り、尚詳しくは缶内に残留するガスによる缶廃棄
後の爆発等の事故を防止する為に、缶底等の缶胴
部に容易に開口できる残留ガス排出機能を有する
止栓を付加する様にした缶容器である。

［従来の技術］ 最近は殺虫剤のみならずガラス清浄剤に至るま
で缶入りのエアゾールを使用する様になり、エア
ゾール缶が広く普及する様になつた。そして、使
用済のエアゾール缶を誤つて火中に投入した際に
は相当大なる威力をもつて爆発する危険性を具え
ている。

この為、エアゾール缶の廃棄に当つては、釘等
の先端が鋭利にして強剛なものを缶胴に打ち込み
残留ガスを排出しなければならなかつた。

又、残留ガスの排出を容易に行ない得る様にす
る為、エアゾール缶の底部や側壁部下方等に直接
切込み線及び引手を付設し、引手を引き上げるこ
とにより底部等に形成した切込み線位置で破断を
生じさせる様にしたものもある。

［考案が解決しようとする課題］ 前記釘等を缶胴に打ち込む作業は案外面倒であ
るのみでなく相当な力を必要とした。

又、エアゾール缶の底部等の缶胴部に引手及び
切込線を付設した缶容器は、残留ガスの排出は容
易であるも、缶容器の製造に手数を要し安価に製
造することが困難な欠点が有つた。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、缶胴部の所要箇所に適宜径の小孔を
穿孔し、前記小孔を止栓により塞ぐこととし、該
止栓の缶内部分端部に開口し缶外部分上側端近く
に至る排出穴を止栓に設け、且つ、止栓の缶外膨
大部から一側方へ延設して引上げ片とし、該引上
げ片の付け根部分に止栓中心方向の排出穴底部へ
向けて切込みを設けることとする。

［作用］ 本考案は、止栓により缶胴部の所要箇所に形成
した小孔を塞ぐものである故、缶容器としては小
孔を穿孔すれば足り、該缶容器の小孔を別途製造
する止栓により塞ぐ故、製造が容易である。

更に、該止栓には排出穴、引上げ片及び切込み
を形成する故、引上げ片を引き上げることにより
切込みに沿つて容易に破断を生じさせ、該止栓に
設けた排出穴を外部に連通させて容器内の残留ガ
スを排出することができる。

［実施例］ 本考案に係る実施例は、第１図及び第２図に示
す如くエアゾール缶の缶胴部の所要箇所である缶
底板１１に適宜大きさの小孔１２を穿孔し之を充
分に塞ぐと共に、缶内部分１４及び缶外部分１５
の何れにおいても前記小孔１２の径よりも大なる
径の缶内膨大部１６と缶外膨大部１７とを具えた
止栓２０を嵌めるものである。

この止栓２０は、その缶内部分１４には略中心
軸線に沿つた排出穴２１を設け、その上端を開放
口２２とすると共に下端を缶外部分１５の上側端
近傍に達せしめて底部とし、又、該止栓２０の缶
外部分２０の膨大部１７を一側方へ延設して引上
げ片２３とすると共に該引上げ片２３の付け根部
分にして缶体外側に対応する位置へ該止栓２０の
中心軸方向への僅かな切込み２４を設けることに
より排出穴２１の底部側方位置に切込み２４を位
置させておくものである。

上述の如く止栓２０は缶胴部に設けた小孔１２
よりも大径の缶内膨大部１６と缶外膨大部１７と
を該小孔１２の上下に具えているから、缶内の大
なるガス圧によつても容易には開栓はしない。そ
して止栓２０に設ける排出穴２１はその直径を極
めて小さくすることが可能であり且つ容易である
故、排出穴２１の直径を小さくすることによりエ
アゾール缶のガス圧によつて排出穴２１の閉鎖端
部である底部周辺部が受ける圧力を小さくするこ
とができ、通常は排出穴の底部周辺部が不用意に
破断されることはない。他方、引上げ片２３を引
き上げると、引上げ片２３の付け根部分には切込
み２４が栓中心方向に向けて設けてある故、引上
げ片２３を引き上げるとき、引上げ片２３の付け
根部分において第３図に示す如く切込み２４の先
端から容易に栓中心部分へ引裂かれることとな
り、該止栓２０の排出穴２１はその底部近傍で缶
外へ連通し、缶容器は容易に開放状態となり、缶
内の残留ガスを排出穴２１を経て缶外へ排出する
ことができる。

尚、缶内部分１４は缶底板１１に設けた小孔１
２よりも大きな直径を有すれば足り、第４図に示
す如く缶底板１１に沿つて押しつぶした形状であ
つてもよい。

この様に、本実施例は膨大部１６，１７を有す
る止栓２０であつて、該止栓２０の中心軸線に沿
つた排出穴２１と缶外膨大部１７に形成した引上
げ片２３及び引上げ片２３の付け根に切込み２４
とを形成した止栓２０を、缶内膨大部１６及び缶
外膨大部１７により缶底板１１等の缶胴所要箇所
に設けた小孔１２へ挿入固定するものである故、
缶容器の製造が容易であり、且つ、使用後の残留
ガスを容易に排出し得るものである。

尚、止栓２０は合成樹脂製に限ることはない。

［考案の効果］ 本考案は、排出穴、引上げ片及び切込みを有す
る止栓により缶胴の所要箇所に形成した小孔を塞
ぐものである故、小孔を止栓を用いて塞ぐことに
より缶容器内を高圧とするエアゾール缶を容易に
製造することができ、又、引上げ片を持ち上げる
ことにより容易に止栓の切込みから破断を生じさ
せ、排出穴を外部に連通させ得るエアゾール缶で
あつて、該エアゾール缶を使用した後は、引上げ
片により極めて容易に缶容器内の残留ガスを排出
し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る引上げ片を缶底に取付け
た図にして、第２図は引上げ片を起した図、第３
図は開口状態を示す図であり、第４図は他の実施
例を示す図。 １１……缶底板、１２……小孔、１４……缶内
部分、１５……缶外部分、１６……缶内膨大部、
１７……缶外膨大部、２０……止栓、２１……排
出穴、２２……開放口、２３……引上げ片、２４
……切込み。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 缶胴部の所要箇所に適宜径の小孔を穿孔し、前
   記小孔を充分に塞ぐ止栓であつて、該止栓の缶内
   部分端部を開放口とし且つ缶内部分端部から缶外
   部分端部近くに至り、缶外部分端部近くを底部と
   する排出穴を有し、更に該止栓の缶外膨大部から
   一側方へ延設した引上げ片と、該引上げ片の付け
   根部分に止栓中心方向の前記排出穴底部へ向けた
   切込みとを有する止栓を用いて前記小孔を閉鎖し
   た構造を特徴とする引上げ片を具えた止栓を有す
   るエアゾール缶。