JPH0510944Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、消費ずみの化粧品用スプレー缶、可
燃性ガス缶、殺虫剤散布用エアゾール缶などの圧
力缶容器類に残存しているガスを、ガス抜きする
ために使用する残存ガス抜き用具に関するもので
ある。

［従来の技術］ 一般に、各種のスプレー缶や可燃性ガス缶など
は、一種の圧力容器であり、従来から化粧品用、
殺虫剤用、携帯コンロ用などに多用されている。

そして、上記圧力缶容器を廃棄する場合には、
残存ガスが入つているまま捨てることは、火災や
爆発がおこるなど、ひいては人体に怪我や火傷を
与えるなどの危険があるため、該圧力缶容器に孔
をあけて、残存ガスを抜いてから捨てるように、
注意書きがなされている。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、従来は、圧力缶容器の残存ガス
を家庭で簡単に抜きとる用具がなかつたため、た
とえば、圧力缶容器に釘を金槌で打ち込んで孔を
あけるなどをしていた。

このため、その孔あけが非常に面倒であるとい
う問題点があり、しかも、その孔があいた瞬間に
残存ガスが急激に人間のほうに噴き出して手や顔
などに強く噴きかけられ、非常に危険であるとい
う問題点があつた。

本考案は、上記のような問題点を解決しようと
するものである。すなわち、本考案は、孔あけが
容易で、かつ、危険を伴なわない圧力缶容器類に
おける残存ガス抜き用具を提供するものである。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案は、円形状
もしくは任意の多角形状をなして所要の厚さを有
する連続気泡性の可縮弾性スポンジ片と、裏面を
該可縮弾性スポンジ片の一方の面に貼着した頭板
部材を有するとともに該頭板部材に一体的に設け
られて前記可縮弾性スポンジ片の中心孔から該ス
ポンジ片の他方の面に向けて差し込まれた孔あけ
用の棒状部材を有するパンチ片と、該パンチ片の
前記頭板部材の表面に貼着された磁石片とを備
え、かつ、前記パンチ片の該棒状部材の先端が錐
状に尖つていてその先端の付近に螺旋状の抜け止
め係止用の溝を有しているものとした。

［作用］ 本考案によれば、使用に際しては、まず、この
ガス抜き用具の磁石片を金槌の叩面に磁気的に吸
着させて、その金槌と該ガス抜き用具を一体化す
る。つぎに、ガスが残存している圧力缶容器を左
手で保持し、右手で該金槌を握り、パンチ片の棒
状部材の先端を該圧力缶容器に向く方向にして一
撃する。

すると、連続気泡性の可縮弾性スポンジ片が弾
性圧縮されて該棒状部材の先端が該圧力缶容器に
ささり、瞬時に該圧力缶容器に孔があけられる。

この孔のあいた瞬間に、前記スポンジ片は復元
して該ガス抜き用具は前記圧力缶容器から抜ける
方向に戻されるが、該棒状部材に設けられた抜け
止め係止用の溝に該圧力缶容器の孔部が引掛つて
抜けることが係止される。

またその孔のあいた瞬間に、前記スポンジ片
は、その穴から噴き出す残存ガスを吸収し、該ガ
スは前記スポンジ片の連続気泡内で噴出力が減殺
されて該スポンジ片の放射方向に分散放出するこ
とになり、一方、前記パンチ片の頭板部材および
磁石片がそのガスの人間への噴きかけを阻止する
ので、危険性はない。

最後に、前記ガス抜き用具を該圧力缶容器から
指でつまんで抜き取ればよい。

［実施例］ 第１図ないし第３図は本考案の一実施例を示し
ている。

第１図ないし第３図において、１は円形状をな
して所要の厚さを有する連続気泡性の可縮弾性ス
ポンジ片、２はパンチ片、３はゴム磁石片であ
る。

また第２図および第３図において、４は金槌、
第３図において、５および６は接着層、７は残存
ガスを有する圧力缶容器である。

すなわち、第３図に拡大して示すように、パン
チ片２は、裏面を可縮弾性スポンジ片１の一方の
面に接着剤で貼着した頭板部材２ａを有するとと
もに、この頭板部材２ａに一体的に溶着されて前
記スポンジ片１の中心孔１ａから該スポンジ片１
の他方の面に向けて差し込まれた孔あけ用の棒状
部材２ｂを有している。また前記棒状部材２ｂの
先端２ｃは錐状に尖つていてその先端２ｃの付近
に螺旋状の抜け止め係止用の溝２ｄを有してい
る。そして、前記頭板部材２ａの表面に接着剤で
貼着したゴム磁石片３が設けられている。

図示のように構成された圧力缶容器類における
残存ガス抜き用具においては、使用に際しては、
まず、第２図および第３図に示すように、ゴム磁
石片３を金槌４の叩面に磁石的に吸着させて、金
槌と該ガス抜き用具を一体化する。つぎに、ガス
が残存している圧力缶容器７を左手で保持し、右
手で金槌４を握り、第３図に示すように、パンチ
片２の棒状部材２ｂの先端２ｃを圧力缶容器７に
向く方向にして一撃する。

すると、連続気泡性の可縮弾性スポンジ片１が
一時的に圧縮されて棒状部材２ｂの先端２ｃが圧
力缶容器７にささり、瞬時に圧力缶容器７に孔が
あけられる。

この孔のあいた瞬間に、前記スポンジ片１は復
元して該ガス抜き用具は圧力缶容器７から抜ける
方向に戻されるが、棒状部材２ｂに設けられた抜
け止め係止用の溝２ｄに圧力缶容器７の孔部が引
掛つて抜けることが係止される。したがつて、該
残存ガス抜き用具は圧力缶容器７に取り付いたま
まで、金槌４をゴム磁石片３との吸着力に抗して
該残存ガス抜き用具から分離させることができ
る。

またその孔のあいた瞬間に、前記スポンジ片１
は、その孔から噴き出す残存ガスを吸収し、該ガ
スは前記スポンジ片１の連続気泡内で噴出力が減
殺されて該スポンジ片の放射方向に分散放出する
ことになり、一方、パンチ片２の頭板部材２ａお
よびゴム磁石片３がそのガスの人間への噴きかけ
を防止するので危険性はない。

最後に、該残存ガス抜き用具を圧力缶容器７か
ら手で抜き取ればよい。

なお上記実施例では、第１図にみられるよう
に、可縮弾性スポンジ片１、頭板部材２ａ、ゴム
磁石片３の形状を円形状にしているが、これら
は、任意の多角形状にしてもよい。また前記残存
ガス抜き用具は、圧力缶容器７の製造工程で、該
容器７のキヤツプ内に収納するなどして販売する
ことが望ましい。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案によれば、表面に
磁石片を備え、中間に頭板部材と先端が錐状に尖
つている孔あけ用の棒状部材とを有するパンチ片
を備え、裏面に連続気泡性の可縮弾性スポンジ片
を備えているので、残存ガス抜きに使用する際
は、上記実施例でも述べたように、金槌の叩面に
その磁石片を吸着させ、該パンチ片の棒状部材に
先端を圧力缶容器類のほうに向く方向にして一撃
することで、簡単に孔があけられる。しかも、こ
の孔のあいた瞬間に、弾性圧縮された可縮性スポ
ンジ片は復元するとともに、その孔から噴き出す
残存ガスを吸収し、そのガスは可縮性スポンジ片
の連続気泡内で噴出力が減殺されて該スポンジ片
の放射方向に分散放出することになり、一方、パ
ンチ片の頭板部材および磁石片がそのガスの人間
への噴きかけを阻止するので、危険性はなく安全
である。また前記孔のあいた瞬間に、該スポンジ
片は復元して該残存ガス抜き用具は圧力缶容器類
から抜ける方向に戻されるが、前記パンチ片に孔
あけ用の棒状部材の先端付近には、抜け止め係止
用の溝を有するので、この溝に圧力缶容器類の孔
部が引掛つて抜けることが係止され、したがつ
て、該残存ガス抜き用具は圧力容器類に取り付い
たままで、金槌をゴム磁石片との吸着力に抗して
該残存ガス抜き用具から分離させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示した一部切欠正
面図、第２図は第１図の側面図、第３図は第１図
の切断線Ａ−Ａに沿う拡大断面側面図。 １……連続気泡性の可縮弾性スポンジ片、１ａ
……中心孔、２……パンチ片、２ａ……頭板部
材、２ｂ……棒状部材、２ｃ……先端、２ｄ……
溝、３……ゴム磁石片、４……金槌、５，６……
接着層、７……圧力缶容器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所要の厚さおよび形状を有する連続気泡性の可
   縮弾性スポンジ片と、裏面を該可縮弾性スポンジ
   片の一方の面に貼着した頭板部材を有するととも
   に該頭板部材に一体的に設けられて前記可縮弾性
   スポンジ片の中心孔から該スポンジ片の他方の面
   に向けて差し込まれた孔あけ用の棒状部材を有す
   るパンチ片と、該パンチ片の前記頭板部材の表面
   に貼着された磁石片とを備え、かつ、前記パンチ
   片の該棒状部材の先端が錐状に尖つていてその先
   端の付近に螺旋状の抜け止め係止用の溝を有して
   いることを特徴とする圧力缶容器類における残存
   ガス抜き用具。