JPH0141065Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はヒートポンプ式調和機による室内の冷
暖房装置に係る。

室内床面からの輻射熱による床暖房は理想的な
快適暖房として認められ、具体的には床層に温水
管を配設し、或いは電気的発熱体を敷設する等の
方式を採用している。

しかるに一般のビルでは、この暖房方式を部分
的以外殆んど用いられない理由として、別個に冷
房運転設備を必要とするため設備費が嵩ばるこ
と、且つ温水管設備において洩れ防止の必要があ
り、又電気的発熱体を利用する場合には規模が大
きくなると使用電気量が増大する等の要因があつ
た。

本考案はこれらの状況に鑑み、ヒートポンプ式
空気調和機を用いて、これにより得られる温風で
床を加温して輻射暖房を行ない、又冷房時には冷
風を直接室内に吹出拡散させて、夫々快適な冷暖
房を有利に行なうようにしたもので、建物内にお
いて室の床と階下の室の天井板との間に形成され
る空間部に床の下面に沿い床との間に適宜の間隔
を存して設けた壁板により加温室を区画形成し、
その下側の建物外壁側に近くヒートポンプ式空気
調和機を設備し、該空気調和機の調和空気吹出し
ダクトをダンパーにより前記加温室に連通する暖
気送風口と、室内上方に向つて開口連通する冷気
送風口とに切換連通させると共に給気口を空間部
に開口し、壁板には適宜の位置で上面の加温室内
を下面の空間部に連通させる連通口を開口し、床
には室内を加温室の連通口を介して下面の空間部
に連通させる開閉式の連通口を設け、両連通口は
加温室を介して上下に対向させて成る。

本考案を図示の実施例について説明する。

建物の外壁側において室１内の床２と階下の室
１′の天井板３との間に形成される空間部４に、
外壁に近くヒートポンプ式空気調和機５を設置す
ると共に床２の下面に沿い床スラブ２ａと壁板１
１とにより加温室８を形成し、該加温室８内に暖
気を吹込むことにより加温室８の上面床スラブ２
ａを加温して床面からの輻射熱により室１内を暖
房するようにした。

即ちヒートポンプ式空気調和機５の調和空気の
送気ダクト６をダンパー７を介して加温室８内に
開口連通する暖気送風口９と、室１内に上方に向
つて開口連通する冷気送風口１０とに切換連通さ
せるようにし、空気調和機５で得られる暖気と冷
気をダンパー７の切換えにより夫々の送風口９，
１０から加温室８と室１内に吹込むようにして輻
射熱による床暖房で室１内を暖房し、直接冷気の
吹込みにより室内の冷房を行わせる。

図示例において床１下面に形成する加温室８は
床スラブ２ａを上面とし、壁板１１を下面として
区画形成したが、床面を輻射壁板とし下面を床ス
ラブ２ａとしてその間に加温室８を形成し、床暖
房は輻射壁板の加熱により行なう場合もある。

上記加温室８内に吹込んで床暖房を行なつた暖
気は第２図並に第３図で示すように仕切壁８ａ，
８ａで三室に仕切つた中央の加温室８から仕切壁
８ａ，８ａの各端部に形成した通気口８ｂ，８ｂ
を経て両側の室に分れて進入して上面の床スラブ
２ａを加熱した後、両側の仕切室の外壁側端部に
設けた連通１３，１３から加温室８下面の空間部
４に流出して空気調和機５の給気口１２に還流さ
せるようにした。

又、ヒートポンプ運転の切換えによる冷房作動
において、冷気送風口１０から室１内上方に向つ
て吹出した冷気は、順次下降して第５図および第
６図で示すように外壁側端部に設けた開閉式連通
口１４，１４からその下面に位置する前記の連通
口１３，１３を経て空間部４に流出した後、空気
調和機５の吸気口１２に還流させるようにした。

尚、床面積が比較的大きい場合は、加温室８内
を仕切壁８ａにより例えば図示例のように３室に
区画して中央仕切室内の外壁側に暖気送風口９を
開口し、これからの暖気を仕切壁８ａ端部の通気
孔８ｂを経て両側の仕切室内に分流させた後、該
両側仕切室の外壁側に開口した連通口１３，１３
から空間部４に流出環流させて広い加温室８内に
おける暖気の流れを円滑にして全面において平均
した暖房効果を得るよう仕切壁８ａによる仕切室
の数、連通口１３の数とその位置を設定するが、
比較的狭い加温室又は広い加温室の場合でも仕切
壁を設けることなく、暖気送風口９に対し壁板１
０の適当な位置に暖気流出用の連通口１３のみを
設けてもよい。

このように本考案によるときはヒートポンプ式
空気調和機５を利用してこれを床下に設置し、暖
房は該空気調和機５で得られる暖気を床下面に沿
つて形成した加温室８に吹出させて床面から輻射
熱による床暖房を行ない、冷房は空気調和機５で
得られる冷気を直接室１内に吹出すようにし、特
に床暖房手段はヒートポンプ式空気調和機５で得
られる暖気を加温室８に吹込むだけであるから従
来の輻射式床暖房設備に比し遥かに簡便で、且つ
吹出した暖気および冷気の還流設備も簡潔で処理
は円滑に行われ、暖房効率は至極良好でしかも経
済的である効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
暖房作用時の截断側面図、第２図は第１図の−
線截断平面図、第３図は第２図の−線断面
図、第４図は冷房作用時の截断側面図、第５図は
第４図の−線截断平面図、第６図は第５図の
−線断面図、第７図は一部の拡大断面であ
る。 １……室、１′……階下室、２……床、３……
階下の天井板、４……空間部、５……ヒートポン
プ式空気調和機、６……調和空気送気ダクト、７
……ダンパー、８……加温室、９……暖気送風
口、１０……冷気送風口、１１……区画壁板、１
２……空気調和機の給気口、１３，１４……還流
連通口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建物内において室１の床２と階下の室１′の天
   井板３との間に形成される空間部４に床２の下面
   に沿い床２との間に適宜の間隔を存して設けた壁
   板１１により加温室８を区画形成し、その下側の
   建物外壁側に近くヒートポンプ式空気調和機５を
   設備し、該空気調和機５の調和空気吹出しダクト
   ６をダンパー７により前記加温室８に連通する暖
   気送風口９と、室１内上方に向つて開口連通する
   冷気送風口１０とに切換連通させると共に給気口
   １２を空間部４に開口し、壁板１１には適宜の位
   置で上面の加温室８内を下面の空間部４に連通さ
   せる連通口１３を開口し、床２には室１内を加温
   室８の連通口１３を介して下面の空間部４に連通
   させる開閉式の連通口１４を設け、両連通口１
   ３，１４は加温室８を介して上下に対向させて成
   るヒートポンプ式空気調和機による冷暖房装置。