JPH0140476Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は紙巻タバコを喫煙する際に用いられる
パイプに関するものであり、特にパイプの煙の中
に含まれる有害物質の濃度を減少させることによ
つて喫煙者の健康を保持するとともに節煙の効果
も得られるようにしたパイプに関するものであ
る。

（従来の技術） 最近は、喫煙が健康に及ぼす悪影響が大きくと
り上げられるようになり、特に紙巻タバコの煙の
中にはコールタールやニコチンのような有害な物
質が含まれているので健康を害する恐れが高いと
云われている。タバコの煙に含まれるこのような
有害物質の濃度を軽減するために、タバコと一体
にフイルタを設けた、いわゆるフイルタ付きタバ
コが広く販売されるようになつてきた。このフイ
ルタとしては種々の構成のものが考えられている
が、主としてその長さが限られていると云う事実
によつて有害物質を十分有効に除去することがで
きない。

そこで、タバコの煙に含まれる有害物質をさら
に有効に除去するために、本体内部にフイルタを
交換可能に設けたパイプが開発されている。

（考案が解決しようとする問題点） 上述した従来のパイプを用いてフイルタ付きタ
バコを喫煙する場合には、タバコの煙は２重フイ
ルタを通して喫煙者に吸引されるため有害物質の
除去効果はパイプを用いない場合に比べると大き
いが、空気抵抗が大きくなるため、喫煙者が吸引
する空気量は少なくなり、十分な喫煙感が得られ
ない欠点がある。したがつて、従来のパイプを使
用した場合でも、１日に吸うタバコの本数が減る
ことはなく、むしろ増えてしまう傾向にある。し
たがつて、タバコ１本当りに吸引される有害物質
の量は減少するものの、１日当りに吸引される有
害物質の総量はかえつて増大してしまうというよ
うな欠点があつた。

本考案の目的は、上述した従来のパイプの欠点
を除去し、１本当りの有害物質の量を減らすこと
ができるとともに満足な喫煙感が得られ、その結
果として１日当りに喫煙するタバコの本数を無理
なく減らすことができ、これらの相乗効果として
吸引される有害物質の総量を減らし、喫煙者の健
康を確保することができる紙巻タバコ用パイプを
提供しようとするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案のパイプは、内部に、２段以上のフイル
タを挿脱可能に装填し得るフイルタ空間を有する
ほぼＬ字状の導管部と、この導管部の外側に着脱
自在に嵌合される外胴部と、前記導管部に着脱自
在に連結され、導管部のフイルタ空間に連通し、
吸口まで延在する煙道を有するステム部と、紙巻
タバコの根本部が嵌入される孔を有し、この孔が
前記導管部のフイルタ空間と連通されるように導
管部に対して着脱自在にねじにより螺合されるキ
ヤツプ部とを具え、前記外胴部とキヤツプ部との
間の調整可能な間隙を経てフイルタ空間に吸引さ
れる空気でタバコの煙を希釈し得るように構成し
たことを特徴とするものである。

（作用） 上述した本考案のパイプを用いてフイルタ付き
タバコを喫煙する場合には、タバコの煙は先ずタ
バコと一体のフイルタによつて濾過された後、本
体部に形成されたフイルタ空間に導かれ、ここで
煙は本体部とキヤツプ部との間の隙間から侵入す
る空気により希釈される。この希釈された煙はさ
らに２段以上のフイルタを経て吸引されることに
なる。したがつてフイルタ付きタバコを喫煙する
場合には３個のフイルタによつてタバコの煙は濾
過されることになるので有害物質は有効に除去さ
れることになる。また、本体部とキヤツプ部との
隙間から空気が吸引されるので喫煙感が損なわれ
るようなこともない。さらに、このように空気を
吸引するため、タバコの燃焼速度は遅くなり、１
本のタバコを喫煙している時間が長くなり、した
がつて１日当りの本数を自然に減らすことができ
る。このように煙に含まれる有害物質を除去する
ことができるとともに吸引される煙の量も減らす
ことができるため、喫煙者の健康維持に大いに貢
献することができる。

（実施例） 第１図〜第２図は本考案の紙巻タバコ用パイプ
の一実施例の構成を示すもので、第１図は分解斜
視図、第２図は断面図である。本例のパイプは４
つの部分から構成されている。すなわち、内部に
２段のフイルタを交換可能に収納し得るフイルタ
空間1aを有するほぼＬ字状の導管部１と、この
導管部１の上部外周面に形成された雄ねじ１ｂと
螺合する雌ねじ２ａを中央孔２ｂの下部内面に形
成したキヤツプ部２と、導管部１の外周面に嵌合
されて本体部３を構成する外胴部４と、導管部１
のフイルタ空間１ａと連通する煙道５ａを吸口５
ｂまで延在させたステム部５とを具えている。外
胴部４をＬ字状の導管部１に嵌合し、キヤツプ部
２を導管部に螺合すると第２図に示すように全体
として通常のパイプ、特にコーンパイプのような
外観を呈することになる。上述した導管部１、キ
ヤツプ部２、外胴部４およびステム部５はそれぞ
れプラスチツクの成形体を以つて構成することが
できる。この場合、外胴部４を黄色に着色し、そ
の外周面に模様を形成することによりコーンパイ
プの感じを出すことができる。

導管部１の内部に形成したフイルタ空間１ａに
は２段のフイルタ６ａおよび６ｂを直列に交換可
能に挿入する。下側のフイルタ６ａは、例えばガ
ーゼを巻回したもので、その内部に香料を含浸さ
せたものである。また上側のフイルタ６ｂは、フ
イルタ付きタバコを喫煙する場合には、喫煙済み
のタバコから切り離したフイルタとすることがで
きる。このようなフイルタを用いる場合には上側
のフイルタ６ｂは頻繁に交換するが、下側のフイ
ルタ６ａは相当長い期間に亘つて使用することが
できる。

キヤツプ部２にあけた中央孔２ｂにはタバコ７
の根元を嵌入する。したがつてタバコの煙は、タ
バコ７と一体のフイルタ７ａによつて濾過された
後、本体部３のフイルタ空間１ａ内に導びかれ
る。ここでキヤツプ部２と導管部１との間の螺合
状態を、キヤツプ部を導管部に対して回動させる
ことによつて変えることができ、これによつて導
管部１とキヤツプ部２との間の隙間の間隔を調整
することができる。したがつて、パイプの吸口５
ｂから吸引したときにタバコ７から流入するタバ
コの煙と前記の隙間から流入する煙を含まない清
浄な空気とが同時に流入されることになり、タバ
コの煙は希釈されることになる。この希釈割合は
キヤツプ部２を回動することによつて大幅に調整
することができる。すなわち、キヤツプ部２を導
管部１に緊締すると、これらの間の隙間はなくな
り、タバコ７からのみ空気は吸引されることにな
り、タバコの煙は希釈されることはなくなる。一
方、キヤツプ部２を緩めると、隙間は大きくな
り、これを経て多量の空気が吸引されるので、タ
バコの煙は大幅に希釈されることになる。このよ
うに、キヤツプ部２と本体部３との間に隙間を設
け、ここから空気を採り入れるようにしたため、
タバコの煙は希釈されるとともに吸引するときの
空気抵抗は小さくなり、喫煙感が損われることは
なくなる。また、このときタバコ７を経て流入さ
れる空気量はそれだけ少なくなるため、１本のタ
バコを喫煙している時間は長くなり、それだけ１
日当りに喫煙するタバコの本数は少なくなり、無
理なく節煙効果を得ることができる。また、上述
したキヤツプ部２と本体部３との間の隙間はパイ
プの使用者が自らの好みに応じて容易に調整する
ことができるので、違和感を無くすことができ
る。

上述したように、清浄な空気によつて希釈され
たタバコの煙はさらに２重のフイルタ６ａおよび
６ｂによつて濾過され、煙に含まれる有害な成分
は十分に除去されることになる。また、本例のパ
イプはその底面が平坦であるのでテーブル等の上
に安定に置くことができる。

第３図および第４図は本考案の紙巻タバコ用パ
イプの他の実施例を示す断面図であり、全体の構
成は前例と同様であるので同じ部分には同じ符号
を付けて示す。上述したように導管部１の底面は
平坦であるため、火を付けたタバコを装着したま
までパイプをテーブル上に置くことができ、した
がつて火災等を発生させる恐れはないが、このま
まの状態にしておくと灰が落下してテーブルを汚
す恐れがある。そこで本例ではキヤツプ部２の外
周面に円筒状の灰受け皿８を設ける。この場合、
灰受け皿がキヤツプ部に対して固定的に設けられ
ているとタバコをキヤツプ部に装填するのが不便
となるので、灰受け皿８の上下の内面に突起８
ａ，８ｂを一体的に形成するとともにキヤツプ部
２の外周面には上側および下側の突起８ａおよび
８ｂが嵌合する円周方向の溝２ｃと、下側の突起
８ｂが嵌合する円周方向の短い溝２ｄと、これら
溝を結ぶ軸線方向の溝２ｅとを形成する。第３図
は灰受け皿８を下方に収納した状態を示し、この
状態ではその突起８ａおよび８ｂは溝２ｃおよび
２ｄにそれぞれ嵌合している。この場合、溝２ｄ
は短いので、灰受け皿８を回動することによりキ
ヤツプ部２を本体部３に対して回動し、これらの
間の間隙を調整することができる。第４図は灰受
け皿８の突起８ｂを溝２ｅに沿つて上方に移動さ
せた後、灰受け皿をキヤツプ部２に対して回動さ
せて突起８ｂを溝２ｃに嵌合させた状態を示す。
このようにして灰受け皿８を上方位置に固定する
ことができ、タバコの灰は灰受け皿の内部に落下
することになり、周囲を汚す恐れはなくなる。ま
た、灰受け皿８を第３図に示すようにキヤツプ部
２に沿つて降下させると、タバコをキヤツプ部に
対して挿脱する際の邪魔にはならない。

第５図は本考案による紙巻タバコ用パイプのさ
らに他の実施例を示す断面図であり、前例と同じ
部分には同じ符号を付けて示す。本例では導管部
１のフイルタ空間１ａ内に３段のフイルタ６ａ，
６ｂ，６ｃを配置することによつてタバコの煙に
含まれる物質をさらに有効に除去するようにした
ものである。第５図ではこれら３段のフイルタ６
ａ，６ｂ，６ｃの構造は相違するものとしている
が、同じ構造のフイルタを３段重ねて配置するこ
ともできる。勿論本例でもキヤツプ部２を導管部
１に対して回動させることによりこれらの間隙の
大きさを調整することができ、タバコの煙を任意
に希釈することができる。

（考案の効果） 上述した本考案のパイプによれば、フイルタ付
きタバコを喫煙する場合には３重のフイルタ作用
によつてタバコの煙から有害物質は有効に除去さ
れることになるとともにタバコの煙を清浄な空気
によつて任意に希釈することができ、十分満足す
べき喫煙感を得ることができる。また、空気を導
入することによつて１本のタバコを喫煙する時間
は長くなり、その結果として１日当りに喫煙する
タバコの本数を自然に減らすことができ、しかも
喫煙者には十分な本数のタバコを喫煙したという
満足感を与えることができる。

さらに本考案の紙巻タバコ用パイプを用いる場
合には、フイルタの段数を使用者の好みに応じて
変えることができ、無理なく使用を続けることが
できる。また、吸い終つたタバコのフイルタを切
取つてパイプに使用することができるため、吸い
終つたタバコの管理に注意が払われるようにな
り、火災の危険性が少なくなるとともに公衆道徳
上も好ましくなる。

さらに、キヤツプ部に灰受け皿を移動可能に取
付けた実施例では、火を付けたタバコを装填した
パイプをテーブルの上に置いたままにしておても
灰は灰受け皿内に落ちるのでテーブルを汚す恐れ
もなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案による紙巻タバコ
用パイプの一実施例の構成を示す分解斜視図およ
び断面図、第３図および第４図は本考案による紙
巻タバコ用パイプの他の実施例の構成を示す断面
図および正面図、第５図は本考案によるパイプの
さらに他の実施例の構成を示す断面図である。 １……導管部、１ａ……フイルタ空間、１ｂ…
…雄ねじ、２……キヤツプ部、２ａ……雌ねじ、
２ｂ……中央孔、３……本体部、４……外胴部、
５……ステム部、５ａ……煙道、５ｂ……吸口、
６ａ，６ｂ……フイルタ、７……タバコ、７ａ…
…フイルタ、８……灰受け皿。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部に、２段以上のフイルタを挿脱可能に装填
   し得るフイルタ空間を有するほぼＬ字状の導管部
   と、この導管部の外側に着脱自在に嵌合される外
   胴部と、前記導管部に着脱自在に連結され、導管
   部のフイルタ空間に連通し、吸口まで延在する煙
   道を有するステム部と、紙巻タバコの根本部が嵌
   入される孔を有し、この孔が前記導管部のフイル
   タ空間と連通されるように導管部に対して着脱自
   在にねじにより螺合されるキヤツプ部とを具え、
   前記外胴部とキヤツプ部との間の調整可能な間隙
   を経てフイルタ空間に吸引される空気でタバコの
   煙を希釈し得るように構成したことを特徴とする
   紙巻タバコ用パイプ。