JPH0140390Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は水道管、下水管等の地中埋設管の支持
具に関する。

〔従来の技術及びその問題点〕

軟弱地盤に配管される排水管、給水管等は、沈
下し易いという問題があり、この沈下量が大きい
場合、管の損傷を生じるおそれがある。このため
従来では砂埋戻しや管底に枕木等を敷設する等に
より配管の沈下を防止する対策が採られている
が、このような方法はその施工が煩雑であり、ま
た沈下も完全には防止し得ないという難点があ
る。

本考案はこのような従来の難点に鑑み考案され
たもので、地中埋設配管の沈下を適切に防止でき
る支持具を提供せんとするものである。

〔問題点を解決するための手段及び実施例〕

このため本考案は、構造物基礎部等の固定基部
に取付固定すべき取付部及び該取付部から垂設さ
れるスライドガイド部を有する取付部材と、該取
付部材に前記スライドガイド部に沿うようにして
回転自在に取付けられたネジ付軸と、該ネジ付軸
にネジ穴を介して保持され、前記スライドガイド
部に沿つて上下スライド可能な配管支持部材とか
ら構成せしめ、ネジ付軸の操作により配管支持部
材を取付部材に対して任意の高さに位置せしめら
れるようにしたものである。このような構成によ
り、構築物基礎部等の固定基部に対して配管を任
意の高さで且つ簡単に支持せしめ、その沈下を適
切に防止せしめることができる。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示すも
のである。

本考案の支持具は、構築物基礎部等の固定基部
に取付固定すべき取付部材１、該取付部材１に回
転自在に取付けられるネジ付軸２、及び取付部材
１にネジ付軸を介して保持されつつ上下スライド
可能に設けられる配管支持部材３から構成されて
いる。

前記取付部材１は固定基部に取付固定すべき取
付部４と、該取付部４から垂設されるスライドガ
イド部５とを有している。本実施例では、取付部
材１は長手方向で状に構成され、該状の水平
辺が取付部４として、また垂下辺がスライドガイ
ド部５として構成されている。

前記取付部４は構築物基礎部等に対してアンカ
ーボルト等を介して取付け固定されるもので、そ
のための複数の取付孔６が設けられている。

また前記スライドガイド部５は、下記する配管
支持部材３が当接して上下にスライドするもの
で、本実施例では上記支持部材３の一端を嵌合さ
せ上下にスライドさせるための案内溝７が上下方
向に形成されている。

前記ネジ付軸２は、前記スライドガイド部５に
沿うようその上端部を介してスライドガイド部５
の上部に回転自在に取付けられている。スライド
ガイド部５の上部にはネジ付軸２を保持するため
の軸受部８が設けられ、ネジ付軸２はその鍔部９
がこの軸受部８に係止されることにより垂下した
状態に保持されている。

前記配管支持部材３は、前記スライドガイド部
５から水平状に延出するよう取付けられるもの
で、一端側に前記ネジ付軸２を螺装すべきネジ穴
１０を有するとともに、前記スライドガイド部５
（案内溝７）に当接すべき摺動部１１を有してお
り、該摺動部１１をスライドガイド部５の案内溝
７に上下摺動可能に嵌合せしめた状態で、ネジ穴
１０に螺装せしめられたネジ付軸２により保持さ
れている。このように保持された配管支持部材３
はネジ付軸２の回転操作によりスライドガイド部
５に沿つて上下昇降する。また、この配管支持部
材３の先端には、支持した配管が外れないように
するため係止部３１が突設されている。

第２図は以上のような支持具イの取付状態を示
すもので、その取付部４を介してアンカーボルト
１２により構築物基礎部のベース１３（フーチ
ン）上面に固定され、配管支持部材３はネジ付軸
２により配管Ｐを適切な高さに支持できるよう高
さ調整がなされている。

なお、前記スライドガイド部５に対する配管支
持部材３のスライド機構としては、ネジ付軸２の
回転操作により配管支持部材３が回転しない程度
にこれを係止ないし拘束するものであれば形式を
問うものではなく、例えば第３図に示すようにス
ライドガイド部５をガイド棒として構成せしめる
とともに、配管支持部材３の端部にガイド環１４
を設け、このガイド環１４を前記スライドガイド
部５にスライド自在に外嵌せしめるような構成と
することができる。

また、上記したいずれの実施例においても第１
図に示すようにスライドガイド部５の下部にネジ
付軸２の螺装孔１７を設け、これによりネジ付軸
２の下端部を支持せしめるようにすることができ
る。

なお、配管支持部材３に支持された配管Ｐは、
例えば第５図に示すようにＵ字状部材１８とナツ
ト１９とからなる止めバンドＡ等により支持部材
に対して固定するようにすることが好ましい。

以上の実施例は取付部材１を構築物基礎部たる
ベース１３（フーチン）の上面に固定するように
したものであるが、他の実施例として、例えば第
４図に示すようにベース上部の基礎部分１５（布
基礎）の側面にアンカーボルト１６等により固定
するようにすることができ、この場合には取付部
材１の取付部４を、水平部４１と上方に連設され
た垂直部４２とにより構成せしめ、この取付部４
の垂直部４２を前記基礎部分１５に当接せしめ、
これをアンカーボルト１６で固定するものであ
る。なお、この場合でも水平部４１をベース１３
の上面に当接させ、上記アンカーボルト１６とと
もに配管支持作用の一部を負担させるようにする
ことが好ましい。

以上のような本考案の支持具イは第２図や第４
図に示すように、配管Ｐの支持高さに合せて配管
支持部材３の取付部材１に対する位置を調整せし
め且つ構築物基礎部等の固定基部Ｓに固定せしめ
られた状態で、その支持部材３上面で配管Ｐを支
持するものであり、これにより配管Ｐを確実に保
持し、その沈下を防止することができる。また、
このような本考案の支持具イの取付施工は、アン
カーボルト等により取付部４を固定基部Ｓに固定
するだけで済み、加えて配管支持のための高さ調
整もネジ付軸を回転操作するだけで済むものであ
るため配管沈下防止用の工事作業自体を極めて簡
単且つ能率的に行うことができる。

〔考案の効果〕

以上述べた本考案によれば、軟質地盤等に埋設
された配管を支持し、その沈下を適切に防止する
ことができ、また配管にその長手方向で勾配を付
けるような場合でもこれを精度良く支持すること
ができ、加えて構造が簡単でその取付施工も簡単
であることから配管施工を適切且つ経済的に行う
ことができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示すも
のであり、第１図は斜視図、第２図は取付状態を
示す側面図である。第３図は本考案の他の実施例
を示す斜視図である。第４図は本考案の他の実施
例の取付状態を示す側面図である。第５図は支持
された配管の固定方法の一例を示す説明図であ
る。 図において、１は取付部材、２はネジ付軸、３
は配管支持部材、４は取付部、５はスライドガイ
ド部を各示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 構造物基礎部等の固定基部に取付固定すべき取
   付部及び該取付部から垂設されるスライドガイド
   部を有する取付部材と、該取付部材に前記スライ
   ドガイド部に沿うようにして回転自在に取付けら
   れたネジ付軸と、該ネジ付軸にネジ穴を介して保
   持され、前記スライドガイド部に沿つて上下スラ
   イド可能な配管支持部材とからなる地中埋設配管
   の支持具。