JPH0140298B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は流体の流量を計測する流量検出装置に
関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来この種の流量検出装置は第１図及び第２図
に示すように構成されている。第１図、第２図に
おいて、１は断面円形状の環状流路でこの流路の
外周に流入通路２、及び流出通路３が開口してい
る。この流入通路２にはノズル４が設けられてい
る。また環状流路１内には球体５が挿入されてい
ると共に、透明窓６，７が構成され、発行素子８
と受光素子９が設けられている。このような構成
において流体が流入通路２のノズル４から環状流
路１内に入ると、流れは環状流路１内を環流しな
がら流入通路２から流出通路３へ流れ、それと共
に球体５も図中実線の矢印の方向に環状流路１内
を周回運動する。この球体の周回回転数は流体の
流量に比例するなど相関があるため、球体５の回
転数を発行素子８と受光素子９によりパルス信号
として検出し制御回路を通して流量を計測する。
この従来例の問題点としては第１に流量抵抗が大
きいことが上げられる。環状流路１を形成してい
るため流路の入口出口が方向変換し、それによる
曲がり損失を生じると共に、環流が流入通路附近
で流入通路２からの流れと交わるための流入抵抗
となつて損失を生じる。更に球体５の周回が促進
するように球体を環状流路１の断面積に近い大き
さで構成されている場合にも大きな流路抵抗とな
る。また流入通路２に球体５の周回を円滑にする
ようノズル４を設けるとさらに大きな流路抵抗と
なる。第２のセンサとしての構造が大きくなりや
すいなど構成上の課題がある。上記のように通路
抵抗が大きくなるためそれを低減するよう通路径
を大きくする必要があり、また直管などに対し、
環状流路１を有しているためその分のスペースが
必要でありセンサ全体として前後の通路に対し大
型になる。加えて流入通路２と流出通路３の方向
がある程度限定されることになり、センサとして
機器などに組込む構成上の制約が生じたり、全体
の大型化につながるなどの問題点がある。

また従来他の実施例としては、特開昭50−
51758号公報に記載の例がある。これは第１のス
ピンナーの羽根と第２のスピンナーの羽根の間で
ボールを周回するものであるが、ボールは第２の
スピンナーの羽根側のみに当接して周回する構成
であると共に、第２のスピンナーの羽根は一方向
流れのみ整流する目的で構成されているものであ
つた。

発明の目的 本発明はこのような従来の欠点を解消するもの
で流量抵抗の小さい小型コンパクトは流量検出装
置を提供することを目的とする。

発明の構成 この目的を達成するために本発明は流路中の順
方向に流れる被検出流体を軸流旋回させる第１の
旋回翼と、前記第１の旋回翼の後方に位置し、逆
方向に流れる前記被検出流体を軸流旋回させる第
２の旋回翼と、前記第１の旋回翼と前記第２の旋
回翼の間に位置し前記第１の旋回翼あるいは第２
の旋回翼に当接し流れの方向に対して垂直面で周
回可能な回転体と、前記回転体の周回回転を検出
する検出手段とからなり、前記第１の旋回翼と前
記第２の旋回翼は互いに曲げ角度が異なる構成と
したものである。

この構成で被検出流体の流入方向を変えること
により、流量レンジの異なる計測が可能で、かつ
低圧損で小型コンパクトな流量検出装置を得るこ
とができる。

実施例の説明 次に本発明の実施例について第３図、第４図に
基づいて説明する。第３図、第４図において１０
はハウジングであり、このハウジング１０の内部
には被検出流体を軸流旋回させる第１の旋回翼で
ある固定翼１１がケーシング１２に固定されてい
る。この固定翼１１の下流には流れの方向に対し
て垂直面で周回する流路断面積に比べ一段と小径
な回転体の磁性球体１３が設けられている。この
磁性球体の構成としては、鋼球、中空鋼球、樹脂
に磁性メツキをしさらに樹脂モールドを行なつた
球体がある。前記磁性球体１３の下流には前記固
定翼１１に比べ曲げ角度が大きく構成された第２
の旋回翼である固定翼１４がケーシング１２に固
定されている。固定翼１４の翼形状は被検出流体
の旋回方向が前記磁性球体１３の周回方向と同方
向となる形態に構成されている。ケーシング１２
はハウジング１０に挿入され、Ｃリング１５によ
り固定されている。またハウジング１０の外部に
は永久磁石１６と磁気検出素子である磁気抵抗素
子１７で構成された前記磁性球体１３の検出手段
の回転検出器１８が設けられ流量検出装置を構成
している。１９，２０は配管接続口であり２１は
流れ方向を示す矢印であり、２２は磁性球体１３
の回転方向を示す矢印である。

上記構成における動作を第３図、第４図におい
て説明する。第３図において被検出流体が矢印２
１の方向すなわち配管接続口１９の方向から流入
すると、被検出流体は固定翼１１に沿つて流れる
ことにより軸流旋回される。この結果旋回流の中
に置かれた磁性球体１３は、旋回流により運転力
を得て矢印２１に示した流れの方向に対して垂直
面で周回する。前記磁性球体１３の位置を通過し
た被検出流体は、固定翼１４により前記磁性球体
１３の周回方向と同方向に軸流旋回されて下流へ
と流れる。磁性球体１３の周回回転数は流量に比
例するためこの磁性球体１３の回転数を計測する
ことにより流量を測定することができる。その方
法としては、磁気抵抗素子１７に永久磁石１６に
より一定強さの磁界を与えておき、磁性球体１３
がこの磁界中を通過した際の磁気抵抗素子１７の
抵抗変化を電圧のパルス変化として取り出し制御
回路（図示せず）を介して計測するものである。

第４図は被検出流体の流入方向が配管接続口２
０側における図で、被検出流体は固定翼１４によ
り軸流旋回される結果、磁性球体１３は矢印２２
の方向に周回されるが固定翼１４の曲げ角度は固
定翼１１に比べ大きく構成されているため磁性球
体１３の周回回転速度は配管接続口２０から流入
した方が配管接続口１９から流入した場合に比べ
速くなり、回転数も増す（同流量において）。ま
た磁性球体１３が周回を始める流量、即ち始動流
量も低くなる。

磁性球体１３の回転数計測の方法は前述と同様
であり、本実施例においては、第１の旋回翼と第
２の旋回翼の曲げ角度を変えることにより被検出
手段の旋回速度を変えるため、その加工が容易で
低コストであり実用性に富む効果を有している。

発明の効果 以上の説明から明らかなように本発明は、流路
中を順方向に流れる被検出流体を軸流旋回させる
第１の旋回翼と、前記第１の旋回翼の後方に位置
し、逆方向に流れる前記被検出流体を軸流旋回さ
せる第２の旋回翼と、前記第１の旋回翼と前記第
２の旋回翼の間に位置し、前記第１の旋回翼ある
いは第２の旋回翼に当接し流れの方向に対して垂
直面で周回可能な回転体と、前記回転体の周回回
転数を検出する検出手段とからなり、前記第１の
旋回翼と前記第２の旋回翼は互いに曲げ角度が異
なるようにしたことにより (1) 少なくとも、２種類の流量レンジの流量検出
が可能となる。第１の旋回翼と第２の旋回翼で
生じる旋回速度が異なることにより、回転体の
始動流量を変えることが出来、少流量範囲計測
用と大流量範囲計測用に使い分けることができ
る。例えば旋回速度が速くなる方向に流した時
には0.5〜10／minの範囲、旋回速度が遅く
なる方向に流した時には２〜20／minの範囲
とすることが出来る。

また逆流検知としても使用可能でありその応
用範囲は広い。

(2) 回転体が第１の旋回翼あるいは第２の旋回翼
に当接して周回可能な構成であるため全体の流
れが短くなり小型コンパクト化を実現すること
ができる。また流路構造もシンプルで加工容易
である。

(3) 流量抵抗が小さい。被検出流体は軸流旋回さ
れるとともに、回転体も流路断面積に比べ一段
と小径に構成されている。また従来のボール式
流量センサとの比較においても流路の極端な変
化がない、流体自体の干渉がないなど流体の流
量抵抗は極めて小さくなる。

(4) 回転体が球体で構成されているため、周回時
の接触が点接触で周回時の接触抵抗が小さくな
り、低流量においても容易に回転体の周回動作
が得られ測定精度が良くなる。また球体である
ため周回時の流体抵抗も小さくなり圧損が低く
なる効果を有する。さらに回転体を磁性体で構
成し、磁気センサで検出する構成であり、流体
が不透明であつても流路外部からの計測が可能
である効果を有している。

なお、本発明は前記構成に限られるものでは
なく、第１の旋回翼と第２の旋回翼を一体に構
成してもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例における流量検出装置の流路の
水平断面図、第２図は同装置における垂直断面
図、第３図、第４図はそれぞれ本発明の一実施例
を示す流量検出装置の断面図である。 １１……第１の旋回翼（固定翼）、１３……回
転体（磁性球体）、１４……第２の旋回翼（固定
翼）、１８……検出手段（回転検出器）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 流路中を順方向に流れる被検出流体を軸流旋
   回させる第１の旋回翼と、前記第１の旋回翼の後
   方に位置し、逆方向に流れる前記被検出流体を軸
   流旋回させる第２の旋回翼と、前記第１の旋回翼
   と前記第２の旋回翼の間に位置し前記第１の旋回
   翼あるいは第２の旋回翼に当接し流れの方向に対
   して垂直面で周回可能な回転体と、前記回転体の
   周回回転数を検出する検出手段とからなり、前記
   第１の旋回翼と前記第２の旋回翼は互いに曲げ角
   度が異なる流量検出装置。 ２ 回転体は球体で構成した特許請求の範囲第１
   項記載の流量検出装置。 ３ 回転体を磁性体で構成し磁気センサで検出す
   る検出手段からなる特許請求の範囲第１項または
   第２項記載の流量検出装置。