JPH0140279Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は地中線管路を防護するコンクリート製
板の改良に関するものである。

（従来技術とその問題点） 地中線管路は、第３図〜第５図に示すように、
地盤中に各種配線を内蔵した管体ａを枕部材ｂ上
に載置した状態で埋設してなるものであり、この
管路の上方に該管路を防護する目的で防護板が敷
設されている。

このような防護板は、通常、平面矩形状のコン
クリート製平板であり、圧力に充分耐え得る強度
を保持させる必要上、軽量コンクリートを使用し
ても相当な重量物となつて、第６図に示す従来形
状のコンクリート板ｃでは把手がないために入力
での運搬、取扱いが困難である。

このため、第７図に示すように、両端部下面に
切欠段部ｄ，ｄを形成したコンクリート板ｃが使
用されているが、敷設作業時に、多数個積み上げ
た状態から一個宛取り出す際にはその段部に手を
引つ掛けて引き起こすことにより容易に運搬でき
るが、敷設時に、互いに隣接するコンクリート板
ｃ，ｃの対向端面同志を正確に密接させる作業が
困難であると共に、管路内の配線の点検、修理等
の際に除去する場合、端面同志がたがいに密接し
た状態で並行に敷設されているので、所望のコン
クリート板をずらして取り除く作業がむつかし
く、作業性が極めて悪い等の問題点があつた。

又、第８図及び第９図に示すように、コンクリ
ート板ｃの両端部に、表裏面間に貫通する把手孔
d′，d′を穿設することも考えられるが、該把手孔
部分において内部の鉄筋網が切断、不連続となつ
て地中線管路防護板としての強度を保持すること
ができず、その上コンクリート打ち込み時の作業
性等に難点があつて製造費が高騰するという欠点
がある。

（考案の目的） 本考案はこのような問題点に鑑みてなされたも
ので、運搬その他の取扱いが容易で敷設時におい
ても正確且つ簡単に端面同志を密接させることが
でき、又、管路内の配線の点検、修理等における
除去作業も円滑に行えるようにした地中線管路防
護板を提供するものである。

（考案の構成） 上記目的を達成するために、本考案の地中線管
路防護板は、コンクリート製防護板主体の一端部
表面に横長穴形状の窪み把手部を設けると共に他
端部裏面に他端面から内方に向かつて適宜巾の切
欠把手部を設けてなるもので、窪み把手部によつ
て敷設時における防護板の端面同志の密接を能率
よく行えると共に除去時においては所望の防護板
の側方へのずらし作業を容易にし、さらに、切欠
把手部によつて運搬その他の取扱いを円滑に行え
るように構成したものである。

（実施例の説明） 本考案の実施例を図面について説明すると、１
は平面矩形状のコンクリート製防護板主体で、そ
の一端部表面中央に親指を除く４本の指が同時に
挿入、係止可能な巾と深さを有する横長穴形状の
窪み把手部２を形成してあり、さらに、他端部の
裏面中央には、他端面から内方に向かつて前記窪
み把手部２と略同一巾で且つ指が挿入可能な深さ
を有する切欠把手部３を形成し、その開口部４は
防護板主体１の他端面及び裏面に開口させている
ものである。これらの把手部２，３の深さは、防
護板主体１の厚さや必要強度、重量等によつて適
宜設定される。

なお、この防護板主体１は、内部に鉄筋網（図
示せず）を張設して所定の強度を持たせてある。

このように構成した地中線管路防護板は、第３
図乃至第５図に示すように、地中線管路Ａを被覆
するようにして該管路Ａの上方における地盤中に
並列して敷設されるものであり、この敷設時にお
いて、多数個積層された防護板１を、その他端の
裏面に設けた切欠把手部３に指を引つ掛けて一個
ずつ小運搬をおこない、並設据付時等に一端部の
表面に設けた窪み把手部２に指を引つ掛けて既に
敷設している防護板に対する密接、ずらし調整を
行うものである。

（考案の効果） 以上のように本考案の地中線管路防護板によれ
ば、コンクリート製防護板主体１の一端部表面に
横長穴形状の窪み把手部２を設けると共に他端部
裏面に他端面から内方に向かつて適宜巾の切欠把
手部３を設けているので、積層した防護板を一個
ずつ小運搬する際に、切欠把手部３に指を引つ掛
けてその取扱いを容易にし得るのは勿論、据付敷
設時においては、隣接する防護板の端面同志の密
接作業を、一端部表面に設けた窪み把手部２に指
を引つ掛けてずらしながら正確且つ能率良く行え
るものであり、又、地中線管路の点検や修理等に
おいて、防護板を除去したい場合には、所定の防
護板の窪み把手部２を利用して人手により隣接す
る防護板に対して側方へ簡単にずらすことがで
き、その除去作業も円滑に行えるものである。

さらに、構造が簡単で安価に製造できるばかり
でなく、把手部２，３は内部に張設した鉄筋網を
部分的に切除することなく設けられるので、防護
板は所定の強度を保持し得るものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
平面図、第２図は断面図、第３図は敷設した状態
の縦断側面図、第４図はその縦断正面図、第５図
はその平面図、第６図及び第７図は従来の防護板
の斜視図、第８図及び第９図は従来のコンクリー
ト板の平面図及び断面図である。 １……コンクリート製防護板主体、２……窪み
把手部、３……切欠把手部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンクリート製防護板主体１の一端部表面に横
   長穴形状の窪み把手部２を設けると共に他端部裏
   面に他端面から内方に向かつて適宜巾の切欠把手
   部３を設けてなる地中線管路防護板。