JPH0140253Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の属する技術分野〕 この案は引出形電気機器を内蔵する閉鎖配電盤
内に設けられる接地装置の駆動機構に関する。

〔従来技術と問題点〕

引出形電気機器（遮断器、電磁接触器やスイツ
チ等）を有する閉鎖配電盤においては、その電気
機器が引出されて試験位置にあるときには、回路
点検などにて配電盤内部に入る作業員の安全のた
め、負荷側回路は接地されなければならない。こ
のため配電盤内に接地装置が設けられ、この接地
装置を駆動して負荷側回路を接地する。この種の
接地装置としては接地開閉器を用いて、接地開閉
器の接地可動接触子を駆動棒を介して手動操作に
より接地する方法が知られている。これを第１図
〜第６図で説明する。第１図は従来構造の接地装
置の駆動機構を有し、内蔵する引出形電気機器が
運転位置にあるときの閉鎖配電盤の側面断面図、
第２図は第１図のＰ矢視平面図、第３図は第１図
のＱ矢視正面図、第４図は同上引出形電気機器が
試験位置にあるときの閉鎖配電盤の側面断面図、
第５図は第４図のＰ矢視平面図、第６図は第４図
のＱ矢視正面図である。図において１は移動用車
輪１ａを有し枠８内を移動可能な引出形遮断器、
２は引出形遮断器１に接続される固定接触子、３
は固定接触子２に接続されている負荷側回路、４
は負荷側回路３を接地したり非接地状態にする接
地開閉器で接地固定コンタクト４ａと接地可動コ
ンタクト４ｂとで構成されている。５はこの接地
可動コンタクト４ｂを動かす駆動棒、６はインタ
ーロツク片、７は駆動棒５を回動するためのハン
ドル、８は配電盤枠体である。第１図は遮断器１
が運転位置にあるときを示し、遮断器１は固定接
触子２に接続されていて接地開閉器４は開状態で
あり、接地可動コンタクト４ｂは接地固定コンタ
クト４ａより離れており、このときの駆動棒５に
固着されているインターロツク片６は第３図に示
すような位置にある。したがつてハンドル７を駆
動棒５の先端に挿入して回し、接地開閉器４を投
入しようとしてもインターロツク片６が少し回動
し、遮断器１の側壁に強く押しつけられて駆動棒
５の回転をとめる。結果的には接地開閉器４の投
入がなされず危険を防止することが出来る。しか
しながらハンドル７に力を入れて回すとインター
ロツク片６および近辺の部品が破損してインター
ロツクの役目をしなくなる恐れがあるので駆動棒
５およびインターロツク片６はもとより遮断器１
の側壁１ｂも十分このハンドル操作力に耐えるだ
けの強度をもたせなければならない。次に遮断器
１を引出し、試験位置にした場合には第４図に示
すごとく駆動棒５を回転さすことが出来て接地開
閉器４は投入され、インターロツク片６は第６図
のような位置にくる。第６図のような状態すなわ
ち遮断器１が試験位置にあつて、接地開閉器４が
投入されているときは、不用意に遮断器１を押し
込むと危険であるのでインターロツク片６が遮断
器１の背面１ｃで第４図、第５図、第６図に示す
ような関係位置にあつて遮断器１の押込みを防止
している。この場合でも駆動棒５、インターロツ
ク片６および遮断器１の側面１ｂ、背面１ｃには
前述より更に大きな押し込み力に対し十分な強度
をもたせなければならない。以上のように従来の
駆動機構は構造上の強度を高めるため、機構は大
きくかつ強大なものとなり必然的にコストが高い
ものとなつた。更に遮断器１の側面１ｂおよび背
面１ｃに直接インターロツク片６を当ててインタ
ーロツク機能を生じるため遮断器１もそれに耐え
る構造としなければならず標準品に手を加えて対
応するなどの配慮が必要でこれもコスト高となる
要因となり、標準品との互換性がなくなるという
不都合があつた。

〔考案の目的〕

この考案は上述した従来装置の欠点を除去し、
操作が簡単で、誤操作が生じないように確実にイ
ンターロツクでき価格も安価な接地装置の駆動機
構を提供することを目的とする。

〔考案の要点〕

上述の目的を達成するために本考案では、引出
形電気機器を内蔵する閉鎖配電盤内にもうけられ
接地開閉器の接地可動コンタクトを盤の外側から
挿入される駆動ハンドルにより回動される駆動棒
により開閉操作するようにした駆動機構におい
て、前記接地可動コンタクトに連動可能にリンク
機構を連結し、このリンク機構の先端に前記接地
可動コンタクトの開閉位置に応じて前記引出形電
機器の移動用車輪の移動通路上に出入りし車止め
として作用するインターロツク棒を結合するとと
もに、前記駆動棒の前面に移動可能に設けた遮蔽
板と前記引出形電気機器の移動に連動してこの遮
蔽板を前記駆動ハンドルの挿入可能位置および挿
入不能位置に駆動する遮蔽板駆動片とよりなる遮
蔽機構を設けることにより誤操作が生じないよう
にしたものである。

〔考案の実施例〕

以下この考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第７図はこの考案の一実施例である接地装置
の駆動機構を有する閉鎖配電盤の側面断面図、第
８図は第７図のＰ矢視平面図、第９図は第７図の
Ｑ矢視正面図、第１０図は第７図における接地可
動コンタクトと遮断器とのインターロツク部の拡
大図で接地開閉器が開状態にあるときの側面図、
第１０Ａ図、第１０Ｂ図はそれぞれ第１０図の左
側面図および平面図、第１１図は同上接地開閉器
が投入されているときの側面図、第１１Ａ図、第
１１Ｂ図はそれぞれ第１１図の左側面図および平
面図、第１２図は第７図における遮断器と遮蔽板
とのインターロツク部の拡大図で遮断器が運転位
置にあるときの側面図、第１３図は同上遮断器が
試験位置にあるときの側面図、第１４図は第１２
図または第１３図の矢視平面図である。この考案
による駆動機構としては、第７図〜第９図に全体
を示し第１０図、第１０Ａ図、第１０Ｂ図、第１
１図、第１１Ａ図、第１１Ｂ図に拡大して示すよ
うに接地開閉器４の接地可動コンタクト４ｂに連
結板１０ａと連結駆動板１０ｂよりなるリンク機
構１０の一端を固定し、他端にはインターロツク
棒１１を取付けて、このインターロツク棒１１で
で引出形電気機器の移動用車輪１ａの車止めとし
たことと、第１２図、第１３図、第１４図で示さ
れるごとく、引出形遮断器１の下部に設けたイン
ターロツクピン１ｂにて動きが規制される軸１２
１を中心に回動する遮蔽板駆動片１２を設けてこ
の遮蔽板駆動片１２の先端に遮蔽板１３を取付け
た遮蔽機構を設けたことである。これらの駆動機
構の動作について説明すると、遮断器１が運転位
置（RUN）と試験位置（TEST）にあるとき遮
断器１に設けたインターロツクピン１ｂが枠体９
に設けたそれぞれの孔９１，９２に突出する。今
遮断器１が運転位置（RUN）にあるときは、第
１２図に示されるように遮断器１に設けられてい
るインターロツクピン１ｂが遮蔽板駆動片１２を
動かして、遮蔽板１３が駆動棒５の前面を塞ぎ、
ハンドル７を駆動棒５に挿入することを防止して
いる。そして遮断器１が運転位置より引出されて
遮断器１が試験位置（TEST）にくれば、第１３
図のごとく、遮蔽板１３が下方へ下がり、駆動棒
５にハンドル７を連結することができる。そして
ハンドル７を回わすことにより駆動棒５が回転さ
せられて、第１１Ａ図、第１１Ｂ図に示すように
駆動棒５に固定された連結板５１と、この連結板
５１に一端が結合され他端が連結板６１に結合さ
れた万能リンク１５と連結板６１からなる連結機
構を介して軸１６が回転し、これにより接地可動
コンタクト４ｂが接地固定コンタクト４ａに投入
され、負荷側回路が接地される。万能リンク１５
は連結板５１に設けた軸５１１に遊嵌されて揺動
自在で、一方連結板６１に対しては軸６１１にボ
ールベアリングを介して取付けられ回転自在であ
る。ここにおいてこのように接地開閉器４が投入
状態にあるときに、第１１図に示すインターロツ
ク棒１１により不用意に遮断器１を押し込み運転
位置に移動させようとしても遮断器１は動かない
ようにインターロツクされる。それは接地開閉器
４の接地可動コンタクト４ｂに直結されているリ
ンク機構１０の先端に取り付けられ、接地開閉器
４と連動しているインターロツク棒１１が、遮断
器１の移動用車輪１ａの車止めの役目をしている
からである。この場合遮断器１の車止めをするイ
ンターロツク棒１１が取付けてあるリンク機構１
０（連結板１０ａと連結駆動板１０ｂ）と接地可
動コンタクト４ｂとは一直線になり、遮断器１を
押し込む力に対して充分耐えるし、駆動機構の破
損を防止できる。遮断器１を押し込めるのはハン
ドル操作して接地開閉器４を第１０図、第１０Ａ
図、第１０Ｂ図に示すように開路状態とし、イン
ターロツク棒１１の位置に移動させた時のみであ
る。すなわちこの駆動機構によれば遮断器が運転
位置にあるときには不用意に接地開閉器を投入す
ることができないし、またた遮断器が試験位置に
あつて接地開閉器が投入状態にあるときは不用意
に遮断器を押し込み移動させることはできない。

〔考案の効果〕 この考案によれば駆動棒の前面に遮蔽板を設
け、接地開閉器の開閉に連動して遮断器の車止め
を行なうインターロツク棒を設けたことにより遮
断器が運転位置にあるときにはハンドルの挿入を
未然に防止して不用意な操作による接地開閉器の
投入を不可能とし、また遮断器が試験位置にあつ
て接地開閉器が投入状態にあるときにはインター
ロツク棒が車止め作用をなし不用意に遮断器を押
し込み移動させることはできないようにし、操作
が簡単で、誤操作が生じないように確実にインタ
ーロツクすることができるという利点を有する。
またインターロツク棒を遮断器との連動としない
別個に配電盤側に設けたため、標準的な遮断器の
使用が可能となりコストダウンにつながる効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来構造の接地装置の駆動機構を有
し、内蔵する引出形電気機器が運転位置にあると
きの閉鎖配電盤の側面断面図、第２図はは第１図
のPP矢視平面図、第３図は第１図のＱ矢視正面
図、第４図は同上引出形電気機器が試験位置にあ
るときの閉鎖配電盤の側面断面図、第５図は第４
図のＰ矢視平面図、第６図は第４図のＱ矢視正面
図、第７図はこの考案の一実施例である接地装置
の駆動機構を有する閉鎖配電盤の側面断面図、第
８図は第７図のＰ矢視平面図、第９図は第７図の
Ｑ矢視正面図、第１０図は第７図における接地可
動コンタクトと遮断器とのインターロツク部の拡
大図で接地開閉器が開状態にあときの側面図、第
１０Ａ図および第１０Ｂ図はそれぞれ第１０図の
左側面図および平面図、第１１図は同上接地開閉
器が投入されているときの側面図、第１１Ａ図お
よび第１１Ｂ図はそれぞれ第１１図の左側面図お
よび平面図、第１２図は第７図における遮断器と
遮蔽板とのインターロツク部の拡大図で遮断器が
運転位置にあるときの側面図、第１３図は同上遮
断器が試験位置にあるときの側面図、第１４図は
第１２図または第１３図のＲ矢視平面図である。 １：引出形電気機器（引出形遮断器）、１ｂ：
インターロツクピン、４：接地開閉器、４ｂ：接
地可動コンタクト、５：駆動棒、７：駆動ハンド
ル、１０：リンク機構、１１：インターロツク
棒、１２：遮蔽板駆動片、１３：遮蔽板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 引出形電気機器を内蔵する閉鎖配電盤内にもう
   けられ接地開閉器の接地可動コンタクトを盤の外
   側から挿入される駆動ハンドルにより回動される
   駆動棒により開閉操作するようにした駆動機構に
   おいて、前記接地可動コンタクトに連動可能にリ
   ンク機構を連結し、このリンク機構の先端に前記
   接地可動コンタクトの開閉位置に応じて前記引出
   形電機器の移動用車輪の移動通路上に出入りし車
   止めとして作用するインターロツク棒を結合する
   とともに、前記駆動棒の前面に移動可能に設けた
   遮蔽板と前記引出形電気機器の移動に連動してこ
   の遮蔽板を前記駆動ハンドルの挿入可能位置およ
   び挿入不能位置に駆動する遮蔽板駆動片とよりな
   る遮蔽機構を設けたことを特徴とする接地装置の
   駆動機構。