JPH0138845B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は傾倒用支持軸体を有する冶金用容器に
関する。

従来の技術 従来、冶金用容器の中には可動にされたもの、
例えば傾倒自在にされた製鋼用転炉がある。この
種の転炉は、に示すように、炉本体２１と、炉本
体２１の周囲に設けられた支持リング２２と、こ
の支持リング２２の両側部に突設された支持軸体
２３Ａ，２３Ｂと、この支持軸体２３Ａ，２３Ｂ
を軸受２４Ａ，２４Ｂを介して支持する支持架台
２５Ａ，２５Ｂと、上記一方の支持軸体２３Ａに
連動連結された傾倒装置２６とから構成されてい
る。ところで、上記炉本体２１には、種々の媒体
例えば酸素、冷却水、粉末状の石灰などを供給す
る必要があり、その供給は上記他方の支持軸体２
３Ｂを介して行われていた。すなわち、第４図に
示すように、中央に貫通穴２７が形成された支持
軸体２３Ｂの端部に継手用軸体２８を固定し、こ
の継手用軸体２８の外周に複数個の環状溝２９を
形成し、また上記貫通穴２７の内部に一端が各環
状溝２９に連通するとともに他端が炉本体２１側
の所定位置に導かれた媒体導入管３０を設け、さ
らにこの継手用軸体２８の外周に筒状体３１を回
転自在に外嵌させるとともに、この筒状体３１の
上記各環状溝２９に対応する表面に媒体供給管３
２をそれぞれ接続している。そして、上記筒状体
３１は支柱（第１図に示す）３３を介して地上側
に支持されている。この構成は、例えばEPC公
開公報第32173号公報および第7418号公報に開示
されている。上記構成において、炉本体２１の傾
倒位置に関係なく、各媒体は環状溝２９および媒
体導入管３０を介して外部から炉本体２１側の所
定箇所に供給される。

発明が解決しようとする問題点 上記従来の構成によると、継手用軸体２８が支
持軸体２３Ｂから突設されるとともに、この継手
用軸体２８は多数（２〜15程度）の媒体供給管３
２を接続するため非常に長く（例えば2500mm程
度）なつて非常に重く（例えば1000Kg程度）な
る。このため、この継手用軸体２８を支持する特
別な支柱３３が必要となるとともに長い継手用軸
体２８に生じる偏心運動に対処するために、複数
な構造の支柱例えばカルダン型式の支持構造にす
る必要があり、コストが高くなるという問題点が
ある。また、継手用軸体２８が非常に重くなり、
軸受２４Ｂに曲げモーメントが発生するという問
題点がある。さらに、継手用軸体２８が非常に長
いため、大きな設置スペースを必要とするなどの
問題点がある。

そこで、本発明は上記問題点を解消し得る傾倒
用支持軸体を有する冶金用容器を提供することを
目的とする。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するため、本発明の傾倒用支
持軸体を有する冶金用容器は、傾倒自在に支持さ
れた容器本体の一方の支持軸体の内部に貫通穴を
形成し、この貫通穴の内部に筒状体を挿入し、こ
の筒状体の内部に継手用軸体を回転自在に挿入
し、この継手用軸体と上記筒状体との回転摺動部
に、環状溝をその回転軸心に沿つて所定間隔置き
に複数個形成し、一端が上記環状溝に連通すると
ともに他端が媒体供給管に接続された第１媒体供
給路を、上記継手用軸体の内部にしかも各環状溝
に対応して複数個設け、一端が上記環状溝に連通
するとともに他端が上記容器本体側の所定箇所に
導かれた媒体導入管に接続された第２媒体供給路
を、上記筒状体の内部にしかも各環状溝に対応し
て複数個設けたものである。

作 用 上記構成において、容器本体がどのように傾倒
にしても、常に、媒体は第１媒体供給路、環状溝
および第２媒体供給路を介して外部から容器本体
側に供給することができる。

実施例 以下、本発明の一実施例を第１図および第２図
に基づき説明する。

第２図において、１は製鋼用転炉（冶金用容
器）２の炉本体（容器本体）で、床面３上に水平
軸心回りで傾倒自在に支持されている。すなわ
ち、炉本体１の中央外周には支持リング４が全周
に亘つて設けられるとともにこの支持リング４の
左右両側部には傾倒用の支持軸体（傾倒ジヤーナ
ルともいう）５Ａ，５Ｂが突設され、これら各支
持軸体４Ａ，４Ｂはそれぞれ軸受６Ａ，６Ｂおよ
び支持架台７Ａ，７Ｂを介して床面３上に支持さ
れている。上記一方の支持軸体７Ａには傾倒装置
８が連動連結されている。また他方の支持軸体７
Ｂには、酸素、冷却水、粉末状の石灰などの媒体
の供給のための回転継手部９が設けられている。

以下、この回転継手部９を第１図に基づき詳し
く説明する。上記他方の支持軸体７Ｂの内部には
貫通穴１０が形成されるとともに、この貫通穴１
０内には筒状体１１が挿入され、さらにこの筒状
体１１内には継手用軸体１２が回転自在に挿入さ
れている。そして、この継手用軸体１２と筒状体
１１との回転摺動部には、その回転軸心に沿つて
所定間隔置きに複数個の環状溝１３が形成されて
いる。なお、この環状溝１３は両者１１，１２に
亘つて形成されている。上記継手用軸体１２内部
には、一端が上記環状溝１３に連通するとともに
他端が媒体供給管１４に接続された第１媒体供給
穴（第１媒体供給路）１５が、各環状溝１３に対
応して複数個（図面上に２本しか示していない
が、異なる位置で多数配置されている）設けられ
ている。また上記筒状体１１内部には、一端が上
記環状溝１３に連通するとともに他端が炉本体１
側の所定箇所に導かれた媒体導入管１６に接続さ
れた第２媒体供給穴（第２媒体供給路）１７が、
各環状溝１３に対応して複数個設けられている。
したがつて、継手用軸体（固定側となる）１２が
静止した状態で筒状体（回転側となる）１１が回
転した場合でも、環状溝１３を介して第１媒体供
給穴１５と第２媒体供給穴１７とは常に連通され
ている。なお、筒状体１１の外端部にはフランジ
部１１ａが形成されるとともにこのフランジ部１
１ａを介して支持軸体５Ｂ側にボルト１８により
固定されている。また、継手用軸体１２の外端部
にもフランジ部１２ａが形成されている。これら
フランジ部１１ａ，１２ａによつて、筒状体１１
と継手用軸体１２との互いの位置決めが成され、
環状溝１３が正しく形成されるようにしている。
図示していないが、媒体供給管１４の端部は媒体
供給装置に接続され、また媒体導入管１６の端部
は炉本体１の複数適所まで延設され、例えばノズ
ルに接続されている。

上記構成において、媒体供給管１４から供給さ
れた酸素、冷却水、粉末状の石灰などの媒体は、
炉本体１の傾倒位置にかかわらず、第１媒体供給
穴１５、環状溝１３および第２媒体供給穴１７を
介して媒体導入管１６に入り、そして炉本体１の
所定箇所に供給される。

ところで、上記実施例においては、環状溝１３
を筒状体１１と継手用軸体１２とに亘つて形成さ
れた凹部１３ａ，１３ｂにより構成したが、例え
ばどちらか一方にだけ凹部を形成してこれを環状
溝としてもよい。また上記実施例においては、筒
状体１１の端部にフランジ部１１ａを形成した
が、筒状体１１の一部が支持軸体５Ｂから突出す
るような場合、勿論そのフランジ部１１ａは中間
部の所定位置に形成されることになる。

発明の効果 上記本発明の構成によると、容器本体の支持軸
体の内部に筒状体を挿入するとともにこの筒状体
の内部に外部からの媒体供給管との接続を行う継
手用軸体を回転自在に挿入したので、従来のよう
に支持軸体端部に筒状身体および継手用軸体を片
持ち式に突設したものに比べて、特別な支柱を設
ける必要がなくコストダウンにつながり、また支
持軸体を支持する軸受には曲げモーメントがあま
りかからず、さらには設置スペースも小さくする
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係る冶金用容器の
要部断面図、第２図は同全体正面図、第３図は従
来例の冶金用容器の全体正面図、第４図は同要部
断面図である。 １……炉本体、２……製鋼用転炉、５Ａ，５Ｂ
……支持軸体、９……回転継手部、１０……貫通
穴、１１……筒状体、１１ａ……フランジ部、１
２……継手用軸体、１２ａ……フランジ部、１３
……環状溝、１４……媒体供給管、１５……第１
媒体供給穴、１６……媒体導入管、１７……第２
媒体供給穴。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 傾倒自在に支持された容器本体の一方の支持
   軸体の内部に貫通穴を形成し、この貫通穴の内部
   に筒状体を挿入し、この筒状体の内部に継手用軸
   体を回転自在に挿入し、この継手用軸体と上記筒
   状体との回転摺動部に、環状溝をその回転軸心に
   沿つて所定間隔置きに複数個形成し、一端が上記
   環状溝に連通するとともに他端が媒体供給管に接
   続された第１媒体供給路を、上記継手用軸体の内
   部にしかも各環状溝に対応して複数個設け、一端
   が上記環状溝に連通するとともに他端が上記容器
   本体側の所定箇所に導かれた媒体導入管に接続さ
   れた第２媒体供給路を、上記筒状体の内部にしか
   も各環状溝に対応して複数個設けたことを特徴と
   する傾倒用支持軸体を有する冶金用容器。