JPH0138583B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は垂直見切の生砂型を用いた鋳造法にお
いて、それぞれ別個の湯道を有した生砂型の各湯
道を連結させて、一度に複数の生砂型に注湯する
複数の湯道を中央の注湯口に連結させる連結湯道
の製造装置に関するものである。

従来、生砂型以外のシエル鋳型や自硬性鋳型等
の強い鋳型で、垂直見切の鋳型を水平に積重ねて
湯道を連続して行うスタツクモールドは一般に公
知であるが、弱い鋳型である生砂型では行なわれ
ていなかつた。そのため、自動造型機によつて成
型された鋳型にひとつひとつ注湯作業を行つてい
るため極めて注湯能率が悪いと同時に、注湯のた
びに溶湯を無駄にする等の欠点があつた。又、第
１３，１４図に示す如く、１つの生砂型５０に前
後方向水平に貫通する湯道５１と、一定間隔ごと
に該湯道５１に連結させる設ける注湯口５２を形
成した場合、一定個数の生砂型の連続する湯道５
１の両端をコアープラグ３３で閉鎖し、一度に複
数個づつ注湯する方法もある。しかし、鋳造製品
によつては１つの反転鋳型に複数の湯道を必要と
したり、或は、第１５図に示す如く、１つの生砂
型５０に別個に鋳型をそれぞれ形成し、それぞれ
の鋳型に連続する湯道４１，４１を、１つの生砂
型３０ごとに該湯道と直角方向にそれぞれ位置す
る連結湯道４０ａで連結する場合には、それぞれ
連結湯道４０ａ内に残存する溶湯４３，４３が無
駄になる欠点があつた。この無駄になつた溶湯４
３を再び溶解するにしても、エネルギーが無駄に
なるし、このことはエネルギーの乏しい我国にあ
つてはエネルギーの浪費であり、極めて不経済で
ある。

本発明はかかる従来の欠点に鑑み、各湯道を連
結する連結湯道内に残溜する無駄となる溶湯を防
止するため、必要個所以外の連結湯道を形成しな
いようにして溶湯のエネルギー節約を図ることを
目的とするものでそれぞれ向い合う面に垂直身切
面を有した鋳型模型をそれぞれ取付けた一対の取
付枠の間に生砂をブローした後、該取付枠を圧縮
させて生砂型を形成するスキーズ式造型法に於い
て、一方の取付枠の正面に湯道成形用の円柱を複
数本水平に突設し、且つ、この取付枠と向い合う
他の取付枠の正面に、前記円柱を収容する収容孔
を設けると共に、一方の取付枠の正面に設けた開
口部から、前記複数の湯道を間欠的に連結するた
めの連結湯道成形用の可動部を出没可能に装着し
たものである。そのため、各生砂型に別個に設け
た複数の湯道どうしを連結する連結湯道を必要部
分のみ形成するようにしたため、湯道内に残溜す
る溶湯の無駄を極力防止し、エネルギーの節約を
図れるものである。

本発明の実施例を図面により説明すると、一方
の取付枠１の正面に、垂直な身切面を有した半型
２を取付け、更に、この取付枠１の上部に水平方
向に複数の収容孔３を設ける。尚、この収容孔の
後端は閉鎖していてもよい。又、この取付枠１と
対向する他の取付枠１１の正面にも、垂直な身切
面を有した半型１２を取付けると共に、湯道を形
成するための複数の円柱１３を該取付枠の正面上
部に水平方向に突設させ、前記収容孔３内に挿通
できるように位置させてある。この両取付枠１，
１１の外側をハウジング１４で覆つて内部に空室
１５を形成し、この空室１５に連通させて圧入口
１６を形成して造型機５を形成する。１７は取付
枠１１の正面側上部に水平に設けた開口部１８，
１８からそれぞれ出没可能に装着させてある連結
湯道形成用の可動部で、この取付枠１１内に設け
た作動室２０内に、水平方向に左右動可能に取付
けた可動台２１を流体シリンダ２２にロツド２３
で連結し、この流体シリンダ２２を作動させるこ
とによつて可動台２１を前後動させて可動部１７
の高さを調節する。この可動台２１の上面に設け
た傾斜面２４は、可動部１７の下面中央に設けた
現係合傾斜面２５と係合しており、更に、この可
動部１７はばね２６，２６によつて係合部２８，
２８を介して該可動部１７を下方に弾発してい
る。この可動部１７の位置は、生砂型３０の該湯
道３１，３１を結ぶ水平線上に設ける。第１６図
に於いて３４，３４は湯道３１の両端と鋳型３
９，３９とを連結する下部注湯口で、第１図に示
したように取付枠１，１１に取付けてある下部注
湯口２ａ，１２ａにより形成する。又、３６は半
円柱状の上部注湯口型で、下部に円柱１３又は収
容孔３と合致する凹入部３７を設けてあり、且つ
裏面に磁石（図示せず）を取付けてあつて、一定
間隔ごとに手作業又は機械作業に取付枠１又は１
１に取付けて上部注湯口３２を形成するものであ
る。

次に、作用について説明すると、鋳型造型機５
により連続して成型される生砂型３０，３０は第
８図に示す如く、直線上にコンベア（図示せず）
上に載置され、それぞれ鋳型３９，３９と下部注
湯口３４を有している（第１６図）。次いで、一
回に例えば６個の生砂型内に注湯作業を行う場
合、第７図に示す如く、各湯道３１，３１，３１
は前後方向に全て連結しているので、所定の生砂
型内に溶湯を溜めるため、各湯道の一工程Ｌの両
端部分に、作業者が手作業或は機械作業によりコ
アープラグ３５，３５を充填する。この場合、複
数の生砂型群の中央部分に位置する注湯口３２及
び連結湯道４０，４０を有する生砂型３０ａを鋳
造する際には、作業員の手動操作或は遠隔操作に
より、一方の取付枠１１内に内蔵してある流体シ
リンダ２２を作動させて、ばね２６，２６に抗し
て可動部１７を上昇させて開口部１８から突出さ
せ、この状態で生砂型を造型すれば、この可動部
１７が間隙となつて連結湯道４０を生砂型に残存
し、各湯道３１，３１，３１をそれぞれ連結する
連結湯道４０，４０を形成する。これと同時に、
取付枠１１の円柱１３の根部の上側に、第１図に
示す如く、上部注湯口型３６をマグネツトで吸着
固定し、前記連結湯道４０，４０と同時に上部注
湯口３２を形成する。次いで、隣接する生砂型を
製作する場合には、取付枠１の収容孔３の上部に
上部注湯口型３６を吸着固定し（第１１，１２
図）、前記生砂型３０ａと対になる生砂型３０ｂ
を形成するものである。このようにして一工程の
生砂型が出来たら、上部注湯口３２から溶湯を注
湯する。

以上の如き本発明は以下のような効果を有する
ものである。

一回の注湯作業で複数個の生砂型に注湯出来
ると共に、第１５図に示す如く、１本の連結湯
道部分内だけの溶湯の無駄だけですみ、従来の
如く、他の５ケ所分の溶湯の無駄を防止でき省
資源化を図れる。

注湯回数を減少させることにより、注湯の際
の注湯口外へこぼす量を出来るだけ少量に抑え
ることができると共に、一度に多量の注湯を行
うので注湯間隔が長くなり、その結果、注湯作
業を自動化することが可能となつた。

トリベ内の溶湯を短時間で使用するので、溶
湯温度の低下を防止でき、鋳造製品の品質を均
一化できる。

注湯回数が減るため、作業者に対する輻射熱
が少なくなり、作業環境を向上させることが出
来る。

連続した湯道が鋳型内に設けられているの
で、流れる溶湯が直接大気にさらされることが
無く、溶湯が酸化されたり、放熱による溶湯の
温度低下は少ない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示したもので、第１図
は造型機の一部欠截した要部の正面図、第２図は
一部省略した同平面図、第３図は一方の取付枠の
横断面図、第４図は第３図Ａ―Ａ線断面図、第５
図は円柱を省略して連結湯道を有した生砂型の湯
道部分の横断面図、第６図は連結湯道を有しない
生砂型の湯道部分の横断面図、第７図は直線状に
連続した生砂型の平面図、第８図は第７図Ｂ―Ｂ
線断面図、第９図は第７図Ｃ―Ｃ線矢視図、第１
０図は第７図Ｄ―Ｄ線矢視図、第１１図は一方の
取付枠の収容孔と凹入部を合致させて上部注湯口
型を取付けた状態の正面図、第１２図は同平面
図、第１３〜１５図は従来の実施例を示すもの
で、第１３図は直線状に連続した生砂型の平面
図、第１４図は第１１図Ｅ―Ｅ線断面図、第１５
図は他の例を示す生砂型の湯道部分の横断面図、
第１６図は本発明の生砂型の断面図である。 １，１１は取付枠、３は収容孔、１３は円柱、
１７は開口部、１８は可動部、３６は上部注湯口
型。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ それぞれ向い合う面に垂直身切面を有した鋳
   型模型をそれぞれ取付けた一対の取付枠の間に生
   砂をブローした後、該取付枠を圧縮させて生砂型
   を形成するスキーズ式造型法に於いて、一方の取
   付枠の正面に湯道成形用の円柱を複数本水平に突
   設し、且つ、この取付枠と向い合う他の取付枠の
   正面に、前記円柱を収容する収容孔を設けると共
   に、一方の取付枠の正面で且つ円柱を通る水平線
   上に設けた一又は複数個の開口内に、前記複数の
   湯道を間欠的に連結するための連結湯道成型用の
   可動部を出没可能に装着し、取付枠へ着脱可能に
   取付ける上部注湯口型により上部注湯口を前記連
   結湯道と共に一定間隔ごとに生砂型に設けること
   を特徴とする連結湯道の製造装置。