JPH0138071Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、柑橘類等の果物、その他野菜等の繊
維質物を含む液体の充填ノズルに関するものであ
る。

（従来の技術） 従来、繊維質物を含まない液体の充填において
は、充填ノズルの流出側開口端面にメツシユ板を
取付けることが、定量充填を行つた後の液切れを
良好にする上において好ましいことであるが、こ
のようなメツシユ板を取付けたものは、繊維質物
を含む液体の充填においては、目詰まりを生じ
て、充填ノズルとしては適切のものではない。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、上記の問題点を解決するために案出
されたもので、繊維質物を含む液体の充填におい
て、繊維質物の目詰まりによる充填の支障を避け
て、充填後の液切れを良好にして定量充填を確実
にするとともに、充填容器に充填の際の泡立ちを
防止することを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するために、本考案にあつて
は、繊維質物を含む液体の充填ノズルを液体の供
給側に連結する流人側弁筒と、これを着脱自在の
流出側弁筒とから構成するとともに、流人側弁筒
の流入部の逆止弁と、流出側弁筒の流出部の逆止
弁とのそれぞれの弁座を、液体の流れ方向と逆方
向からそれぞれの弁座に対して弾接させ、このう
ち流出側の逆止弁の弁頭は、その端面がこの弁筒
の開口端面より内側にして、弁筒の開口端部の内
側に、弁頭の周縁に設けた凹部に嵌入する凸部を
設けたものである。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面について説明す
る。

本考案の充填ノズルＡは、第４図に示すよう
に、液体の流路が内部にある固定状態のピストン
部Ｂに対して、可動状態にあるシリンダー部Ｃの
液体流路のある延長部分に取付けられるものであ
り、ピストン部Ｂは繊維質物を含む液体のタンク
Ｄに連結されている。

第１図に示すように、充填ノズルＡは、２つの
逆止弁装置ａ及びｂよりなるものである。

第１の流入側逆止弁装置ａは、流入側弁筒１に
対して、弁体２の弁頭３が液体の流入側にあつ
て、その弁頭３の傾斜面を弁筒１に螺着した弁押
え板４の弁座に、液体の流れ方向に対して逆方向
から当接しており、また弁軸５は弁筒１の内側下
端の係止段部６に係止されている支持具７の支持
筒８に嵌入支持されていて、弁頭３と支持具７と
の間には弾発ばね９が介在されている。

支持具７は凸形状であつて、中央の弁軸５の嵌
入支持筒８の外周部分には、放射状に脚部１０が
形成されていて、液体は、この脚部１０間を流れ
るようになつている。

第２の流出側逆止弁装置ｂは、流出側弁筒１１
に対して、弁体１２の弁頭１３が、液体の流出側
にあつて、その傾斜面を、弁筒１１の開口端１４
よりの凹所１５の弁座１６に、液体の流れ方向に
対して逆方向から当接している。

この弁頭１３の周縁には凹部１７が設けられて
いて、この凹部１７に、弁筒１１の凹所１５内の
凸部１８が嵌入している。

弁座１６を構成する環状突出部１９の段部２０
には、弁軸２１を嵌入して支持する凸形状の支持
具２２が、その嵌入支持筒２３の外周に放射状に
形成された支脚２４をもつて係止されていて、こ
の支脚２４と弁軸２１の端部に設けた突出片２５
との間に弾発ばね２６が介在される。

以上のような構成の第１の流入側逆止弁装置ａ
と第２の流出側逆止弁装置ｂとは、流入側弁筒１
を流出側弁筒１１に螺着２７することによつて、
１つの充填ノズルＡを構成している。

ピストン部Ｂは、そのピストン本体２８を、そ
の中程の鍔部２９とナツト３０とをもつて固定部
材３１に固定すると共に、その上端部を液体タン
クＤの突出口３２の端部に、それとの間にパツキ
ング３３を介してユニオンナツト３４で固定す
る。

ピストン本体２８は、中空にして液体の流路３
５を形成しており、その下端近くにおいて、流路
３５は狭窄されていて、その狭窄部３６の流出側
は、弁体３７の弁座３８をなしている。

弁体３７は、その弁頭３９が弁座３８に当接す
るように、ピストン本体２８の下端部に螺着され
た鍔状螺環４０にて支持された支持具４１と弁体
３７との間に介在された弾発ばね４２にて弾発さ
れている。

支持具４１は、充填ノズルＡの支持具２２と同
様の構成のものである。

ピストン本体２８の下端外周面には、凹陥部４
３があり、この凹陥部４３には、鍔状螺環４０と
の間に、シリンダー面を摺擦する摺擦部材４４が
挟着されており、この摺擦面にはＯリング４５が
ある。

ピストン部Ｂに対するシリンダー部Ｃは、ピス
トン本体２８を嵌入するシリンダー本体４６と、
シリンダー本体４６の下端を閉鎖して液体を側方
に流出するようにした流出路部材４７は、連杆４
８を介して下方の上下摺動部材４９を連結されて
おり、また流出路部材４７の側方流出管５０に
は、曲管５１がユニオンナツト５２で連結されて
いる。

曲管５１の下端には、本考案の充填ノズルＡの
流入側弁筒１の上端が、パツキング５３を介して
ユニオンナツト５４で取付けられるようになつて
いる。

摺動するシリンダー本体４６の外周は、これを
カバーするようにカバー５５が、ピストン本体２
８の鍔部２９と固定部材３１との間に固定されて
いる。

なお、充填ノズルＡの弁体２の弁頭３と弁押え
板４の弁座との間、弁体１２の弁頭１３と環状突
出部１９の弁座１６との間には、それぞれＯリン
グ５６，５７があり、５８は液体タンクＤの断熱
材、ｃはピストン本体２８の液体流路３５中の空
気抜き棒、ｄは充填容器である。

次に、充填ノズルＡを使用して、繊維質物を含
む液体の定量充填について説明する。

充填ノズルＡを、ユニオンナツト５４でパツキ
ング５３を介して曲管５１の下端に取付ける。

この充填ノズルＡを取付けた状態において、説
明の都合上、先ず液体が液体タンクＤよりピスト
ン本体２８、流出路部材４７、曲管５１の流路を
通して充填ノズルＡ内まで充満されており、ピス
トン本体２８内の弁体３７、充填ノズルＡの弁体
２及び弁体１２は、それぞれの弾発ばね４２，
９，２６で閉じているものとする。

このような状態から、シリンダー部Ｃを連杆４
８を介して下方の上下摺動部材４９にて下降させ
ると、流出路部材４７及び曲管５１内は減圧され
るが、充填ノズルＡの流入側弁筒１の弁体２及び
流出側弁筒１１の弁体１２は閉じたままであるか
ら、ピストン本体２８の弁体３７が弾発ばね４２
に抗して開き、液体タンクＤ内よりピストン本体
２８内の液体流路３５を通して一定量の液体が流
出路部材４７側に流れ込む。

次いで、上下摺動部材４９が上昇を始め、シリ
ンダー部Ｃが上昇工程に入ると、ピストン本体２
８の弁体３７は閉じ、下降によつて流入した一定
量の液体と同量の液体は、充填ノズルＡの流入側
弁筒１の弁体２、次いで流出側弁筒１１の弁体１
２を、それぞれの弾発ばね９及び２６に抗して押
開き、充填ノズルＡの下方より充填容器ｄ内に流
出する。

この液体の流出をさらに説明すると、シリンダ
ー部Ｃの上昇により、液圧にて充填ノズルＡの上
方の流入側弁筒１の弁体２が開き、それにつれて
下方の流出側弁筒１１の弁体１２が開いて、液体
は弁体２の支持具７の放射状の支脚１０間を通
り、弁体１２の支持具２２の放射状の支脚２４間
を流れて、弁体１２の弁頭１３と弁座１６との間
から流出する。

この場合、流出液体は、弁体１２の弁頭１３の
傾斜面より傘状となつて流下する。

これがため、流下する液体は、充填容器ｄの内
壁面に傘状のまま当たることになるので、充填容
器ｄ内の空気は、傘状の流下液体に閉じ込められ
た状態になり、液体に空気が混入して泡状となり
易くなる。

これを防ぐために、本考案においては、弁体１
２の弁頭１３の周縁の凹部１７に嵌入する凸部１
８を弁筒１１の下端凹所１５内に設けることによ
り、液体が傘状に流下する際に、流下液体は、こ
の突出部１８の部分で、その液幕が切断されるこ
とになり、この部分だけは、流下液体が、充填容
器ｄの内壁面との間に空気の遁出路を形成する。

以上説明したように、本考案の充填ノズルＡに
よる充填容器ｄ内への定量充填は、シリンダー部
Ｃの１行程で終わるものである。

（考案の効果） 本考案の繊維質物を含む液体の充填ノズルは、
２つの逆止弁の弁頭を互いに相離れた逆の位置に
して、液体の供給側に連結する流入側弁筒と、こ
れと着脱自在の流出側弁筒とより構成するもの
で、この流入側弁筒の流入部の逆止弁と流出側弁
筒の流出部の逆止弁とのそれぞれの弁座を液体の
流れ方向と逆方向よりそれぞれの弁筒の弁座に対
して弾接しているから、繊維質物を含む液体を充
填容器内に充填する際に、例えば、シリンダー部
が下降することにより、タンクからの液体の吸入
行程時において、シリンダー部からの供給側に連
結した充填ノズルは、下方の流出側の逆止弁に繊
維質物が絡んだ場合においても、上方の流入側の
逆止弁が閉じるから、また上方の流入側の逆止弁
と、下方の流出側の逆止弁とが逆の状態にあつた
場合でも、流出側よりの外気を吸い込むおそれは
なく、しかも弁体の開閉においても、上下の弁体
が絶えずわずかな時間差をもつて作動するから、
１つの逆止弁に比して滑らかに、確実に作動して
繊維質物を含んだ液体であつても定量充填ができ
る。

また、２つの逆止弁をそれぞれの弁筒に組み込
んだものにもかかわらず、構成が簡単で２つの弁
筒を螺着脱できるようにしたから、分解組立が簡
単で洗浄するのに便利である。

しかも本考案にあつては、流出側の逆止弁の端
面が、弁筒の開口端より内側にあるため、弁体が
閉じるとき、液体が横方向に飛散することなく、
また流出側の弁筒の開口端内側に設けた凸部を、
弁頭の周縁に設けた凹部に嵌入するようにしたの
で、液体の流出落下の際に、この凸部で、流下液
体の幕を切ることになり、充填容器の内壁面との
間に空気の遁出路が形成され、これにより空気が
閉じ込められることがないから、泡立ちを防ぐこ
とができる。

以上のことより、本考案の充填ノズルは、柑橘
類等の果物、その他野菜類等の繊維質物を含む液
体の容器充填に好適なものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案にかかるもので、第１図は曲管に
取付けられた本考案の充填ノズルの縦断面図、第
２図は同上の底面図、第３図は支持具の平面図、
第４図は充填ノズルを可動シリンダー部側に取付
けた充填装置の縦断面図、第５図は充填ノズルの
流出側端が充填容器内にあつて逆止弁が開いてい
る状態の断面図、第６図は充填容器内に液体が流
下する状態を示す図面である。 Ａ……充填ノズル、Ｂ……ピストン部、Ｃ……
シリンダー部、Ｄ……液体タンク、ａ……第１逆
止弁装置、ｂ……第２逆止弁装置、ｄ……充填容
器、１，１１……弁筒、２，１２，３７……弁
体、３，１３……弁頭、７，２２，４１……支持
具、１５……凹所、１７……凹部、１８……突出
部、２８……ピストン本体、４４……摺擦部材、
４６……シリンダー本体、４７……流出路部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液体の供給側に連結される充填ノズルは、それ
   を構成する流入側弁筒と流出側弁筒とが着脱自在
   に連結されるもので、流入側弁筒の流入部の逆止
   弁と流出側弁筒の流出部の逆止弁とは、それぞれ
   の弁座が液体の流れ方向と逆方向からそれぞれの
   弁筒の弁座に対して弾接されるとともに、このう
   ち流出側弁筒の流出部の逆止弁の弁頭は、その端
   面がこの弁筒の開口端面より内側にして、弁筒の
   開口端部の内側に、弁頭の周縁に設けた凹部に嵌
   入する凸部を設けた繊維質物を含む液体の充填ノ
   ズル。