JPH0137892Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野： 本考案は主として２個のカツプリングを軸に装
着前に心合せして結合する場合の心合せ治具に関
する。

従来の技術およびその問題点： 従来このような場合の心合せの方法の一つはこ
れら２個のカツプリングをボルトでゆるく仮結合
して、その一つのカツプリングを旋盤のチヤツク
でくわえ、他の側を旋盤における心出し方法によ
つてチヤツクでくわえた側に心合せするものであ
つた。また軸孔が２個で同径の場合はダイヤルゲ
ージにゲージ軸心に直角方向に脚をとりつけ、こ
の脚を仮合せしたカツプリングの軸孔面でカツプ
リングの継目をまたいですべらせ、そのときのゲ
ージのふれをみるというような方法もとられてい
る。しかし何れにしても工数を多く要する作業で
ありこの他の方法も何れも非能率的であるという
問題点がある。

問題を解決するための手段： 本考案は１本の中心軸棹の基部にこの中心軸棹
が一つのカツプリングの軸孔にこの軸孔の中心線
に一致して装着しうるような脚を設け、前記中心
軸棹の先端にはダイヤルゲージをとりつけてこの
軸棹を一つのカツプリングの孔にその軸心に一致
させて装着し、このカツプリングに重ねられた他
のカツプリングの軸孔面には前記ダイヤルゲージ
をあて、前記軸棹をその中心軸廻りに回し乍らダ
イヤルゲージの振れを０にするよう２つのカツプ
リングの中心位置調整を行えるようにしたもので
ある。

実施例： 第１図は本考案治具の斜視図である。１は中心
軸棹、２ａ，２ｂ，２ｃは中心軸棹の中心軸廻り
半周内に軸棹に直角方向に、つまり半径方向に設
けられた３本の脚で、脚２ａ，２ｂは軸棹の１個
所から両者間に適当な開きを以て、２ｃは脚２
ａ，２ｂから軸棹上で適当な距離をおいて脚２
ａ，２ｂの開きの略中心にそれぞれ取付けられて
いる。３は前記の中心軸棹の半周の反対側の半周
内に半径方向に取付けられた伸縮しうる脚であ
り、これに押ばね４が課されている。脚３の取付
け装置は図では脚２ｃ，２ｂと脚２ｃとの中間位
置、つまり脚３の先端位置を脚２ａ，２ｂ，２ｃ
の先端のなす三角形の中心点の略対称位置として
おり、６は脚３の引込み用のハンドルである。軸
棹１の先端１ａには半径方向にダイヤルゲージ７
が取付けられる。

このような治具をハンドル６を抑えて脚３を引
込め、第２図ａ，ｂに示すように基準とするカツ
プリングの軸孔１０に、またダイヤルゲージ側を
上記カツプリングにのせられたカツプリングの軸
孔１１にそう入し、ハンドル６をはなせば軸棹１
は基準とするカツプリングの軸孔１０に中心を一
致させて自動的に収る。この状態の軸棹１をその
軸端のハンドル８により軸棹１を中心として回動
させればダイヤルゲージ７の指示は基準カツプリ
ング軸心よりこれにのせられたカツプリング軸心
のずれを示すこととなる。

この説明および図面では軸棹の半周内における
脚は３本としてその先端が三角形をなすよう配置
されているが、この脚は３本以上あればよく、数
本の脚が軸棹の半周内に分布されて、この分布は
これらの脚の先端がカツプリング軸孔面におかれ
たとき、この軸棹の中心線が軸孔中心線に一致す
るようなものであればよい。また脚３の先端は上
記の分布の中心の軸棹１に対する対称側にあれば
よい。尤もこゝに述べるような３脚形態が製作に
も使用にも最も能率的ではある。軸孔径の広い範
囲に対応しうるよう脚２ａ，２ｂ，２ｃ，３の先
端には長さ調節ねじを取付け、あるいは取替脚を
おくとかの方法はこゝにも用いうることは勿論で
ある。

効 果： 本考案の心合せ治具は以上のような構造である
ので、これを用いることにより心合せ作業を従来
に比しかなり短時間で行いうるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の治具の斜視図、第２図は同治
具の使用状態を、ａはカツプリングの縦断面図
で、ｂは同平面図で示す。 １……中心軸棹、２ａ，２ｂ，２ｃ，３……
脚、４……脚３のばね、７……ダイヤルゲージ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中心軸棹の基部にはその半周内に軸心方向およ
   び周方向に分布させて作業対象のカツプリングの
   軸孔の半径に等しい長さの数本の脚を半径方向に
   取付け、この分布はこれらの脚の先端が上記軸孔
   面におかれるときに前記中心軸棹を軸孔中心線に
   一致させうるものとし、他の半周においては前記
   の分布の略中心の対称個所に向け１本の伸縮脚を
   半径方向に設けてこれに押ばねを課し、中心軸棹
   の先端には半径方向にダイヤルゲージを取付けた
   カツプリング心合せ治具。