JPH0137374Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は草刈機に関するものである。

従来の草刈機は、フレームの先端に回転変換機
を介して取付けた固定ホルダーに刈刃の固定刃を
脱着自在に取付け、その固定刃上に左右スライド
自在に取付載置された可動刃をフレーム後端のエ
ンジンにより可動させて草を刈取る構造であつ
た。

しかし乍ら、刈刃の固定刃と固定ホルダーの取
付（連結）構造は、固定刃の後端縁に適宜間隔を
おいて形成され相隣合う２ヶ所の取付切欠凹部を
ボルトナツトで固定ホルダーの前端縁に取付けた
だけ、即ち固定板の取付切欠凹部縁を固定ホルダ
ーの前端縁面とナツトで上下より挾持しただけな
ので、ボルトナツトがちよつと緩みを来たしただ
けで刈刃が固定ホルダーから外ずれてしまうとい
つた不便を有し、草刈作業中に万が一刈り刃が外
ずれた際には可動刃を可動させる可動ホルダーの
力によつて刈刃が飛ばされる危険があり、安全性
に欠けていた。

本考案はこの様な従来事情に鑑みてなされたも
ので、その目的とする処は、万が一ボルトナツト
が緩みを来たしても刈刃が固定ホルダーから外ず
れることがなく、しかも脱着が簡便で安全性に優
れた草刈機を提供せんとするものである。

斯る本考案の基本的な構成は、刈刃の固定刃後
端縁に取付切欠凹部と取付係止孔とを同一間隔で
且つ交互に形成し、取付係止孔を挾む両側の取付
切欠凹部を固定ホルダーに取付板を介して脱着自
在に取付けると共に取付板中央に設けた抜止めボ
スを取付係止孔に嵌合係止させたことを特徴とす
るものであり、その実施の一例を図面に基づいて
説明する。

草刈機Ａは、フレーム１、回転変換機２、固定
ホルダー３、刈刃４、エンジン５、左右一対の車
輪６、操作ハンドル７より構成し、前記フレーム
１の先端に回転変換機２を介して固定ホルダー３
を取付固定し、この固定ホルダー３に刈刃４の固
定刃４ａを脱着自在に取付けてなる手押し式のも
のである。

フレーム１は、内部に動力伝達シヤフト８を全
長に渉つて貫通状に軸架内蔵する筒状のシヤフト
カバーで、その後端にエンジン５をクラツチハウ
ジングホルダー９を介して取付支持すると共に、
先端には回転変換機２をパイプホルダー１０を介
して取付支持する。

回転変換機２はエンジン５から動力伝達シヤフ
ト８に伝わつた回転を直線往復運動に変換して固
定刃４ａ上の可動刃４ｂを左右にスライド移動さ
せるためのもので、ミツシヨン部１１内に内蔵さ
れた第１かさ歯車１２と、この第１かさ歯車１２
と噛合せる第２かさ歯車１３と、第２かさ歯車１
３を固着支持せる第１軸部１４を備えた偏心カム
１５と、この偏心カム１５の第２軸部１６から固
定刃４ａ上の可動刃４ｂに渉つて設けられ中央を
固定ホルダー３に回転自在に枢着せる可動ホルダ
ー１７及びこの可動ホルダー１７上方を覆うカバ
ー１８から構成してなるものである（第４図）。

固定ホルダー３は刈刃４の固定刃４ａを取付け
るためのもので、所望の厚さを有する金属板を平
面略Ｘ型状に截断形成し、回転変換機２の下面略
全面に渉つて覆う様に且つ前端縁を回転変換機２
前方にハの字状に突出させた状態で取付固定す
る。

また、この固定ホルダー３の前端縁左右側部に
は取付片部３ａを傾斜状に突出形成し、この左右
両側の取付片部３ａには刈刃４の固定刃４ａを取
付板１９、ボルト２０及びナツト２１で取付ける
ための取付孔２２を夫々穿設形成する。

取付板１９は刈刃４の固定刃４ａを固定ホルダ
ー３に取付けると共に固定刃４ａが不意に固定ホ
ルダー３から外ずれない様に図るためのもので、
所望の厚さを有する金属製帯状板を固定ホルダー
３前端縁両側の取付片部３ａ間に渉る長さに截断
形成し、その左右側部にはボルト２０を固着固定
すると共にボルト２０の螺子杆２０’が突出せる
長さ方向中央には抜止めボス２３を一体的に設け
る。

刈刃４は固定刃４ａ上に可動刃４ｂを左右スラ
イド自在に取付載置して形成する。

上記固定刃４ａは所望の厚さ及び幅を有する帯
状金属板を所定の長さに截断形成し、その長さ方
向前端縁に多数の刃先４a′を切欠形成すると共
に、後端縁には取付切欠凹部２４と取付係止孔２
５とを長さ方向に同一間隔で且つ交互に夫々形成
する。尚、１箇所の取付係止孔２５を挾む両側の
取付切欠凹部２４の間隔は上記固定ホルダー３前
端縁両側のは取付片部３ａに開孔した取付孔２２
と相対向する間隔とする。

また、この固定刃４ａの幅方向略中央で長さ方
向適所、図面では４箇所に係止孔２６を突設形成
し、この係止孔２６に固定刃４ａの裏面と地表面
とに所望間〓を持たせた状態で地表面を滑らかに
移動させるために取付けるソリ２７の係止ボス２
８を嵌合係止させて不意にソリ２７が外ずれない
ようにする（第９図）。

可動刃４ｂは所望の厚さを有しその長さを上記
固定刃４ａの長さと略同一に截断形成した金属製
帯状板２９の長さ方向下面に多数枚の刃先板３０
を順次並設させて鋲着又は螺着取付けて形成した
ものである。尚、刃先板３０の刃部３０′は全て
焼入れして堅さを増堅してなる。

また、この可動刃４ａの帯状板２９上面の長さ
方向適所、図面では同一間隔をおいた３箇所には
後方に突出させた連結板３１を取付固定すると共
に各連結板３１の突端縁下面には可動ホルダー１
７前端縁に形成した連結凹部３２と嵌合連結させ
るための連結ボス３３を設ける。

以上の如く形成した可動刃４ｂは固定刃４ａ上
の長さ方向適所、図面では４箇所に固定された各
載置板３４の屈曲凹部３４ａ内に渉つて帯状板２
９を嵌挿截架して固定刃４ａ上に左右スライド自
在に取付載置する。尚載置板３４の屈曲凹部３４
ａ内にはコの字状に形成したガイド部材３５を一
体的に設けて可動刃４ｂの帯状板２９が前後上下
にガタ突くことなくスムーズに左右スライド移動
する様にする（第５図）。

次に刈刃４の固定板４ａと固定ホルダー３との
取付方を説明すると、刈刃４の可動刃４ｂに設け
た連結ボス３３と可動ホルダー１７の連結凹部３
２とを嵌合連結させ、その状態を保持しながら取
付板１９に取付けたボルト２０の螺子杆２０′を
固定ホルダー３の取付孔２２から固定刃４ａの取
付切欠凹部２４上方に貫通突出させると共に取付
板１９中央の抜止めボス２３を取付係止孔２５内
に嵌合係止する。そして突出せる螺子杆２０′に
ワツシヤー３６、バネ座金３７を順次嵌挿装着し
てナツト２１を螺合締結せしめれば取付けは完了
する。

而して、刈刃４の固定刃４ａは取付板１９と固
定ホルダー３のは取付片部３ａとの面同志の挾持
力及びボルト２０とナツト２１との螺着力、更に
抜止めボス２３と取付係止孔２５との嵌合係止に
よる強固な取付構造で取付固定されるものであ
る。

また、刈刃４の固定刃４ａと固定ホルダー３と
の取付形態は第３図に図示した様に中央で行なつ
たり、或いは第７図、第８図に図示した様に固定
ホルダー３に対して刈刃４を右側にズラして取付
たり（第８図）、左側にズラして取付けた（第７
図）形態にできるものであり、この各形態時であ
つても各箇所に設けた取付係止孔２５と抜止めボ
ス２３とは嵌合係止して固定刃４ａの固定ホルダ
ー３に対する外ずれ防止を図るものである。尚、
第７図、第８図の形態にした時には図示した様に
補助ソリ２７′を取付けて固定刃４ａの裏面と地
表面との間〓を均一に持たせる様にする。

斯様の様に刈刃４の取付位置を変化させること
によつて、例えば土手を境にする道路際まで刈取
ることができると共に後述するフレーム１と操作
ハンドル７との取付部でもつて刈刃４の角度を変
えることによつて水田の境として土を細長く盛り
上げた畦のノリ面の草を刈取ることができるもの
である（第１０図）。

刈刃４の取外ずし時にはナツト２１を緩めて取
付板１９を下方にズラせば（第４図、第５図二点
鎖線）固定刃４ａの取付係止孔２５から抜止めボ
ス２３が外ずれ、後は刈刃４を手前に引くだけで
簡単に取外ずすことができる。この際ナツト２１
はボルト２０の螺子杆２０′から完全に取外ずさ
ず螺合装着させておく。即ち取付板１９を固定ホ
ルダー３に取付けたままにしておいて上述した第
７図、第８図の様に取付形態を変えたり、刈刃４
の修理等を行なう。

操作ハンドル７は連結フレーム３８を介してフ
レーム１に取付けるもので、連結フレーム３８と
操作ハンドル７との取付けは、両者に夫々設けた
連結盤を締結ノブ３９で螺合連結すると共に、該
締結ノブ３９を緩めて両連結盤の相対向面に夫々
刻設形成しＶ型状の凹凸条の噛み合いを変えるこ
とによつて、操作ハンドル７の角度を使用者の体
格に合わせて調整できる様になつている（第２図
二点鎖線）。

一方、連結フレーム３８とフレーム１との取付
けは、連結フレーム３８の下端にブラケツト４０
を介して取付けた連結パイプ４内にフレーム１を
回転自在に嵌挿すると共に、フレーム１に取付固
定した刈刃角度設定金具４２外周のロツク凹部４
３内にブラケツト４０を螺合貫通せるノブ４４の
螺子杆４４′下部を付き当て係止する。尚、ノブ
４４の螺子杆４４′下部をロツク凹部４３底に付
き当てることによつて刈刃４を地表面に対して水
平保持（第２図）、或いは地表面に対して所定の
角度を持たせた角度保持（第１０図）形態で固定
できる。又、ノブ４４の螺子杆４４′下部をロツ
ク凹部４３の上部開口近傍に位置させることによ
つて刈刃４を規制した角度内で回転させることが
出来、螺子杆４４′をロツク凹部４３内から完全
に外ずすことによつて刈刃４をフリー回転させる
ことができるものである。４５はノブ４４が自由
に回転しない様に螺子杆４４′に螺合装備したロ
ツクナツトである。

而して、本考案実施例の草刈機Ａは、ブラケツ
ト４０に固着せる車軸４６に備えた左右の車輪６
で手押し走行させながらエンジン５の動力によつ
て作動させた刈刃４で草を刈取るものである。

尚、上記実施例にあつては車輪６と手押し用の
操作ハンドル７を備えた手押し走行式草刈機とし
て詳述したが、フレーム１に肩掛けベルトと肩掛
け用の操作ハンドルとを備えて肩掛け式或いは背
負式としても使用することもある。

本考案の草刈機は叙上の如く、刈刃の固定刃刃
後端縁に取付切欠凹部と取付係止孔とを同一間隔
で且つ交互に形成し、取付係止孔を挾む両側の取
付切欠凹部を固定ホルダーに取付板を介して脱着
自在に取付けると共に取付板中央に設けた抜止め
ボスを取付係止孔に嵌合係止させたことによつ
て、万が一刈刃の固定刃を固定ホルダーに取付固
定せるボルトナツトに若干の緩みを来たしても抜
止めボスと取付係止孔との嵌合係止により刈刃が
固定ホルダーから外ずれることはない。

しかも、刈刃の固定刃を固定ホルダーと取付板
との面同志の挾持力で取付保持できるので、より
強固な取付構造になるし、ボルトナツトを緩める
だけで刈刃の脱着を行なうことができるため、そ
の脱着作業が簡便となる。

従つて、本考案は外ずれることのない確実な取
付構造で刈刃の固定刃と固定ホルダーとの取付け
を行ない、脱着も簡便で安全性に優れた草刈機を
提供できるものである。

依つて所期の目的を達成し得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施の一例を示し、第１図は平
面図、第２図は同正面図で一部切欠して示す、第
３図は要部を示す拡大平面図、第４図は第３図の
−線拡大断面図、第５図は第３図の−線
断面図、第６図は要部を示す分解斜視図、第７
図、第８図は固定ホルダーに対する刈刃の取付位
置を変えた状態を示す要部の平面図、第９図は第
１図の−線断面図、第１０図は刈刃の角度を
変化させた状態で示す側面図である。 図中、Ａ……草刈機、１……フレーム、２……
回転変換機、３……固定ホルダー、４……刈刃、
４ａ……固定刃、４ｂ……可動刃、５……エンジ
ン、６……車輪、７……操作ハンドル、１９……
取付板、２３……抜止めボス、２４……取付切欠
凹部、２５……取付係止孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フレームの先端に回転変換機を介して取付けた
   固定ホルダーに刈刃を取付けて成る草刈機に於い
   て、刈刃の固定刃後端縁に取付切欠凹部と取付係
   止孔とを同一間隔で且つ交互に形成し、取付係止
   孔を挾む両側の取付切欠凹部を固定ホルダーに取
   付板を介して脱着自在に取付けると共に取付板中
   央に設けた抜止めボスを取付係止孔に嵌合係止さ
   せたことを特徴とする草刈機。