JPH0137353Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はシヤフトドライド式自動二輪車のリヤ
フオークに関し、特にエンジン出力軸とプロペラ
シヤフトとをスプライン接続するヨークジヨイン
トを収納するリヤフオークのヨークジヨイントハ
ウジングの改良に関する。

シヤフトドライブ式自動二輪車は車体を構成す
るメインフレームに連結するリヤフオーク内に挿
通したプロペラシヤフトの一端部とエンジンの出
力軸とを前記リヤフオークに形成したヨークジヨ
イントハウジング内に収納したヨークジヨイント
によりスプライン嵌合し、これらのヨークジヨイ
ント、プロペラシヤフト及び後輪に装着され前記
プロペラシヤフトの他端部に装着されたギアと噛
合するフアイナルギヤを介して前記エンジンの駆
動力を前記後輪に伝達するように構成されてい
る。

かかる構成の自動二輪車において、整備時にリ
ヤフオークから後輪を外す場合には前述したよう
に一端部が後輪に装着されたフアイナルギヤに噛
合されているプロペラシヤフトも当該後輪と共に
一体的に前記リヤフレームから取り外される。こ
の時、エンジン出力軸と嵌合しているヨークジヨ
イントのスプラインの摩擦力がプロペラシヤフト
と嵌合している当該ヨークジヨイントのスプライ
ンの摩擦力よりも小さいと、リヤフオークを後方
に引き抜く時にヨークジヨイントがプロペラシヤ
フトと嵌合したまま後方に移動し、この結果ヨー
クジヨイントとエンジン出力軸との嵌合が外れて
しまい、当該プロペラシヤフトと共にリヤフオー
クから抜け出てしまう。

このようにヨークジヨイントとエンジン出力軸
との嵌合が外れてしまうと、組立時にプロペラシ
ヤフトにヨークジヨイントを嵌合させた状態でリ
ヤフオーク内にこれらのプロペラシヤフト及びヨ
ークジヨイントを挿通し、ヨークジヨイントとエ
ンジン出力軸とをスプライン嵌合しなければなら
ず、かかるヨークジヨイントとエンジン出力軸と
のスプライン嵌合は極めて困難であり、場合によ
つてはメインフレームからリヤフオークを外した
り、或いはクツシヨン廻りまで分解する必要が生
じることがあり、整備性が非常に悪いという不具
合がある。

本考案は上述の点に鑑みてなされたもので、整
備時の組立工程におけるヨークジヨイントとプロ
ペラシヤフトとの嵌合を容易にして整備性の向上
を図ることを目的とし、この目的を達成するため
に本考案においては、メインフレームに連結する
リヤフオーク内に挿通したプロペラシヤフトとエ
ンジンの出力軸とを該リヤフオークのヨークジヨ
イントハウジング内に収納したヨークジヨイント
により夫々スプライン嵌合させて該エンジンの駆
動力を後輪に伝達するシヤフトドライブ式自動二
輪車のリヤフオークにおいて、該ヨークジヨイン
トハウジングの内壁に該ヨークジヨイントの後方
への移動を該エンジン側出力軸とヨークジヨイン
トとのスプライン嵌合距離よりも短い距離に規制
すると共に該ヨークジヨイントの該プロペラシヤ
フトと嵌合する端部を該プロペラシヤフトとの嵌
合解除位置に保持するガイドリブを設け、リヤフ
オークからプロペラシヤフトを引き抜く際にヨー
クジヨイントとエンジンの出力軸とのスプライン
嵌合を保持し、且つ再組立時においてヨークジヨ
イントとプロペラシヤフトとの嵌合を容易にした
シヤフトドライブ式自動二輪車のリヤフオークを
提供するものである。

以下本考案の一実施例を添付図面に基づいて詳
述する。

第１図は本考案を適用したシヤフトドライブ式
自動二輪車の外観を示し、車体１を構成するメイ
ンフレーム２の中央にはエンジン３が搭載され、
先端部がメインフレーム２に揺動自在に連結され
たリヤフオーク４の後端部には後輪５が装着さ
れ、エンジン３の出力軸と後輪５とは第２図に示
すようにプロペラシヤフト６及びヨークジヨイン
ト８等を介して連結される。プロペラシヤフト６
の一端部６ａは後輪５に装着されたフアイナルギ
ヤケース７に固着され、他端部６ｂはヨークジヨ
イント８の一端部８ａに第３図に示すようにスプ
ライン嵌合される。プロペラシヤフト６の前記一
端部６ａにはギヤ（図示せず）が固着されてお
り、該ギヤはフアイナルギヤケース７内に収納さ
れたフアイナルギヤ（共に図示せず）と噛合す
る。

ヨークジヨイント８はリヤフオーク４の一方の
フオーク４ａの前端部に形成されたヨークジヨイ
ントハウジング４ｂ内に収納され、一端部８ａは
前述したようにプロペラシヤフト６の端部６ｂ
と、他端部８ｂはエンジン３の出力軸３ａと夫々
スプライン嵌合される。

ヨークジヨイントハウジング４ｂの内壁面４ｃ
の所定個所には第３図乃至第５図に示すようにガ
イドリブ４ｄ，４ｅが直径方向に且つ内方に突出
して当該ヨークジヨイントハウジングの内壁と同
心円状に形成されている。

ガイドリブ４ｄは第４図に示すように内壁４ｃ
の一側面から上面を経て他側面に略3/4程度に亘
り円弧状をなして形成され、ガイドリブ４ｅは下
面にガイドリブ４ｄと対向し、且つ当該ガイドリ
ブ４ｄよりも幅狭に円弧状に形成されている。こ
れらのガイドリブ４ｄ，４ｅの対向する面４d′，
４e′は直径Ｄの同一円周上にあり、この直径Ｄは
ヨークジヨイント８の端部８ａの外径ｄよりも大
きく、第５図に示すように当該ヨークジヨイント
８の肩部８ｃ付近の直径と等しい。

更に、第１図に示すようにリヤフオーク４に後
輪５を装着し、第５図に示すようにエンジン３の
出力軸３ａとプロペラシヤフト６の端部６ｂとが
ヨークジヨイント８の端部８ｂ，８ａに正しくス
プライン嵌合された状態において、ガイドリブ４
ｄ，４ｅはヨークジヨイント８の端部８ａの外周
面と所定の間隔で離隔対向し、且つガイドリブ４
ｄ及び４ｅの一端面からヨークジヨイント８の前
記肩部８ｃまでの距離ａは、当該ヨークジヨイン
ト８の端部８ｂとエンジン３の出力軸３ａとのス
プライン嵌合距離ｂよりも短い寸法に設定されて
いる。

即ち、第５図に２点鎖線で示すようにヨークジ
ヨイント８が矢印Ａで示す後方に移動し、肩部８
ｃがガイドリブ４ｄ，４ｅに当接した位置におい
て、ヨークジヨイント８の端部８ｂとエンジン３
の出力軸３ａとのスプライン嵌合が保持される。
更に、これらのガイドリブ４ｄ，４ｅはヨークジ
ヨイント８がどのような回転位置に停止した状態
で当該ヨークジヨイント８を矢印Ａ方向に移動さ
せた場合でも、その肩部８ｃに当接して係止させ
得る大きさに設定されている。かかる形状のガイ
ドリブ４ｄ，４ｅはリヤフオーク４即ち、ヨーク
ジヨイントハウジング４ｂと一体に形成される。

かかる構成において、第３図乃至第５図に実線
で示すようにエンジン出力軸３ａ、プロペラシヤ
フト６の端部６ｂがヨークジヨイント８の端部８
ｂ，８ａに夫々スプライン嵌合された状態におい
ては、ヨークジヨイント８の端部８ａはガイドリ
ブ４ｄ，４ｅ内を同心状に遊嵌しており、エンジ
ン出力軸３ａと一体に回転してプロペラシヤフト
６を回転させる。

整備時にリヤフオーク４から後輪５（第２図）
を取り外すべく当該後輪５と共にプロペラシヤフ
ト６を第５図に示す矢印Ａ方向（後方）に引き抜
く際、エンジン出力軸３ａと嵌合しているヨーク
ジヨイント８のスプラインの摩擦力よりもプロペ
ラシヤフト６と嵌合しているヨークジヨイント８
のスプラインの摩擦力の方が大きいと、ヨークジ
ヨイント８はプロペラシヤフト６と共に矢印Ａ方
向に移動する。そして、ヨークジヨイント８が第
５図の実線で示す位置から２点鎖線で示すように
距離ａだけ移動すると、肩部８ｃがガイドリブ４
ｄ，４ｅに当接して当該位置に係止され、ヨーク
ジヨイント８とプロペラシヤフト６とのスプライ
ン嵌合が解除され、当該プロペラシヤフト６のみ
が矢印Ａ方向に引き抜かれる。ヨークジヨイント
８の移動距離ａは前述したようにエンジン出力軸
３ａとヨークジヨイント８とのスプライン嵌合距
離ｂよりも短く、従つて、エンジン出力軸３ａと
ヨークジヨイント８とのスプライン嵌合は保持さ
れる。

ヨークジヨイント８はガイドリブ４ｄ，４ｅに
より係止された状態において肩部８ｃがガイドリ
ブ４ｅの上面４e′上に載置される。即ち、ヨーク
ジヨイント８の軸芯はプロペラシヤフト６の軸芯
と整合した状態で当該プロペラシヤフト６とのス
プライン嵌合が解除される。従つて、組立時にお
いて後方からフレーム４ａ内に挿入するプロペラ
シヤフト６とヨークジヨイントハウジング４ｂ内
に収納されているヨークジヨイント８との軸芯が
整合し、プロペラシヤフト６の端部６ｂとヨーク
ジヨイント８の端部８ａとのスプライン嵌合を容
易に行うことができる。

また、エンジン出力軸３ａと嵌合しているヨー
クジヨイント８のスプラインの摩擦力がプロペラ
シヤフト６と嵌合しているヨークジヨイント８の
スプラインの摩擦力よりも大きいときには、プロ
ペラシヤフト６を矢印Ａ方向に引き抜いてもヨー
クジヨイント８は移動せず、プロペラシヤフト６
とヨークジヨイント８とのスプライン嵌合のみが
解除される。このときにはヨークジヨイント８の
端部８ａは下側のガイドリブ４ｅの上面４e′上に
やや傾斜した状態で保持され、当該端部８ａの軸
芯がプロペラシヤフト６の軸芯から僅かにずれた
状態となる。

従つて、組立時において後方からフレーム４ａ
内に挿入するプロペラシヤフト６を僅かに振らせ
るだけでプロペラシヤフト６の端部６ｂとヨーク
ジヨイント８の端部８ａとを簡単に合致させるこ
とができ、これら両者のスプライン嵌合を容易に
行うことができる。

以上説明したように本考案によれば、メインフ
レームに連結するリヤフオーク内に挿通したプロ
ペラシヤフトとエンジンの出力軸とを該リヤフオ
ークのヨークジヨイントハウジング内に収納した
ヨークジヨイントにより夫々スプライン嵌合させ
て該エンジンの駆動力を後輪に伝達するシヤフト
ドライブ式自動二輪車のリヤフオークにおいて、
該ヨークジヨイントハウジングの内壁に該ヨーク
ジヨイントの後方への移動を該エンジン側出力軸
とヨークジヨイントとのスプライン嵌合距離より
も短い距離に規制すると共に該ヨークジヨイント
の該プロペラシヤフトと嵌合する端部を該プロペ
ラシヤフトとの嵌合解除位置に保持するガイドリ
ブを設け、リヤフオークからプロペラシヤフトを
引き抜く際に該ヨークジヨイントと該エンジンの
出力軸とのスプライン嵌合を保持するようにした
ので、再組立時においてヨークジヨイントとプロ
ペラシヤフトとのスプライン嵌合を容易に行うこ
とができ、整備性を向上させることができる。し
かも、ヨークジヨイントハウジングの内壁にガイ
ドリブを設けるだけでよくリヤフオークの構造も
極めて簡単である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るリヤフオークを適用した
シヤフトドライブ式自動二輪車の外観図、第２図
は第１図の自動二輪車の後輪、プロペラシヤフト
及びリヤフオークの要部分解斜視図、第３図は第
２図の要部組立断面図、第４図は第３図の矢線
−断面図、第５図は第４図の矢線−断面図
である。 １……車体、２……メインフレーム、３……エ
ンジン、３ａ……エンジン出力軸、４……リヤフ
オーク、４ｂ……ヨークジヨイントハウジング、
４ｄ，４ｅ……ガイドリブ、７……フアイナルギ
ヤケース、８……ヨークジヨイント。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. メインフレームに連結するリヤフオーク内に挿
   通したプロペラシヤフトとエンジンの出力軸とを
   該リヤフオークのヨークジヨイントハウジング内
   に収納したヨークジヨイントにより夫々スプライ
   ン嵌合させて該エンジンの駆動力を後輪に伝達す
   るシヤフトドライブ式自動二輪車のリヤフオーク
   において、該ヨークジヨイントハウジングの内壁
   に該ヨークジヨイントの後方への移動を該エンジ
   ン側出力軸とヨークジヨイントとのスプライン嵌
   合距離よりも短い距離に規制すると共に該ヨーク
   ジヨイントの該プロペラシヤフトと嵌合する端部
   を該プロペラシヤフトとの嵌合解除位置に保持す
   るガイドリブを設けたことを特徴とするシヤフト
   ドライブ式自動二輪車のリヤフオーク。