JPH0137351Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は倒立型フロントフオークの下部取付部
構造に関する。

内筒を下に、外筒を上に配し、これら内、外筒
を摺動自在に嵌合して成る倒立型フロントフオー
クは内、外筒の嵌合部長さを十分取ることができ
る構造のため、内、外筒を鋼材で製作し、その肉
厚も小さくすることができる。従つて、前輪車輪
を取り付けるアクスルステーは内筒と別の部材で
製作し、これを内筒外周に嵌合することが必要と
なる。

ところで、上記アクスルステーは車輪の受ける
衝撃を直接受けるものであり、このため該アクス
ルステーには高い強度が必要となり、しかも操縦
安定性を向上させるためにこれを内筒に確実に固
定することが必要となる。

本考案は斯かる事情に鑑み成されたもので、そ
の目的とする処は、アクスルステーを内筒に確実
に固着するとともに、メインテナンス性向上にも
資することができる倒立性フロントフオークの取
付部構造を提供するにある。

斯かる目的を達成すべく本考案は内筒の外周に
アクスルステーを嵌合し、該アクスルステーの下
端に内側に延びる鍔を設けてこれで内筒下端部を
支承し、他方、アクスルステーの上端内周面にテ
ーパ状面と該面より上方に延びる内ねじを設け、
該アクスルステーを該内ねじに螺合するねじ部材
と内筒内周に螺合するキヤツプ部材の鍔とで挾持
して固着するようにしたことをその要旨とする。

以下に本考案の好適一実施例を添付図面に基づ
いて詳述する。

図面は本考案に係る取付部構造を有して成るフ
ロントフオークの半截断面図である。

図に示すフロントフオーク１において、２は上
方に位置する外筒であり、該外筒２の内部には下
方より内筒３の上部が上下摺動自在に嵌合してい
る。そして、外筒２の下部内周には内筒３の外周
に摺接するオイルシール４が嵌装されており、又
この外筒２の下部外周には含油プラスチツクある
いは軽合金等の柔かい材質で成形された摺動部材
５が外嵌されている。

又外筒２内上部には図示の如くシートパイプ６
が植設されており、該シートパイプ６の下端部は
これの外周に嵌装した還状逆止弁７を介して内筒
３の内周に摺接している。尚前記逆止弁７はフロ
ントフオーク１の押行程で開き、引行程で閉じる
型式のものである。

更にシートパイプ６の下部内周には油路８ａ，
８ｂを穿設して成る環状ばね受８が螺着されてお
り、シートパイプ６の側壁下部には油孔６ａが穿
設されている。

一方、内筒３の上端部はこれの内周側に嵌装さ
れるリリーフ弁９を介してシートパイプ６の外周
に摺接しており、内筒３の内部の前記ばね受８と
内筒３の下端を閉塞すべく設けられたキヤツプ部
材１０との間には図示の如くコイルバネ１１が張
架されている。

又内筒３の下部外周には図示の如く筒状のアク
スルステー１２が嵌合しており、該アクスルステ
ー１２の下端内周部には内方に延びる鍔１２ａが
設けられており、該鍔１２ａは内筒３の下端部を
支承している。又該アクスルステー１２の上端内
周部には図示の如くテーパ面１２ｂ及び該テーパ
面１２ｂより上方に延びる内ねじ１２ｃが設けら
れており、該内ねじ１２ｃにはその内周部が内筒
３の外周に、外周部がテーパ面１２ｂに夫々嵌合
するテーパ状リング部材１３を介在してねじ部材
１４が螺着されている。

そして、アクスルステー１２は内筒３の下端内
周に螺合する前記キヤツプ部材１０の鍔１０ａに
て挾持する如くして内筒３外周に固着されてい
る。

而してアクスルステー１２の内筒３への組付け
は次の手順で成される。即ち、ねじ部材１４を弛
めた状態でアクスルステー１２を内筒３の外周に
下方より嵌合し、これの下端に設けた鍔部を内筒
３の下端に当接せしめ、次にキヤツプ部材１０を
内筒３の内周に螺着してこれの鍔１０ａにてアク
スルステー１２を挾持する。然る後、ねじ部材１
４を締め付ければ、該ねじ部材１４に押されてリ
ング部材１３はアクスルステー１２のテーパ面１
２ｂに密着し、該アクスルステー１２を内筒３に
確実に固着する。

ところで、アクスルステー１２には内、外筒
３，２の摺動部を被う如くプロテクター１５の下
端部がビス１６…にて固着されている。

斯くしてフロントフオーク１の内部は図示の如
く室Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄに区画され、夫々の室Ａ，
Ｂ，Ｃ，Ｄ内には作動油が封入されており、特に
室Ａ，Ｄの上部は気体で占められている。尚室Ｂ
の内部にはリバウンドスプリング１７が設けられ
ている。

以上のフロントフオーク１において、外筒２の
上端は車体側に連結され、内筒３の下端はアクス
ルステー１２を介して車軸側に連結される。

以上において、内筒３の下端を車輪側に連結す
るアクスルステー１２は内筒３を薄肉の鋼材等で
製作しても、該内筒３に確実に嵌合固着されるた
め、操縦安定性が害されることがなく、該アクス
ルステー１２は強度部材として十分機能する。

又アクスルステー１２は内筒３に対して着脱自
在なため、外筒２に嵌装したオイルシール４等の
部材を容易に交換することができ、これによりメ
インテナンス性の向上が図られる。

その他アクスルステー１２の内筒３への取付け
は溶接等による熱的悪影響を受けることなく成さ
れるため、摺動部の変形がなく、フロントフオー
ク１は極めて良好な作動が保証される等の利点が
得られる。

以上の説明で明らかな如く本考案によれば、内
筒の外周にアクスルステーを嵌合し、該アクスル
ステーの下端に内側に延びる鍔を設けてこれで内
筒下端部を支承し、他方、アクスルステーの上端
内周面にテーパ状面と、該面より上方に延びる内
ねじを設け、該アクスルステーを該内ねじに螺合
するねじ部材と内筒内周に螺合するキヤツプ部材
の鍔とで挾持して固着するようにしたため、アク
スルステーを内筒に確実に固着することができ、
フロントフオークのメインテナンス性向上をも図
ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであり、図
は本考案に係る取付部構造を有して成るフロント
フオークの半截側断面図である。 尚図面中１はフロントフオーク、２は外筒、３
は内筒、６はシートパイプ、１０はキヤツプ部
材、１２はアクスルステー、１２ａは鍔、１２ｂ
はテーパ面、１２ｃは内ねじ、１３はリング部
材、１４はねじ部材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内筒を下に、外筒を上に配し、これら内、外筒
   を摺動自在に嵌合するとともに、内部に作動油を
   封入して成る倒立型フロントフオークにおいて、
   前記内筒の外周にアクスルステーを嵌合し、該ア
   クスルステーの下端に内側に延びる鍔を設けてこ
   れで内筒下端部を支承し、他方、アクスルステー
   の上端内周面にテーパ状面と該面より上方に延び
   る内ねじを設け、該アクスルステーを該内ねじに
   螺合するねじ部材の締付けによりねじ部材に押さ
   れてアクスルステーのテーパ面と内筒の外周面に
   密着するテーパ状リング部材と内筒内周に螺合す
   るキヤツプ部材の鍔とで挟持して固着することを
   特徴とする倒立型フロントフオークの取付部構
   造。