JPH0137269B2 - - Google Patents

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JPH0137269B2
JPH0137269B2 JP1393278A JP1393278A JPH0137269B2 JP H0137269 B2 JPH0137269 B2 JP H0137269B2 JP 1393278 A JP1393278 A JP 1393278A JP 1393278 A JP1393278 A JP 1393278A JP H0137269 B2 JPH0137269 B2 JP H0137269B2
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film
packaging
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ethylene
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JP1393278A
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Tsutomu Isaka
Maki Matsuo
Yukinobu Myazaki
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は高透明性、優れた光沢の包装体、特に
一度箱体等に収容した形で包装された物品の単体
又は集合体を再度密封包装した包装体を得るのに
極めて優れた包装性を有する包装材料を提供する
ことにある。さらに本発明においては自動包装機
により物品の包装に際し要求される低温溶融接着
性、摺動滑性、熱板離脱性、静電防止性等の特性
に優れている包装材料を提供することにある。 近年食品、タバコ、工業用品、日用雑貨品等の
外装に対し高度な要求が高まつている。例えば食
品包装では防湿性、保香性、防虫性、酸素遮断性
等外装材の特性もさることながら、包装時の熱接
着部の密封不足、接着強度不足、包装材の皺によ
る折重なり部からの気密不良による問題等が重視
されてきている。又、包装材の臭気も衛生上の問
題から残留溶剤の減少に必死の努力を業界で実施
している。又一方、自動包装機は益々高速化高能
率になつてきたため自動包装機で使用するために
は次のような特性が優れていることが要求されて
いる。包装材料と自動包装機の金属案内部との滑
り性、包装材料と熱板との離脱性及び滑性、包装
材料と自動包装機との摺動による傷の防止性、包
装材料の自動包装機への自動供給性。 ヒートシール性を有する包装材料としては、低
融点物資を有機溶剤で溶解し、基体フイルム上に
コーテイングする方法で製造したコーチングフイ
ルム、ポリプロピレン等に低融点重合体を混合し
て得た単体フイルム、低融点重合体を基体フイル
ム上に積層しヒートシール面に該低融点重合体積
層面がくるようにした積層フイルム、或いはポリ
プロピレン等に低分子量熱可塑性樹脂等を混合し
た単体フイルム等が提案されている。しかるにコ
ーテイング法で得られたフイルムは熱時のシール
強度が弱く、本発明の如き密封包装体に適さない
こと、又その上、コーチング面上の残留溶剤を皆
無にすることが困難なことが欠点としてあげられ
る。ポリプロピレン等に低融点重合体を混合して
得たフイルムは低温シール性が悪く、透明性、光
沢が悪化することが多く、コーテイング法で得ら
れたフイルムよりも、特に光沢が悪い。また、フ
イルムが柔軟なためにフイルムの腰、剛性が低
く、自動包装機により連続的に包装することが困
難である。また、低分子量熱可塑性樹脂を混合し
たフイルムはシール強度は出るものの加熱してゆ
くと強度が低下する欠点を有しており、密封度の
優れた包装体を得る事が困難である。つまりヒー
トシール直後はフイルムも高温状態にあり、シー
ル面のタツク力が不足するからである。低融点重
合体を基体フイルム上に積層する方法も試みられ
てきているが、低融点重合体を混合する場合と同
じく、逐次2軸延伸を行なう場合、加熱ロールに
よる延伸中にロールを融着する。このため実際上
冷延伸をせざるを得ず、かかる条件下では透明な
フイルムは得られない。例えば、特公昭41−4338
号公報にみる如く、真珠様光沢を有したフイルム
となつてしまう。このため、基体となるフイルム
を加熱ロールにより縦延伸後この片面又は両面に
該低融点重合体を積層し、この融着しやすい表面
に何ら接触しないように巾出機(テンター)で延
伸するという方法がとられてきている。しかし、
この方法でも低融点重合体が延伸時の加熱により
融解し、光沢透明性は劣る。 逐次2軸延伸法で得たフイルムからなる包装材
料は、厚み精度、高能率生産性の由に最も経済的
に材料を供給出来る方法である。 これらの特徴を活かして、且つ透明性、光沢性
を改良する研究を重ねた結果、高透明高光沢な密
封包装材料を得ることが出来た。 即ち、本発明はポリプロピレン系重合体により
形成された基層Aおよび該基層の少なくとも片面
をおおうエチレン−プロピレン共重合体(エチレ
ン含有量0.5〜10重量%)5〜85(重量)%とブテ
ン−エチレン系不飽和結合を有するモノマー(ブ
テンを除く)共重合体(ブテン含有量70〜99重量
%)95〜15(重量)%とを有する重合体混合物の
75〜97(重量)%と低分子熱可塑性樹脂3〜25(重
量)%とを含有する重合体混合物により形成され
た表面層Bから形成された優れた密封包装性を有
する包装材料、である。 基体フイルム層Aを形成するポリプロピレン系
重合体は融点が140℃以上、好ましくは融点150℃
以上のプロピレンを主体とした重合体であつて例
えばアイソタクテイツク指数85(重量)%以上ア
イソタクテイツクポリプロピレン、エチレン含有
量が7(重量)%以下のエチレン/プロピレン共
重合体、プロピレンが90(重量)%以上プロピレ
ンと炭素数が4〜6のα−オレフインとの共重合
体を主成分とし、或いはこれ等の重合体混合物等
である。該ポリプロピレン系重合体は固有粘度
(135℃テトラリン溶液)が1.6〜3.0dl/gである
のが好ましい。特に1.6〜2.5dl/gであるのが好
ましい。固有粘度が1.6dl/g未満では透明な包
装材料が得難く、又、3.0dl/gを越えると、押
出性が低下し、特に本発明として好適な包装体の
外装としての包装材料には外観が悪く、光沢の悪
い、内部の商品価値を低下するような包装体にな
つてしまう。 本発明において、基層フイルムAはポリプロピ
レン系重合体により形成されているが該ポリプロ
ピレン系重合体に低分子量熱可塑性樹脂を配合す
ることは好ましい。その好ましい配合割合は前
者:後者=80〜98(重量)%:20〜2(重量)%で
ある。 本発明において用いる低分子量熱可塑性樹脂と
は、共に混合するポリプロピレン系重合体と混和
性の良好な混合物を形成し、軟化点(ASTM−
D36−26による測定)が70℃〜150℃の範囲にあ
り、150℃以上で熱的に安定であり、好ましくは
200℃で約20000センチポイズ以下の溶融粘度を有
する樹脂を指す。ここに“混和性”とはポリプロ
ピレンと上記低分子量熱可塑性樹脂とを混合した
場合に層分離を起こさないことを意味する。また
“熱的に安定”とは空気の存在下、所定の温度で
1時間加熱後でも、樹脂の性質に永久的な変化が
起こらないことを意味する。更に溶融粘度は、ブ
ルツクフイールド粘度計を用いて指示された高温
度にまで加熱し、ASTM試験法D1824−66によ
つて測定されたものである。 本発明における低分子量熱可塑性樹脂としては
天然及び合成ワツクス、炭化水素樹脂、ロジン、
ダンマル、フエノール樹脂、塩素化脂肪族炭化水
素ワツクス、塩素化多該芳香族炭化水素などがあ
る。 天然ワツクスとしては、木ロウ、密ロウ、鯨ロ
ウ等があり、合成ワツクスとしては高分子重合体
の加熱クラツキングにより低分子化したものや、
或いはエチレン、プロピレン等のモノマーから出
発した公知の重合法により低分子重合体とする合
成ワツクス等を意味する。 “炭化水素樹脂”とは、コークス炉ガス、コー
ルタール留分、分解および深分解された石油原
料、本質的に純粋な炭化水素原料またはテレビン
油から誘導される炭化水素重合体をいい、典型的
な炭化水素樹脂としては、例えばクマロン−イン
デン樹脂、石油樹脂、スチレン樹脂、シクロペン
タジエン樹脂、テルペン樹脂等がある。これらの
樹脂はカーク・オースマー「エンサイクロペデイ
ア・オブ・ケミカル・テクノロジー」第2版第11
巻242〜255頁(1966年)に記載されている。 “クマロン−インデン樹脂”とは、コークス炉
ガスから回収されるか、コールタールの蒸留物中
に存在する樹脂形成物の重合により得られる炭化
水素樹脂、フエノール変性クマロン−インデン樹
脂またはそれらの誘導体をいい、これらの樹脂は
上記文献第2版第11巻243〜247頁に記載されてい
る。 “石油樹脂”とは、深分解された石油原料を触
媒重合することにより得られる炭化水素樹脂をい
い、これら石油原料は一般にスチレン、メチルス
チレン、ビニルトルエン、インデン、メチルイン
デン、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、ベ
ンチレンのような樹脂形成物の混合物を含有して
いる。この樹脂は上記文献第2版第11巻第248〜
250頁に記載されている。 “スチレン重合体”とは、スチレンの低分子量
ホモポリマー、スチレンと例えばα−メチルスチ
レン、ビニルトルエン、ブタジエン等を含有する
コポリマーをいう。 “シクロペンタジエン樹脂”とは、コールター
ル留分または分離石油ガスから誘導されるシクロ
ペンタジエンホモポリマーおよびコポリマーをい
う。これらの樹脂はシクロペンタジエン含有原料
を高温でかなり長時間保持することにより製造さ
れる。保持される温度により2量体、3車体また
は高重合体のいずれかが得られる。これらの樹脂
は上記文献第2版第11巻250〜251頁に記載されて
いる。 “テルペン樹脂”とは、ほとんどの精油および
植物の含油樹脂中に存在する一般式C10H16の炭
化水素であるテルペン類の重合体およびフエノー
ル変性テルペン樹脂をいう。好適なテルペンとし
ては例えばα−ピネン、β−ピネン、ジペンテ
ン、リモネン、ミルセン、ボルニレン、カンフエ
ンおよびその類似テルペンが挙げられる。この樹
脂は上記文献第2版第11巻252〜254頁に記載され
ている。 “ロジン”とは、松の木の含油樹脂中に天然に
存在する樹脂状物質およびロジンエステル、変性
ロジン例えば分留、水添、脱水素またはその類似
物をいう。これらの物質は上記文献第第17巻475
〜505頁に記載されている。 “ダンマル”とは、ふたばがき科、かんらん科
等の植物中に天然に存在する無色ないし黄色の物
質またはその類似物をいい、この物質は共立出版
社“化学大辞典”第5巻776頁(昭和36年出版)
に記載されている。 “フエノール樹脂”とは、フエノール類とアル
デヒド類との反応生成物をいう。フエノール自体
のほかにクレゾール、キシレノール、P−tert−
ブチルフエノール、P−フエニルフエノールまた
はその類似物がフエノール成分として挙げられ、
ホルムアルデヒドが最も普通のアルデヒドである
が、アセトアルデヒド、フルフラールアルデヒド
等がアルデヒドとして挙げられる。これらの樹脂
は上記エンサイクロペデイア第15巻170〜207頁に
記載されている。 “塩素化脂肪族炭化水素ワツクス”とは、通常
“塩素化ワツクス”といわれる塩素化パラフイン
ワツクスのようなものをいい、代表的なものは塩
素を約30〜70重量%含有する。 “塩素化多核芳香族炭化水素”とは、2種もし
くはそれ以上の塩素化ビフエニル、ターフエニル
等またはそれらの混合物のように2種もしくはそ
れ以上の芳香族環を持つ塩素化炭化水素をいう。
代表的なものは塩素を約30〜70重量%含有る。 本発明における基層Aは更にその性質を低下さ
せない量の他の重合体を含有してもよく、また帯
電防止材、滑材、ブロツキング防止剤等を含有し
てもよい。 帯電防止剤を含有させる場合は、基層を形成す
る重合体100重量部に対し0.1〜3(重量)部、滑
材ないしブロツキング防止剤を含有させる場合は
基層を形成する重合体100重量部に対し0.1〜3
(重量)部配合する。 滑剤としては高級脂肪酸アマイド系高級脂肪酸
エステル系、ワツクス系、金属石ケン等が一般的
に用いられる。 ブロツキング防止剤としては、シリカ、炭酸カ
ルシウム、硅酸マグネシウム、隣酸カルシウムの
ような無機系添加剤、非イオン系界面活性剤、陰
イオン系界面活性剤、非相溶性の有機重合体(例
えばポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネー
ト等)等が用いられる。 帯電防止剤はポリプロピレン系重合体に練込可
能なものは有用であるが、特に有用なものは次の
ものである。 R、R3;同一又は異なるC1222の脂肪族基 R1、R2;同一又は異なるC24の脂肪族基 m+n=0〜8 X1、X2;−(R4O)PH、C122の飽和炭化水素
基又は該炭化水素基にアルコキシ基または水酸基
が結合した基であつて上記炭化水素基はNを介し
て環を形成してもよい。 P;2以下の数 R4;C13の炭化水素 その他脂肪酸エステルのモノグリセリド、ポリ
オキシエチレンアルキルフエニルエーテル等が例
示される。 これらの帯電防止剤を二者以上併用することも
特に有効である。 密封包装体を得る為に、自動包装機の包装材料
供給部でフイルムが静電気により吸着したりカツ
ターの刃に巻付いたり、案内板に静電引力により
引張られたりしてそのために包装材料の供給が一
定且つ真直ぐに被包装物に届かないようなことは
避けなければならない。この点に関し、本発明者
等は次の新らしい事実を発見した。即ち、前記の
自動包装機による静電気発生の現象はフイルムの
基層に帯電防止剤を混合することにより、著しく
改善出来るのである。特に低分子量熱可塑性樹脂
の混合により促進、或いは遅効現象があり、促進
することにより更に著しい効果を発揮し、フイル
ムの供給性が良くなる。 本発明においては、上記基層Aの少なくとも片
面の表面にエチレン−プロピレン共重合体5〜85
(重量)%とブテン−エチレン系不飽和結合を有
するモノマー(ブテンを除く)共重合体95〜15
(重量)%とを有する重合体混合物の75〜97(重
量)%と低分子量熱可塑性樹脂3〜25(重量)%
とを含有する重合体混合物により形成された表面
層Bを形成する。表面層Bは基層Aの少なくとも
片面に積層され強固に接着している。B層に用い
るエチレン/プロピレン共重合体はエチレン含有
量が0.5(重量)%〜10(重量)%の範囲内である。
そして、その溶融指数0.5〜10(g/10分)の重合
体であるのが好ましい。さらに好ましくは、共重
合体のエチレン含有量が2.5〜6(重量)%のラン
ダム共重合体であり、溶融指数は1.0〜10(g/10
分)である。かかる構成の包装材料は高透明性、
優れた光沢を有し、かつ自動包装機による物品の
包装に際し要求される低温溶融接着性、摺動滑
性、熱板離脱性、静電防止性等の特性が優れてい
るのである。このことは後の各実施例によりさら
に具体的に明らかにされている。エチレン含有量
が0.5(重量)%未満では後述のブテン系重合体と
の均一混合が困難であり透明性、光沢共に悪くあ
り、極端な場合半光沢、半透明様フイルムとな
る。又、エチレン含有が10(重量)%以上となる
と、加熱状態で滑りが悪化する欠点を有し、包装
体に皺、スクラツチを生じ、密封包装体を得るこ
とが出来なくなる。帯電防止性を更に良くする為
にコロナ処理等の表面酸化処理によつて、低温ヒ
ートシール性が低下するが、本発明はこの点に関
し、更に好ましくはエチレン含有量が3.6(重量)
%以上にすることにより、帯電防止性、滑り性、
低温ヒートシール性の矛盾する特性を解決する事
が出来る。B層を形成するブテン−エチレン系不
飽和結合を有するモノマー(ブテンを除く)共重
合体はブテンを70(重量)%〜99(重量)%含有し
ており、エチレン系不飽和結合を有するモノマー
(ブテンを除く)は炭素数が2〜10(炭素数4は除
く)である共重合成分を含有した共重合体であ
る。上記共重合体に於いてブテンの含有量が70
(重量)%以下であると低温ヒートシール性がな
く、且つ高温時の摩擦係数が高く高温摩擦係数が
1.4を越えてしまいヒートシール時、滑り不良に
よるフイルム又はシートにスクラツチや皺を生じ
自動包装機を用いて密封包装体は得られない。ま
た、前記逐次2軸延伸を行なう場合、加熱延伸ロ
ールへの粘着、融着を生じ易く、商業的に平滑で
傷のない外観の優れたフイルムまたはシートから
なる包装材料を得る事が出来ない。又ブテンの含
有量99(重量)%以上であるとフイルムの透明性
が悪く、半透明化し、透明で内容物が良く見える
包装体とする事は出来ない。驚くべきことに低分
子量熱可塑性樹脂を本発明の範囲内で表面層(B
層)に混合することにより著しく透明性、光沢が
向上していることがわかる。低分子量熱可塑性樹
脂が3(重量)%以下では光沢、透明性が上らず、
25(重量)%以上では逆に透明性、光沢が悪化し
且つ高温でのタツク力が低下して、密封包装性が
低下する。上記エチレン/プロピレン共重合体と
ブテン−エチレン系不飽和結合を有するモノマー
(ブテンを除く)共重合体の混合比は前者が5〜
85(重量)%、後者が15〜95(重量)%である。該
混合物75〜97(重量)%と前記低分子量熱可塑性
樹脂3〜25(重量)%とを有する重合体混合物10
(重量)部に対しシリコン系オイルを0.01〜0.15
(重量)部配合することは本発明において好まし
いことである。 本発明に用い得るシリコン系オイルはポリジメ
チルシロキサン、ポリメチルフエニルシロキサ
ン、オレフイン変性シリコーン、ポリエチレング
リコールやポリプロピレングリコールで変性した
ポリエーテル変性シリコン、オレフイン/ポリエ
ーテル変性シリコン、エポキシ変性シリコン、ア
ミノ変性シリコン、アルコール変性シリコン等変
性されたシロキサキン結合を含有したシリコン系
オイルである。該シリコン系オイル中特にオレフ
イン変性シリコン、ポリエーテル変性シリコン、
オレフイン/ポリエーテル変性シリコン等が優れ
ている。該シリコン系オイルは加熱状態でのフイ
ルムの摩擦係数を改良し、自動包装機による熱板
シール中に生じる摺動抵抗を低下させ皺の発生を
防止することにより、美しい外観と高度な密封性
と被包装体にたるみない密着性とを有する性能を
保持したフイルムを得ることが出来る。又摺動に
よる光沢の低下を防止して、美しいシール部を得
る事が出来る。シリコン系オイルを併用した場合
の本発明では摺動ヒートシールをする場合高温摩
擦係数を1.4以下にすることが出来る。上記目的
を達成する為に重要な要件である該シリコン系オ
イルは常温に於ける粘度が50〜10000センチスト
ークスの範囲内が好ましく、更に好ましくは50〜
300センチストークスの低粘度のものがよい。該
シリコン系オイルに、更には軟化点70℃〜140℃
のカスターオイルのエチレンオキサイド付加物、
酸化合成ワツクス、高級脂肪酸アルキルエステ
ル、多価アルコールアルキレートエチレンオキサ
イド付加物、脂肪酸アマイド等を併用することに
より一層効果を高めることが出来る。これ等の混
合はシリコン系オイル100部に対し1〜300部、特
には50部から300部の範囲で用いることが望まし
い。該添加剤をシリコン系オイルに併用すること
により、シリコン系オイルのみの使用では生じが
ちな室温〜100℃以下でのステイツクスリツプを
防止し、自動包装機の各種金属案内板との滑りを
円滑にし包装不良を未然に防ぎうる。更に高温加
圧下での滑りを改善し、本発明の密封包装体を得
るのに極めて重要である。この具体的数値が高温
摩擦係数で1.4以下、好ましくは1.0以下である。
該シリコン系オイル及び上記添加剤等は良い面ば
かりではなく、フイルム又はシートのヒートシー
ル性を低下させる傾向があり、透明性をも低下さ
せる傾向がある。従つて、単に添加するだけでは
低温ヒートシール性を低下させる傾向のためやや
高温でヒートシールすることになる。本発明の混
合範囲はこの点を満足する好ましい混合量を示し
ている。 一般に、自動包装機により高速、高温でヒート
シールするとフイルム又はシートの表面に傷を生
じ、且つ熱収縮が発生して平滑なシール面が得ら
れない。即ち、ポリプロピレン等の2軸延伸フイ
ルムでは結晶性、融点共に高く、ポリ塩化ビニー
ル等の如く均一な収縮は得られない。ポリプロピ
レン2軸延伸フイルムの場合は熱板に接触した部
分が収縮し、接触状態によつて極めて凹凸のある
シール面しか得られないのである。この現象は本
発明の目的である密封性能を有するフイルムに対
し凹凸の発生による部分的なシール不良を生じ気
密度の高い包装は期待出来ない。これ等の密封性
能を得るためには上記の如く、低温でヒートシー
ル出来ることは勿論、加熱状態での摩擦係数が低
いことが必要である。具体的には110℃で0.5秒間
加熱するとき20g/cm以上のヒートシール強度を
有し、且つ、このシール体を100℃に保持したと
きのシール強度の保持率が60%以上、好ましくは
80%以上有しており、更にその上120℃における
摩擦係数が1.4以下であることが必要である。本
発明の包装材料は、A層、B層の接着は接着剤を
用いて複合することも出来るが、最も経済的には
A層とB層を別個の押出機から押出し、溶融状態
で複合流をつくり押出成形する共押出法、或いは
別個に溶融押出して後冷却固化するより前にラミ
ネートする方法、又は一方が冷却固化したフイル
ム又はシートに他方の溶融押出状態のフイルムを
接着する方法等で複合状のフイルム又はシートを
得ることができる。本方法は平板状フイルム、円
環状フイルムのいづれでもよく、本発明の包装材
料は未延伸状態でも用いうるが少なくとも一軸延
伸することが好ましい。特に好ましくは2軸延伸
することにより一層有効な包装材料を提供する。 本発明の包装材料の特徴は加熱ロールを縦延伸
時に用いる逐次2軸延伸法においても製造出来る
点にあり、勿論2軸同時延伸でも一層容易であ
る。逐次2軸延伸では層間に強固な複合層の結合
力を得て良好なヒートシール強度を有する包装材
料を得ることができ、且つ経済的に積層体を生産
しうる点から本発明における積層フイルムの意義
は極めて高い。 本発明の包装材料を延伸フイルムとして得る場
合の好適な条件を次に述べる。1軸延伸する場合
には縦方向あるいは横方向に3.5〜10倍延伸する。
延伸温度はロール延伸する場合は100〜160℃、テ
ンター延伸する場合は140〜165℃であるのが通常
である。本発明においてはフイルムを2軸延伸す
る場合は縦方向に3.5〜10倍、好ましくは3.87.5
倍、横方向には4〜12倍、好ましくは6〜9倍延
伸する。同時2軸延伸する場合は140〜165℃で行
なう。逐次2軸延伸する場合は第1段は100℃〜
160℃、好ましくは110℃〜145℃、第2段は140℃
〜165℃、好ましくは145℃〜160℃である。熱固
定は1軸延伸後あるいは2軸延伸後に行ない、そ
の温度は上記延伸温度以上であり、かつ140℃〜
167℃で1秒〜1分程度である。得られた積層フ
イルムは表面層B同士を向合せて熱溶融接着させ
るのが通常であるが、基層Aと表面層Bとを熱溶
融接着させることも必要に応じて行なうこともで
きる。 密封包装性を必要とする例としては、被包装物
を直ちに前途の積層包装材料で密封包装する場
合、あるいは被包装物をあらかじめ一定数量ずつ
箱体に収納してから該箱体を1ないし多数個まと
めて前途の積層包装材料でさらに密封包装する場
合がある。いずれの場合も外気が内容物側と流通
しないように積層包装材料が平面密着状態で熱溶
融接着されておればよい。このような状態で包装
するフイルムは被包装物の色、或いは箱体表面の
印刷色をそのまま引出させる為に透明性は重要で
あり、特に白色、濃色ではこの影響を受け易い。
又、光沢がないと、透明性以上に、肉眼的な被包
装物の色、図柄等の外観特性を左右する。 本発明で用いる積層包装材料の厚さの範囲はそ
の密封包装体としての用途に応じて決められるが
通常5〜150μの範囲である。繁用されるのは15
〜60μの範囲である。かつ、その表面層Bの合計
厚みは積層包装材料全体の厚みの0.2〜50%の範
囲である。自動包装機により密封包装体とする場
合には上記の厚み比を満足するほか、個々の表面
層の厚みの絶対値が重要であり、0.2〜10μ特に
0.2〜3μである範囲が好ましい。なお、自動包装
機には加熱加圧摺動熱接着方式熱押圧熱接着方式
とがあるが加熱摺動熱接着方式を使用する場合に
は個々の表面層の厚みが0.2〜3μの範囲であるの
が特に好適である。加熱押圧方式の場合は、被包
装物の重量、形状等により表面層は厚くなるが何
ら差支えない。本発明の包装材料は、例えば少な
くともどちらか一方の面に印刷、或いは金属蒸着
等を施したり、又はコロナ放電処理等公知の表面
処理加工を施してもよい。コロナ放電処理等の表
面活性化処理は滑剤による滑り向上、帯電防止剤
の引出効果による帯電防止性向上等好ましい効果
を有する。フイルムの厚みが薄い場合、静電吸引
力の影響を受け易いので、表面固有抵抗値や帯電
圧を低く又、減衰しやすくしなければならない。
この場合はオーバーラツプ機のような自動包装機
では108〜1010Ω・cm位の表面固有抵抗値が必要
で、少なくとも1011.5Ω・cm以下である事が必要
となる場合が多い。本発明の包装材料は表面濡れ
張力を高くしても、他の類例で認められないよう
な、高処理域でのヒートシール強度の低下が少な
く、その上用いるEPCのエチレン含有量が3.6〜
3.7以上になると一層これが顕在下し、安定した
滑り、帯電防止性を有し且つヒートシール性をほ
とんど低下させずに用いる事が出来るという大き
な利点を有する。この場合エチレン含有量のみな
らず、低分子量熱可塑性樹脂は高処理域でのヒー
トシール性の目的に関しては、ロジン、ダンマ
ル、フエノール樹脂、炭化水素樹脂等これらの誘
導体、変成物等が好ましい。本発明品は表面濡れ
張力に対するヒートシール強度は特徴的に表面活
性化処理の高処理域で又シール強度が増大する事
である。しかしながら低処理域の方が、高温での
タツク力が強く、高処理域は低温シール性の低下
が少ないかわりに、高温度でのタツク力は低下す
る為、比較的軽量物の包装に適する。処理度の上
限は55ダイン/cmであり、好ましくは46ダイン/
cm以下である。又、広く包装材料として、他のフ
イルムを積層し、公知の加工を得て包装用袋とし
ても通常のポリプロピレンフイルムより優れた耐
久性を有する気密包装も出来る。その他粘着テー
プ、シート類、保護膜等の表面被覆としての包装
材料用途にも用い得る。 本発明の実施例を述べる前に評価方法を述べ
る。 (1) 透明度;JIS−K6714に従い東洋精機製「ヘ
ーズテスター」で測定した。 (2) 光沢;JIS−Z8714に従い測定した。 (3) 曇価;JIS−K6714に従い、東洋精機製「ヘ
ーズ・テスター」で測定した。 (4) 摩擦係数 (イ) 常温摩擦係数 20℃×65%RHにおいて、ASTM−D1894
により測定した。 (ロ) 高温摩擦係数 120℃に加熱された熱板上に弗化ビニリデ
ン製の粘着テープを貼りつけ、該面とフイル
ム又はシートに4.5g/cm2の垂直荷重をかけ
2m/Secの摺動速度で摺動させた場合の摩
擦係数である。 (5) ヒートシール強度 東洋精機製熱傾斜ヒートシーラーにより圧力
1Kg/cm2、0.5秒間の条件下でヒートシールし
た後にその強度を200mm/minの速度で剥離強
度を測定した。 (6) 密封性 自動包装機により140℃、100個/minの包装
条件でシールされた部分の気密性を水漏れ量に
より判断した。箱状に形成された外装体の一部
を切開き、内部に水道水に界面活性剤を0.1(重
量)%混合した液を50c.c.入れ、ヒートシール部
から1分間に漏れる量を測定した。 クラス 水漏れ量 A 0〜10c.c./min B 11〜20 〃 C 21〜30 〃 D 31〜50 〃 E 50以上 〃 (7) 漏れ張力 検定液をフイルム表面に塗布し塗布後2秒間
で液が凝集をはじめる限界液の濡れ張力をもつ
てフイルムの表面張力と定めた。 〔検定液はジメチルホルムアミドとエチレング
リコールモノエチルエチルエーテルの混合液を
用いる。;標準検定液…和光純粋薬(株)製〕 実施例 1 基層Aとして固有粘度1.8dl/g(135℃テトラ
リン溶液使用)のアイソタクテイツクポリプロピ
レン90(重量)%と石油樹脂(荒川林産社製、ア
ルコンR−115)10(重量)%からなる混合組成物
の100(重量)部に対し、グリセリンのステアリン
酸エステルを0.5(重量)部アルキルアミン型帯電
防止性を0.8(重量)部混合した組成とした。 一方表面層Bとしてエチレン4.5(重量)%のエ
チレン/プロピレン共重合体(メルトインデツク
ス2.0g/10分)40(重量)%とブテン含有率97
(重量)%のブテン−1/エチレン共重合体60(重
量)%との重合体混合物を90(重量)%と分子量
2000の低分子量ポリプロピレンを10(重量)%混
合した。該重合体混合物100(重量)部にポリプロ
ピレングリコール変性シリコン(20℃での粘度が
100センチストークス)を0.04(重量)部、カスタ
ーオイルエチレンオキサイド付加物0.02(重量)
部、グリセリン脂肪酸エステル0.3(重量)部、ヒ
ドロキシステアロアミド(日本化成社製、ダイア
ミドKH)0.8(重量)部を混合した組成物を用い
た。該A層及びB層の組成物を2台の押出機から
溶融押出し、B/A/Bの3層未延伸フイルムを
得た。該未延伸フイルムは1300μ(厚み比30/
1240/30)の厚みを有し、130℃に於いて縦方向
に4.0倍延伸し、引続いて横方向に8.0倍延伸し、
155℃で5%緩和熱固定を行なつた後冷却し、厚
さ35μの2軸延伸複合フイルムを得た。このフイ
ルムの特性を表−1に示す。このフイルムを小巾
に細断し高さ70mm、巾55mm、厚さ20mmの角箱の外
装を加熱加圧摺動方式の自動包装機により行なつ
た。外装包装は表−1記載の温度で行ない、包装
速度は100個/分であつた。 参考実施例 1 実施例1において、B層の低分子ポリプロピレ
ンを混合しなかつた以外は全く同様にして製造
し、引続いて同様に包装テストした。 比較例 1 実施例1の基層を形成する重合体組成物のみで
得たポリプロピレン2軸延伸フイルムの両面に塩
化ビニリデンを主剤とし、これに滑剤、帯電防止
剤を混合して片面に1.5g/m2の樹脂固型分とな
るようにコーテイングし両面ヒートシーラブル包
装材を得た。この包装材料により実施例1と同様
に自動包装機により角箱を包装した。 比較例 2 アイソタクテイツクポリプロピレン(固有粘度
2.0dl/g)90(重量)%とロジン10(重量)%と
を混合し、溶融押出し、厚さ1400μの未延伸フイ
ルムを得た。引続いて140℃で縦方向に5.0倍延伸
し、150℃で8倍横方向に延伸して厚さ35μの2
軸延伸フイルムとし、次いで160℃で10秒間熱固
定し、両面にコロナ放電処理により漏れ張力を40
ダイン/cmに処理した。得られたフイルムにより
実施例1と同様に自動包装機により角箱を包装し
た。 比較例 3 プロピレン/ブテン−1(ブテン−1含有量10
重量%)共重合体を溶融押出しし、一方アイソタ
クテイツクポリプロピレン(固有粘度2.1dl/g)
を溶融押出し、該層を基体層とし、プロピレン/
ブテン−1共重合体層を表面層として、基体層の
両面に配しうるような3個のマニホールドを有す
る多層ダイスを用いて、3層未延伸フイルムを得
た。厚さ1110μ(厚み比29/1021/29)の該フイ
ルムを縦方向に120℃で4倍、横方向に150℃で8
倍に延伸し続いて熱処理して厚さ約35μの2軸延
伸フイルムを得た。 この場合表面層の厚みは片面約0.8μであつた。
得られたフイルムにより実施例1と同様に自動包
装機により角箱を包装した。 比較例 4 エチレン含有量4.5(重量)%のエチレン/プロ
ピレン共重合体(メルトインデツクス2g/10
分)を表面層とした以外は比較例3と同様に複合
2軸延伸フイルムとした。得られたフイルムによ
り実施例1と同様に自動包装機により角箱を包装
した。 比較例 5 実施例1の基層の両面にアイソタクテイツクポ
リプロピレン(固有粘度2.0dl/g)50(重量)%
とポリブテン−1 50(重量)%とを混合した組
成物を表層として用いた他は同様にして2軸延伸
フイルムを得、自動包装機により角箱を包装し
た。 比較例 5−2 ブテン含有率97(重量)%のブテン−1/エチ
レン共重合体を表面層とした以外は比較例3と同
様にして複合2軸延伸フイルムとした。得られた
フイルムにより実施例1と同様に自動包装機によ
り角箱を包装した。
【表】 上記の如く、本発明品は高透明、優れた光沢を
有し密封度も高く、皺の少ない包装体を得ること
が出来るフイルムである。そして被包装体印刷部
や又は被包装物自体の色を失わず、その上良い光
沢により高い商品価値を示しうる。 密封度の高さは、単にヒートシール強度が強い
だけでは決まらず、シール部の皺がないこと、折
込不良のないこと、熱板により軟化された面が面
状に溶融軟化密着して粘着摺動し、シール部がめ
くり上がつたりしないこと、加熱時によく滑つて
前記の皺、折込不良等を生成、助長させないとい
う挙動を示すこと、且つシール部は接着しないと
いけないこと、という矛盾した特性がないと達成
出来ない。 勿論、ヒートシール強度の高いことは好ましい
が、密封包装体を得るにはむしろ上記の皺、折込
不良、フイルムの溶断によるピンホールの方が重
要であることを示している。 参考実施例1も同じように優れた包装性を示す
が透明性、光沢に関しては本発明の方が優れてい
る。 比較例1は包装作業性や外観は良好であるが、
本発明の主目的である密封包装度は極めて不良で
あり、被包装体として吸湿、虫害等を要求せず、
且つ軽重量のものに限定される。 比較例2は自動供給性悪く、機械にかけられな
い基本的欠陥を有する。なお、手動送りにより包
装したところ、シール部の皺、光沢、外観等優れ
ていた。しかしながらヒートシール強度が低い上
に、密封包装度は極めて悪く、比較例1と同様被
包装体は限定される。 比較例3は強いヒートシール強度を有するが、
高湿滑りが極めて悪く皺が多発し、且つ被包装体
に密着して包装されないためにルーズな包装状態
になる。その上密封包装度は皺、シール部の粘着
によるめくり上がり等により不良であり、実用上
全く使用出来ない。 比較例4はやゝ皺は少ない傾向を示すが、低温
ヒートシール性が悪い。皺が発生し難い低温では
シール強度が低く密封包装体は得られず、シール
強度の向上する150℃以上のヒートシール温度で
包装すると皺が多くなり外観上も悪く、密封包装
体が得られない。従つて比較例2、3と同様不良
率は極めて高い。 比較例5はポリプロピレンとポリブテン−1と
の相溶性が不良で透明性が悪く、ヒートシール強
度も低い。高温滑り性が悪く従つて密封包装体も
得られず、包装不良率も高く実用に供し得ない。 比較例5−2は比較例4に比べると120℃での
ヒートシール性は良好であるがシール部のシワが
多くなり外観も悪く、密封包装体が得られない。 比較例2〜5は自動供給性がない為、各々の表
面層にさらにアルキルアミンエチレンオキサイド
付加体(丸菱油化社製デノン331)を表面層の全
量基準で0.8(重量)%混合して製膜した他は同様
にした場合の結果を表−2に示す。特に表−1と
比較して変化の著しい特性のみ示す。
【表】 実施例 2 基層Aは実施例1と同様とし、表面層Bにエチ
レン含有量4.0(重量)%のエチレン/プロピレン
共重合体(MI=2.5g/10分)(EPO)とエチレ
ン含有量5(重量)%のエチレン/ブテン−1共
重合体(MI=2.0g/10分)(EBC)の混合比を
種々変更して重合体混合物を得た。該混合物95
(重量)%と低分子量ポリエチレン5(重量)%と
を混合して重合体混合物を得た。この重合体混合
物100(重量)部に対しポリオレフイン変性シリコ
ンを0.05(重量)部、ステアリン酸モノグリセリ
ド0.5(重量)部、ヒドロキシステアロアミド0.3
(重量)部、ポリエチレンワツクス0.2(重量)部
を混合した。厚さ20μのフイルムを得るように設
定した他は実施例1と同様の条件で複合フイルム
を得た。得られた結果は次表に示す。
【表】 実施例 3 実施例2のEPO/EBC=50/50の混合体95(重
量)%と低分子量ポリプロピレン(分子量4000)
5(重量)%の表面層において、表面層を種々変
更して包装テストを実施した。全体のフイルム厚
さは30μであつた。
【表】 実施例 4 実施例1のB層を有し、中心層A層のポリプロ
ピレンに混合する低分子熱可塑性樹脂の混合量を
次表の如く変化させたときの自動供給性、密封
性、密着包装性、自動包装機による折込部の形状
不良による包装不良率を特に評価した。
【表】 自動供給性は、石油樹脂0(重量)%の場合帯
電防止性の発現がやゝ悪くガイド板に吸着、或い
は自動カツターに巻付くことにより不安定性を増
した。又、石油樹脂が高い含有率では長時間運転
により、自動カツターの発熱がフイルムの切断仕
事により生じるため、熱軟化した添加樹脂が切断
刃に蓄積し、切断不良、又は切断部分の汚れを生
じるため不良となる。密封包装度は、石油樹脂が
高い含有率ではフイルムの熱収縮を生じ易くなり
シール部の冷却が部分的に異なることにより平板
状に固化しない。このため部分的に凹凸状のヒー
トシール部が出来、凹凸による〓間により密封性
が悪くなる。 密着包装度は被包装物がタイトに包装されてい
るかどうかに関する問題である。石油樹脂が2〜
20(重量)%含有されることによりヒートシール
部に熱収縮度力が適度に生じ美しいヒートシール
面を得ることができる。ヒートシール面とその周
辺は熱を受けることによりシール面から遠ざかる
につれて温度勾配を生じ、このため適度の瞬間収
縮は良い緊張をもたらすのである。石油樹脂の含
有量が多くなるとむしろシール部を起点として波
状のフイルムのタルミを生じ密着包装にならな
い。 包装不良率は静電気によるフイルムの案内不良
による場合があり石油樹脂が無添加ではこの影響
が見られる。しかし高い含有量では折曲げ性は改
良されているものゝ、延伸熱固定によりある程度
ブリードアウトするためと考えられる滑り不良
と、熱収縮によるフイルムの変形が大きく、外観
不良シール部凹凸等により商品価値を害すること
となる。 実施例 5 アイソタクテイツクポリプロピレン(MI=4.5
g/10分)90(重量)%とロジンエステル10(重
量)%との重合体混合物100部にポリエチレング
リコールモノステアレート(PEGの分子量600)
1.0(重量)部混合した基層Aとこの片面にエチレ
ンプロピレン共重合体(エチレン含有量5.0重量
%)とエチレンブテン−1共重合体(エチレン含
有量5重量%)を1:1(重量比)の割合で混合
し、該混合体92(重量)%と低分子量ポリプロピ
レン(分子量1000)を8(重量)%とを混合した
重合体混合物100部に対し、ポリエーテル変性シ
リコンを0.01(重量)部、エルカ酸アマイドを0.1
(重量)部混合した表層Bを共押出し、130℃で縦
方向に4.5倍、158℃で横方向に8.5倍延伸した。 得られたフイルムはA/B2層からなる2軸延
伸された厚さ20μ(厚み比9/1)のフイルムで
あり、160℃でヒートセツト後、A層の表面をコ
ロナ放電処理し、濡れ張力を42ダイン/cmとし
た。 該積層フイルムを用いて短柵状床付海苔を自動
包装機により包装し、密封テストを行なつた。比
較例として次のフイルムを得同様に密封テストを
行なつた。 参考実施例 2 実施例5において低分子量ポリプロピレンを混
合しなかつた以外は実施例5と全く同様に製造し
た。 比較例 6 基層Aは実施例5と同様とし、A層を縦方向に
延伸後B層としてエチレンプロピレン共重合体
(エチレン含有量5重量%)を積層して、実施例
5と同様に横延伸、熱固定し、A層にコロナ放電
処理を行なつた。 比較例 7 基層Aは実施例5と同様とし、A層を縦方向に
延伸後片面にB層としてプロピレン/ブテン−1
(プロピレン含有率70重量%)共重合体を積層し
た。得られたフイルムも比較例6と同様の工程を
通した。
【表】 40℃×80%RHの状態に1カ月間放置したとこ
ろ、密封包装度が悪いと海苔が吸湿し、海苔と包
装材の内側とが密着して、濡れの現象を生じ、フ
イルムが黒く斑点状にみえ、且つ味も低下し商品
価値を害する。このテストの結果実施例5が最も
よく比較例6は120〜135℃での包装品は全く不良
であり、より高温でないと密封包装体にならなか
つた。 比較例7は密封包装体を得る範囲を有するが、
適正範囲が狭く、高温ヒートシールしないと使え
ない。又曇価光沢が悪く、海苔の外見上の色相が
悪くなりシール部だけが透明になり商品価値を害
した包装体になつた。 実施例 6 基層Aとして固有粘度2.0dl/g(135℃テトラ
リン溶液使用)のアイソタクテイツクポリプロピ
レン95(重量)%と石油樹脂(荒川林産社製、ア
ルコンP−115)5(重量)%からなる混合組成物
の100(重量)部に対し、グリセリンのステアリン
酸エステルを0.5(重量)部、ポリオキシエチレン
ステアリルアミン0.1(重量)部とステアリン酸ジ
エタノールアミド0.5(重量)部を混合した組成と
した。 一方表面層Bとしてエチレン4.5(重量)%のエ
チレン−プロピレン共重合体(メルトインデツク
ス3.0g/10分)60(重量)%とブテン含有率97
(重量)%のブテン−1/エチレン共重合体40(重
量)%の重合体混合物90(重量)%とロジンエス
テル(荒川林産化学社製ペンセルA)10(重量)
%混合した。 該重合体混合物100(重量)部にグリセリン脂肪
酸エステル0.3(重量)部、オレイン酸アマイド
0.2(重量)部、炭酸カルシウム0.3(重量)部を混
合した組成物を用いた。該A及びB層の組成物を
2台の押出機から溶融押出し、B/A/Bの3層
未延伸フイルムを得た。該未延伸フイルムは
1300μ(厚み比30/1240/30)の厚みを有し、130
℃に於いて縦方向に4.5倍延伸し、引続いて横方
向に8.0倍延伸し、160℃で8%緩和熱固定を行な
つた後冷却し、厚さ35μの2軸延伸複合フイルム
を得た。該フイルムを40℃で2時間シーズニング
した。 得られたフイルムを小巾に細断し高さ70mm、巾
55mm、厚さ20mmの角箱の外装を加熱加圧摺動方式
の自動包装機により行なつた、外装包装は表記載
の温度で行ない、包装速度は100個/分であつた。
【表】
【表】 実施例 7 実施例6において、コロナ放電処理を2軸延伸
熱固定後に実施し、種々処理電力を変更して、表
面濡れ張力を変更した。 そのデータを第1図に示す。 第1図中、カーブ1は本発明フイルムの表面固
有抵抗の値を示す。 カーブ2は本発明フイルムのヒートシール強度
を示す カーブ3は比較例3フイルムのヒートシール強
度を示す カーブ4は比較例5フイルムのヒートシール強
度を示す 比較例ではコロナ放電によりヒートシール性が
低下したが本発明では36ダイン/cm近傍にヒート
シール強度の低下する領域があるが、高い濡れ張
力でも又低温シール性が回復している。 コロナ放電処理度を高めていくと表面固有抵抗
値は下がり、良い帯電防止性を示す。このとき、
ヒートシール性が低下しない事は大きな特徴であ
る。 実施例 8 実施例6においてB層のエチレン/プロピレン
共重合体のエチレン含有量を変更した場合のコロ
ナ処理面のヒートシール強度を第2回に示す。 このようにエチレン含有量が3.5(重量)%を越
えると表面濡れ張力は38ダイン/cmであつた。表
面処理してもヒートシール強度の低下は極めて少
ない。これは第2図のようにコロナ放電処理によ
つて表面濡れ張力を高めて帯電防止性を向上させ
て且つヒートシール性の良好なフイルムが得られ
たことを示す。 比較例 8 基層Aとして固有粘度2.0dl/g(135℃テトラ
リン溶液使用)のアイソタクテイツクポリプロピ
レン95(重量)%と石油樹脂(荒川林産社製、ア
ルコンP−115)5(重量)%からなる混合組成物
の100(重量)部に対し、グリセリンのステアリン
酸エステルを0.5(重量)部、ポリオキシエチレン
ステアリルアミン0.1(重量)部とステアリン酸ジ
エタノールアミド0.5(重量)部を混合した組成と
した。 一方表面層Bとしてエチレン4.5(重量)%のエ
チレン−プロピレン共重合体(メルトインデツク
ス3.0g/10分)90(重量)%とロジンエステル
(荒川林産化学社製ペンセルA)10(重量)%混合
した。 該重合体混合物100(重量)部にグリセリン脂肪
酸エステル0.3(重量)部、オレイン酸アマイド
0.2(重量)部、炭酸カルシウム0.3(重量)部を混
合した組成物を用いた。該A及びB層の組成物を
2台の押出機から溶融押出し、B/A/Bの3層
未延伸フイルムを得た。該未延伸フイルムは
1300μ(厚み比30/1240/30)の厚みを有し、130
℃に於いて縦方向に4.5倍延伸し、引続いて横方
向に8.0倍延伸し、160℃で8%緩和熱固定を行な
つた後冷却し、厚さ35μの2軸延伸複合フイルム
を得た。該フイルムを40℃で2時間シーズニング
した。 得られたフイルムを小巾に細断し高さ70mm、巾
55mm、厚さ20mmの角箱の外装を加熱加圧摺動方式
の自動包装機により行なつた、外装包装は表記載
の温度で行ない、包装速度は100個/分であつた。
【表】
【表】 実施例 9 実施例1において表面層Bの重合体の混合割合
を変化させ、シール温度別にヒートシール強度
をグラフ化したものを第3図に、曇価をグラフ
化したものを第4図に、密封包装度をグラフ化
したものを第5図に示す。 また比較例5において表面層の重合体の混合割
合を変化させヒートシール強度をグラフ化したも
のを第6図に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図はフイルムの濡れ張力とヒートシール強
度、表面固有抵抗との関係を示す図。第2図はエ
チレンプロピレン共重合体中のエチレン含有量と
フイルムのヒートシール強度との関係を示す図。
第3図、第6図は表面層の重合体混合物の混合割
合とフイルムのヒートシール強度との関係を示す
図。第4図は表面層の重合体混合物の混合割合と
フイルムの曇価との関係を示す図。第5図は表面
層の重合体号混合物の混合割合とフイルムの密封
包装度との関係を示す図。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリプロピレン系重合体により形成された基
    層および該基層の少なくとも片面をおおうエチレ
    ン−プロピレン共重合体(エチレン含有量0.5〜
    10重量%)5〜85(重量)%とブテン−エチレン
    系不飽和結合を有するモノマー(ブテンを除く)
    共重合体(ブテン含有量70〜99重量%)95〜15
    (重量)%とを有する重合体混合物の75〜97(重
    量)%と低分子量熱可塑性樹脂3〜25(重量)%
    とを含有する重合体混合物により形成された表面
    層から形成された優れた密封包装性を有する包装
    材料。 2 表面層がエチレン−プロピレン共重合体(エ
    チレン含有量0.5〜10重量%)5〜85(重量)%と
    ブテン−エチレン系不飽和結合を有するモノマー
    (ブテンを除く)共重合体(ブテン含有量70〜99
    重量%)95〜15(重量)%を有する重合体混合物
    の75〜97(重量)%と低分子量熱可塑性樹脂3〜
    25(重量)%とを有する重合体混合物100(重量)
    部とシリコン系オイル0.01〜0.15(重量)部とを
    含有するものであることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の優れた密封包装性を有する包装
    材料。 3 基層がポリプロピレン系重合体80〜98(重量)
    %と低分子量熱可塑性樹脂20〜2(重量)%とを
    有する混合体により形成されたものであることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項記
    載の優れた密封包装性を有する包装材料。
JP1393278A 1978-02-08 1978-02-08 Packaging material having excellent sealability Granted JPS54106585A (en)

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JP1393278A JPS54106585A (en) 1978-02-08 1978-02-08 Packaging material having excellent sealability
US06/010,641 US4230767A (en) 1978-02-08 1979-02-08 Heat sealable laminated propylene polymer packaging material
CA000321224A CA1178414A (en) 1978-02-08 1979-02-08 Packaging material having excellent seal packaging property

Applications Claiming Priority (1)

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JP1393278A JPS54106585A (en) 1978-02-08 1978-02-08 Packaging material having excellent sealability

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JPS54106585A JPS54106585A (en) 1979-08-21
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