JPH0137038Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、竪坑から管を推進するための装置に
関し、特に、上下水道用管、ガス管、ケーブル等
の敷設用管のような小口径管に推進力を及ぼして
竪坑からこれを地盤に圧入するための装置に関す
る。

従来、竪坑から管を推進するための装置とし
て、管の推進方向に関してピストンロツドの伸出
方向を互いに逆向きにして配置された複数の液圧
ジヤツキを備えるものがある（実開昭56−21086
号）。

この管推進装置によれば、該装置の収縮時にお
ける長さ寸法が小さくまた伸長時における長さ寸
法が大きいことから、管推進方向長さすなわち大
きさが小さい竪坑からの管の推進を可能にすると
ともに、液圧ジヤツキの作動ストローク不足を補
うためのストラツトの使用を不要にする。

ところで、前記従来装置においては、竪坑の反
力壁すなわち管の推進方向における後方に向けら
れたロツド端を有する一方の液圧ジヤツキのシリ
ンダの前端が、管の推進方向における前方に向け
られた他方の液圧ジヤツキのロツド端よりも後方
に位置し、前記他方の液圧ジヤツキのロツドに取
り付けられた管押し板すなわち押輪が両液圧ジヤ
ツキの前記シリンダ端および前記ロツド端より前
方に位置する。このため、前記従来装置が設置さ
れる竪坑は、前記管および両液圧ジヤツキの長さ
寸法のほか前記押輪の厚さ寸法を加えた長さ寸法
以上のものでなければならない。管推進の準備作
業としての竪坑の構築には多大の労力、時間、コ
スト等を要することから、管推進のための装置が
配置される竪坑はできる限り小さいことが望まし
い。

したがつて、本考案の目的は、長さ寸法のより
小さい竪坑から管を推進することができる管推進
装置を提供することにある。

本考案に係る管推進装置は、竪坑内に互いに間
隔をおいて配置された一対のジヤツキ組立体であ
つて前記管の推進方向における後方に向けられか
つ前記反力壁に当接されたロツド端を有する複数
の第１のジヤツキと、各第１のジヤツキのシリン
ダに連結されたシリンダを有しかつ前記管の推進
方向における前方に向けられたロツド端を有する
第２のジヤツキとを備えるジヤツキ組立体と、前
記第２のジヤツキのロツドに取り付けられた押輪
とを含む。

本考案は、前記ジヤツキの全てが収縮状態にあ
るとき、第１のジヤツキのシリンダの前端が前記
第２のジヤツキのロツド端より前方に位置し、ま
た、前記押輪が両ジヤツキ組立体の第１のジヤツ
キのシリンダの前端を含む立面と前記第２のジヤ
ツキのロツド端を含む立面との間にあることを特
徴とする。

本考案によれば、両ジヤツキの収縮時、前記押
輪は両立面間に収容されることから、該押輪の前
端は、管の推進方向における最前方に位置する前
記第１のジヤツキのシリンダの前端より前方には
突出しない。このため、本考案に係る管推進装置
が設置される竪坑は、前記管およびジヤツキ組立
体の全長以上の長さ寸法のもので足りる。したが
つて、前記管および液圧ジヤツキの全長に押輪の
厚さ寸法を加えた長さ寸法を要する前記従来装置
のための設置竪坑に比べて長さ寸法の小さい竪坑
の構築が可能であり、また、該竪坑からの管の推
進が可能である。

本考案が特徴とするところは、図示の実施例に
ついての以下の説明により、さらに明らかとなろ
う。

第１図ないし第３図に示すように、竪坑内に配
置された本考案に係る管推進装置１０は、竪坑内
を横方向に伸びる一対のジヤツキ組立体１２，１
２ａ，１２ｂを含む。

各ジヤツキ組立体は、それぞれが単段のジヤツ
キから成る一対の第１のジヤツキ１８，１８ａ，
１８ｂと、多段ジヤツキから成る第２のジヤツキ
２０とを備える。

第３図から明らかなように、各ジヤツキ組立体
の第１および第２のジヤツキ１８，２０はこれら
のジヤツキの軸線が同一の面上にあるように配置
され、第２のジヤツキ２０は上下に間隔をおかれ
た一対の第１のジヤツキ１８間に位置している。
また、第１図から明らかなように、各第１のジヤ
ツキ１８のロツド端と第２のジヤツキのロツド端
２０ａとが後記管３２（第３図参照）の推進方向
に関して互いに逆方向に向けられている。すなわ
ち、第２のジヤツキのロツド端２０ａは管３２の
推進方向における前方に向けられ、また、第１の
ジヤツキ１８のロツド端は前記推進方向における
後方に向けられている。

一対の第１のジヤツキ１８のロツド端は、第１
図に示すように、前記推進方向における後方に位
置する竪坑の反力壁２４に取り付けられたプレー
ト２２にそれぞれ固定されている。また、第２の
ジヤツキのロツド端２０ａには後記押輪３４が固
定されている。押輪３４は、竪坑の坑底に設置さ
れた架台１４上を両ジヤツキ組立体１２と平行に
その前方へ伸びる一対の支承台１６に該支承台上
を滑動可能に載置されている。

両ジヤツキ組立体１２は、したがつて、同一の
レベルにかつ互いに間隔をおいて平行に竪坑内に
配置されている。

一対の支承台１６上には、また、竪坑から推進
される管３２が載置されており、管３２は両ジヤ
ツキ組立体１２の作動により押輪３４に管端を当
接されて該押輪とともに支承台上を滑動する。

第２のジヤツキ２０の最外方のシリンダ長は、
第１のジヤツキ１８のシリンダ長より幾分短く、
第２のジヤツキ２０のロツド端２０ａの反対側に
おけるシリンダの端部がプレート２２に近接して
いる。また、上方側のジヤツキ１８ａには各ジヤ
ツキ組立体１２を竪坑内に据える際にこれを吊持
するためのリング２６が設けられている。

一対の第１のジヤツキ１８と第２のジヤツキ２
０との結合には、第１および第２のジヤツキ１
８，２０のそれぞれに相対して設けられたコネク
タ２８を利用することができる。このコネクタ２
８は、各ジヤツキのシリンダに固定されたフラン
ジ部材２８ａと該フランジ部材に固定され、横方
向へ伸びる板部材２８ｂとから成り、相対するコ
ネクタ２８は互いにボルト結合されている。ま
た、コネクタ２８相互すなわち第１のジヤツキ１
８と第２のジヤツキ２０との間の滑りの防止を確
実にすべく、板部材２８ｂ間にキー３０が埋め込
まれている。

各第２のジヤツキ２０のロツド端２０ａには、
推進される管３２に推力を伝達するための押輪３
４がロツド端２０ａに接して取り付けられてい
る。この押輪３４は、幅寸法が一対のジヤツキ組
立体１２の中間位置において最大で、前記中間位
置から各ジヤツキ組立体１２へ至る間に漸減して
いる。また、押輪３４は第１のジヤツキ１８のシ
リンダ長と第２のジヤツキ２０のシリンダ長との
差にほぼ相当する厚さ寸法を有する。

第１図および第２図から明らかなように、全ジ
ヤツキ１８，２０が収縮状態にあるとき、第１の
ジヤツキ１８ａ，１８ｂのシリンダの前端は第２
のジヤツキ２０のロツド端より前方に位置する。
また、押輪３４は、両ジヤツキ組立体１２の第１
のジヤツキ１８の前記シリンダの前端を含む立面
と第２のジヤツキ２０の前記ロツド端を含む立面
との間にある。したがつて、押輪３４は両立面間
に収容され、また、管推進装置１０の全長は第１
のジヤツキ１８の全長に等しい。

一対の第１のジヤツキ１８および第２のジヤツ
キ２０には、それぞれ、往動用ポート（図示せ
ず）および復動用ポート（図示せず）が設けられ
ている。前記往動用ポートに竪坑外の圧液供給源
（図示せず）から圧液導管（図示せず）を介して
圧液を供給することにより、第４図に示すよう
に、一対の第１のジヤツキ１８のシリンダを第２
のジヤツキ２０と共に管３２の推進方向へ往動さ
せ、また、第２のジヤツキ２０の内部のロツドま
たはシリンダを往動させることができる。これに
より、管３２を押輪３４を介して竪坑から地盤中
にその全長に亘つて圧入することができる。その
際、一対の第１のジヤツキ１８および第２のジヤ
ツキ２０の作動は、いずれが先であつてもまた同
時であつてもよい。例えば、第１のジヤツキ１８
ａ，１８ｂおよび第２のジヤツキ２０の前記往動
用ポートは往動用導管（図示せず）を介して、ま
た、前記復動用ポートは復動用導管（図示せず）
を介して接続すれば、導管への圧液の供給によ
り、一対の第１のジヤツキ１８と第２のジヤツキ
２０とは同時に伸長動作されまた同時に収縮動作
される。但し、一対の第１のジヤツキ１８はそれ
ぞれ同時に作動される。

管３２に安定した推力を及ぼしかつ管３２を効
率よく推進するため、一対の第１のジヤツキ１８
をそれぞれ等容量のものとすることが望ましい。
さらに好ましくは、一対の等容量の第１のジヤツ
キ１８の総容量を第２のジヤツキ２０の容量に等
しくする。

管３２の推進後、前記復動用ポートに圧液を供
給することにより、第１および第２のジヤツキ１
８，２０が収縮状態に復帰される。その後、前記
したと同様にしてさらに別の管体を推進済の管３
２の後方から地盤に圧入し、管３２をさらに押し
進める。

こうして、複数の管が順次に連続状態で地盤に
圧入される。圧入された複数の管が所定の推進方
向にあるか否かを調べるために、レーザを応用し
た推進誤差計測器のような測定器材が狭い竪坑内
に持ち込まれる。このような測定器材は、例えば
レーザを発振する部分が、地盤に圧入された管の
中心軸線上に位置するように竪坑内に配置され
る。

前記したように、両ジヤツキ組立体１２ａ，１
２ｂは互いに平行にかつ互いに分離して配置さ
れ、また、第１および第２のジヤツキ１８，２０
は板状に配列されていることから、両ジヤツキ組
立体１２ａ，１２ｂ間に前記測定器材を持ち込
み、また、前記レーザの発振部分が管の中心軸線
上にあるように配置することができるとともにこ
の空間を前記測定器材の操作のためにあるいはさ
らに他の作業のために利用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は竪坑内に配置された本考案に係る管推
進装置の正面図、第２図および第３図はそれぞれ
第１図に示す管推進装置の平面図および右側面
図、第４図は管推進装置を作動させて一対のジヤ
ツキ組立体を伸長させた状態を示す平面図であ
る。 １０…管推進装置、１２ａ，１２ｂ…ジヤツキ
組立体、１８ａ，１８ｂ…第１のジヤツキ、２０
…第２のジヤツキ、２４…反力壁、３２…管、３
４…押輪。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 反力壁を有する竪坑から管を推進するための
   装置であつて、前記竪坑内に互いに間隔をおい
   て配置され、横方向に伸びる一対のジヤツキ組
   立体であつて前記管の推進方向における後方に
   向けられかつ前記反力壁に当接されたロツド端
   を有する複数の第１のジヤツキと、各第１のジ
   ヤツキのシリンダに連結されたシリンダを有し
   かつ前記管の推進方向における前方に向けられ
   たロツド端を有する第２のジヤツキとを備える
   ジヤツキ組立体と、前記第２のジヤツキのロツ
   ドに取り付けられた押輪とを含み、前記ジヤツ
   キの全てが収縮状態にあるとき、第１のジヤツ
   キのシリンダの前端が前記第２のジヤツキのロ
   ツド端より前方に位置し、また、前記押輪が両
   ジヤツキ組立体の第１のジヤツキのシリンダの
   前端を含む立面と前記第２のジヤツキのロツド
   端を含む立面との間にある、管推進装置。 (2) 前記複数の第１のジヤツキは互いに等容量の
   シリンダを有し、前記第２のジヤツキは複数の
   前記第１のジヤツキのシリンダの容量の和に等
   しい容量のシリンダを有する、実用新案登録請
   求の範囲第(1)項の管推進装置。