JPH0136630Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はフイルム収納装置、特にポケツト内に
収納したフイルム画像を、たとえば予視点検する
に際し、フイルムの周辺から不要な光が洩れるの
を阻止し、かかる操作を容易にするフイルム収納
装置に関するものである。

例えばマウント付きのスライドフイルムを整理
保存するため、広く使用されている既知のフイル
ム収納装置には、例えば第１図に示すものがあ
る。

このフイルム収納装置は、透明もしくは半透明
の合成樹脂シートからなる矩形形状の裏面板１
に、透明の合成樹脂シートからなり、ほぼ短冊状
をなす５枚の表面板２を図の左右方向に向けて相
互に平行に配置し、これら裏面板１と各表面板２
とを、図にドツト部分で示すように、例えば熱溶
着によつてそれぞれ同一方向に向けて三方シール
して縦横に整列する複数のポケツト３を形成し、
さらに裏面板１の図の左端部に上下方向に間隔を
おく綴孔４を形成してなる。

このようなフイルム収納装置では、マウント付
きスライドフイルム５を各ポケツト３の開口部分
から表裏面板間、いいかえればポケツト内に図示
のように完全に押し込むことによりスライドフイ
ルム５の有効なる整理保存が行なわれる。

ところがこのような従来技術にあつては、ポケ
ツト３内に押し込んだマウント付きスライドフイ
ルム５の周囲には、表裏面板からなる透光帯域８
が存在する。このため、スライドフイルムを光源
に向けてかざしたり、そのまま投影機に装着して
映写したりすると、上述の透光帯域から光が多量
に洩れ、非常に画像が見にくくなると言う問題が
あつた。

本考案は、このような従来技術のかかる問題を
有利に解決すべく、ポケツト内に収納したフイル
ム周辺の帯域から不要な光がほとんど、もしくは
全く洩光しないよう構成したフイルム収納装置を
提供するものである。

本考案のフイルム収納装置は、ポケツト内に収
納したフイルムと重畳する部分を残して裏面板に
減光帯域を設けてなる。このフイルム収納装置に
よれば、光源に向けてフイルム収納装置をかざ
し、あるいは投影機にフイルム収納装置を装着し
映写した場合にあつてもフイルムの周縁部外方部
分から不要な光が洩光することがないのでコント
ラストの大きい見易い画像を得ることができる。

以下本考案を図面に基づいて説明する。なお、
図中第１図と同一符号を付したものは、それと同
等のものを表わす。

本実施例では、裏面板１に表面板２を、たとえ
ば熱溶着、接着などにより図にドツト部分で示す
ように三方シールし、縦横に整列する複数のポケ
ツト８を形成する。また裏面板１の図の左端部に
上下方向に所定の間隔で離間した綴孔４を設け
る。なお符号６はポケツト３の開孔縁を表わす。
７は裏面板１の後面、すなわち表面板２と重畳し
ない面に設けた減光帯域を示し、少なくともポケ
ツト内に収納したフイルム画像部分にオーバーラ
ツプしないように形成する。なお、本実施例で
は、フイルムマウントの周縁部とオーバーラツプ
する部分まで減光帯域を設けた。このようにすれ
ば、フイルムを保持するフイルムマウントの開口
部分を除く部分は、減光帯域７と協働し、ポケツ
ト３内に挿入されたマウント付きスライド５が所
定位置からある程度偏移しても、不要な光が洩れ
るのを確実に阻止する。また減光帯域７は光源か
らの光を完全に遮蔽するものであつて良いが、フ
イルムを通過する光量より、この減光帯域７を通
過する光量が少なくなるものであれば良い。さら
に裏面板１の前面に減光帯域７を設けても良い
が、表面板２の裏面板１への接合強度を保障する
上で、既述したように後面板１の後面に減光帯域
７を設けるのが有利である。これは裏面板の前面
に減光帯域を設けたならば、表裏面板をたとえば
接着剤によりシールしようとする時に接着剤の接
着能力が損なわれる場合があるからである。

第３図は、第２図に示した本考案実施例の一部
拡大図である。本図から明らかなようにシール部
分からもまた、洩光があることを考慮すれば、シ
ール部分にも減光帯域７を設け、ポケツト３内に
収納したフイルムと重畳する部分を残して減光帯
域を設けるのが良い。

このように構成してなるフイルムの収納装置を
使用するには、マウント付きフイルム５をポケツ
ト３の所定位置まで押し込むだけで良い。フイル
ムを予視点検すべく光源にかざしても、フイルム
マウントの開口部に保持されたフイルム画像域以
外から、光源や周囲からの光が洩れることがな
い。従つて、本考案のフイルムの収納装置によれ
ば、フイルムを収納した本装置を光源に向けてか
ざし、あるいは投影機を用いて映写する場合にあ
つても、フイルム収納装置の一部から不要な光が
洩れることがないので、鮮明なフイルム画像を得
ることができ、予視点検作業が一段と容易にな
り、コントラストの大きな画像を得ることができ
る。

以上、本考案に係る装置を図示例に基づいて説
明したが、この実施例に限定されるものではなく
実用新案登録請求の範囲内で種々の変更が可能で
あり、例えば、フイルムをポケツト内に挿入する
に必要な溝孔を複数個有する表面板を裏面板にシ
ールしたフイルムの収納装置とすることもでき
る。この場合には、減光帯域７の表面板の前面に
設けても良く、設けた減光帯域の一部を、収納す
るフイルムに関する情報、例えば日付、番号など
の記録欄とすることができる。勿論、表面板及び
裏面板に減光帯域を分割してそれぞれ設けること
もできる。さらに本考案装置は、フイルム単体、
長尺のフイルムなどに対してもフイルム寸法、そ
の画像領域に対応するポケツト形状及び減光帯域
を形成すれば、適用可能である。また表裏面板シ
ートを、使用目的にあわせ硬質のもの、軟質のも
の、あるいはこれらを適当に組み合わせて用いて
も良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来のフイルムの収納装置を示す
図、第２図は本考案のフイルムの収納装置を示す
図、第３図は、第２図に示す装置の一部切断拡大
図である。 １…裏面板、２…表面板、３…ポケツト、４…
綴孔、５…マウント付きスライドフイルム、６…
開口縁、７…減光帯域。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 透明もしくは半透明シートからなる裏面板に透
   明シートからなる表面板をシールして複数のポケ
   ツトを形成してなるフイルムの収納装置におい
   て、 表面板または裏面板の少なくとも一方に、ポケ
   ツト内へ収納したフイルムと重畳する部分を残し
   て減光帯域を設けてなることを特徴とするフイル
   ムの収納装置。