JPH0136320B2 - - Google Patents

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JPH0136320B2
JPH0136320B2 JP55028571A JP2857180A JPH0136320B2 JP H0136320 B2 JPH0136320 B2 JP H0136320B2 JP 55028571 A JP55028571 A JP 55028571A JP 2857180 A JP2857180 A JP 2857180A JP H0136320 B2 JPH0136320 B2 JP H0136320B2
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JP
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signal
sound
frequency
phase
stereophonic
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JP55028571A
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JPS55123300A (en
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Dagurasu Gurifuisu Patoritsuku
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RCA Licensing Corp
Original Assignee
RCA Licensing Corp
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Publication date
Application filed by RCA Licensing Corp filed Critical RCA Licensing Corp
Publication of JPS55123300A publication Critical patent/JPS55123300A/ja
Publication of JPH0136320B2 publication Critical patent/JPH0136320B2/ja
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04SSTEREOPHONIC SYSTEMS 
    • H04S5/00Pseudo-stereo systems, e.g. in which additional channel signals are derived from monophonic signals by means of phase shifting, time delay or reverberation 

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Stereophonic System (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は一般に単一のモノ音響源から2つの
各別の音響チヤンネルを形成することによつて立
体音を合成する方式に関し、特にこのような合成
立体音方式をテレビ受像機の視覚的表示装置と組
合せる使用法に関する。
オーケストラ等の音源からの音をモノ音響とし
て録音再生すると、記録された音の音色および深
みが再生段階で失われることが多い。例えばオー
ケストラを1個のマイクロホンを使つて単一の音
響チヤンネルに録音した後空間的に隔てられた2
個のスピーカで再生すると、その2個のスピーカ
の中央にあつて聞く人の耳にはそのオーケストラ
の音が両スピーカ間の1点から出るように聞こえ
る。このようにモノ音響的再生は聴取者に狭い室
内音の感じを与えるが、これはオーケストラで作
られた直接音がすべて同時に直接マイクロホンに
集中して録音され、同様に再生され、録音室の音
響特性に基く反響により生ずるような音が直接音
に圧倒され、隠い蔽されて失われてしまうからで
ある。
しかし2個の各別の(かつ互いに隔てられた)
マイクロホンによつて2つの各別のチヤンネルに
オーケストラを録音すると、録音室の音響特性に
よる間接的な音も失われない。これは2つのマイ
クロホンがそれぞれ異なる音響径路を通つて到着
する直接音を録音するからである。このようにし
て一方のマイクロホンへの直接音の反警すなわち
間接音が他方のマイクロホンで録音されるが、各
マイクロホンへの直接音が同一ではないから、音
の隠蔽は殆んど生じない。再生時にはオーケスト
ラは狭い室内から出てくる感じではなく、2つの
スピーカの平面全体およびその後方まで拡がつて
感じられる。2チヤンネル録音によつて音の発生
現場が再生され、聴取者が各楽器の位置を感じる
と共に録音室またはコンサートホールの音響特性
を感知し得るようになる。
1956年ラウリドセン(H、Lauridsen)によつ
て行われたデンマーク国立放送系(Danish Na
−tional Broadcasting System)の仕事に始ま
つて、2チヤンネルステレオの感じを合成的に作
り出すことに種々の努力が傾けられて来た。この
ような合成方式または準立体方式は、単一のモノ
音響信号から空間的に分布された音波の感じを作
り出そうとするものである。ラウリドセンは1つ
のモノ音響信号Aを50〜150ミリ秒だけ遅らせた
信号Bを作ることによつてこの効果を得た。すな
わち聴取者は2つのイヤホーンを用い、一方のイ
ヤホーンでA+B信号を聞き、他方のイヤホーン
でA−B信号を聞く。すると聴取者は相当明瞭な
音場の空間的印象を受ける。
合成立体音響効果は2つの耳で作られる間接信
号パタンにおける強度対周波数並びに強度対時間
差によつて生じる。これによつて室内の反響によ
つて異なる方向から異なる周波数の成分の到来し
た印象が生じ、再生音により自然的な拡散した音
質が与えられる。
真の立体音は2つの明確な特性によつて単一チ
ヤンネル再生から区別される。その第1は、音源
の方向的分離であり、第2はそれがつくる「深
み」と「臨場感」である。分離の感覚は前述のよ
うにオーケストラ中の楽器の位置のような種々の
音源の位置を判別する能力を聴取者に与えるもの
であり、また臨場感は、それらの音が再生用のス
ピーカから出るのではなく、スピーカの間のまた
は通常その若干後方の位置から出てくるような感
じである。この臨場感は聴取者に録音場所の大き
さ、音響特性および深さを感じさせる。臨場感と
この臨場感に寄与する方向的分離とを区別するた
めに、方向的分離以外の臨場感を説明するため
「雰囲気」という語が用いられている。ロツホナ
(Lochner)およびキート(Keet)の実験から雰
囲気の感覚は方向分離よりも遥かに立体音響効果
に寄与しているという結論が得られている。
2チヤンネル立体音再生では方向分離と雰囲気
との2つの品質が保存されるが、合成立体音再生
では立体的方向性の再生を考えずに真の2チヤン
ネル立体音再生の1特性である深みと臨場感の感
覚だけの再生に努めている。しかし2つのチヤン
ネルの信号の位相変調または振幅変調の結果とし
て、ある周波数の音が一方のチヤンネルでは充分
再生されるのに他方のチヤンネルでは鋭く減衰さ
れることがあるため、若干の方向性は必然的に導
入される。
2チヤンネル立体音再生方式をテレビまたは映
画等の視覚的媒体と組合わせて用いると、方向分
離と臨場感の2つの品質によつて視聴者の心に自
分がその場面の一部であるという感覚が作り出さ
れる。雰囲気の感覚は録音を行つたスタジオまた
は現場の音響的性質を再現し、方向感覚は種々の
音が画像の各対応位置から出てくるように思わ
せ、さらに臨場感がスピーカの平面の後方位置か
ら音が来る感じを与えるため、ある種の3次元効
果も生じる。
合成立体音再生方式を視覚媒体と組合わせて用
いると2チヤンネル立体音響方式で実現される効
果といくらか似た効果が得られる。再生用スピー
カに印加される音響信号の相対振幅および(また
は)位相を周波数の関数として制御することによ
り、視聴者の心に雰囲気の感覚が作られる。合成
立体音響方式で得られる雰囲気の感覚はある点で
2チヤンネル立体音響方式で得られる感覚より視
覚媒体に適している。これはロツホナおよびキー
トが発見したように2チヤンネル方式で生ずる音
場の見かけの幅が一般に合成方式で得られるもの
より大きいためである。実際2チヤンネル立体音
場はその時見ている画像より幅が広く、音のある
ものは画像の端より外側から来るように感じられ
ることがある。テレビ視聴者による試験ではこの
見かけ上「舞台外」の音は、聞こえてくる音が見
ている場面と関連がないように見えて混乱を招く
ため、視聴者に迷惑なことがあることが示され
た。合成立体音響方式では再生音場が2チヤンネ
ル方式の場合より狭いので、このような視聴者の
混乱は生じ難い。
合成立体音響方式では2つのスピーカによる周
波数スピクトルの分割が不適当のときにも視聴者
の心に方向分離を混乱させる感覚が生じることが
ある。前述のように合成立体音響方式では、再生
用スピーカにおいて音響信号の相対振幅および
(または)位相を可聴周波数スペクトルの関数と
して制御することによつて、意図する効果が得ら
れる。画面の左手に低音で話す人がおり、右手に
高音で話す人がいる場面をテレビ視聴者が視聴し
ていると考える。2つのスピーカが画像の中心か
ら等間隔で画像の左右に配置されているとする
と、低音の電力の大部分が350Hz以下に集中し、
高音の電力の大部分がこの周波数より上に現れ、
もし350Hz以下の周波数が右のスピーカでは強調
されるが左のスピーカでは減衰され、350Hz以上
の周波数が左のスピーカでは強調されるが右のス
ピーカでは減衰されるように周波数スペクトルが
分割されていれば、画像の右側から低音が出て左
側から高音が聞こえることになり、画面の人の位
置と逆になる。このような効果は視聴者にとつて
特に迷惑なものである。
この発明の原理に従つて1つのモノラル信号か
ら2つの相補的なスピクトル強度変調された信号
を形成する立体音シンセサイザが得られる。モノ
ラル信号がH(S)型の伝達関数回路の入力信号
として印加され、ここでその強度が周波数の関数
として変調される。強度を変調されたH(S)信
号は合成立体音響方式の一方のチヤンネルとなる
再生用スピーカに印加される。H(S)信号はま
た差動増幅器の一方の入力部に印加され、他方の
入力部にはモノラル信号が印加されてH(S)信
号の補数の差信号を生ずる。この差信号は第2の
再生用スピーカに印加され、このスピーカがこの
合成立体音響方式の第2のチヤンネルとなる。
この発明の好ましい実施例において、立体音シ
ンセサイザはテレビ受像器の如き画像と音響再生
手段においてその映像管の両側に配置された再生
用スピーカと共に音声再生方式として利用され
る。H(S)伝達関数回路は150Hzと4600Hzとに低
信号レベルのノツチを形成する2つの双T型ノツ
チ波器から成る。差動増幅器の出力信号はこれ
らのノツチ周波数で信号レベルのピークを持ち、
また700HzのH(S)信号のピークで相補的ノツチ
を持つ。後程第4図について説明するように、ノ
ツチ周波数の相互間では、H(S)チヤンネル信
号と差チヤンネル信号とは実質的に一定の90度位
相関係を持ち、これによつて感覚的に2つのスピ
ーカ間の空間に分布するがその外部には分布しな
いように思われる音場が形成される。2つの出力
チヤンネルの振幅対周波数応答曲線は等振幅の交
点を持ち、この点の周波数で音が効果的に両スピ
ーカ間の中心に来る。後程第6図および第7図を
参照して詳細に説明するように、ノツチ周波数は
この交点の2つがほぼ人の声のピーク強度周波数
および人の声の第2の(有節音)フオルマント周
波数の中心周波数でそれぞれ生じ、他のさらにラ
ンダムに分布する音響信号の雰囲気効果を保存し
つつ、人の声を映像管の中心へ持つてくるように
選ばれる。第2のフオトマント周波数をノツチ周
波数相互間の中心、つまり2つの振幅対周波数応
答曲線の交点に置くことによつて、話し声の再生
品質が向上する。これについては後程第6図およ
び第7図を参照してさらに詳細に説明する。
次に図面を参照しつつこの発明をその実施例に
ついて詳細に説明する。
第1図はこの発明の原理に従つて構成された立
体音シンセサイザのブロツク回路図を示す。図の
Aに示すような典型的な応答曲線を持つ音源から
来たモノ音響信号Mが入力端子10から伝達関数
回路20および差動増幅器40の正入力に印加さ
れる。伝達関数はH(S)で表わされ、Sはラプ
ラス変換記法における複素変数を表わす。伝達関
数回路20の出力は差動増幅器40の負入力に印
加される。
伝達関数H(S)は周波数と共に変化する特性
振幅応答を持ち、これによつてM信号の強度がそ
の周波数スピクトル全体に亘り変調される。伝達
関数回路20の周波数応答はある周波数では鋭く
減衰されるがその他の周波数では相対的に減衰さ
れない(または増強される)。従つて、このスピ
クトル強度変調のためモノ音響信号Mの入力スピ
クトルのいくつかの部分がH(S)出力信号では
欠けている。出力信号H(S)は立体音シンセサ
イザの一方のチヤンネルを構成し、このH(S)
チヤンネルの典型的な応答曲線は第1図のBに示
す通りである。
立体音シンセサイザの第2のチヤンネルは差動
増幅器40において原モノ音響信号Mから伝達関
数回路20の出力信号を減じて得られる。差動増
幅器40の出力に得られる信号M−H(S)は、
H(S)信号に欠けているモノ音響信号の成分を
含むため、H(S)チヤンネルの補数である。M
−H(S)チヤンネルの典型的な応答曲線は第1
図のCに示す通りである。
この2つのチヤンネルH(S)およびM−H
(S)によつて原モノ音響信号Mの全音響スペク
トルが覆われることが判る。2つのチヤンネルか
らの信号を加算することによつてもとのM信号の
全スペクトルが決まる。
H(S)+〔M−H(S)〕 =M+H(S)−H(S)=M すなわち2つのチヤンネルで原モノ音響信号Mが
保存される。しかし両チヤンネル間の音場の分布
の変動のため音場の雰囲気が増大している。周波
数の異る音響信号の強度はH(S)伝達関数のス
ペクトル強度変調のために両チヤンネルで異なる
比率で再現される。
さらに知覚される雰囲気効果を作るのはこのス
ペクトル強度変調であるから、立体音合成にとつ
て重要なのは2つのチヤンネルで生成する信号の
大きさの違いだけである。従つて差動増幅器40
の2入力の極性が反転しても、雰囲気効果は当然
得られることになる。この入力極性が反転する
と、モノ音響信号Mが伝達関数信号H(S)から
引算され、差動増幅器40で生成される信号は
〔H(S)−M〕となる。この信号の大きさは、 |〔H(S)−M〕|=|−〔H(S)−M〕| =|〔−H(S)−M〕| =|〔−H(S)+M〕| であつて、前に得られた結果と同じである。
この発明の原理に従つて作られた立体音シンセ
サイザの詳細を第2図に示す。入力端子100に
モノ音響信号が印加され、これが抵抗102を介
してH(S)伝達関数回路20の入力部に印加さ
れる。この伝達関数回路20は2つの縦読双T型
ノツチ波器200,220から成つている。こ
こでは詳述しないが、H(S)関数を与える回路
は種々の方式で実現し得ることに注意すべきであ
る。例えば、これまでH(S)伝達関数を与える
回路は並列トランジスタ帯域通過波器と縦続ト
ランジスタ帯域阻止波器とを用いて構成されて
来たが、第2図に示す双T型ノツチ波器を用い
たものは、回路をインピーダンススケーリングす
ることにより伝達関数回路からトランジスタその
他の能動回路成分を省略し得る点で有利である。
この縦続対の第1の双T型ノツチ波器200
はここでは150Hzの所定周波数に鋭い減衰すなわ
ちノツチを持つ特性応答を示すもので、その入出
力間に直列結合された2つのコンデンサ202,
206を含む第1の電路を備え、その2つのコン
デンサ202,206の接続点と基準電位源(接
地点)との間に抵抗204が結合されている。
波器200はさらに第1の電路に並列に2つの直
列結合の抵抗208,212から成る第2の電路
を有し、その2つの抵抗208,212の接続点
はコンデンサ210を介して接地されている。コ
ンデンサ202と抵抗204とは微分器として働
いて抵抗102を介して印加される入力信号の位
相を進め、抵抗208とコンデンサ210とは積
分器として働いてこの電路を通る入力信号の位相
を遅らせる。あるいは周波数((ここでは150Hz)
においてコンデンサ206から供給される信号は
抵抗212から供給される信号より180゜だけ進
み、入力では両信号の振幅および位相が同じであ
つたためコンデンサ206と抵抗212との接続
点において2つの150Hz信号が相殺される。この
相殺作用によつてこの双T型波器の応答曲線に
特性ノツチが形成される。
第2の双T型ノツチ波器220は波器20
0と同様に構成されている。すなわち波器20
0の出力とH(S)伝達関数回路20の出力とを
結合する第1の電路は2つの直列結合コンデンサ
222,226より成り、両コンデンサ222,
226の接続点は抵抗224を介して接地され、
さらに第1の電路に並列に設けられた第2の電路
は2つの直列結合抵抗228,232から成り、
その両抵抗228,232の接続点はコンデンサ
230を介して接地される。この第2のノツチ
波器220は第1の波器200と同様に働いて
ここでは4600Hzに特性ノツチを形成する。第2の
ノツチ波器220の各成分値は第1のノツチ
波器200の装荷を防ぐため第1の波器のそれ
より大きく選ばれている。第2のノツチ波器の
インピーダンスが第1の波器のそれより高くな
るように両ノツチ波器のスケーリングを行うこ
とによつて、前述のように伝達関数回路20で緩
衝トランジスタその他の能動回路素子が省略され
る。
伝達関数回路20によつて生成される信号は結
合コンデンサ112を介して2つの差動電力増幅
器40,42の各正の入力部に印加される。これ
らの正入力部は波コンデンサ114を介して接
地されている。差動電力増幅器40はH(S)伝
達関数信号とモノ音響信号とから差信号を発生す
るのに用いられ、電力増幅器42はH(S)信号
チヤンネルのインピーダンスとH(S)−Mチヤン
ネルのそれとの整合に用いられる。
電力増幅器42の負の入力部は抵抗122とコ
ンデンサ120との直列接続を介して接地され、
出力部は帰還抵抗124を介してその負の入力部
に結合されている。この帰還抵抗124と負入力
抵抗122との比によつて電力増幅器42の利得
が決まる。第2図の実施例では2つの電力増幅器
40,42の利得はほぼ等しい。電力増幅器42
の出力部は直列接続された抵抗126およびコン
デンサ128から成る負荷を介して接地され、そ
の負荷がこの増幅器42によつて駆動される。こ
の増幅器の出力が現われるH(S)信号はコンデ
ンサ130を介してスイツチ150の一方の端子
152に印加される。
入力端子100に印加されたモノ音響信号は抵
抗102を介して抵抗104例えばポテンシヨメ
ータ形の加減抵抗器からなる可変分圧器106と
の並列回路に印加される。この並列回路の他方の
端子は接地されている。可変分圧器106の可動
接点はコンデンサ108と抵抗110との直列接
続を介して電力増幅器40の負の入力部に結合さ
れている。この増幅器40の出力部は帰還抵抗1
32を介してその負の入力部に結合されている。
電力増幅器40の出力部は直列接続された抵抗1
34およびコンデンサ136から成る負荷を介し
て接地され、この負荷がその増幅器40によつ駆
動される。増幅器40の出力部に現れる差信号H
(S)−Mはコンデンサ140を介して他方のスイ
ツチ端子158に印加される。
スイツチ150は2極双投スイツチであつて、
モノ音響再生と合成立体音響再生との選択に用い
られる。入力端子100に印加されたモノ音響信
号はスイツチ端子156,162に印加される。
スイツチの接片154は第1のスピーカ170に
結合され、接片160は第2のスピーカ172に
結合されている。この2つの接片が上側位置にあ
るとき、スイツチ端子152のH(S)信号は接
片154によつて第1のスピーカ170に印加さ
れ、スイツチ端子158のH(S)−M信号は接片
160によつて第2のスピーカ172に印加され
て両スピーカは合成立体音響音場を再生する。両
接片を下側位置に移すと、スイツチ端子156,
162のモノ音響信号が両スピーカに印加されて
モノ音響音場が発生される。
可変分圧器106は差動増幅器40によつて形
成されるH(S)−M信号のノツチの深さの調整手
段を構成している。差動増幅器40へ供給される
モノ音響信号はこの可変分圧器106によりその
可動接点の設定により決まる量だけ減衰される。
このようにして差動増幅器40でH(S)信号か
ら引算されるM信号の振幅が制御される。通常こ
の可変分圧器106はH(S)−M信号の700Hzノ
ツチ周波数におけるH(S)信号の振幅とM信号
の振幅とが等しくなるように設定される。
H(S)−M信号のノツチの深さとノツチの現れ
る周波数とはまたH(S)信号の位相によつても
決まる。これを第2図の回路の応答曲線により第
4図に示す。縦続双T型ノツチ波器200,2
20の生成するH(S)信号チヤンネルの強さす
なわち振幅が応答曲線300により周波数の関数
として示されている。この応答曲線300は150
Hzおよび4600Hzに特性ノツチを持つことが判る。
H(S)−M信号チヤンネルの相補応答曲線400
はH(S)応答曲線300の振幅が最大になる約
700Hzにノツチを持つことが判る。
可聴周波数スペクトルにおけるノツチの位置
は、その立体音シンセサイザをテレビ受像機のよ
うな視覚媒体と組合わせて用いるとき特に重要性
を持つ。これはノツチ周波数の音が一方のスピー
カでは充分に再生されるのに他方のスピーカでは
完全に減衰されるようにノツチ周波数が明瞭な方
向特性を持つことによる。さらに振幅対周波数応
答曲線300,400の交点に相当する音は両方
のチヤンネルで等しい強さを持つて再生され、こ
のためこれらの音は2つのスピーカの中間の点か
ら出るように感じられる。すなわち可聴周波数の
周波数スペクトルにおけるノツチの位置決めに伴
つて交点の位置が決まるから、ノツチの位置は2
つのスピーカ間の中心から音が出るように周波数
を決定する場合に重要である。
最大ノツチ深さを持つ真に相補的なH(S)−M
応答を得るために、H(S)信号の振幅対周波数
応答曲線300が最大のときH(S)信号がM信
号と同相であることが望ましい。M信号の位相は
第4図では基準位相とされ、モノ音響信号Mの周
波数スペクトル全体を通じて0゜と仮定されてい
る。H(S)信号の相応答は曲線310で表わさ
れ、H(S)信号の振幅対周波数応答曲線300
の振幅が700Hzの最大値にあるときほぼ0゜である
ことが判る。
従つて第4図でM信号が基準振幅として用いら
れ、これがH(S)信号の最大振幅に等しい一定
振幅を持つことから、差動増幅器40によるH
(S)信号とM信号との引算によつて、700Hzにお
いてH(S)−M信号の実際上完全な消去が行わ
れ、最大深さのノツチが形成される。前述のよう
にこの作動増幅器40による2信号の相殺の程度
は可変分圧器106によるM信号の振幅の調整に
より制御される。
H(S)信号チヤンネルの相応答曲線310は
ノツチ周波数150Hzと4600Hzとの間で、H(S)信
号チヤンネルがM信号に対して直線的に減少する
位相角を持つことを示すが、これらのノツチ周波
数の近傍においてH(S)信号は180゜の位相反転
を受ける。H(S)−M信号チヤンネルは同様に独
特な同様の変化をする相応答曲線410を持つこ
とが判るが、さにこの2チヤンネルの相応答曲線
310,410から2つのノツチ周波数の相互間
で2つの信号が約90゜の実質的に一定の位相関係
を持ち、かつノツチ周波数では瞬間的に同相のと
き(700Hz)において)と逆相のとき(150Hzおよ
び4600Hzにおいて)とがあることが判る。
第4図の相応答曲線と振幅対周波数応答曲線は
2つのスピーカ170,172で生成される音に
よつて立体音シンセサイザの知覚される雰囲気が
形成される様子を示している。ノツチ周波数の相
の間では2つのスピーカの音響信号が実質的に一
定の90゜位相関係にあるため、両者は(同相のと
きのように)聴取者の耳で加算的に合成されると
もなく、また(180゜離相の場合のように)相殺さ
れることもない。このようなわけで、スピーカの
応答は、ある特定の周波数で音響信号を強調した
り相殺したりするような「位相の傾き」を持たな
い実質的に前記振幅対周波数応答曲線300,4
00で示されるようになる。従つて知覚される雰
囲気効果は音響周波数スペクトルを通じてスピー
カの生成する音響信号の振幅の比率の変化によつ
て生ずることが判る。2つのスピーカがテレビ映
像管のどちらか一方の側に置かれている場合のよ
うに、その間隔が充分でないときは、2つの出力
信号の位相関係はあまり重要ではない。
さらにまた2つの出力信号の間に90゜の位相差
があると2つのスピーカの間の空間を丁度覆うよ
うに見える分布音場が形成されることが判つた。
90゜未満の位相差ではこの分布が狭く、また90゜を
超える位相差では2つのスピーカの180゜の平面全
体を覆うように見えるまで音場が拡大する。これ
は心理音響学的な感覚によるものであるが、その
理由は大略次の通りであると考えられる。例えば
2つのスピーカ170,172より位相差0゜、つ
まり同相で同じ大きさの音響が発せられると、2
つのスピーカから視聴者の耳に到達する音響は全
く同一で、その音響は視聴者前方の2つのスピー
カの中間の一点から発生しているように感じる。
一方、2つのスピーカより位相が約90゜ずれた音
響が発せられると、左右の耳の受ける音圧は時々
刻々相互に変化し、音は2つのスピーカ相互間の
空間を覆うような拡がりを呈する。ところが2つ
のスピーカ170,172から発せられる音響の
位相差が90゜を大幅に越えると、音は2つのスピ
ーカを越えてさらに拡がるような感じを与え、2
つのスピーカの間にある受像管の画面と音の拡が
りとの間に感覚的なずれが生じ、不自然な感じを
与える。このような理由から2つのスピーカに供
給される信号に約90゜の位相差を与えるのが最適
である。立体音シンセサイザを両スピーカ間の空
間全体を占める映写幕やテレビ映像管のような視
覚媒体と組合せて使用する場合は、その音場が画
面の物理的境界を逸脱することなくその全体から
出て来るように見えるため、その現象は好都合で
ある。
勿論、2つのチヤンネルの音響信号はノツチ周
波数において正確に同相または逆相状態にあり、
従つてこの周波数で両信号は強化または相殺され
ることになるが、一方の音響信号がノツチ周波数
で充分に減衰されるためこのノツチ周波数におけ
る信号の実質的な強化または相殺は起らない。
M−H(S)信号の相応答曲線420は前に数
式で示された点すなわちH(S)−M信号の代りに
M−H(S)信号を作るため差動増幅器40の入
力極性を反転することによつて同じ合成立体音響
効果が得られることを図示するものである。予想
されるように、2つの差チヤンネル信号に対する
振幅対周波数応答曲線400は同じであるが両信
号は180゜離相している。M−H(S)相応答曲線
420はノツチ周波数の間でM−H(S)信号と
H(S)信号とがやはり約90゜の位相関係を持ち、
ノツチ周波数では瞬時的に同相または逆相状態に
なることを示している。この2つのチヤンネル相
応答曲線の唯一の違いはH(S)−M信号がH(S)
信号より約90゜だけ進相する周波数で、M−H
(S)信号がH(S)信号より同じだけ遅相するこ
とである。この逆もまた真であることが判る。
2つのスピーカ170,172が第4図の振幅
対周波数応答曲線300,400に相当する音響
信号を生成するから、異なる周波数の音が異なる
スピーカからまた両者の間のある点から出てくる
ように見えることが判る。例えば、H(S)信号
スピーカ170が聴取者の左側にあり、H(S)−
Mスピーカ172が聴取者の右側にあれば、150
Hzの高さの音は主として右側のスピーカで再生さ
れ、700Hzの高さの音は左側スピーカから出てく
る。これらの2つのノツチ周波数の間の高さの音
は左と右の2つのスピーカの間の場所から出てく
るように見え、320Hzの音は2つのスピーカで同
じ強度に再生されるため両スピーカの中間点から
出てくるように見える。例えば交響楽団の音楽や
大群衆の声のような種々の周波数成分を持つ音響
信号を合成立体音響方式で再生すると、その各周
波数成分が異る方向から同時に来るように見え
て、聴取者にコンサートホールや群衆の雰囲気を
持つ一層現実的な感覚が与えられる。
前述のように、この発明の立体音シンセサイザ
はテレビ受像機等の視覚媒体と組合わせて使用し
て、視聴者に一層現実的な音声並びに映像効果を
与えることができる。第2図の立体音シンセサイ
ザを用いたテレビ受像機180を第3図に示す。
図示のように、音場が観賞中の場面より大きく感
じないようにテレビ映像管182の両側にこれに
接して2つのスピーカ170,172を設ける必
要がある。更に重要なことは前述のように音の方
向と映像の方向とが逆にはならないように応答曲
線300,400のノツチ周波数と交差周波数と
を適当に選定して2つの音響チヤンネルにおける
異なる周波数信号の相対強度を慎重に制御する必
要があることである。
音響スペクトル中に強度の等しい交差点を正し
く位置決めするには伝達関数波ノツチをどのよ
うに配置すべきかを理解するには、テレビ番組作
成用の取材内容を調べる必要がある。テレビ番組
の多くは話したり歌つたりしている人々の像を含
んでいるが、合成立体音響方式はその人々の像の
相対位置を判断する手段を持たないため、その
人々の像の位置とそれぞれの声の位置とが逆転し
ないように、ある方向性をもつて人の声を再生す
る働らきをしてはならない。すなわち合成立体音
響再生方式では人の声をこれが画面の中央から出
ているように感じられるように2つのスピーカか
ら同じ強度で再生する必要がある。これに対し
て、視覚的方向性の意味を殆んどまたは全く持た
ない音は、テレビジヨン画面の種々の場所から出
てくるように感じるように再生すればよい。例え
ば、忙しそうな事務所を背景にして話し合つてい
る2人の人がいる場面を視聴者が見ている場合、
その2人の声が画面の中央から出てくるような感
じ、タイプライタや電話等の種々の背景雑音が画
面の全体から出てくるように感じるとき、満足な
合成立体音の感覚が得られる。このような条件下
では視聴者は場面の中の2人の相対位置に関して
混乱を生じるような聴覚的情報を受ける心配な
く、その事務所内にいる感じを(モノ音響的再生
に比して)強く受ける。
人の声を画面の中央に置くには、周波数スペク
トルに関する人間の発声の解剖学を理解すると便
利である。第5図には立体音シンセサイザの振幅
対周波数応答曲線300,400と人の声の平均
強度対周波数応答性曲線500との比較が示され
ている。曲線500で示すように、人の声は350
Hzにピークを持つ平均強度を持ち、この周波数以
上では強度が急に落ちる。応答曲線の下にバス、
テノール、アルトおよびソプラノの歌声の周波数
範囲が示されているが、これらの歌声の周波数範
囲は2つの音響チヤンネルで生成される信号の振
幅が相等しい立体音シンセサイザの交差周波数
320Hz近傍に中心を有し、音が中心から来る感覚
が得られるようになつていることが判る。その上
320Hzの交差周波数は、声の平均強度対周波数応
答曲線500のピークに非常に近い。従つてここ
に示す立体音シンセサイザは、平均して人の声が
最も強度の高い周波数の近傍で音が中央から聞え
る効果を生じる。これは第1および第2のノツチ
をそれぞれ150Hzおよび700Hzにおいて所要の交差
周波数を320Hzに生成することにより達せられる。
人間の発声をさらによく理解するには第3のノ
ツチの周波数位置の解析をする必要がある。話し
声の音響は肺から喉頭を介して空気を圧送するこ
とにより発生される。喉頭には2つの皮膚のひだ
すなわち声帯があり、この声帯が声門と呼ばれる
開口で隔てられている。声帯は高い倍音即ち調波
を持つ基本周波数で振動し、これが有声音の調子
を決める。第6図aに示すように、声帯の倍音の
振幅は周波数の上昇と共に1オクターブごとに約
12dBの割合で減少する。歌唱または会話中に喉
頭の声帯を制御する筋肉を緊張または弛緩させて
声帯の振動数(音の高さ)を変化させる。
声帯で作られる音は喉頭と共に声管を形成する
咽頭および口を通る。この喉頭から唇までの声管
は共鳴空洞として働き、声に含まれる周波数成分
のあるものを減衰させる。声管は4〜5個のフオ
ルマント周波数または単にフオルマントと呼ばれ
る重要な共鳴周波数を持つ。声帯倍音があるフオ
ルマントに近いほどそれが声管を通るとき減衰し
難く、従つてそれが唇の間から出るとき振幅(音
の強さ)が大きい。発声器官すなわち唇、あご、
舌および喉頭の位置を変化させることによつて会
話中にフオルマント周波数を移動させることがで
きる。歌手や熟練した大衆相手の話し手は、これ
らのフオルマント周波数を利用し、この発声器官
に変化を与えて音程周波数とフオルマント周波数
とを同時に接近させ、肺からの空気圧を増す必要
なくより大きい相対振幅すなわち声量の音を作り
出す。
フオルマントはそれが周波数目盛に現れる順に
F1,F2,F3等の記号で呼ばれる。フオルマ
ントの強度は高次になるほど指数関数的に低下す
るため、F2より次数が高くなるほど個々のフオ
ルマントの相対重要度が低下する。男性の話手に
ついて言えば、第1のフオルマントF1が250Hz
から700Hzまでの範囲で変化し、周波数目盛上の
各ホルマント間距離は平均1000Hzである。男声に
ついての典型的なフオルマントパタンを第6図b
に示す。フオルマント周波数は声管の寸法の関数
であるから、女声は男声に比べて平均フオルマン
ト間隔が大きく、また平均フオルマント周波数が
高い。同様の関係が成人と児童との間にも成立す
る。
同じ声を発する2人の話し手は一般にそれぞれ
の特定の声管寸法に従つて若干異なるフオルマン
ト周波数を持つが、特定の周辺条件においては言
語の基本原理に忠実な話し手はすべてフオルマン
トパタンの一貫した違いによつて違う声を出すこ
とが常に予想される。従つて一旦これら個々のフ
オルマント変化を識別してこれを考慮すると、周
波数目盛上の相対的なフオルマントの位置によつ
て、すべての話し手の言葉と声とを識別すること
ができる。例えば、270Hzと2290Hzとに位置する
「ヒード(heed)」という言葉の第1および第2
のフオルトマントは第6図cに示す音響スペクト
ルの包絡線において容易に識別される。
特定の音の識別にはすべて最初の3つのフオル
マントだけが必要であり、それより高次のフオル
マントは個人的な声の特性に関するある情報を与
えるだけであることが判つている。F1,F2は
母音の品質の主決定要素であるが、通常「明瞭
度」と呼ばれる話の判り易さの尺度を決定するも
のは、F1,F3に対するF2の位置である。こ
れは普通の話において優勢な母音の音が「有声」
で、すなわちその発声が声帯の振動によるため、
子音に比べて高エネルギを含むことによる。これ
に対し一般に母音の音の中断部として特徴付けら
れる子音(すなわち/t/、/p/)は(母音に
似た子音/r/、/m/、/n/、/ng/、/
xl/を除いて)その発声に声帯の振動を必要とせ
ず、従つて母音に比べて低い強度で発声される。
平均して無声の子音は母音の音より20db弱い。
聞き手の弱い子音の音を聞きわける能力は、話の
明瞭度の尺度の主決定要素であることが判つてい
る。
子音も母音と同様に自身の特定フオルマント周
波数を持つが、その明瞭度を支配するものはその
子音のフオルマントだけではない。むしろ子音の
品質はそれが母音の第2のフオルマントに及ぼす
効果(話し声の「ハブ(hub)と呼ばれる)で特
徴付けられるように、その子音の付随する母音に
及ぼす効果によつて決まる。一般に母音の前後の
子音は母音の第2のフオルマントを先行する子音
の「ハブ」またはローカス(locus)」F2から遠
ざけるか後続する子音の「ハブ」に近付ける。子
音の識別に決定的な手掛りを与えるのは、その子
音の前または後の母音の第2フオルマントのこの
遷移の仕方である。
従つてこの発明の立体音シンセサイザが両スピ
ーカの中央から明瞭度の高い話し声を発するため
には、話し声のフオルマント周波数の音が両スピ
ーカチヤンネルにおいてほぼ相等しい強度で生成
されることが望ましいことが判る。第7図は4600
Hzの上側ノツチ周波数の位置が700Hzの中間ノツ
チ周波数の位置と共にほぼ1680Hzにおいてスピー
カ信号振幅の等しい交差点を形成することを示し
ている。図中スピーカチヤンネル応答曲線の下に
最も普通の10個の母音に対する最初の3つのフオ
ルマントの位置が示されている。図示のフオルマ
ント周波数は男子、女子および児童に対する平均
値である。第1のフオルマントの値は矢印F1で
示される560Hzを平均値として270Hzから1050Hzま
での範囲に分布している。この両スピーカチヤン
ネルの応答曲線はこの平均値で約12dBの強度差
があることを示すが、320Hzの下側交差周波数が
人の声の音程周波数範囲と、人の声の強度分布
と、第1フオルマント周波数との折束で得られる
ものであることを想起すべきである。音程周波数
が一般に第1フオルマント周波数よりも低く、バ
スの声では90Hzまで拡がるので、声の平均強度対
周波数応答曲線500が平均音程周波数と第1フ
オルマント周波数との中間の周波数にピークを持
つことは驚くべきことではない。320Hzの下側交
差周波数は、その声の強度応答曲線500のピー
クに密接な関係を持つ点で満足すべきものであ
る。
第7図は850Hzから3200Hzまで拡がる第2フオ
ルマント周波数と、1680Hzから3500Hzまで変化す
る第3フオルマント周波数を示す。第2フオルマ
ントの振幅は平均して第1フオルマントの振幅よ
り12db小さく、第3フオルマントの平均振幅は
第1フオルマントの平均振幅より26db以上小さ
い。第2フオルマントおよび第3フオルマントの
平均周波数は矢印F2およびF3で示されてい
る。第3フオルマントF3の平均値において2つ
のスピーカの強度レベルが約5db離れ、重要なハ
ブフオルマントF2の平均値が両スピーカチヤン
ネルの等強度交差点にほぼ正確に一致することが
判る。このように第2フオルマントは平均して2
つのスピーカにおいて等強度で発声され、これに
よつて再生された音声はテレビ画面の中央から出
て来るように感じられ、しかも明瞭度すなわち判
り易さが向上される。
前述の事務所における2つのスピーカの例に戻
ると、以上の説明からこの発明の立体音シンセサ
イザはテレビ画像の中央から話し手の声が出てく
る印象を生成することが判る。事務所環境で発生
する背景雑音は音響スペクトルの約30Hzから
16000Hzまでの範囲に亘つて相当ランダムに分布
している。このような背景音は第4振幅周波対周
波数応答曲線300,400に従つて種々の比率
で2つのスピーカから再生され、事務所の音がテ
レビ画像全体から出てくるように感じる明瞭な雰
囲気効果を生じる。従つてテレビ視聴者は単なる
傍観者ではなく、その事務所の場面の一部である
という感覚を得るため、観賞の喜びが高まること
になる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の原理に従つて構成された立
体音シンセサイザのブロツク回路図、第2図はこ
の発明を実施する立体音シンセサイザの回路図、
第3図は第2図の立体音シンセサイザを利用した
テレビ受像機の前面図、第4図および第5図は第
2図の立体音シンセサイザの振幅対周波数応答曲
線を示す図、第6図および第7図は人間の声とこ
の発明の立体音シンセサイザの平均強度対周波数
応答曲線を示す図である。 20……伝達関数回路、40……差回路、17
0……第1の音響再生手段、102〜110……
モノ音響信号印加手段、112……変調信号印加
手段、172……第2の音響再生手段、180…
…画像再生手段、300、408……振幅対周波
数特性、310,410……位相対周波数特性。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 モノ音響信号の信号源と、 上記モノ音響信号によつて占められる可聴周波
    数領域内において離間された周波数で最大信号強
    度減衰度と最小信号強度減衰度とを交互に与え且
    つ上記可聴周波数領域に亘つて周波数変化に伴う
    位相変化を示す位相対周波数特性を有する周波数
    応答性ノツチ形成フイルタ回路網を備え、上記モ
    ノ音響信号に応動して位相および強度を周波数の
    関数として変調された出力信号を発生する伝達関
    数回路と、 第1および第2の入力部を持ち、この第1およ
    び第2の入力部に印加される信号の差を表わす差
    信号を生成する差回路と、 上記位相および強度の変調された出力信号を上
    記第1の入力部に印加する手段と、 上記信号源からのモノ音響信号を上記第2の入
    力部に印加する手段と、 画像再生手段と、 上記画像再生手段の両側に配置された第1およ
    び第2の音響再生手段とを含み、 上記第1の音響再生手段は上記位相および強度
    の変調された信号にのみ応動して第1の合成立体
    音出力を発生し、上記第2の音響再生手段は上記
    差信号に応動して第2の合成立体音出力を発生
    し、上記離間された周波数は、音声が上記画像再
    生手段から発生されたと感じられるように選定さ
    れている、入力モノ音響信号から立体音響信号を
    合成するための、画像と音響再生装置における立
    体音シンセサイザ。
JP2857180A 1979-03-09 1980-03-05 Stereophonic sound synthesizer Granted JPS55123300A (en)

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