JPH0135719Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は多模様縫いミシンに係り、詳細には、
模様カム選択装置に関する。

「従来の技術」 従来の装置においては、模様選択カムと、ジグ
ザグ接触子および送り接触子を模様カム群のジグ
ザグカムおよび送りカムから引離すための接触子
レリーズカムとは一体に形成され、模様選択ダイ
ヤルを手で回動することにより、等速で回転する
ように構成されていた。このため、模様の数が多
くなると接触子レリーズカムのカム面の凸所およ
びカム面の凹所が多くなり、そのカム面が凸所と
凹所をつなぐ傾斜が急になるので接触子レリーズ
カムの形成が困難となり、また、接触子レリーズ
カムを模様選択ダイヤルを介して手で回動させカ
ムホロワーを従動させるのに大きな力を要すると
いう問題点があつた。また、接触子レリーズカム
の傾斜を緩くするため該レリーズカムの直径を大
きくしようとすると、ミシンの機枠内への収容が
困難になるという問題点があつた。

「考案が解決しようとする問題点」 本考案は上記の問題点を解消するためなされた
ものであり、接触子レリーズカムの形成が容易で
あり、模様選択ダイヤルによる模様の選択が小さ
な力で軽快に行い得るミシンの模様カム選択装置
を提供することを目的とする。

「問題点を解決するための手段」 このため本考案では、予め定められた多数の模
様に関する模様カム群中から模様選択ダイヤルの
回動操作により選択された１組のジグザグカムお
よび送りカムにジグザグ接触子および送り接触子
を係合させて所望の模様を形成するミシンにおい
て、前記模様カム群中の所望のジグザグカムおよ
び送りカムと対向する位置にジグザグ接触子およ
び送り接触子を位置決めするためのジグザグ選択
カム面および送り選択カム面が前記多数の模様の
各々に対応して形成された模様選択カムと、前記
所望のジグザグカムおよび送りカムに対するジグ
ザグ接触子および送り接触子の係合離脱動作を制
御するためのカム面の凸所およびカム面の凹所が
前記多数の模様の数より少ない数だけ形成され、
前記模様選択ダイヤルに固着された接触子レリー
ズカムと、この接触子レリーズカムのカム面の凸
所およびカム面の凹所に弾性係合する係合部を有
し、そのカム面の凸所およびカム面の凹所に従つ
て前記ジグザグ接触子および送り接触子をジグザ
グカムおよび送りカムに係合離脱させるレリーズ
作動体と、前記模様選択ダイヤルの操作回動を減
速して前記模様選択カムに伝達する減速歯車機構
とを設けたことを特徴とするミシンの模様カム選
択装置が提供される。

「作用」 本考案によれば、模様選択ダイヤルを数回転、
例えば３回転すると、該模様選択ダイヤルに固着
された接触子レリーズカムが３回転し、模様選択
カムは減速歯車機構を介して例えば１回転するの
である。従つて、本考案によれば、接触子レリー
ズカムのカム面の凸所およびカム面の凹所が模様
の数より少ないことにより、接触子レリーズカム
の直径を大きくしなくてもカム面の凸所およびカ
ム面の凹所をつなぐ傾斜が緩やかになるので、接
触子レリーズカムを小さな力で軽快に回動し得る
ようにすることができる。

「実施例」 本考案の一実施例について図面に従つて具体的
に説明する。第１図はこの実施例に係るミシンの
脚柱部の横断面図、第２図はミシンの機枠を取除
いて図示した正面図である。

ミシンの機枠１に、模様カム軸３がミシンの主
軸２に垂直な軸方向に固定されている。縫針の揺
動位置を制御するための複数のジグザグカムとし
てのカム板からなるジグザグカム群４と、送り歯
の送り運動を制御するための複数の送りカムとし
てのカム板からなる送りカム群５と、はすば歯車
６とが模様カム軸３に回転自在に支持されてい
る。上記のジグザグカム群４と送りカム群５との
両者を模様カム群と総称する。ジグザグカム群４
と送りカム群５とは、はすば歯車６と一体に回転
するように固着され、はすば歯車６は主軸２に固
着された多条ねじ７に噛合しており、ジグザグカ
ム群４と送りカム群５とは主軸２の回転に連動し
て減速回転する。接触子支持軸８が模様カム軸３
に平行な軸方向でもつて、機枠１に固定されてい
る。その接触子支持軸８には、Ｕ字形の形状をし
たジグザグ接触子９が揺動自在にかつ軸方向に摺
動自在に支持され、ジグザグ接触子９を抱いてジ
グザグ接触子支持枠１０が接触子支持軸８に揺動
自在に支持されている。ジグザグ接触子支持枠１
０に固着されたピン１１がジグザグ接触子９の中
央部を挿通し、ジグザグ接触子９とジグザグ接触
子支持枠１０とは揺動方向には一体となつて揺動
可能とされ、軸方向にはジグザグ接触子９のみが
移動可能とされている。ジグザグ接触子支持枠１
０は第２図に示すように連杆１２に連結され、連
杆１２は図示しない周知の縫針揺動装置に連結さ
れているため、ジグザグ接触子支持枠１０の揺動
に従動して縫針が縫針揺動装置により揺動される
ようになつている。また、連杆１２は図示しない
ばねにより第２図左方向に付勢されており、ジグ
ザグ接触子９がジグザグカム群４のジグザグカム
に当接するように付勢されている。

同様に接触子支持軸８に、送り接触子１３が揺
動自在にかつ軸方向に摺動自在に支持され、送り
接触子支持枠１４が接触子支持軸８に揺動自在に
支持されており、送り接触子支持枠１４に固着さ
れたピン１５が送り接触子１３の中央部を挿通し
ている。したがつて、送り接触子１３と送り接触
子支持枠１４とは揺動方向には一体となつて揺動
し、軸方向には送り接触子１３のみが接触子支持
軸８に対して移動可能である。送り接触子支持枠
１４は図示しない周知の送り調節器に連結され、
送り接触子支持枠１４の揺動に従動して送り調節
器が揺動し、送り歯の送り運動を制御するように
なつている。また、送り接触子支持枠１４に連結
する部材が図示しないばねにより付勢されてお
り、送り接触子１３が送りカム群５の送りカムに
当接するように付勢されている。

模様を選択する際は、ジグザグ接触子９及び送
り接触子１３を接触子支持軸８上を摺動させ、所
望の模様を形成するジグザグカムおよび送りカム
と対向する位置に位置決めする。この時、各接触
子９，１３がそれぞれのジグザグカム群４および
送りカム群５のジグザグカムおよび送りカム達と
干渉しないように各接触子９，１３をジグザグカ
ムおよび送りカムのカム面から引離す必要があ
る。このための接触子レリーズ梃子１６が、ジグ
ザグ接触子支持枠１０を抱くかのような位置でも
つて、接触子支持軸８に揺動自在に支持されてい
る。接触子レリーズ梃子１６の左端は下方に延出
してその下端がレリーズレバー１７に当接し、接
触子レリーズ梃子１６の右端は上方に延出してさ
ら左右に伸び、その左右の延出部にそれぞれジグ
ザグ接触子支持枠１０及び送り接触子支持枠１４
の上端に当接するための調節ねじ１８，１９を備
えている。接触子レリーズ梃子１６の上端と機枠
１との間に引張りばね２０が張設され、接触子レ
リーズ梃子１６は第２図において左回転方向に付
勢されている。

接触子支持軸８の下方に、選択カム軸２１が接
触子支持軸８と平行な軸方向に配設され、その右
軸端が機枠１に回転可能に支承され、左軸端付近
が、固定内歯歯車２３の中央部の孔２３Ａに嵌挿
されて支承され、機枠１に対して回転自在に軸支
されている。固定内歯歯車２３はねじ２２で機枠
１に固定されている。その選択カム軸２１に、模
様を選択するための模様選択カム２４が、ジグザ
グカム群４の直下に位置してねじ２５により固着
されている。

模様選択カム２４は、ジグザグ接触子９を位置
決めするためのジグザグ選択カム面２４Ａと、送
り接触子１３を位置決めするための送り選択カム
面２４Ｂとの２つの選択カム面が、例えば21個の
模様の各々に対応して模様選択カム２４の一側面
にフエースカムとして形成されている。ジグザグ
選択カム面２４Ａと送り選択カム面２４Ｂとは同
心円状に模様選択カム２４に形成されており、合
成樹脂でもつて一体成形されている。

第３図は模様選択操作体としての模様選択ダイ
ヤル２６を裏面から見た斜視図である。模様選択
ダイヤル２６は、第１図および第２図に図示され
た接触子レリーズ梃子１６を駆動するための接触
子レリーズカム２７と合成樹脂でもつて一体成形
されている。接触子レリーズカム２７のカム面
は、同一円周上に形成されたカム面の凸所２７Ａ
と、その円周面からくぼんだカム面の凹所２７Ｂ
とからなる。この実施例では選択できる模様の数
を21個としているため、カム面の凹所２７Ｂの数
は、後述の歯車減速機構の減速比が１／３である
ことにより、模様の数の１／３である７個であ
る。模様選択ダイヤル２６の裏面には、第１図図
示の選択カム軸２１に挿嵌するための軸筒部２６
Ａが形成され、軸筒部２６Ａには軸芯の空芯部に
達する周方向に切られた溝２６Ｂと、軸方向に切
られた溝２６Ｃとが形成されている。

再び第１図及び第２図を参照し、上記の模様選
択ダイヤル２６が選択カム軸２１の左端に挿嵌さ
れ、模様選択ダイヤル２６の周方向の溝２６Ｂに
挿入された抜止めばね２８が選択カム軸２１の周
面円周上に形成された溝２９と係合している。こ
のため、模様選択ダイヤル２６は選択カム軸２１
に回転自在に抜け止め支持されている。

模様選択ダイヤル２６と一体に成形された接触
子レリーズカム２７のカム面の凸所２７Ａに、環
状の模様表示板３０が遊嵌され、カム面の凸所２
７Ａに対し回転自在に支持されている。模様表示
板３０は合成樹脂で成形され、その表面には本実
施例では21個の模様の形象５３が掲記され、裏面
には平歯車３１が一体に樹脂成形されている。模
様表示板３０の裏面端部は、機枠１に固着された
化粧板３２に接している。化粧板３２には、選択
された模様の形象を指し示す指針が表示されてい
る。

模様選択ダイヤル２６の回動は、後述の遊星歯
車を利用した減速歯車機構により１／３に減速さ
れて選択カム軸２１に伝達され、選択カム軸２１
の回動は等速で模様表示板３０に伝達されるよう
になつている。この減速歯車機構について説明す
る。

選択カム軸２１に、回動板３３が選択カム軸２
１に嵌挿されたピン３４により固定されている。
回動板３３上には３ケの遊星歯車３５がピン３６
により回動自在に支承されている（図面では遊星
歯車３５は１つだけ図示されている）。遊星歯車
３５は、機枠１に固着された固定内歯歯車２３の
内歯２３Ｂと噛合すると共に、駆動歯車３７と噛
合する。駆動歯車３７は模様選択ダイヤル２６の
軸筒部２６Ａに嵌合され、軸方向の溝２６Ｃ（第
３図参照）と係合して模様選択ダイヤル２６と一
体に回動する。従つて、模様選択ダイヤル２６を
回動させると、駆動歯車３７、遊星歯車３５およ
び固定内歯歯車２３による歯車減速機構を介し
て、選択カム軸２１が減速回転されるようになつ
ている。また、３個の遊星歯車３５をそれぞれ支
承する３本のピン３６に、模様選択ダイヤル２６
とほぼ同じ直径を有する薄板状の平歯車３８が嵌
着され、平歯車３８は回動板３３と一体に、即ち
選択カム軸２１と一体に回動する。平歯車３８
は、固定内歯歯車２３の延長部分に回転自在に支
承された小歯車３９と噛合し、小歯車３９は模様
表示板３０と一体に成形された平歯車３１と噛合
する。平歯車３１と平歯車３８とは同じ歯数を有
しているため、選択カム軸２１と模様表示板３０
とは等速に回動する。

次に、模様選択カム２４のジグザグ選択カム面
２４Ａ及び送り選択カム面２４Ｂに従動して、そ
れぞれジグザグ接触子９及び送り接触子１３を軸
方向に摺動し位置決めする機構について説明す
る。

模様選択カム２４に近接して、共通固定軸４０
が選択カム軸２１に垂直な軸方向に配設されミシ
ンの機枠１に固定されている。その共通固定軸４
０には、長い杆状の第１の揺動レバー４１と、短
いＬ字形の第２の揺動レバー４２とがそれぞれ揺
動自在に支持されている。第１の揺動レバー４１
の下端部側面に固着されたピン４３が模様選択カ
ム２４のジグザグ選択カム面２４Ａに当接し、上
端部に固着されたピン４４がジグザグ接触子９の
下端のＵ字形部分に係合している。第２の揺動レ
バー４２の下端部端面が模様選択カム２４の送り
選択カム面２４Ｂに当接し、Ｌ字形状の横に延出
した部分に長穴４５が穿設されている。

送りカム群５の直下で共通固定軸４０と同じ高
さに、固定軸４６が選択カム軸２１に垂直な軸方
向に配設されミシンの機枠１に固定されている。
その固定軸４６には、Ｌ字形をした第３の揺動レ
バー４７が揺動自在に支持されている。第３の揺
動レバー４７の横に延出した部分の側面に固着さ
れたピン４８が第２の揺動レバー４２の長穴４５
に嵌挿され、上端部に固着されたピン４９が送り
接触子１３の下端のＵ字形部分と係合している。

第１の揺動レバー４１と第３の揺動レバー４７
との間に引張りばね５０が張設され、第１の揺動
レバー４１は右回転方向に、第３の揺動レバー４
７は左回転方向にそれぞれ付勢されている。この
付勢力により、第１の揺動レバー４１のピン４３
と第２の揺動レバー４２の下端部端面とがそれぞ
れ模様選択カム２４のジグザグ選択カム面２４Ａ
及び送り選択カム面２４Ｂに当接する。

次に、接触子レリーズ梃子１６を駆動する機構
について説明する。

模様選択ダイヤル２６の下方に、レリーズレバ
ー軸５１が選択カム軸２１と平行な軸方向に配設
され、ミシンの機枠１に固定されている。そのレ
リーズレバー軸５１には、レリーズレバー１７が
揺動自在に支持されている。レリーズレバー１７
は、平歯車３１と一体に樹脂成形された模様表示
板３０と平歯車３８との間〓を通つて上方に延出
し、上端部が接触子レリーズ梃子１６の下端部に
当接している。レリーズレバー１７の側面に、模
様選択ダイヤル２６と一体に樹脂成形された接触
子レリーズカム２７に当接するためのピン５２が
固着されている。レリーズレバー１７は、引張り
ばね２０（第２図参照）の張力を接触子レリーズ
梃子１６を介して伝達され、第２図において右回
転方向に付勢されている。この付勢力により、レ
リーズレバー１７のピン５２が接触子レリーズカ
ム２７のカム面の凸所２７Ａおよびカム面の凹所
２７Ｂに弾性係合する。上記のレリーズレバー１
７と接触子レリーズ梃子１６とでレリーズ作動体
をなし、レリーズレバー１７に固着されたピン５
２が接触子レリーズカム２７のカム面の凸所およ
びカム面の凹所に弾性係合する係合部をなしてい
る。

本実施例は上述の如く構造を有するものであり
以下作動について説明する。

模様を選択するには、模様表示板３０上に掲記
された21個の模様の形象５３の内から選択し、所
望の模様の形象が化粧板３２上に表示された指針
の位置に来るように模様選択ダイヤル２６を回動
する。模様選択ダイヤル２６を回動すると、レリ
ーズレバー１７のピン５２が接触子レリーズカム
２７のカム面の凸所２７Ａに乗り上げ、レリーズ
レバー１７は第２図において左回転方向に揺動す
る。レリーズレバー１７に下端部が当接する接触
子レリーズ梃子１６は接触子支持軸８を中心にし
て右回転方向に揺動され、接触子レリーズ梃子１
６の調節ねじ１８及び１９がそれぞれジグザグ接
触子支持枠１０及び送り接触子支持枠１４に当接
して両接触子支持枠１０，１４を共に右回転方向
に引起し、ジグザグ接触子９及び送り接触子１３
がそれぞれジグザグカム群４及び送りカム群５の
ジグザグカムおよび送りカムから引離される。接
触子レリーズカム２７のカム面の凸所２７Ａはす
べて同一円周上に形成され同じカム高さを有して
いるため、レリーズレバー１７のピン５２が次の
カム面の凹所２７Ｂに落ちるまで接触子レリーズ
梃子１６は引起された状態を保つ。

模様選択ダイヤル２６の回動は遊星歯車機構
（固定内歯歯車２３、遊星歯車３５、駆動歯車３
７）で１／３に減速されて選択カム軸２１を介し
て模様選択カム２４に伝達され、また小歯車３９
および平歯車３１を介して模様表示板３０に伝達
される。模様選択カム２４のジグザグ選択カム面
２４Ａ及び送り選択カム面２４Ｂのカム高さは、
レリーズレバー１７のピン５２が選択レリーズカ
ム２７のカム面の凸所２７Ａに当接している間に
変化するように形成されている。模様選択カム２
４のジグザグ選択カム面２４Ａのカム高さの変化
に従動して第１の揺動レバー４１が揺動し、第１
の揺動レバー４１のピン４４に係合したジグザグ
接触子９を摺動させて次のジグザグカム上に移動
させる。模様選択カム２４の送り選択カム面２４
Ｂのカム高さの変化に従動して第２の揺動レバー
４２が揺動する。第２の揺動レバー４２の揺動は
長穴４５とピン４８との連結により第３の揺動レ
バー４７に伝えられる。第３の揺動レバー４７の
揺動により、第３の揺動レバー４７のピン４９と
係合した送り接触子１３が摺動し、次の送りカム
上に移動する。さらに模様選択ダイヤル２６の回
転を続けると、やがてレリーズレバー１７のピン
５２が接触子レリーズカム２７の次のカム面の凹
所２７Ｂに係合する。この時、レリーズレバー１
７は第２図において右回転方向に揺動し、接触子
レリーズ梃子１６は左回転方向に揺動して、該レ
リーズ梃子１６の調節ねじ１８及び１９がそれぞ
れジグザグ接触子支持枠１０及び送り接触子支持
枠１４から離れる。ジグザグ接触子支持枠１０及
び送り接触子支持枠１４はそれぞれを左回転方向
に付勢する図示しないばねの付勢力により左回転
し、ジグザグ接触子９及び送り接触子１３がそれ
ぞれジグザグカム群４及び送りカム群５の新らし
いジグザグカムおよび送りカムに当接する。

このようにして、模様選択ダイヤル２６の１／
７回転毎に、即ち模様選択カム２４の１／21回転
毎に、ジグザグ選択カム面２４Ａ及び送り選択カ
ム面２４Ｂのカム高さに対応したジグザグカム群
４及び送りカム群５のジグザグカムおよび送りカ
ムが次々に選択される。

本実施例は以上述べた構造を有するから、次の
ような利点がある。

(1) 接触子レリーズカム２７のカム面の凸所およ
びカム面の凹所の数が模様の数より少ない（本
実施例では模様数の１／３である）から、接触
子レリーズカム２７の径を小さくできる。

(2) 接触子レリーズカム２７のカム面の凸所およ
びカム面の凹所をつなぐ傾斜が緩やかにできる
から、接触子レリーズカム２７の形成が容易に
なる。

(3) 接触子レリーズカム２７のカム面の凸所およ
びカム面の凹所をつなぐ傾斜が緩やかにできる
から、該傾斜を模様選択ダイヤル２６を回動さ
せる際に適当なトルクを要する傾斜とすること
ができ、小さな力による軽快な感触で模様選択
ダイヤルを回動させることができる。

(4) 模様を選択し終つた時に、レリーズレバー１
７の側面に固着されたピン５２が、模様選択ダ
イヤル２６と一体に形成された接触子レリーズ
カム２７のカム面の凹所２７Ｂと弾性係合する
から、模様選択ダイヤル２６が保持され、がた
つくことがない。

(5) 接触子レリーズカム２７と模様選択ダイヤル
２６とが、合成樹脂にて一体成形されているか
ら、製作が容易で組立工数が低減できる。

(6) 減速歯車機構が、ミシンの機枠に固定された
固定内歯歯車２３と、模様選択カム２４と一体
的に回動する回動板３３上に回動可能に支持さ
れ前記固定内歯歯車２３と噛合する遊星歯車３
５と、模様選択ダイヤル２６に固着され前記遊
星歯車３５と噛合する駆動歯車３７とを有する
遊星歯車機構であるから、高い減速比を持つた
減速歯車機構が選択カム軸２１の回りにコンパ
クトに構成でき、ミシンの機枠内の狭い空間に
容易に格納できる。

「考案の効果」 以上説明したように本考案によれば、予め定め
られた多数の模様に関する模様カム群中から模様
選択ダイヤルの回動操作により選択された１組の
ジグザグカムおよび送りカムにジグザグ接触子お
よび送り接触子を係合させて所望の模様を形成す
るミシンにおいて、前記模様カム群中の所望のジ
グザグカムおよび送りカムと対向する位置にジグ
ザグ接触子および送り接触子を位置決めするため
のジグザグ選択カム面および送り選択カム面が前
記多数の模様の各々に対応して形成された模様選
択カムと、前記所望のジグザグカムおよび送りカ
ムに対するジグザグ接触子および送り接触子の係
合離脱動作を制御するためのカム面の凸所および
カム面の凹所が前記多数の模様の数より少ない数
だけ形成され、前記模様選択ダイヤルに固着され
た接触子レリーズカムと、この接触子レリーズカ
ムのカム面の凸所およびカム面の凹所に弾性係合
する係合部を有し、そのカム面の凸所およびカム
面の凹所に従つて前記ジグザグ接触子および送り
接触子をジグザグカムおよび送りカムに係合離脱
させるレリーズ作動体と、前記模様選択ダイヤル
の操作回動を減速して前記模様選択カムに伝達す
る減速歯車機構とを設けたものであり、接触子レ
リーズカムのカム面の凸所およびカム面の凹所が
模様数より少ないから、接触子レリーズカムのカ
ム面の凸所とカム面の凹所をつなぐ傾斜が緩やか
にでき、接触子レリーズカムの形成が容易であ
り、模様の選択が小さな力で軽快に行い得るとい
う優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はミシン
の脚柱部の横断面図、第２図はミシンの機枠を取
除いて図示した正面図、第３図は模様選択ダイヤ
ルの斜視図である。 １……ミシンの機枠、２……ミシンの主軸、３
……模様カム軸、４……ジグザグカム群、５……
送りカム群、９……ジグザグ接触子、１３……送
り接触子、１６……接触子レリーズ梃子、１７…
…レリーズレバー、２１……選択カム軸、２３…
…固定内歯歯車、２４……模様選択カム、２４Ａ
……ジグザク選択カム面、２４Ｂ……送り選択カ
ム面、２６……模様選択ダイヤル、２７……接触
子レリーズカム、２７Ａ……カム面の凸所、２７
Ｂ……カム面の凹所、３３……回動板、３５……
遊星歯車、３７……駆動歯車、５２……ピン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 予め定められた多数の模様に関する模様カム
   群中から模様選択ダイヤルの回動操作により選
   択された１組のジグザグカムおよび送りカムに
   ジグザグ接触子および送り接触子を係合させて
   所望の模様を形成するミシンにおいて、 前記模様カム群中の所望のジグザグカムおよ
   び送りカムと対向する位置にジグザグ接触子お
   よび送り接触子を位置決めするためのジグザグ
   選択カム面および送り選択カム面が前記多数の
   模様の各々に対応して形成された模様選択カム
   と、 前記所望のジグザグカムおよび送りカムに対
   するジグザグ接触子および送り接触子の係合離
   脱動作を制御するためのカム面の凸所およびカ
   ム面の凹所が前記多数の模様の数より少ない数
   だけ形成され、前記模様選択ダイヤルに固着さ
   れた接触子レリーズカムと、 この接触子レリーズカムのカム面の凸所およ
   びカム面の凹所に弾性係合する係合部を有し、
   そのカム面の凸所およびカム面の凹所に従つて
   前記ジグザグ接触子および送り接触子をジグザ
   グカムおよび送りカムに係合離脱させるレリー
   ズ作動体と、 前記模様選択ダイヤルの操作回動を減速して
   前記模様選択カムに伝達する減速歯車機構と、 を設けたことを特徴とするミシンの模様カム選
   択装置。 ２ 前記接触子レリーズカムは模様選択ダイヤル
   と合成樹脂にて一体成形されていることを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項記載のミ
   シンの模様カム選択装置。 ３ 前記減速歯車機構は、ミシン機枠に固定され
   た固定内歯歯車と、前記模様選択カムと一体的
   に回動する回動板上に回動可能に支持され、前
   記固定内歯歯車と噛合する遊星歯車と、前記模
   様選択ダイヤルに固着され、前記遊星歯車と噛
   合する駆動歯車とを有することを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項記載のミシンの模
   様カム選択装置。