JPH0135206Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は多数の濾板を備えた濾布走行式のフイ
ルタープレスの改良に関するものである。

（従来の技術） 従来の濾布走行式のフイルタープレスは、サイ
ドバー上に配設された濾板群を締付シリンダを備
えたルーズヘツドにより固定ヘツドに向つて押圧
する形式のものが普通であるが、装置の大型化に
より濾板開閉に要する時間が長くなるうえ締付ス
トロークも大きくなるため高価な長尺の締付シリ
ンダが必要となる等の問題を生じていた。そこで
ルーズヘツドを駆動モータにより移動できるよう
にするとともに、ルーズヘツドの後方に締付シリ
ンダを備えたシリンダヘツドをルーズヘツドとと
もに移動できるように取付け、ルーズヘツドを駆
動モータによつて迅速に移動させた後に締付シリ
ンダを作動させて濾板を押圧するようにしたフイ
ルタープレスも開発されている。しかしこのよう
なフイルタープレスにおいては、シリンダヘツド
の締付シリンダを作動させるための油圧ユニツト
がフイルタープレスとは別置にされており、油圧
ユニツトとシリンダヘツドとの間はシリンダヘツ
ドの移動に追随できるようなフレキシブルな油圧
ゴムホースにて接続されているため、油圧ゴムホ
ースの耐疲労性を考慮して定期的な交換が必要と
されること、油圧ゴムホースの許容曲げ半径が定
められているので配管方法が制約されること、油
圧ユニツトの設置スペースが必要とされること等
の欠点があるほか、油圧ゴムホースには最大210
Kg／cm²という高圧が作用するために繰返して曲げ
伸ばしを行う間の疲労により破損を生じた場合に
は大事故につながる危険性もあつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案はこのような従来の問題点を解決し、濾
板の開閉が迅速で強力な締付けができることは勿
論、フレキシブルな油圧ゴムホースの使用に伴な
う種々のトラブルを一掃することができるフイル
タープレスを目的として完成されたものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は固定フレーム間に架設されたサイドバ
ー上に、多数の濾板と、ルーズヘツドと、締付シ
リンダを備えたシリンダヘツドとを摺動自在に配
設したフイルタープレスにおいて、締付シリンダ
に作動油を供給する油圧ユニツトがシリンダヘツ
ド上に設けられ固定配管を介して締付シリンダと
連結されたものであることを特徴とするものであ
る。

（実施例） 次に、本考案を図示の実施例により詳細に説明
すれば、図中１は固定フレーム２，２間に水平に
架設されたサイドバー、３は該サイドバー１上に
移動自在に配設された多数の濾板、４は同じくサ
イドバー１上に配設されたルーズヘツド、５はル
ーズヘツド４の後方に配設された締付シリンダ６
を備えたシリンダヘツドである。ルーズヘツド４
は締付シリンダ６のピストンロツド７の先端に取
付けられており、またシリンダヘツド５はサイド
バー１の外側面に張設されたチエーン８に取付金
具９によつて取付けられているので、チエーン８
が駆動モータ１０によつて駆動されると、ルーズ
ヘツド４とシリンダヘツド５とはサイドバー１上
を移動することとなる。１１は締付シリンダ６に
作動油を供給するための油圧ユニツトであり、該
油圧ユニツト１１は図示のようにシリンダヘツド
５上に設けられて固定配管１２を介して締付シリ
ンダ６と連結されている。油圧ユニツト１１は図
示のようにシリンダヘツド５の上面に取付けるほ
か、内部に収納しても、下面に取付けても、締付
シリンダ６に取付けてもよい。なお１３は各濾板
３の上方に取付けられた上部ローラ、１４は下部
ローラ、１５はこれらの上部ローラ１３と下部ロ
ーラ１４間にジグザグ状にかけまわされた濾布、
１６は下部ローラ１４とチエーン１７によつて連
結された濾布駆動軸、１８は各濾布駆動軸１６を
傘歯車機構を介して同時に駆動するためのスプラ
イン軸である。

（作用） このように構成されたものは、サイドバー１の
外側面のチエーン８を駆動してサイドバー１上に
摺動自在に配設されたルーズヘツド４及びシリン
タヘツド５を固定フレーム２に向つて迅速に移動
させ、多数の濾板３を図示のように固定フレーム
２とルーズヘツド４との間に集合させたうえでシ
リンダヘツド５をサイドバー１にロツクし、次に
油圧ユニツト１１から供給される高圧の作動油に
よりシリンダヘツド５の締付シリンダ６を作動さ
せて各濾板３を強く押圧し、この状態で各濾板３
にはさまれた２枚の濾布１５，１５間に原液を供
給して濾過を行わせることは従来のフイルタープ
レスと同様である。しかし本考案においては油圧
ユニツト１１がシリンダヘツド５上に設けられて
固定配管１２を介して締付シリンダ６と接続され
ているため、従来のようにフレキシブルな油圧ゴ
ムホースを用いる必要がなく、従つて高圧が作用
する油圧ゴムホースを曲げ伸ばしすることに伴な
う危険性やメンテナンスの困難性を一掃すること
ができるうえ、油圧ユニツト１１と締付シリンダ
６とを近接位置に配置できるので高圧の作動油の
圧力損失を減少させることができるものである。

（考案の効果） 本考案は以上の説明からも明らかなように、締
付シリンダに作動油を供給する油圧ユニツトをシ
リンダヘツド上に設け固定配管により締付シリン
ダと連結したことにより、従来と同様に濾板の迅
速な開閉と強力な締付けを行わせることができる
うえにフレキシブルな油圧ゴムホースの使用に伴
なう危険性やメンテナンスの困難性を一掃したも
のである。また本考案によればフイルタープレス
とは別に油圧ユニツトのための設置スペースを設
ける必要もなくなり、スペースの削減を図ること
ができる利点もある。よつて本考案は従来のこの
種フイルタープレスの問題点を一掃したものとし
て、その実用的価値は極めて大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示す正面図である。 １……サイドバー、２……固定フレーム、３…
…濾板、４……ルーズヘツド、５……シリンダヘ
ツド、６……締付シリンダ、１１……油圧ユニツ
ト、１２……固定配管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定フレーム２，２間に架設されたサイドバー
   １上に、多数の濾板３と、ルーズヘツド４と、締
   付シリンダ６を備えたシリンダヘツド５とを摺動
   自在に配設したフイルタープレスにおいて、締付
   シリンダ６に作動油を供給する油圧ユニツト１１
   がシリンダヘツド５上に設けられ固定配管１２を
   介して締付シリンダ６と連結されたものであるこ
   とを特徴とするフイルタープレス。