JPH0135133Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 泥面を滑走するフロートに、先端部が土壌中に
没入して施肥する施肥管を方向変更調節自在に取
付けた土中施肥機において、特に植付けた苗の根
の位置に対して特定な関係位置に土中施肥をする
場合、施肥管の先端部が、土中の適正な深さ及び
機体に対する左右方向の適正な位置になるように
しなければ植付けた苗の均等な発育を促すことは
できない。而して従来は、施肥管の先端の位置決
め用具として板状のゲージが用いられ、該ゲージ
面に施肥管の先端部を合せ、ゲージの上辺をフロ
ートの底面に当接させて施肥管の位置を調節する
ようになされていたが、このようなゲージでは、
フロートの底面にゲージの上辺を当て、当接部を
注視し乍ら施肥管の先端部を動かして調節を行う
ものであるから、作業が極めて面倒であり、又フ
ロート下面に土が附着していたり、ゲージが傾い
ていたりすると左右の施肥管先端の位置が不正確
となり、且つフロート底面とゲージ面とを常に一
定角度に当接させることは困難であるから、施肥
管先端の深さが不適当となる等の欠陥があつた。

本考案は、このような従来の欠陥に鑑み、これ
を改善することを目的とするものであつて、泥面
上を滑走するフロートに、先端部が土壌中に没入
して施肥する施肥管を方向変更調節固定自在に取
付け、前記フロートに対する施肥管の先端部位置
を、施肥機とは別個のゲージ部材のゲージ面に合
せて位置決めするものにおいて、上記ゲージ部材
にはフロート両側面のリブに係合する係止部若く
はフロート両側面を抱持する凹部を設けると共
に、該ゲージ部材をフロートの進行方向にのみ摺
動可能として施肥管の位置決め時に前記フロート
に嵌合着脱自在となるよう構成したことを特徴と
するものである。

以下本考案の一実施例を図面について説明する
と、１は車輪２を備え、左右往復する苗箱３を装
架し、その送り出側に前方から臨む植付杆４を装
備してなる田植機の機枠であつて、機枠１の上方
には肥料タンク５が搭載され、機枠１の下方には
側面にリブを突設したフロート６が吊架されてお
り、又苗箱３の下方にはポンプ７が装備されてい
る。８は上端部に取付孔９ａと調節長孔９ｂを穿
設した取付座９を有する施肥管であつて、該施肥
管８はフロート６の上部に附設されたブラケツト
６ｂに固定ボルト１０と調節ボルト１０ａにより
取付けられ、施肥管８の先端部の噴口８ａの位置
がフロート６の側方で上下回動調節自在なるよう
になつている。１１は両端部が夫々肥料タンク５
とポンプ７に接続するホース、１２は両端部が
夫々ポンプ７と施肥管８の上端部に接続するホー
スであつて、肥料タンク５に充填された液状肥料
がポンプ７により上記ホースを介して施肥管８に
圧送され、その噴口８ａより土中に吐出するよう
になつている。

１３はゲージ部材で、その上縁部左右には前記
フロート６の両側面に突出したリブ６ａに係合す
べく適宜挟持長さを有する溝状の係止部１４，１
４が設けられており、この係止部１４，１４をフ
ロート６のリブ６ａに嵌入して用いるもので、ゲ
ージ部材１３はフロート６の前後方向にのみ摺動
可能となり、且つ左右や上下に揺れ動くことなき
よう構成されている。ゲージ部材１３のゲージ面
には、前記施肥管８の先端部が嵌合する上下複数
個の孔１５，１５が穿設されており、その後方に
所定の間隙を設けて、施肥管８の先端部を当接支
持させる当て板１６が配設されている。そして前
記係止部１４と孔１５間の関係寸法は、施肥管８
の先端部即ち噴口８ａが、植付けた苗の根の位置
に対して特定な関係位置になるよう設定されてお
り、前記複数個の孔１５は、上部のものは施肥深
さが浅い場合、下部のものは施肥深さが深い場合
に対応するものである。

本考案はこのように構成されているから、機体
を運搬する時等に先端部を上下に移動させてあつ
た施肥管８を施肥姿勢にセツトする際は、固定ボ
ルト１０及び調節ボルト１０ａを緩め、施肥管８
を下に押し下げておき、ゲージ部材１３をフロー
ト６の後方から当てがい、係止部１４，１４をフ
ロート側面のリブ６ａに嵌入させて前方へ摺動さ
せると、ゲージ部材１３はフロートのリブ６ａ又
はフロート６の側面に沿つてがたを生ずることな
く移動する。そこで施肥管８の先端部を所定の孔
１５に嵌入させ、噴口８ａを当て板１６に当接さ
せると、噴口８ａの前後、上下、左右の位置が正
確に設定されるから、この状態で固定ボルト１０
と調節ボルト１０ａを締付け、施肥管８を固定す
る。そしてゲージ部材１３を後方から取外し、田
植機を圃場内に入れて運転操作をするとポンプ７
の回転により施肥タンク５に充填された液状肥料
が噴口８ａから土中の所定深さに吐出されるもの
である。

第５図ａ及びｂは別の実施例を示したもので、
本案第３図及び第４図のものと比較し、ゲージ部
材２３の上部にフロート２６の両側面を抱持する
凹部を形成した抱持部２４，２４を設け、この抱
持部２４，２４をフロート２６の後方からその側
面に嵌入して用いるもので、ゲージ部材２３はフ
ロート２６の前後方向にのみ摺動可能となり、且
つ左右や上下に揺れ動くことなきよう構成されて
いる。

本考案は上述のように、泥面上を滑走するフロ
ートに、先端部が土壌中に没入して施肥する施肥
管を方向変更調節固定自在に取付け、前記フロー
トに対する施肥管の先端部位置を、施肥機とは別
個のゲージ部材のゲージ面に合せて位置決めする
ものにおいて、上記ゲージ部材にはフロート両側
面のリブに係合する係止部若くはフロート両側面
を抱持する凹部を設けると共に、該ゲージ部材を
フロートの進行方向にのみ摺動可能として施肥管
の位置決め時に前記フロートに嵌合着脱自在とな
るよう構成したので、施肥管の位置決めを行う際
にゲージ部材は、その係止部によりフロートのリ
ブに確実に支承され、又は、その抱持部によりフ
ロートの側面に確実に支承されるものであるか
ら、ゲージ面は前後左右等に揺れることなく、従
つて、施肥管の先端位置は極めて正確に設定出来
るものであり乍ら、ゲージ部材の上部が固定され
た状態で施肥管の先端をゲージ面に合せることが
出来るから、セツト作業が簡単且つ容易であり、
更にゲージ部材を後方から摺動させてフロートに
取付けることにより、フロートに附着した泥土を
摺り落すから、泥土附着によるゲージ面の変位な
どのトラブルを生ずることなく、又フロートはそ
の形成上、合せ型では必然的に上下接合用のリブ
が形成されるため、このリブを利用し、又リブが
形成されないタイプのフロートにおいても、その
フロートの側面を利用してゲージを安定確実に取
付けることができるから、ゲージの取付構成が極
めて簡単になると共に、従来のフロートにそのま
ま使用出来る等の実用的効果を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案装置を施した土中施肥機における
施肥管の位置決めゲージの一実施例を示すもので
あつて、第１図は田植機に土中施肥機を装備させ
た例の全体側面図、第２図は施肥機のフロートに
ゲージ部材を嵌合した状態での両者の関係位置を
示す側面図、第３図は同上後面図、第４図は施肥
機のフロートにゲージ部材を嵌合する直前の状態
を示す要部の斜視図、第５図は別の例を示し、ａ
はフロートにゲージ部材を嵌合した状態の後面
図、ｂはゲージ部材の斜視図である。 ６……フロート、６ａ……リブ、７……ポン
プ、８……施肥管、８ａ……噴口、１３……ゲー
ジ部材、１４……係止部、１５……孔、１６……
当て板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 泥面上を滑走するフロートに、先端部が土壌
   中に没入して施肥する施肥管を方向変更調節固
   定自在に取付け、前記フロートに対する施肥管
   の先端部位置を、施肥機とは別個のゲージ部材
   のゲージ面に合せて位置決めするものにおい
   て、上記ゲージ部材にはフロート両側面のリブ
   に係合する係止部若くはフロート両側面を抱持
   する凹部を設けると共に、該ゲージ部材をフロ
   ートの進行方向にのみ摺動可能として施肥管の
   位置決め時に前記フロートに嵌合着脱自在とな
   るよう構成したことを特徴とする土中施肥機に
   おける施肥管の位置決めゲージ。 (2) ゲージ部材のゲージ面を施肥管の先端部が嵌
   合する上下複数個の孔と、該孔の後方に配設さ
   れて施肥管の先端部を当接支持させる当て板と
   で構成してなる実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の土中施肥機における施肥管の位置決めゲ
   ージ。