JPH0133264B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、金属製、特に鋼製の鋳造体用の単数
または複数の水平連続鋳造鋳型が切り離し可能に
接続されたタンデイシユを備え、このタンデイシ
ユと前記水平連続鋳造鋳型と引抜き機とがそれぞ
れの鋳造体心で合わされている水平連続鋳造装置
に関する。

従来の技術 従来のこの種の水平連続鋳造装置は、妨げのな
い連続的鋳造作業を可能にする目的に役立つてい
る。この場合、装置の出来るだけ多くの利用ない
し耐用時間が求められる。

融解金属を収容するタンデイシユと水平連続鋳
造鋳型との間に切り離し可能な接続部を作り、こ
れが熱損失を避け、かつ必要に応じて槽からの金
属流出を中断し得る構成のものは公知である
（DE−OS2355015）。

鋳造過程の中断は、通常鋳造体心での鋳造中止
を伴うため、水平連続鋳造鋳型の中に残留鋳造物
が生じ、これを凝固後取り除かなければならな
い。タンデイシユの側では、鋳造過程の中断によ
り、多くはこのタンデイシユ内の残留物の鋳出し
も必要となる。ただし、従来タンデイシユは、水
平連続鋳造鋳型の分離後傾倒し、洗浄し、点検す
ることができるものが提案されている。（ドイツ
実用新案8201246.6）。

発明が解決しようとする問題点 しかし、上記従来技術においては、タンデイシ
ユと水平連続鋳造鋳型の保守を行なつた後、どの
ようにして再結合できるか、また再結合しなけれ
ばならないかについて解決を与えてないという問
題があつた。すなわち、従来は、タンデイシユ、
水平連続鋳造鋳型、および引抜き機がある程度の
回数のチヤージの後はもはや整列状態にないこと
が多い点が、考慮されていなかつた。つまり、タ
ンデイシユから外された水平連続鋳造鋳型は、そ
の注湯口がタンデイシユの出湯口から著しく外れ
るという欠点があつた。この偏差は水平連続鋳造
鋳型が単条であるか複条であるかによつて著しく
変化し、たとえばその値が10mmにも達することが
あつた。

そこで本発明はこのような問題点を解決し、タ
ンデイシユと水平連続鋳造鋳型との間の偏差すな
わち整列誤差を、適当な処置により吸収すること
を目的とする。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するため本発明は、タンデイ
シユにオリフイスを嵌装した中空部を設け、水平
連続鋳造鋳型とタンデイシユとの接続部に結合部
を設け、この接合部がオリフイスの先端に設けら
れたシールリングと、このシールリングに圧接可
能であるとともにその軸心の位置をシールリング
の軸心に対して変位可能として鋳型に接続される
調整体と、前記オリフイスおよびシールリングの
周囲に同心状に配置された密閉面と、前記密閉
面、シールリングおよび調整体を互いに圧着する
手段と、前記鋳型をタンデイシユ側へ固定する手
段とを有する構成としたものである。

作 用 このようなものであると、タンデイシユと水平
連続鋳造鋳型との間の偏差を、結合部においてそ
の軸心の位置をシールリングの軸心の位置に対し
変更可能とされた調整体により受け止め、これに
よりタンデイシユと水平連続鋳造鋳型との軸の間
の上記の偏差を吸収できる。鋳造軸を調整可能な
結合部は、密閉面、シールリングおよび調整体ど
うしを互いに固定する際に密閉作用を行う。この
ような固定にともない、タンデイシユと水平連続
鋳造鋳型との軸の偏差が調整可能な結合部の内部
で吸収されるときに融解金属流の僅かな流路移動
が行われるが、しかしこれはなんら不利な結果を
伴わない。

本発明の構成においては、鋳造軸を調整できる
結合部を、タンデイシユの鋳造物引抜き機に向い
た側に密接させることができる。ここで、水平連
続鋳造鋳型および／またはタンデイシユの容易で
迅速な交換が、側方向きまたは上向きに行われ
る。

しかし本発明の別の構成によれば、鋳造軸を調
整できる結合部をタンデイシユの下側の角状鋳造
金属ガイドの内部に設けることができ、このガイ
ドを水平連続鋳造鋳型と直結結合することができ
る。従つてこの解決策では、水平連続鋳造鋳型の
取付けおよび再取付けは、たとえばタンデイシユ
を移動することなくその位置に留まらせて行うこ
とができる。水平連続鋳造鋳型の取付け作業後
に、鋳造過程の間はタンデイシユの上に位置する
取鍋により、問題なく鋳造を行うことができる。

本発明の密閉面によれば、オリフイスの端面で
の密閉効果を高め、従つてタンデイシユおよび水
平連続鋳造鋳型が大きく軸偏差している際に、よ
り高い密閉作用を得るために特に適している。

その他の構造部分から分離する必要のない水平
連続鋳造鋳型を取付けるために求められるより大
きな運動性は、角状鋳造金属ガイドの垂直脚にカ
ルダン支承した鋳込みノズルが設けられており、
これがタンデイシユに空気遮断して嵌装されるこ
とにより達成される。種々な構成群へのこのよう
な分割は、水平連続鋳造鋳型をその他の構成部分
と共に、水平連続鋳造装置の位置でたとえば下方
または後方へ繰り出せるように構成することを可
能にする。

本発明の別の構成によると、鋳造作業中の治金
学的必要条件を考慮して、角状鋳造金属ガイドの
中の鋳込みノズルを外気に対して密閉配置するこ
とができる。

本発明の別の構成によると、角状鋳造金属ガイ
ドの垂直脚部分の高さを、必要とされる溶湯圧に
応じた寸法とすることができる。

緊急の場合、すなわち多心の水平連続鋳造装置
における個々の水平連続鋳造鋳型で鋳造中断する
場合のために、タンデイシユおよび／または角状
鋳造金属ガイドに閉鎖機構により閉鎖可能な底湯
口を設けるのが有利である。

実施例 本発明の実施例を図面に示し、以下さらに詳細
に説明する。

第１図に示す水平連続鋳造装置は、たとえば四
条の鋳造心１と２のために設計されており、その
内二条が、図示されたように対称軸３よりも図面
の下方に、他の二条が（図示されていない）対称
軸３よりも図面の上方にある。溶融金属、特に溶
融鋼は取鍋４からタンデイシユ５の中に達し、こ
の時取鍋４は、場合によつて、たとえば単条装置
の場合は、タンデイシユ５自体の役目をすること
ができる。タンデイシユ５には四つの水平連続鋳
造鋳型６が接続している。タンデイシユ５は、レ
ール軌道７に沿つて作業位置に入り、また作業位
置から出ることができる。これらの機能は、クレ
ーンによつても受け持つことができる。鋳造体走
行方向には、水平連続鋳造鋳型６の後方にそれぞ
れ引抜き機８がある。融解金属は、取鍋４から取
鍋湯路９へと流れる。取鍋湯路９とずらした配置
で、底湯口１０が設けられている。

水平連続鋳造鋳型６は、装置建造の際に、たと
えばレーザ光学装置によりそれぞれ鋳造軸１１に
揃えることができる。第２図においてタンデイシ
ユ５は、装置建造の際に同じく、中空部１３の軸
１２上に嵌装されたオリフイス１４と共に、鋳造
軸１１に揃えられる。幾度かのチヤージの後、ま
たは最初の加熱の後既に、タンデイシユ５は延び
たりゆがんだりするため、軸１２からの鋳造軸１
１の上記の偏差が生じる。詳細は後述する調整可
能な結合部１５はこの偏差を補正し、その際オリ
フイス１４の端面１４ａに対して密閉する。調整
可能な結合部１５は、第３図の通りタンデイシユ
５における鋳造体引抜き機８に向いた側部８ａに
配置されている。これと反対に、第４図または第
５図では、この調整可能な結合部１５はタンデイ
シユ５の下側に配置されている。

融解金属は、作業中に取鍋４にて開かれた滑り
シヤツタ１７を通り、たとえば案内管１８を通つ
てタンデイシユ５に達し、この時滑りシヤツタ１
７は制御機構の役割を果たす。それぞれの鋳造作
業終了後、または緊急の場合は、融解金属はタン
デイシユ５から底湯口１０および底シヤツタ１０
ａを通つて非常取鍋１９の中へ流し出すことがで
きる。

第３図に示すように、結合部１５には、オリフ
イス１４およびシーリング２２の周囲に同心状に
配置された密閉面２０，２１が設けられている。
シールリング２２は耐火材にてなり、オフイス１
４の先端に設けられてその端面１４ａを形成す
る。シールリング２２と鋳型６との間には調整体
２３が挿入されている。この調整体２３は、その
軸心をオリフイス１４およびシールリング２２の
軸心１２に対し変位可能、すなわち心ずれ可能と
されている。密閉面２０，２１、シールリング２
２および調整体２３は、固定ねじ２４により互い
に固定され、互いに圧着される。これによつて、
シールリング２２と調整体２３との接触面すなわ
ち座面２６のまわりの密閉が行われる。水平連続
鋳造鋳型６は、締め付けリング２５によつて、タ
ンデイシユ５すなわちオリフイス１４すなわち密
閉面２１すなわち座面２６に対して締め付けら
れ、これらに固定される。

第４図および第５図は他の実施例を示し、上か
ら下へ次のように構成された垂直脚２７ａを備え
た角状鋳造金属ガイド２７を有している。

すなわち、タンデイシユ５には、対応する金属
材料からなる底皿２８と、高さ調節可能な挿入体
３０を有した球状形の対向板２９とが設けられ、
挿入体３０は、作業位置で、酸化防止のためテレ
スコープ管３１と共働して密閉する。テレスコー
プ管３１はカバー３２により案内され、同時に支
承される。カバー３２は中間槽３３を閉塞してい
る。テレスコープ管３１の中には鋳込みノズル３
４がカルダン継手にて懸架されている。湯面上空
間３５には、必要に応じてシールドガスを供給す
ることができる。始動過程その他の用途のため、
湯面上空間３５の排気装置（（図示せず）が設け
られている。調整可能な結合部１５は、第３図に
ついて記したのと同様に、第４図と第５図におい
ても示されている。

高さ３６は、一般に、鋳造に有利な溶湯圧を得
ることが可能な寸法となつている。第５図では、
取鍋４がタンデイシユ５としても機能している。
その底３７には案内管１８が密接している。湯面
３８（第４図と第５図）は、詳しくは図示されて
いない制御系により自動制御される。

発明の効果 以上述べたように本発明によると、タンデイシ
ユと水平連続鋳造鋳型との偏差を、結合部により
密閉状態のもとで容易に吸収することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の全体平面図、第２
図はその正面視の断面図、第３図は第２図におけ
る要部拡大図、第４図は本発明の他の実施例の要
部断面図、第５図は本発明のさらに他の実施例の
要部断面図である。 ５……タンデイシユ、６……水平連続鋳造鋳
型、８……引抜き機、１１……鋳造軸、１３……
中空部、１４……オリフイス、１４ａ……端面、
１５……結合部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 金属製、特に鋼製の鋳造体用の単数または複
   数の水平連続鋳造鋳型が切り離し可能に接続され
   たタンデイシユを備え、このタンデイシユと前記
   水平連続鋳造鋳型と引抜き機とがそれぞれの鋳造
   体心で合わされている水平連続鋳造装置であつ
   て、 前記タンデイシユにオリフイスを嵌装した中空
   部を設け、前記水平連続鋳造鋳型とタンデイシユ
   との接続部に結合部を設け、この結合部がオリフ
   イスの先端に設けられたシールリングと、このシ
   ールリングに圧接可能であるとともにその軸心の
   位置をシールリングの軸心に対して変位可能とし
   て鋳型に接続される調整体と、前記オリフイスお
   よびシールリングの周囲に同心状に配置された密
   閉面と、前記密閉面、シールリングおよび調整体
   を互いに圧着する手段と、前記鋳型をタンデイシ
   ユ側へ固定する手段とを有することを特徴とする
   水平連続鋳造装置。