JPH0133080Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本願考案は、脱臭基剤を含浸させた脱臭シート
を有する脱臭壁掛に関する。

【従来の技術】

従来から、活性炭、シリカゲル等の吸着剤を容
器等に充填した脱臭剤が開発されている。上記脱
臭剤は、芳香成分が空気中に蒸散することにより
芳香を発する芳香剤とは異なり、上記脱臭作用の
ある薬剤に悪臭成分を接触させることにより、上
記薬剤に上記悪臭成分を吸着等させて脱臭を行う
ものであり、脱臭効果を高めるには、脱臭剤と上
記空気中に浮遊する悪臭成分とが接触する機会を
できるだけ多くする必要がある。とくに、室内の
脱臭を行う場合においては、脱臭剤と悪臭成分と
の接触の機会を多くするため、非常に大きな脱臭
作用面を形成しなければならない。 上記問題を解決するために、たとえば、実開昭
59−2047号公報、あるいは、実開昭60−22961号
公報に記載されているもののように、脱臭剤の脱
臭作用面積を大きくするために、平板状の枠体を
形成し、その表裏両面にフイルター膜等の通気性
のある薬剤保持部材を貼設したパネル状の容器に
脱臭基剤を収容したものが提案されている。 上記の考案においては、脱臭基剤を平板状に配
置して脱臭剤の脱臭作用面積を大きくすることに
より、空気中の悪臭成分と脱臭剤とが接触する機
会を増やすことができ、脱臭効果を高めることが
できる。

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来、脱臭基剤として主に活性
炭が使用されており、しかもその剤形は粉末状あ
るいは顆粒状のものしか開発されていなかつた。
そのため、実用的な脱臭効果を発揮させるために
は、上記粉末状あるいは顆粒状の脱臭基剤を収容
保持するための容器が必要であり、しかも、上記
従来例のように、広い空間の脱臭を行うためには
脱臭作用面積を増加させなければならず、大掛り
な容器等が必要であつた。 また、室内等の脱臭を行う場合等には、脱臭基
剤を保持する容器が大きくなるため見栄えが悪化
し、しかも、脱臭基剤が粉末状のため、どうして
も容器の厚みも厚くなつてしまうという問題があ
つた。 さらに、上述のような枠体を有する平板状の容
器は製造コストが高くつくため、上記脱臭基剤を
保持する容器ごと使い捨てのできる壁掛タイプの
脱臭剤を提供することができなかつた。 本願考案は、上述の事情のもとで考え出された
ものであつて、上記の従来の問題を解決し、大き
な脱臭作用面積を有するにもかかわらず見栄えが
良く、また、脱臭基剤を保持する容器の厚みを薄
くでき、さらに、保持容器ごと使い捨てのできる
脱臭壁掛を提供することをその課題とする。

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために、本願考案では、
次の技術的手段を講じている。 すなわち、本願考案は、周縁部を残して開口さ
れた枠状前面板、および後面板を有する正面視額
縁状容器と、脱臭基剤を含浸させた脱臭シート
と、表面に絵画等を印刷することにより形成した
画面部を有する通気性シートとを備え、上記枠状
前面板の周縁部に１から12までの数字を順次配列
した取替時期表示部を設けるとともに、上記通気
性シートの上記画面部を上記枠状前面板の上記開
口から外方に臨ませるようにして、上記脱臭シー
トおよび通気性シートを上記額縁状容器に収容し
たことを特徴とする。 本願の実用新案登録請求の範囲第２項に記載の
考案は、上記実用新案登録請求の範囲第１項に記
載の発明において、上記後面板に通気孔を形成し
たことを特徴とする。

【考案の作用および効果】

近年、脱臭基剤の分野における技術の進歩は著
しく、種々の脱臭基剤が開発され、また液状の脱
臭基剤等も出現して、脱臭剤の剤形をシート状に
形成することが可能になつた。 本願考案は、上記脱臭シートを用いて室内等の
脱臭を行う、薄型の脱臭壁掛を提供しようとする
ものである。 脱臭シートは、多孔質の樹脂シート、あるいは
繊維状のシートに、脱臭基剤を含浸させたもので
ある。脱臭シートを使用することによつて、悪臭
との接触面積を格段に大きくすることができると
ともに厚みが小さくなり、また脱臭剤を保持収容
するための枠体も大掛りなものが必要でなくな
り、製造コストを大幅に低下させることが可能と
なる。このため、脱臭剤を保持する枠体ごと交換
することのできる使い捨てタイプの脱臭壁掛を提
供することが可能となつた。 一方、上述のように、十分な脱臭効果を発揮さ
せるために、脱臭剤の脱臭作用面積を大きくとる
と、壁面を覆う広さも必然的に大きくなり、その
ままでは、見栄えが悪化してしまうという問題が
発生する。 本願考案においては、上記の問題を解決するた
めに、周縁部を残して開口された枠状前面板と後
面板を有する額縁状容器に、脱臭シートと、表面
に絵画等を印刷することにより形成した画面部を
有する通気性シートとを、上記通気性シートの上
記画面部を上記枠状前面板の上記開口から外方に
臨ませるようにして、上記額縁状容器に収容す
る。 上記脱臭シートを保持する額縁状容器は、正面
のほぼ全面が開口されて正面視額縁状の形態を呈
するとともに、上記開口から、上記通気性シート
の画面部が外方に臨まされている。上記通気性シ
ートは、悪臭成分が通過して内側に収容された脱
臭シートに接触するために十分な通気性を有する
とともに、その表面には、絵画等が印刷形成され
た画面部が形成されている。上記画面部は、上記
枠状前面板の開口に対応するように形成されてお
り、このため、全体の正面外観が絵画等を収容し
た額縁状を呈することとなる。しかも、脱臭壁掛
として脱臭機能を発揮する部位は、上記絵画等を
印刷した画面部である。すなわち、上記画面部の
絵画等が、壁掛を見る者の目を楽しませるととも
に、脱臭効果をも発揮するという、いままでにな
い技術的効果を発揮するのである。 上記構成によつて、広い空間の脱臭を目的とす
る場合であつても、上記画面を必要なだけ大きく
して脱臭作用面積を大きくすることが可能とな
り、しかも、脱臭作用面積を大きくしても、それ
に適する絵画等によつて画面を形成すれば、見栄
えが悪化することはなく、大きな脱臭壁掛を室内
に壁に取付けることが可能となるのである。 また、上記通気性シートの表面に形成した画面
は印刷形成することができるため、種々のものを
容易にしかも安価に形成することができる。この
ため、脱臭を行う部屋に合致した画面を有する壁
掛を形成することが非常に容易となり、上記通気
性シートのみを交換すれば、どのようなデザイン
の壁にも設置が可能となる。したがつて、従来の
壁掛タイプの脱臭剤のように、脱臭基剤を保持す
る容器のデザインが固定化されて、使用場所が限
られるというようなこともない。 一方、脱臭剤の効力には、時期的な限界があ
り、一定期間ごとに交換をしなければならない。
従来、交換時期を、容器内部の外部から見えない
所、あるいは脱臭基剤自体に記入しておくのが一
般的であつたが、そうすると、交換時期を忘れて
しまい。脱臭剤を脱臭効果のないまま放置するこ
とがよくあつた。また、従来の壁掛式の脱臭剤で
は、容器を使い捨てにできないため、容器の表面
に交換時期を表示することも困難であつた。 本願考案においては、上記枠状前面板の周縁部
に、１年の各月に対応する１から12までの数字を
順次配列した取替時期表示部を設ける。上記取替
時期表示部は枠状前面板の表面に形成されるた
め、上記表示部の数字のマークを施しておけば、
交換時期を逸するといつたこともなくなる。一
方、上記枠状前面板が額縁状をしているため、上
記取替時期表示部は額縁の周縁部に形成されるこ
ととなり、絵画等を印刷形成した画面部に比べて
あまり目立つことがなく、壁掛としての外観を悪
化させるということもほとんどない。しかも、本
願考案に係る脱臭壁掛は、主に使い捨てタイプの
ものとして提供されるため、上記のような取替時
期表示部を設けることにより、より使い勝手のよ
いものを提供することができる。

【実施例の説明】

以下、本願考案の実施例を、第１図ないし第３
図に基づいて具体的に説明する。 第１図は脱臭壁掛の正面図、第２図は脱臭壁掛
の縦断面図である。これらの図に示すように、額
縁状容器１は枠状前面板２と後面板３とを有し、
平板状の形態を呈している。上記枠状前面板２に
は、周縁部を枠状に残して開口４が設けられると
ともに、上記枠状前面板２の下方周縁部には、
からまでの数字マークを順に配列して構成され
た、取替時期表示部５が形成されている。 一方、後面板３には、通気性を良くするため、
通気孔６が形成されるとともに、その上部には、
額縁状容器を壁に係止するための透孔８を備えた
吊下片７が設けられている。 第２図に示すように、上記額縁状容器１の内部
には、脱臭シート９と通気性シート１０とが、上
記通気性シート１０を枠状前面板２の裏面に貼着
するようにして収容されている。上記脱臭シート
９は、多孔質の樹脂シートあるいは繊維からなる
シート等に脱臭基剤を含浸することにより形成さ
れる。上記脱臭基剤は、たとえば、植物抽出精油
等の液状脱臭基剤、あるいは、このような液状脱
臭基剤に細かい粒状活性炭を含ませたものが効果
的である。 上記通気性シート１０は、たとえば、通気性の
ある不織布等が採用される。上記通気性シート１
０の外形は、上記脱臭シート９とほぼ同じ大きさ
の矩形形状に形成される一方、その表面には、上
記枠状前面板２に設けた開口４に対応するよう
に、画面部４ａが形成されている。上記画面部４
ａは、絵画等を印刷することによつて形成され、
あるいは絵画のみならず写真、広告デザイン等を
印刷形成することもできる。 上記脱臭シート９および通気性シート１０を収
容保持する額縁状容器１は、正面のほぼ全面が開
口されて額縁状の形態を呈するとともに、上記開
口４から、上記通気性シート１０の画面部４ａが
外方に臨まされている。上記通気性シート１０
は、悪臭成分が通過して内側に収容された脱臭シ
ートに到達するに十分な通気性を有するととも
に、上記画面部４ａは、上記枠状前面板２の開口
４に対応するように形成されている。 上記構成によつて、脱臭壁掛全体の外観が絵画
を収容した額縁状を呈することとなる。しかも、
脱臭機能を発揮する部位は、上記絵画等を印刷し
た画面部４ａである。すなわち、絵画の画面が脱
臭機能を発揮していることとなり、見る者の目を
楽しませるとともに、脱臭効果をも発揮している
という、いままでにない技術的効果を発揮するこ
ととなる。 したがつて、広い部屋等の脱臭を行う場合、す
なわち大きい脱臭能力を要する場合であつても、
上記画面部およびその背後に収容される脱臭シー
トの面積を大きくすることにより容易に脱臭面積
を大きくすることが可能となる。しかも、脱臭面
積を大きくしても、画面部に大きな画面を有する
絵画等を採用すれば、見栄えが悪化することはな
く、大きな脱臭壁掛を壁面に取付けることも可能
となる。 また、上記通気性シート１０の表面に形成した
画面部４ａの絵画等は印刷形成することができる
ため、種々のものを容易にしかも安価に形成する
ことができる。このため、脱臭を行う部屋に合致
した画面部を有する脱臭壁掛を形成することが非
常に容易となり、上記通気性シート１０のみを交
換すれば、どのようなデザインの壁にも設置が可
能となる。したがつて、従来の壁掛タイプの脱臭
剤のように、脱臭剤を保持する容器のデザインが
固定化されて、使用場所が限られるというような
こともない。 一方、本実施例においては、上記枠状前面板２
の周縁部下方にからまでの１年の各月に対応
する数字マークを順次配列した取替時期表示部５
を設けてある。上記取替時期表示部５は枠状前面
板２の表面に形成されるため、上記取替時期表示
部５の数字にマークを施しておけば、交換時期を
逸するといつたこともなくなる。また、上記枠状
前面板２が額縁状をしているため、上記取替時期
表示部５は額縁の周縁部に形成されることとな
り、絵画等を印刷形成した画面部４ａに比べてあ
まり目立つことがなく、壁掛としての外観を悪化
させるということもほとんどない。逆に、本願考
案に係る脱臭壁掛は、主に使い捨てタイプのもの
として提供され、額縁状容器ごと取り替えられる
ので、上記のような取替時期表示部５を設けるこ
とにより、さらに使い勝手の良いものとすること
ができる。 第３図に、本願考案の他の実施例を示す。第３
図に示す脱臭壁掛においては、脱臭シート９と芳
香基剤を含浸させた芳香シート１１とが重着され
るようにして、通気性シート１０とともに額縁状
容器に収容されている。脱臭基剤あるいは芳香基
剤をシート状の担体に含浸させて、脱臭シート９
および芳香シート１１を形成し、上記脱臭シート
９および芳香シート１１を組み合わせることによ
り、上記脱臭シート９によつて悪臭のみを選択的
に除去し、かつ、芳香を発散させることが可能と
なる。脱臭基剤および芳香基剤がシート状の担体
に含浸されているため、芳香シートを選択するこ
とにより、好みに応じて種々の香を楽しむことが
容易となる。 また、複数の脱臭シートを重着して使用すれ
ば、脱臭能力を容易に調節することも可能とな
る。 本願考案の範囲は、上述の実施例に限定される
ことはない。実施例においては、矩形の額縁状容
器を採用したが、円形、三角形等の形状の額縁状
容器を形成することも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本願考案に係る脱臭壁掛の正面図、第
２図は脱臭壁掛の縦断面図、第３図は他の実施例
の縦断面図である。 １……額縁状容器、２……枠状前面板、３……
後面板、４……開口、４ａ……画面部、６……通
気孔、９……脱臭シート、１０……通気性シー
ト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 周縁部を残して開口された枠状前面板、およ
   び後面板を有する正面視額縁状容器と、脱臭基
   剤を含浸させた脱臭シートと、表面に絵画等を
   印刷することにより形成した画面部を有する通
   気性シートとを備え、上記枠状前面板の周縁部
   に１から12までの数字を順次配列した取替時期
   表示部を設けるとともに、上記通気性シートの
   上記画面部を上記枠状前面板の上記開口から外
   方に臨ませるようにして、上記脱臭シートおよ
   び通気性シートを上記額縁状容器に収容したこ
   とを特徴とする、脱臭壁掛。 (2) 上記後面板に通気孔を形成したことを特徴と
   する、実用新案登録請求の範囲第１項に記載の
   脱臭壁掛。