JPH01315368A - 有機薄膜の製造方法及び製膜装置 - Google Patents

有機薄膜の製造方法及び製膜装置

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JPH01315368A
JPH01315368A JP63235301A JP23530188A JPH01315368A JP H01315368 A JPH01315368 A JP H01315368A JP 63235301 A JP63235301 A JP 63235301A JP 23530188 A JP23530188 A JP 23530188A JP H01315368 A JPH01315368 A JP H01315368A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、ラングミュア・プロジェット法に基づいて
、構造が均一で欠陥のない有機薄膜を製造するための製
造方法および製膜装置に関する。
(従来の技術) 近年、ラングミュア・プロジェット法(以下LB法と称
する)により製造される有機薄膜を利用した電気的素子
の開発研究が活発化している。
LB法により製造された有機薄膜を素子に応用するため
には、構造が均一で欠陥のない累積膜を製造できること
が重要となる。
従来のLB法による有機薄膜の製膜装置は、基本的には
、単分子膜を展開するための液面を形成するトラフと、
展開された単分子膜を圧縮するバリアと、バリアの駆動
装置と、単分子膜の表面圧を検出する表面圧針とを具備
した構造を有している。製膜装置には、例えば1個だけ
バリア設けてバリアを1方向に駆動するアイブや、バリ
アを2個設けて2方向に駆動するタイプがある。上記の
ような装置を用い、LB法に基づいて有機薄膜を形成す
る場合、まず有機分子をクロロホルムなどの展開性の溶
媒に溶解し、この溶液を注射器などにより一滴ずつトラ
フの液面上に滴下して展開する。次に、液面上に展開さ
れた分子をバリアを駆動させて圧縮゛する。この際、単
分子膜の表面分子密度として単分子膜の表面圧力が表面
圧針によってモニターされ、単分子膜は所定の表面圧π
になるまで圧縮される。更に、単分子膜が展開された液
面に対して基板を例えば垂直に上昇又は下降させること
により展開された単分子膜を基板上に移し取って累積さ
せる。
(発明が解決しようとする課題) ところで、液面上の単分子膜の圧縮状態を検出するため
の表面圧針と、単分子膜が累積される基板と、単分子膜
を圧縮するためのバリアとの間には位置的なずれがある
ために以下のような問題が生じる。すなわち、通常、単
分子膜が基板に累積することにより、基板近傍において
は液面上の単分子膜が減少し表面圧も低下する。そして
、従来の製膜装置では、単分子膜の累積時における上記
表面圧の低下は、直ちに単分子膜全体に伝わり平均化さ
れて表面圧針で検出されることを前提とし、単分子膜が
所定の表面圧に戻るまでバリアを圧縮方向へ動かすとい
う操作を行っている。このような操作により、常時所定
の表面圧で単分子膜の累積操作を行うことを想定してい
る。
ところが、上記で前提に従う性質を示す分子は、脂肪族
系の分子などごく限られたものである。これに対して、
色素含有分子や高分子などの分子は、単分子膜の粘性的
性質が大きいため、基板近傍における単分子膜の表面圧
の低下が、基板から離れた表面圧針まで直ちに伝わるわ
けではない。ここで、液面上に展開された単分子膜の粘
性とは、単分子膜に、ある面積歪みを与えたときに発生
する応力(表面圧)の伝播、緩和特性のことである。
つまり、単分子膜の持つ粘性は表面圧の変化が表面圧針
まで伝播する時間に遅延を生じさせる。したがって、表
面圧針によって検出された表面圧に基づいて、色素含有
分子や高分子などの累積操作が続行されると、基板近傍
の単分子膜の表面密度は低下しつづける。その結果、基
板に累積される単分子膜の密度は一定とならず、構造が
均一で欠陥のない累積膜を得ることができない。また、
液面上の単分子膜が基板上に移し取られるためには、単
分子膜の表面圧はある値以上でなければならない。この
値は分子の種類、基板の親水・疎水性や基板の移動方向
によって異なる。したがって、ある条件では単分子膜の
累積が可能でも、条件が変化すれば単分子膜の累積が不
可能になることさえある。
更に、例えばバリア、基板、表面圧針が間隔を置いて配
置されている場合、累積時、分子は基板の周囲から基板
に向って放射状に流れる。このため、たとえ単分子膜の
累積が可能であったとしても、基板と単分子膜との境界
に沿って分子の粗密が生じ、均一な単分子膜は得られな
い。
そこで、従来の装置で分子密度分布の不均一性を防止す
る手段として、単分子膜の粘性の影響が小さくなるよう
に、つまり、基板近傍部位の単分子膜の表面圧が表面圧
針に正確に伝わるように、単分子膜の累積速度を充分遅
くすることが考えられる。しかし、この方法では現状の
10〜1000倍の時間がかかり、現実的ではない。
[発明の構成〕 (課題を解決するための手段と作用) 本発明は上記課題を解決するためになされたものであり
、構造が均一で欠陥のない累積膜を短時間で得ることが
できる有機薄膜の製膜方法および製造装置を提供するこ
とを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明の製造方法は、有機
分子の単分子膜を展開可能な展開領域を形成する液面を
準備する工程と;上記展開領域に、有機分子の単分子膜
を展開する工程と;上記展開された単分子膜を所定の表
面圧に圧縮する工程と;累積面を有するワークを上記単
分子膜と垂直な方向に移動させながら、上記ワークを、
水平方向に沿って累積面の前方に移動させることにより
累積面上に単分子膜を累積させる工程と;を備えている
また、この発明に係る製膜装置は、液体を収容している
とともに、有機分子の単分子膜が展開された展開領域を
形成した液面を有するトラフと;上記展開された単分子
膜を所定の表面圧に圧縮する圧縮手段と;上記ワークを
上記単分子膜と垂直な方向に沿って移動させる垂直移動
手段と;上記ワークを水平方向に沿って累積面の前方に
移動させる水平移動手段と;上記ワークが上記展開され
た単分子膜を通して垂直方向に沿って移動しながら水平
方向に移動するように上記垂直および水平移動手段を駆
動し、上記累積面上に単分子膜を累積させる駆動手段と
;とを備えている。
本発明は、単分子膜に表面圧の低下に起因する面積歪み
を生じさせないように累積操作を行うようにしたもので
ある。以下、本発明の基本的原理について説明する。
本発明によれば、まず、展開領域に展開された単分子膜
をバリア等の圧縮手段により所定の表面圧になるまで圧
縮する。だだし、本発明によれば、ワークを単分子膜と
平行な方向に移動させることによでも単分子膜を圧縮で
きることから、必ずしもバリアによって単分子膜の圧縮
操作を行う必要はない。単分子膜が所定の表面圧まで圧
縮された後、単分子膜を通してワークを下降させながら
、所定の水平移動速度にてワークを前方へ移動させる。
それにより、ワークの累積面上に第1層目の単分子膜が
累積される。続いて、単分子膜を通してワークを上昇さ
せながら、上記所定の水平移動速度にてワークを前進さ
せることにより、第2層目の単分子膜が累積面上に累積
される。なお、ワークの上昇から下降へ、あるいは下降
から上昇へ垂直方向の動作が切替わるときには、水平移
動を停止し、液面の面積変化がない状態で基板を数龍移
動する。この際、基板上に単分子膜は累積されず、基板
と液面が作るメニスカスの形状だけが変化する。そして
、上記の操作を繰返すことにより、ワークの累積面上に
n層の累積膜を形成する。
上記のように、単分子膜の累積操作時、ワークを単分子
膜と平行な方向に移動させることにより、ワークは単分
子膜を圧縮する方向に移動することになる。したがって
、単分子膜がワークの累積面に移し取られることに起因
するワーク近傍領域の単分子膜の表面圧低下が防止され
る。その結果、単分子膜の面積歪みが生じることがなく
、構造が均一で欠陥の累積膜を得ることができる。
なお、単分子膜の累積操作は、展開領域の内、ワークが
通過した領域に単分子膜が流入しないように、分子の流
れを規制した状態で行われることが望ましい。この場合
、累積操作時におけるワークの累積面に対する分子の相
対的な流れは、累積面に向う平行流となる。そのため、
分子の流れに粗領域および密領域ができることがなく、
構造が一層均一な累積膜を得ることが可能となる。本願
の実施例によれば、例えば、一対の平行なスペーサある
いは一対の平行な糸等によりワークの幅と同一の幅を有
する細長い展開領域を規定し、この展開領域をワークに
よってワークの前方と後方とに仕切った状態で単分子膜
の累積操作を行っている。なお、種々の幅のワークに対
応できるように、展開領域の幅は固定ではなく、ワーク
の幅に応じて自由に変更できることが望ましい。
ワークの水平移動速度とは、ワークの垂直移動により単
位時間当りに累積面上に累積された膜の分子数に対応し
た面禎分だけワークを展開領域内で前進させる速度のこ
とである。つまり、この水平移動速度は、ワークの累積
面前方の単分子膜の表面分子密度を一定に保つように決
定され、その決定法には強制法と表面圧法とがある。
強制法は単分子膜の累積比を予め設定し、垂直移動速度
に累積比を掛けた値を水平移動速度とするものである。
ここで、累積比とは、ワークが垂直方向に移動する際に
単分子膜を通過する累積面の面積と累積面に累積される
膜の分子数の比である。例えば、累積比が1の場合には
、ワークの水平移動速度は上昇・下降速度と同じになる
ので、ワークは斜め45度の方向に移動する。なお、ワ
ークの累積面上に単分子膜が付着せず単分子膜の表面圧
が異常に上昇してしまうといった事態を避けるために、
表面圧計によって単分子膜の表面圧をモニターしながら
累積操作を行うことが望ましい。
一方、表面圧法は、ワークに作用する圧力を検出し、そ
れをもとにしてワークの水平移動速度を決定するもので
ある。例えば、上述したように、ワークの幅と同一の幅
を有する細長い展開領域を規定し、この展開領域をワー
クによってワークの前方側と後方側とに仕切った場合、
ワークの前方領域に展開された単分子膜の表面圧をπ1
、後方に展開された単分子膜の表面圧をπ2とすると、
ワークは前方から後方にΔπ−πl−π2の差圧を受け
る。したがって、このΔπを検出する圧力差検出部をワ
ークに連結し、Δπが所定の値となるようにワークの水
平移動速度を制御すれば、累積比がいかなる値であって
も理想的な累積操作を行うことができる。
表面圧法を用いた場合、種々の態様で製膜することがで
き、それぞれ検出すべき差圧は以下のようになる。例え
ば、ワーク前方の領域に累積したい単分子膜を展開して
圧縮し、後方の領域には分子が展開されていない場合(
π2−0)、Δπ−π1となる。また、前方領域で累積
したい単分子膜を展開して圧縮し、後方領域に粘性の小
さい単分子膜を展開しπ2−π1となるように圧縮した
場合、Δπ−0となる。なお、後者の場合には、Δπ−
0となる位置までワークが分子展開領域に沿って前後に
自由に動ける構成にしておきさえすれば、必ずしもワー
クに作用する圧力差の絶対値を知る必要がないという利
点がある。
更に、本発明によれば、展開された単分子膜の表面圧を
検出する機能および単分子膜を圧縮する機能をワークに
持たせることができるので、単分子膜の圧縮操作もワー
ク近傍における分子密度を制御しながら行うことができ
る。そのため、展開された単分子膜全体が所定の表面圧
に圧縮されていない場合でも、ワーク近傍における表面
圧が所望の値になりさえすれば、その時点で累積操作を
開始することができる。したがって、一定の表面圧を持
つ圧縮膜を得ることすら困難なこともある粘性的性質が
大きい分子でも、短時間で累積することができる。
(実施例) 以下図面を参照しながら、この発明の実施例について詳
細に説明する。
第1図は本発明の第1の実施例に係る製膜装置を示して
いる。製膜装置は、ベース1oを備え、このベース上に
は長方形状の開口を有するトラフ12が載置されている
。トラフ12の内面にはテフロン加工が施されていると
ともに、トラフはウォータージャケット構造を備えてい
る。そして、ウォータージャケットに接続された給水バ
イブ14を通してトラフ内部に恒温水16を流し、トラ
フ12内の水16を所定の温度に制御する構造になって
いる。そして、トラフ12内に溜められた恒温水16の
液面により、後述する単分子膜を展開可能な展fSn領
域18が形成されている。トラフ12上には、水16の
液面に接触するように、テフロンテープからなる一対の
平行なスペーサ20が設けられ、トラフの長手方向に沿
って伸びている。各スペーサ2oの両端はローラ21に
それぞれ固定されている。また、ローラ21は、トラフ
12の側壁に固定されたガイドロッド22にこのロッド
の軸方向に沿って移動自在に取付けられている。そして
、これらのガイドロッド22はスペーサ20と直交する
方向に伸びている。したがって、一対のスペーサ20は
、互いに接近あるいは離間する方向に移動可能となって
いる。そして、展開領域18はこれらのスペーサ20に
より、スペーサ間の間隔と等しい幅を有する細長い矩形
状に区画されている。スペーサ20間の間隔を調整する
ことにより、展開領域18の幅は、後述するワークとし
ての基板24と等しい幅に設定される。
トラフ1の一端側には細長い平板からなる前方バリア2
6が載せられ、水16の液面に接触してる。バリア26
はスペーサ20と直交する方向に伸び、その両端部はト
ラフ12から外方に突出している。また、トラフ12の
外方には、スペーサ20と平行に伸びる、つまり、トラ
フの長手方向に沿って伸びるリードスクリュー27が設
けられ、このリードスクリューの両端は、ベース10上
に固定された一対の支持板28によって回転自在に支持
されてる。一方の支持板28には、リードスクリュー2
7を回転させるパルスモータ29が取付けられている。
また、一対の支持板28間にはガイドレール30が設け
られ、リードスクリュー27と平行に伸びている。これ
らのリードスクリュー27およびガイドレース30には
移動台31が係合され、これらの軸方向に沿って移動可
能となっている。そして、移動台31には、アーム32
を介して前方バリア26の一端が連結されている。した
がって、パルスモータ29を駆動することにより、前方
バリア26はトラフ12の長手方向に沿って移動され、
後述するように、スペーサ20間に規定された一開領域
18に展開された単分子膜を圧縮する。これらのパルス
モータ29、リードスクリュー27、ガイドレール30
、移動台31、およびアーム32は、バリア移動機構2
5を構成している。
また、展開領域18の上方には、支持板33によって支
持された表面圧針34が配設されている。
表面圧針34は、展開領域18に浸漬されたろ紙34a
を有し、展開領域に展開された単分子膜の表面圧を測定
する。そして、パルスモータ29は、表面圧針34によ
って測定された表面圧に基づき、バリア駆動部35によ
って制御される。
ベース10上には、一対の支持柱36が立設され、トラ
フ12の両サイドに位置している。これらの支持柱36
間には、リードスクリュー37およびガイドロッド38
が架設され、展開領域18の上方にスペーサ20と平行
な方向に沿って位置している。一方の支持柱36には、
リードスクリュー37を回転させる水平移動用のパルス
モータ39が取付けられている。そして、リードスクリ
ュー37およびガイドロッド38には、移動台40が係
合されており、パルスモータ39を駆動することによっ
て移動台をリードスクリューの軸方向に沿って、つまり
、水平方向に沿って移動可能となっていう。これらのリ
ードスクリュー37、ガイドロッド38、パルスモータ
39および移動台40は、基板24を水平方向に移動さ
せるための水平移動機構42を構成している。
移動台40からは、リードスクリュー41およびガイド
ロッド49が展開領域18に対して垂直な方向に沿って
下方に延出している。また、移動台40にはリードスク
リュー41を回転させる水力移動用のパルスモータ43
が固定されている。
そして、リードスクリュー41およびガイドロッド49
には移動台44が係合されており、パルスモータ43を
駆動することによって移動台44を垂直方向に沿って移
動可能となっている。更に、移動台44には、支持アー
ム45を介して、ワークとして矩形状の基板24が支持
されている。そして、リードスクリュー41、ガイドロ
ッド49、パルスモータ43、移動台44は、基板24
を展開領域18と垂直な方向に沿って昇降させる垂直移
動機構46を構成している。
また、移動台44には、支持アーム47を介して、細長
い平板状のテフロン製の後方バリア48が支持され、ス
ペーサ20と直交する方向に伸びている。後方バリア4
8は、トラフ12内に貯液された恒温水16の液面に接
触しているとともに、基板24の裏面に接触している。
そして、後方バリア48は、移動台44と一体に、スペ
ーサ20の軸方向に沿って移動可能となっている。
水平移動用のパルスモータ39及び垂直移動用のパルス
モータ43の動作は水平/垂直移動駆動部50によって
制御される。また、この駆動部50は基板24と展開領
域18との接触位置を記憶しており、基板34の垂直移
動に伴って基板が展開領域より出ると、パルスモータ4
3の駆動を停止する機能を有する。そして、水平および
垂直移動機構42.46、および駆動部50により、基
板24は、展開領域18に対して、垂直方向へ、  移
動しながら(上昇・下降しながら)水平方向へ移動され
る。同時に、後方バリア48は、基板24の裏面に接し
た状態で水平方向へ移動される。
この後方バリア48は、特に基板24が展開領域18か
ら離れた時に、単分子膜が基板の後方の液面に漏れ出る
のを防止する。
この製膜装置を用い、以下のようにしてLB膜が製膜さ
れる。
まず、基板24をトラフ12内の水16内に浸漬しない
状態で、スペーサ20間の間隔を調整し、基板24と同
一の幅を有する展開領域18を規定する。この状態で、
一対のスペーサ20.前方および後方バリア26.48
によって仕切られた領域に有機分子を展開する。次に、
前方バリア26を後方バリア48に向って前進させるこ
とにより、有機分子の単分子膜を圧縮する。この際、バ
リア駆動部35は、表面圧計34の出力が所定の表面圧
π以下であると、一定速度で前方バリア26を圧縮方向
に前進させ、表面圧計の出力が所定の表面圧πに一致し
たときに前方バリアの前進を止めるという制御を行う。
その後、表面圧計34の出力が所定の表面圧πとなるよ
うに、前方バリア26を前進・後退させる。次いで、基
板24を展開領域18に浸漬する。この際、第2図がら
よく分るように、基板24は、その前面、つまり、累積
面24aがスペーサ2oの長手方向に対して垂直となる
ように浸漬される。そのため、基板24の両側縁は、そ
れぞれスペーサ20に略接触した状態となっている。ま
た、この実施例において、基板24はその累積面24a
が展開領域18に対して垂直となるように位置決めされ
ている。
この状態で、水平/垂直移動駆動部50によって水平お
よび垂直・移動機構42.46を駆動することにより、
展開領域18に展開された単分子膜を通して、基板24
を下降させながら前方バリア26に向って、つまり、累
積面24aの前方に向って前進させる。この際、基板2
4の下降速度と水平移動速度とは、単分子膜の累積比に
基づいて予め決定され、水平/垂直移動駆動部50に入
力されている。本実施例では水平/垂直移動駆動部50
により、基板24の下降速度と水平方向への移動速度と
が一致するように強制的な制御が行われる。したがって
、第3図に示すように、基板24は展開領域18を通っ
て斜め下方に平行移動し、その結果、累積面24 a 
l;: 1層目の単分子膜が付着される。基板24が所
定の深さまで水16内に浸漬された後、−旦、水平およ
び垂直移動機構42.46の駆動が停止される。続いて
、再び、水平/垂直移動駆動部50により水平および垂
直移動機構42.46を駆動することにより、基板24
を上昇させながら累積膜24aの前方へ前進させる。し
たがって、第4図に示すように、基板24は展開領域1
8を通って斜め上方に平行移動し、その結果、累積面2
4aに2層目の単分子膜が累積される。そして、上記累
積操作を繰返すことにより所望数の単分子膜が基板24
に累積される。
ここで、上述したように、展開領域18はスペーサ20
により基板24と略同−の幅に仕切られているため、累
積操作時、基板24の後方に回り込む分子の流れ、つま
り、展開領域18の内、基板24が通過した領域内への
分子の流れはスペーサ20によって規制されている。し
たがって、累積操作時、展開された分子の流れは、第2
図に矢印で示すように、基板24の累積面24aに対し
て垂直な方向の平行流となる。その結果、分子の流れに
粗密領域が発生することが防止される。このように、ス
ペーサ20は、累積操作時における分子の流れを規制す
る流入防止手段52を構成している。また、累積操作時
、基板24は展開された単分子膜を圧縮する方向に前進
される。そのため、基板24の累積面24aへの単分子
膜の付着に伴う、基板近傍領域における単分子膜の表面
圧低下を補うことができ、単分子膜に面積歪みが生じな
い状態で累積操作を行うことが可能となる。
なお、上述した累積操作時、何等かの理由により単分子
膜が基板24の累積面24aに付着しない場合、展開さ
れた単分子膜は基板の水平移動により過度に圧縮され、
その結果、分子の破壊が生じる恐れがある。そこで、こ
のような分子の破壊を防止するため、表面圧計34によ
って単分子膜の表面圧をモニターしながら累積操作を行
ない、単分子膜の表面圧が異常に上昇した場合に累積操
作を停止するようにすることが望ましい。
実際に、ワークとして疎水化したSi基板を用い、以下
のようにして液面上の高分子膜の累積を行った。まず、
スペーサ20、前方および後方バリア26.48によっ
て仕切られた展開領域18にポリペプチドあるいはポリ
イミドの分子を展開し、前方バリア26によって表面圧
25dyn/cmまで分子を圧縮した。その後、水平お
よび垂直移動機構42.46を駆動して上述した累積操
作を繰返すことにより、Si基板の累積面に20層の単
分子膜を累積した。そして、得られた累積膜を光学顕微
鏡および走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ
、均一でしかも欠陥のない膜であることが確認された。
また、トラフ12内の水溶液を5X10−6モルのAl
l C1l 3溶液、展開分子をステアリン酸とした場
合にも、良好な累積膜が得られた。
一方、従来の製膜装置により、基板の昇降動作とバリア
による単分子膜の圧縮動作とを連動させて単分子膜の累
積操作を試みたところ、基板に単分子膜を一層も累積で
きなかった。
なお、上記第1の実施例において、流入防止手段52と
して一対のスペーサ2oを用いたが、この流入防止手段
は第5図に示すように構成されていてもよい。
この実施例によれば、基板24の裏面側に位置したトラ
フ12の側壁には、支持シャフト54が取付けられトラ
フの幅方向に沿って伸びている。
支持シャフト54には、流入防止手段52を構成するテ
フロン製の規制テープ56が巻装されたローラ60が回
転自在に取付けられている。規制テープ56は基板24
と同一の幅に形成されている。
また、後方バリアに代って、基板24の幅と同一の長さ
を有する支持ロッド57が基板の裏面に接触した状態で
設けられている。支持ロッド57は、支持アーム47を
介して移動台40に支持されている。そして、規制テー
プ56の自由端は支持ロッド57に固定され、規制テー
プは恒温水16の液面に接触している。したがって、移
動台40の移動に伴い、支持ロッド57が基板24と一
体的に前進すると、規制テープ56はローラ60から引
出され基板24に追従する。そのため、単分子膜の累積
操作時、規制テープ56は、展開領域18の内、基板2
4が通過した領域を埋めながら前進し、この領域への分
子の流入を防止する。
このように構成された第2の実施例においても、累積操
作時における分子の流れを、基板24の累積面24aに
対して垂直な平行流とすることができ、その結果、良好
な累積膜を形成することができる。
第5図ないし第7図は、この発明の第3の実施例に係る
製膜装置を示している。この実施例において、上述した
第1の実施例と同一の部分には同一の参照符号を付して
その説明を省略し、第1の実施例と異なる部分について
のみ詳細に説明する。
第3の実・施例において、一対のスペーサ2oは、テフ
ロンテープに代って、テフロン製の糸によって形成され
ている。また、後方バリアは省略され、前方バリア26
のみが設けられている。前方バリア26には、ラングミ
ュア型の表面圧計34が取付けられている。この表面圧
計34は、恒温水16の液面上に浮遊した細長い浮子6
1を有し、この浮子は、前方バリア26の内側に平行に
設けられている。浮子61の両端は、板ばねとして作用
するAuあるいはptからなる薄い金属箔62を介し前
方バリア26に連結されているとともに、浮子は前方バ
リア上に取付けられた歪みゲージ63に接続されている
。前方バリア26、浮子61、および金属箔62によっ
て閉じられた液面には単分子膜が展開されていない。そ
のため、浮子61は、一対のスペーサ20、後述するワ
ーク64、および浮子によって仕切られた展開領域18
に展開されている単分子膜の表面圧πによって前方バリ
ア26側に押圧され、この表面圧と金属箔62の弾性力
とが釣合った位置で停止する。
そして、浮子61の位置は歪みゲージ63によって検出
され電気信号に変換される。この電気信号、つまり、浮
子61の位置から、単分子膜の表面圧πが測定される。
歪みゲージ63によって検出された表面圧πはバリア駆
動部35に入力され、バリア駆動部はこの表面圧に基づ
いてバリア移動機構25のパルスモータ29を駆動する
垂直移動機構46は、移動台44に取付けられた直角変
位型歪みゲージ65を備え、このゲージ64に支持アー
ム45を介しワーク64が支持されている。支持アーム
45を介してゲージ65に圧力が作用した場合、ゲージ
65に歪みが発生し、この歪みは、動歪みアンプ66に
よって電気信号に変換される。そして、水平移動機構4
2のパルスモータ29は、電気信号に基づいて水平移動
駆動部50aによって駆動される。なお、垂直移動機構
46のパルスモータ43は、垂直移動駆動部50bによ
って駆動される。
第8図に示すように、第3の実施例において、ワーク6
4は、支持アーム45の下端に取付けられたホルダ67
と、このホルダによって保持された基板24とで構成さ
れている。ホルダ67は薄い直方体から形成され、その
前面67aが展開領域18に対して垂直となるように、
かつ、スペーサ20の長手方向に対して垂直となるよう
に支持アーム45に固定されている。なお、前面67a
は単分子膜が付着可能となるような表面処理が施されて
いる。ホルダ67の垂直に伸びる両側面には、垂直方向
に沿って伸びたガイド溝68が形成されている。更に、
ホルダ67には、垂直方向に沿って伸びる一対の針金6
9がそれぞれ軸方向に沿って移動自在に挿通されている
。各針金69にはテフロン加工の施されたフック70が
固定されており、このフックは対応するガイド溝68を
通してホルダ67の外方に突出している。したがって、
各フック70はガイド溝68に沿って上下動自在となっ
ている。また、基板24は、一対の保持部材71により
、その裏面がホルダ67の前面67aに密着した状態で
保持されている。
第8図に示すように、スペーサ20の間隔をホルダ67
の幅と路間−に調整した状態で、垂直移動機構46によ
りワーク64が下降されると、−対のフック70は対応
するスペーサ20に上方から引掛けられる。そして、ワ
ーク64の水平移動時、フック70はスペーサ20上を
ほとんど摩擦なく摺動する。また、スペーサ20間に規
定された展開領域18は、ワーク64により、ワークの
前方側と後方側とに仕切られる。なお、スペーサ20間
の間隔は、ホルダ67の幅よりも僅かに(0’、5++
+u程度)広くなるように調整される。
次に、上記のように構成された製膜装置を用いてLB膜
を形成する方法を説明する。
まず、スペーサ20間の間隔をホルダ67の幅と路間−
に調整した状態で、ワーク64の下端を展開領域18に
浸漬し、それにより、展開領域をワークの前方領域と後
方領域とに区、画する。この状態で、前方領域、つまり
、スペーサ20、ワーク64、浮子61(及び前方バリ
ア26)で規定された領域に有機分子を展開する。次に
、前方バリア26によって所定の表面圧πlとなるまで
単分子膜を圧縮する。なお、後方領域は純水面であるの
で、その表面圧はπ2−0である。この際、ワーク64
に作用する差圧Δπ−π1によって歪みゲージ50に歪
みが与えられ、これが動歪みアンプ66で電気信号に変
換される。そして、水平移動駆動部50aは、この電気
信号が所定の値より小さくなるとワーク64を前進させ
、逆の場合は後退させるように水平移動機構42を駆動
する。
ワーク64をある微小な範囲で下降させたとすると、展
開領域18上の単分子膜が基板24の累積面24a上に
累積される。このとき、基板24前方の分子は粘性が大
きいため、基板近傍の単分子膜の微小な表面圧の低下は
前方バリア26に取付けられた表面圧針34に伝わらな
い。しかしながら、この表面圧の低下は、ワーク64に
作用する差圧の変化により直角変位型歪みゲージ34に
よって検出される。そして、Δπ−π1となるまでワー
ル64を前進させて単分子膜を圧縮するような制御が行
われる。このような制御を連続的に行いながら、水平お
よび垂直移動機構42.46によりワーク64を垂直方
向(上昇又は下降)するとともに、水平方向へ移動する
ことによって、基板24への単分子膜の累積が行われる
。以上の操作により、展開領域18上の単分子膜に面積
歪みを与えることなく、一定の表面圧分子密度を保って
累積操作を行うことができる。
実際に、トラフ31内に2.0m Mの塩化カドミウム
水溶液を収容し、ペンタコサ−9,11−シイオニツク
−1−アシッド(ジアセチレン分子)を展開した後、前
方バリア26により表面圧25dyn/c+nまで圧縮
し、更にジアセチレン単分子膜に水銀ランプから紫外線
−を照射して重合させた後、上述した累積操作により2
0層の単分子膜を累積した。得られた累積膜のX線回折
パターンは高次の回折ピークを示し、計算によればその
層間隔が34人の良好なY型累積膜であることが確認さ
れた。また、5×10−6モルの塩化アルミニウム水溶
液にステアリン酸を展開した場合にも、得られた累積膜
は、間隔が50人の良好なY型累積膜であった。
これに対し、従来の製膜装置を用い、基板を水平移動さ
せずに定位置での垂直累積法を行い、バリアによる圧縮
動作を連動させた場合には、ジアセチレン分子の重合単
分子膜を1層も累積することができなかった。
なお、上記第3の実施例においては、基板24としてホ
ルダ67と同一の幅を有する矩形の基板を使用した。し
かしながら、ホルダ67の前面67aに収まる大きさの
基板であれば、どのような形状の基板にも単分子膜を累
積することができる。例えば、三角形の基板を用いた場
合、ホルダ前面67aの一部は露出する。上述したよう
に、この前面67aは、単分子膜が付着可能な表面処理
が施されているため、累積操作時、基板24の累積面2
4aと共にホルダ前面67aの上記露出した部分にも単
分子膜が累積される。仮に、ホルダ前面67aに単分子
膜が付着不能な場合、累積操作時、ホルダ前面の上記露
出した部分により単分子膜が過度に圧縮され、その結果
、分子が破壊してしまう恐れがある。本実施例によれば
、このような分子の破壊を生じることなく、種々の形状
の基板に単分子膜を累積することができる。
第9図および第10図は、この発明の第4の実施例に係
る製膜装置を示している。なお、第4の実施例において
、上述した第3の実施例と同一の部分には同一の参照符
号を付してその説明を省略し、第3の実施例と異なる部
分についてのみ詳細に説明する。
第4の実施例によれば、トラフ12のワーク64を挟ん
で前方バリア26の反対側には、後方バリア48がa置
されている。後方バリア48をスペーサ20の長手方向
に沿って移動させるためのバリア移動機構72は、バリ
ア移動機構25と同様に、一対の支持板73、リードス
クリュー74、移動台75、アーム76、およびパルス
モータ77を備えている。
後方バリア48にはラングミュア形の表面圧針78が取
付けられている。この表面圧針78も前方バリア26側
の表面圧針34と同様な構造を有し、浮子79、金属箔
80、歪みゲージ81を構成部材とするものである。そ
して、バリア移動機構72のパルスモータ77は、表面
圧針78によって測定された単分子膜の表面圧に基づき
、バリア駆動部82によって駆動される。
垂直移動機構46の移動台44には支持アーム45を介
してワーク64が支持されている。支持アーム45の上
端は、スペーサ20の長手方向に沿って回動自在に取付
けられているとともに、移動台44に取付けられた電磁
クランプ83と係合している。そして、支持アーム45
は、電磁クランプ83を解除すると摩擦なく自由に回動
でき、電磁クランプを作動させると、展開領域18に対
して垂直な状態な固定される。なお、ワーク64は、支
持アームの下端に固定されたホルダ67およびホルダに
よって保持された基板24から構成され、電磁クランプ
83が作動した状態において、基板の累積面24aは展
開領域18に対して垂直となる。また、移動台44には
一対の光センサ84が取付けられ、支持アーム45はこ
れらの光センサ間を通って伸びている。支持アーム45
が回動し、その垂直位置からずれた場合、このずれは光
センサ84によって検知される。そして、水平移動駆動
部50aは、光センサ84からの検出信号に基づいて、
支持アーム45が垂直位置に復帰するように水平移動機
構42を駆動する。
上記のように構成された製膜装置を用い、以下のように
してLB膜が製膜される。
まず、スペーサ20間の間隔をワーク64と路間−の幅
に調整した状態で、ワークの下端を液面に浸漬し、展開
領域18をワーク前方の領域とワーク後方の領域とに区
画する。続いて、上記前方領域、つまり、スペーサ20
、基板24、浮子61(及び前方バリア26)で限定さ
れる領域に、累積したい有機分子を展開する。また、上
記後方領域、つまり、スペーサ20.ホルダ67、浮子
79(及び後方バリア48)で限定される領域に粘性が
小さい分子、例えばステアリルアルコールを展開する。
次に、電磁クランプ83を作動させて支持アーム45を
垂直位置に固定した状態で、上記前方及び後方領域に展
開された単分子膜の表面圧が同一の所定の表面圧(π1
−π2)になるまで前方及び後方バリア26.48によ
って圧縮する。この状態で電磁クランプ83を解除する
と、ワーク64の前方と後方との表面圧は同じなのでワ
ーク64は静止している。
ワーク64をある微小な範囲で下降させたとすると、前
方領域上の単分子膜が基板24の累積面24aに累積さ
れる。このとき、前方領域内の分子は粘性が大きいため
、基板24近傍の微小な表面圧の低下は前方バリア26
に取付けられた表面圧計34に直ちに伝わらない。逆に
、後方領域内のステアリルアルコール単分子膜の場合に
は、ホルダ67近傍の表面圧の低下が瞬時に表面圧計7
8まで伝わり、これによって後方バリア48が圧縮動作
を行い、後方領域に展開された単分子膜の表面圧は所定
の値に保たれる。この結果、ワーク64前方の表面圧が
後方の表面圧よりも低くなり、ワークはわずかに前方へ
押出され、ワーク前後の表面圧が釣合ったところで静止
する。この状態では支持アーム45はワーク64と共に
前方に傾いており、この傾きが光センサ84で検出され
る。そして、水平移動駆動部50aは、光センサ84か
らの信号に基づいて水平移動機構42のパルスモータ3
9を駆動し、支持アーム45の傾きがなくなるまで移動
台40を前方へ移動させる。
このような制御を連続的に行いながら垂直移動駆動部5
0bによって垂直移動機構46を駆動することにより、
ワーク64を垂直方向に移動(上昇又は下降)させなが
ら、水平方向へ移動させ、単分子膜の累積が行われる。
以上の操作により、展開領域18上に展開された単分子
膜に面積歪みを与えることなく、一定の表面圧分子密度
を保った状態で基板24の累積面24aに単分子膜の累
積操作を行うことができる。
この実施例においても、構造が均一で欠陥のない有機薄
膜を形成することができる。
なお、以上の操作により、ホルダ67の背面にはステア
リルアルコール単分子膜が累積されることになる。ただ
し、ワーク64の上昇又は下降操作によってホルダ67
の背面に累積された1層目の単分子膜は、次の下降又は
上昇操作で液面上に可逆的に剥離する。この間、後方バ
リア48によってステアリルアルコール単分子膜の表面
圧は所定の値に保たれる。したがって、前方領域に展開
された単分子膜を基板24の累積面24aに何層累積し
ても、ステアリルアルコール単分子膜は減少せず、分子
を補充する必要はない。
実際に、第4の実施例と全く同様にして20層のジアセ
チレン単分子膜を基板に累積した。得られた累積膜のX
線回折パターンは高次の回折ピークを示し、計算によれ
ばその層間隔が34人の良好なY型累積膜であることが
確認された。同様に、ステアリン酸アルミニウムを用い
た場合にも良好な累積膜が得られた。
次に、上述した第4の実施例の製膜装置を用い、製膜時
間を短縮する方法について説明する。なお、ここでは第
3の実施例の製膜装置を用いて説明するが、後述するよ
うに、この方法では前方バリアによる圧縮動作を行わな
いので、必ずしも前方バリア及びこれに付属するラング
ミュア型の表面圧針などは必要ない。
まず、上記実施例と同様に、ワーク64前方の領域に、
累積したい有機分子を、ワーク後方の領域に粘性が小さ
い分子、例えばステアリルアルコールをそれぞれ展開す
る。次に、電磁クランプ83を解除して支持アーム45
を可動にした状態で、後方バリア48により後方領域内
のステアリルアルコール単分子膜を所定の表面圧π2に
なるまで圧縮する。一方、前方バリア26は固定し、前
方領域内の単分子膜は圧縮しない。その結果、ワーク6
4後方の表面圧が徐々に高くなる。ここで、ワーク64
前方の表面圧は0に近いため、ワーク64は前方に押さ
れ、粘性の大きい分子を圧縮する。すなわち、第11図
に示すように、後方バリア48がステアリルアルコール
単分子膜Aを圧縮し、ステアリルアルコール単分子膜A
がワーク64を押圧し、更に、ワーク64が前方の粘性
の高い単分子膜Bを圧縮する。このときのこれらの単分
子膜AおよびBの表面圧を模式的に示すと、第12図に
示すように、ワーク64前方の領域においては、基板2
4近傍の単分子膜Bの表面圧だけが上昇してステアリル
アルコール単分子膜Aの表面圧と釣合っているが、基板
から遠方の領域における単分子膜Bの表面圧はまだ上昇
していない。
このように基板24近傍の領域においては単分子膜の表
面圧が所定の値に達しているので、第4の実施例と同様
にして累積操作を行うことができる。
そして、累積操作を行っている間に基板24から遠方の
領域に展開された単分子膜にも圧力が伝わり、所定の表
面圧に達するので、連続的に累積操作を行うことができ
る。
実際に、粘性の大きい分子としてポリ(γ−ベンジルー
L−グルタメート)(分子量−100000)を用い、
第4の実施例で示した方法および上述した製膜時間を短
縮する方法により、基板に20層の単分子膜を累積し、
この累積に要する時間を比較した。
前者の方法の場合、前方バリア26による単分子膜の圧
縮速度は0.1cm/分(粘性の小さいステアリルアル
コールに比べて1/100)にしなければならない。そ
のため、幅2.5c+nのトラフに長さ50cm、表面
圧25dyn/cmの単分子膜を形成するために、上記
所望の単分子膜の面積の2倍の面積を有する展開領域に
分子を展開して圧縮したところ、21時間掛った。次に
、ワークの垂直移動速度を2mm/分として、長さ2.
 5CII+の基板の累積面に単分子膜を20層累積す
るには約5時間を要した。したがって、合計の所要時間
は約26時間であった。
これに対して、後者の方法に従い、ワーク自身よって単
分子膜を圧縮しながら累積操作を行った場合、単分子膜
を20層累積するのに要した時間は7時間であり、前者
の累積方法の約1/4の時間で操作を完了することがで
きた。
次に、この発明の第5の実施例について説明する。
この実施例は、単分子膜の累積操作時、上述したワーク
の垂直、水平移動に加え、ワークを展開された単分子膜
に対して所定角度傾斜させる動作を加えた点において上
述した実施例と相違している。
第13図に示すように、展開された単分子膜を通して基
板24を下降させた場合、基板表面と液面との境界領域
にメニスカスが形成され、液面に下向きの曲りが生じる
。同様に、単分子膜を通して基板24を上昇させる場合
においても、基板表面と液面との境界領域において、液
面に第14図に示すような上向き曲りが生じる。このよ
うな液面の曲りは、液面上に展開された単分子膜に面積
歪みを与える恐れがある。基板24表面と液面とによっ
て形成される角度θは接触角と呼ばれるが、第13図お
よび第14図から明らかなように、基板の下降時と上昇
時とではこの接触角(θ11θ2)が異なる。そのため
、基板の下降動作と上昇動作との切換え時、メニスカス
の形状だけが変化し、基板に単分子膜が付着しない時期
がある。
そして、上記単分子膜が付着しない時期に、単分子膜に
対して垂直に保持された基板を水平方向に移動した場合
、単分子膜を過度に圧縮してしまう可能性がある。
そこで、本実施例では、液面に対する基板の角度αが変
化しても接触角θは一定の値を保つという性質を利用し
、液面に対して基板を角度α−180°−θだけ傾けた
状態で累積操作を行うようにしたものである。つまり、
第15A図および第15B図に示すように、液面に対し
て基板24を角度α−180’−01傾斜させて基板近
傍の液面の曲りを解消し、液面を平坦に保った状態で基
板を下降および前進させて単分子膜の累積を行っている
。また、第16A図および第16B図の示すように、液
面に対して基板24を角度α−180°−02傾斜させ
た状態で、基板を上昇および前進させて単分子膜の累積
を行っている。なお、基板上昇時と下降時とでは接触角
が異なるため、予め実験によりこれらの接触角を測定し
ておき、この実験値に応じて液面に対する基板の傾斜角
αを決定する。
この実施例に係る製膜装置によれば、垂直および水平移
動機構に加え、液面に対して基板を傾斜させるための回
動機構を備えている。以下、第17図ないし第19図を
参照しながら第5の実施例に係る製膜装置について説明
する。なお、前述した実施例と同一の部分には同一の参
照符号を付してその詳細な説明は省略する。
トラフ12の右端部上には、前方バリア26が設けられ
、トラフの側方には、前方バリアを移動させるためのバ
リア移動機構25が設けられている。バリア移動機構2
5は、トラフ12の長手方向に沿って伸びた細長いガイ
ド板84を有し、このガイド板の両端部は直角に折曲げ
られている。
ガイド板84の両端部間にはリードスクリュー27が架
設されているとともに、ガイド板の一方の端部には、リ
ードスクリューを回転させるためのパルスモータ29が
取付けられている。リードスクリュー27には移動台3
1が係合しており、前方バリア26の一端はこの移動台
に固定されている。したがって、パルスモータ29を駆
動して移動台31を移動させることにより、前方バリア
26による圧縮動作を行うことができる。前方バリア2
6上には、スペーサ20によって仕切られた展開領域1
8上の単分子膜の表面圧を測定するウイルヘルミー型表
面圧計34が設けられ、バリア移動機構25のパルスモ
ータ29は、表面圧計34によって測定された表面圧に
基づき、バリア駆動部35によって駆動される。そして
、上記のように構成されたバリア移動機構25は、バリ
ア移動機構の高さを調節するための精密ジヤツキ85、
マグネットベース86を介して図示しない防振機構付定
盤上に載置されている。
トラフ12の反対側には、水平移動機構42、垂直移動
機構46、および回動機構87からなる累積機構88が
設けられている。
水平移動機構42は、トラフ12の長手方向に沿って伸
びた細長いガイド板89を有し、このガイド板の両端部
は直角に折曲げられている。ガイド板89の両端部間に
はリードスクリュー37が架設されているとともに、ガ
イド板の一方の端部には、リードスクリューを回転させ
るためのパルスモータ39が取付けられている。リード
スクリュー37には移動台40が係合しており、パルス
モータ39を駆動することにより、移動台40はリード
スクリューの軸方向に沿って移動される。
なお、水平移動機構42は、精密ジヤツキ85およびマ
グネットベース86を介して上述した防振機構付定盤上
に載置されている。
回動機構87は、水平移動機構42の移動台40上に垂
直に立設された支持柱90と、支持柱に固定されたパル
スモータ92とを備えている。
パルスモータ92は、その回転軸92aがトラフ12の
長平方向と直交し、かつ、トラフの液面と平行な平面内
に位置するように設けられている。
回転軸92aは支持柱90からトラフ12側に突出して
おり、この回転軸には細長い回動板93の中間部が固定
されている。したがって、パルスモータ92を駆動する
ことにより、回動板93はトラフ12の液面と垂直な平
面内で回動されるように構成されている。そして、回動
板93の一端部には垂直移動機構46が取付けられ、他
端部には垂直移動機構との重量のバランスをとるための
重り94が取付けられている。
垂直移動機構46は、回動板93に固定された細長いガ
イド板95を有し、このガイド板は回動板に対して直角
に伸びているとともにトラフ12の液面と垂直な平面内
に位置している。また、ガイド板95の両端部は直角に
折曲げられ、これらの両端部間にはリードスクリュー4
1が架設されているとともに、一方の端部には、リード
スクリューを回転させるためのパルスモータ43が取付
けられている。リードスクリュー43には移動台44が
係合しており、パルスモータ43を駆動することにより
、移動台44はリードスクリュー41に沿って移動され
る。そして、垂直移動機構46は、回動機構87により
、トラフ12の液面と垂直な平面内で回動可能となって
いる。
垂直移動機構46の移動台44上には、小型X軸ステー
ジ96および支持アーム97が順次固定され、この支持
アームによってワーク64が支持されている。ワーク6
4は、支持アーム87に固定されているとともにステン
レスで形成された略U字形のホルダ67と、このホルダ
に保持された基板24とで構成されている。なお、ワー
ク64は、基板24の累積面24aが、移動台44の移
動方向および回動機構87のパルスモータ92の回転軸
92aと平行な平面内に位置するように設けられている
。更に、パルスモータ92の回転軸92aの自由端には
、赤色半導体レーザ発振器98が取付けられており、こ
のレーザ発振器は、回転軸92aの中心軸と一致したレ
ーザ光を出射する。
以上のように構成された累積機構88により、トラフ1
2の液面、つまり、展開領域18に対して、ワーク64
を水平および垂直な方向に移動させることができるとと
もに、展開領域に対するワークの傾斜角を調節すること
ができる。ワーク64の水平および垂直移動速度は、水
平および垂直移動機構42.46のパルスモータ39.
43に接続された水平/垂直移動駆動部5oによって制
御され、ワークの傾斜角は、回動機構87のパルスモー
タ92に接続された回動駆動部99によって制御される
。なお、ワーク64の位置は、基板24の累積面24a
が回動機構87の回転中心上に位置するように、小型X
軸ステージ96によって調整される。この調整は、レー
ザ発振器98から出射されたレーザビームを基準にして
行われる。このような調整を行うことにより、水平およ
び垂直移動機構42.46によりワーク64が移、動さ
れた場合でも、常に、基板24の累積面24aと展開領
域18との境界を中心軸として基板を回動させることが
できる。
なお、トラフ12は、バリア移動機構25および累積機
構88と同様に、精密ジヤツキおよびマグネトベースを
介して防振機構付定盤上に載置されている。
次に、以上のように構成された製膜装置を用いた典型的
な累積方法を説明する。
予め、トラフ12の展開領域18と回転機構87の回転
中心軸とが一致するように、精密ジヤツキ85によりト
ラフ、バリア移動機構25および累積機構88の高さ調
整を行う。また、基板24の累積面24aが回動機構8
7の回転中心軸を通過するように、小型X軸ステージ9
6によりワーク64の位置を調整する。
そして、まず、一対のスペーサ2oにより、ワーク64
と同一の幅を有する展開領域18を規定する。次に、回
動機構87により基板24の累積面24aが展開領域1
8に垂直となるようにワーク64を回動させた後、ワー
クの下端が展開領域18に接触するまでワ′−りを下降
させ、それにより、展開領域18をワークの前方領域と
後方領域とに区画する。続いて、上記前方領域に単分子
膜を展開し、所定の表面圧となるまで前方バリア26に
よって単分子膜を圧縮する。次に、基板24が例えば疎
水性基板の場合、基板の傾斜角αを、基板下降時の接触
角θ1に対してα−1800−01(第15A図参照)
に合せる。ここで、ワーク64の上向きおよび前進速度
を+Vと仮定する。この場合、水平移動機構42の移動
速度V11が、単分子膜に対する累積面24aと単分子
膜との境界の移動速度VWに対応し、垂直移動機構46
の移動速度v■が、累積面24aに対する上記境界の移
動速度vsに対応する。このため、水平移動機構42お
よび垂直移動機構46の移動速度を同一速度(Vo=I
V+l)とするだけで、基板24の傾斜角αがいかなる
場合でも、展開領域18上の単分子膜が基板の累積膜2
4a上に1対1に累積する動作様式(Vw=IVsl)
を実現できる。したがって、単分子膜を通して、ワーク
64を同一の速度で下降させながら前進させることによ
り、基板24の累積面24a上に1層目の単分子膜を累
積する。
続いて、基板24の傾斜角αを、基板上昇時の傾斜角θ
2に応じて、α−180°−02(第16A図参照)に
合せる。そして、単分子膜を通して、ワーク64を同一
の速度で上昇および前進させることにより、基板24の
累積面24a上に2層目の単分子膜を累積する。
以上の製膜装置および累積方法に′より、展開領域に展
開された単分子膜に面積歪みを与えることなく、一定の
表面分子密度を保った状態で累積操作を行うことができ
る。
実際に、分子としてペンタコサ−9,11−ジイソニッ
ク−1−アシッド(ジアセチレン分子)、水溶液として
2.0mMの塩化カドミウムの水溶液を用い、展開され
た単分子膜を25dyn/amに圧縮した後、ジアセチ
レン単分子膜に水銀ランプによって紫外線を照射して重
合した状態で、上述した累積操作を行った。得られた累
積膜のX線パターンは高次の回折ピークを示し、計算に
よればその層間隔が34人の良好なY型累積膜であるこ
とが確認された。また、水溶液として5X10−6モル
の塩化アルミニウム水溶液、展開分子としてステアリン
酸を用いた場合にも、同様に良好な累積膜が得られた。
なお、従来の製膜装置を用いた定位置での垂直累積法で
は、ジアセチレン分子の重合単分子膜を1層も基板に累
積することができなかった。更に、ステアリン酸アルミ
ニウムを用いた場合にも、累積膜を形成することはでき
なかった。
第20図ないし第22図は、回動機構を備えた他の実施
例に係る製膜装置を示している。なお、この実施例にお
いて、上述した第5の実施例と同一の部分には同一の参
照符号を付してその詳細な説明を省略する。
この実施例によれば、垂直移動機構46のガイド板95
は、水平移動機構42の移動台40に固定され、移動台
40から垂直上方に伸びている。
そして、垂直移動機構46の移動台44に、回動機構8
7の薄型のパルスぞ一夕92が固定されている。ここで
、パルスモータ92は、その回転軸(図示しない)が、
トラフ12の液面と平行でかつトラフの長手方向と直角
な方向に伸びるように設けられている。更に、パルスモ
ータ92の回転軸に、小型X軸ステージ96、支持アー
ム97、およびワーク64が順次取付けられている。第
21図からよく分るように、ワーク64の位置は、基板
24の累積−面24aがパルスモータ92の回転中心軸
C上に位置するように、小型X軸ステージ96により調
整されるでいる。
次に、以上のように構成された製膜装置を用いた典型的
な累積方法を説明する。
まず、一対のスペーサ20により、ワーク64と同一の
幅を有する展開領域18を規定する。次に、回動機構8
7により基板24の累積面24aが展開領域18に垂直
となるようにワーク64を回動させた後、ワークの下端
が展開領域18に接触するまでワークを下降させ、それ
により、展開領域18をワークの前方領域と後方領域と
に区画する。続いて、上記前方領域に単分子膜を展開し
、所定の表面圧となるまで前方バリア26によって単分
子膜を圧縮する。次に、基板24が例えば疎水性基板の
場合、基板の傾斜角αを、基板下降時の接触角θlに応
じてα−180”−θ1 (第15A図参照)に合せる
。ここで、ワーク64の水平移動速度をVHsワークの
垂直移動速度をV V s基板24の傾斜角をαとする
と、単分子膜に対する累積面24aと単分子膜との境界
の移動速度■wおよび累積面24aに対する上記境界の
移動速度vsは以下のような関係となる。
VW −VH−Vy *cota、 Vs−−Vy/sinα そして、傾斜角αが決定した時点で、上記速度vw、、
Vsが所定の値となるようにvHlvVを計算により求
める。展開領域18上の単分子膜が基板の累積面24a
上に1対1に累積する動作様式を実現するためには、V
w=IVslの関係を成立する必要がある。そのため、
速度vH1■、は以下の関係となる。
基板の下降時、 VB−(cotα−1/ s i nα)’VV%基板
の上昇時、 Vllm (cota+1/s inα)  ・Vyそ
して、基板下降時の速度vHSvvでワーク64を下降
させながら前進させる・ことにより、基板24の累積面
24a上に1層目の単分子膜を累積する。
続いて、基板24の傾斜角αを、基板上昇時の傾斜角θ
2に応じて、α−180@−θ2 (第16A図参照)
に合せる。そして、単分子膜を通して、ワーク64を上
記基板上昇時の速度vH1Vvで上昇および前進させる
ことによ°す、基板24の累積面24a上に2層目の単
分子膜を累積する。
以上のように構成された本実施例においても、上述した
第5の実施例と同様に、展開された単分子膜に面積歪み
を与えることなく、一定の表面分子密度を保って累積操
作を行うことができる。
なお、上記第5および第6の実施例において、メニスカ
スに起因する液面の曲りを解消するために基板24の傾
斜角をα−180”−〇に合せる場合、累積操作時にお
ける接触角αを事前に測定しておく必要がある。しかし
ながら、分子の中には、累積速度、液面の液質、温度、
基板の種類、親水/疎水性等が値かに変化しても、その
接触角が大きく変化する分子もある。このような分子を
用いる場合には、理想的な累積条件を保つことが難しい
そこで、第23図に示す実施例のように、接触角を予め
測定する方法に代わり、ワーク64を展開領域18に浸
漬した状態で、液面検出器100によって基板24近傍
における液面の曲りを検出し、液面の曲りが無くなるよ
うに、液面検出器からの検出信号に基き回動機構87に
より基板24の傾斜角αを調整するようにしてもよい。
液面検出器100は、レーザ発生器102と位置検出用
のフォトダイオード104とを備え、フォトダイオード
は回動駆動部99を介して回動機構87のパルスモータ
92に接続されている。レーザ発生器102およびフォ
トダイオード104は、基板24の集積面24aと展開
領域18との境界近傍の液面にレーザ発生器からレーザ
ビームが照射され、液面で反射した反射ビームがフォト
ダイオードに入射するように配設されている。フォトダ
イオード104は、液面に曲りがなく液面が水平に保た
れた状態で反射ビームを受けた際、その出力がゼロとな
るように調整されている。したがって、基板24近傍の
液面が上向きに曲がっている場合(接触角θが小さくな
った場合)、フォトダイオード104の出力は正の電位
となり、逆に、液面が下向きに曲がっている場合(接触
角θが大きくなった場合)、フォトダイオードの出力は
負の電位となる。そして、回動駆動部99は、フォトダ
イオード104の出力がゼロの場合には回動機構87の
パルスモータ92を駆動せず、フォトダイオードの出力
が正の時、基板24の傾斜角を大きくする方向にパルス
モータ92を駆動し、更に、フォトダイオードの出力が
負の時、基板の傾斜角を小さくする方向にパルスモータ
92を駆動する。このような制御により、基板近傍の液
面を常に水平に保ちながら累積操作を行うことができる
なお、算23図において、参照符号106.108は、
ゼロクロスディテクタおよびモータドライバをそれぞれ
示している。
[発明の効果] 以上詳述したように、この発明の製造方法および製膜装
置によれば、液面上の単分子膜に歪みを発生させること
無く累積を行なうことができ、その結果、粘性の大きい
分子を用いた場合でも、構造が均一で欠陥のない有機薄
膜を短時間で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図は、この発明の第1の実施例に係る
製造装置を示し、第1図は上記装置全体を示す斜視図、
第2図は上記装置を概略的に示す平面図、第3図および
第4図は、単分子膜の累積工程をそれぞれ概略的に示す
図、 第5図は、この発明の第2の実施例に係る製膜装置の斜
視図、 第6図ないし第8図は、この発明の第3の実施例に係る
製造装置示し、第6図は上記装置の側面図、第7図は上
記装置の平面図、第8図はホルダの斜視図、 第9図ないし第12図は、この発明の第4の実施例に係
る製造装置を示し、第9図は上記装置の側面図、第10
図は上記装置の平面図、第11図は展開された単分子膜
の圧縮状態を概略的に示す図、第12図は上記圧縮状態
を示すグラフ、第13図ないし19図は、この発明の第
5の実施例を示し、第13図および第14図は基板下降
時および上昇時における、基板と液面との間の接触角を
それぞれ示す側面図、第15A図および15B図は、基
板下降時の累積工程をそれぞれ概略的に示す側面図、第
16A図および16B図は、基板上昇時の累積工程をそ
れぞれ概略的に示す側面図、第17図は、第5の実施例
に係る製造装置を示す斜視図、第18図および19図は
、累積機構の側面図および正面図、 第20図ないし第22図は、この発明の第6の実施例に
係る製造装置を示し、第20図は上記装置全体を示す斜
視図、第21図および22図は、累積機構の側面図およ
び正面図、 第23図は、位置検出機構および回転駆動機構の変形例
を概略的に示す図である。 12・・・トラフ、18・・・展開領域、20・・・ス
ペーサ、24・・・基板、24a・・・累積面、25・
・・バリア移動機構、34・・・表面圧計1,35・・
・バリア駆動部、42・・・水平移動機構、46・・・
垂直移動機構、50・・・水平/垂直移動駆動部、50
a・・・水平移動駆動部、50b・・・垂直移動駆動部
、64・・・ワーク、67・・・ホルダ、87・・・回
動機構、88・・・累積機構、99・・・回動駆動部。 出願人代理人 弁理士 鈴江武彦 第 8 国 71.11 図 7゜J12rJ!

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)有機分子の単分子膜を展開可能な展開領域を形成
    する液面を準備する工程と、 上記分子展開領域に、有機分子の単分子膜を展開する工
    程と、 上記展開された単分子膜を所定の表面圧に圧縮する工程
    と、 累積面を有するワークを上記単分子膜と垂直な方向に移
    動させながら、水平方向に沿って累積面の前方に移動さ
    せて累積面上に単分子膜を累積する工程と、を備えた有
    機薄膜の製造方法。
  2. (2)上記累積工程は、上記ワークの累積面が上記展開
    領域に対して所定の角度傾斜した状態で行われることを
    特徴とする請求項1に記載の有機薄膜の製造方法。
  3. (3)ワークの累積表面に有機薄膜を累積する製膜装置
    において、 液体を収容しているとともに、有機分子の単分子膜が展
    開された展開領域を形成した液面を有するトラフと、 上記展開された単分子膜を所定の表面圧に圧縮する圧縮
    手段と、 上記ワークを上記単分子膜と垂直な方向に沿って移動さ
    せる垂直移動手段と、 上記ワークを水平方向に沿って累積面の前方に移動させ
    る水平移動手段と、 上記ワークが上記展開された単分子膜を通して垂直方向
    に沿って移動しながら水平方向に移動するように上記垂
    直および水平移動手段を駆動し、上記累積面上に単分子
    膜を累積させる駆動手段と、を備えたことを特徴とする
    製膜装置。
  4. (4)上記累積面が展開領域に対して所定角度傾斜する
    ように上記ワークを回動させる回動手段を備え、上記駆
    動手段は、上記累積面が所定角度傾斜した状態で水平お
    よび垂直移動手段を駆動することを特徴とする請求項3
    に記載の製膜装置。
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