JPH0131357B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、色度信号のSN比を劣化させるこ
となく感度を高めることができる単板式カラーカ
メラに関する。

〔従来の技術〕

撮像素子に色フイルタを組み合わせた光電変換
装置を用いる単板式カラーカメラは、管式カラー
カメラに比較して低雑音、高感度であり、かつ色
再現性が優れている等の数々の特長を有する。第
２図は、従来の単板式カラーカメラの一例を示す
回路構成図である。同図に示した単板式カラーカ
メラ１は、対物レンズ２を通して得られる被写体
の像を、色フイルク３ａ付きの固体撮像素子３上
に結像させ、光電変換された映像信号を、ブラン
キング処理と自動利得制御を併せ行なうバツフア
アンプ回路４に供給する。バツフアアンプ回路４
には、色度信号分離用の帯域波回路５及び狭帯
域輝度信号分離用の低域波回路６と広帯域輝度
信号分離用の低域波回路７が接続してある。

帯域波回路５にて分離された色度信号は、色
分離のための復調回路８を経てホワイトバランス
回路９に供給され、低域波回路６に接続したプ
ロセス処理回路１０の出力により色温度補正が施
される。ホワイトバランス回路９を通過した色度
信号は、さらにゲート回路１１、変調回路１２、
同時化回路１３等を経て混合回路１４に送られ
る。

一方、低域波回路７にて分離された輝度信号
は、プロセス処理回路１５とブランキング回路１
６を経たのち、上述の混合回路１４に供給され、
ここで同時化回路１３からの色度信号とともに
NTSC方式やPAL方式或いはSECAM方式にのつ
とつた信号処理を受け、ビデオテープレコーダ等
に送出される。

なお、本例の場合、カメラ一体型ビデオテープ
レコーダ等にも対応できるよう、色度信号と輝度
信号を、それぞれ同時化回路１３とブランキング
回路１６から別個に取り出せるよう構成してあ
る。

［発明が解決しようとする問題点］ 上記従来の単板式カラーカメラ１は、低照度時
に感度上昇させる場合、色度・輝度の信号分離を
行なう前のバツフアアンプ回路４で利得を上げる
ようにしたため、同比率で利得を増大させた場合
に輝度信号に比較して含有ノイズ成分が多く低レ
ベルの色度信号は、比較的低利得でSN比が許容
限界に達してしまい、このため輝度信号には感度
改善の余裕を残しながらも、色度信号のSN比確
保を優先することによつて、最大感度が頭打ちに
なる問題があつた。

一般に、固体撮像素子３は、素子間のばらつき
によるノイズラムがあり、しかも色度信号を高域
の変調信号から抽出しているため、特に色度信号
の低域成分は抽出過程で劣化しやすい。しかも抽
出された色度信号の信号レベル自体が低いので、
輝度信号と同レベルで処理するには、単純計算上
は色度信号の方が約20dB程度余計に増幅が必要
である。しかし、信号レベルを上げることは、同
時にまた含有ノイズ成分も増幅してしまうことで
あり、色度信号のSN比を確保する上からは一定
の限界を設けざるを得ない。

従つて前述のごとく、輝度信号側には利得を上
げる余裕がありながら輝度信号と色度信号の両方
を同時に増幅するバツフアアンプ回路４における
利得可変幅は制約を受けざるを得ず。低照度時の
撮影における解像度不足を招く問題があつた。

［問題を解決するための手段］ この発明は上記問題点を解決したものであり、
撮像情報を光電変換する単板状の撮像素子と、こ
の単板状の撮像素子から得られる映像信号を増幅
する第１のアンプ回路と、この第１のアンプ回路
により増幅された映像信号を色度信号と輝度信号
に分離する色度・輝度分離手段と、この色度・輝
度分離手段により分離された輝度信号を増幅する
利得可変型の第２のアンプ回路と、撮影照度に応
じて外部から操作され、前記第２のアンプ回路の
利得を切り換えるスイツチ回路とを具備すること
を要旨とするものである。

〔作用〕 この発明は、単板状の撮像素子により光電変換
された撮像信号を、第１のアンプ回路により色
度・輝度分離前に増幅しておき、更に色度・輝度
分離後の輝度信号を利得可変型の第２のアンプ回
路により増幅することにより、低照度時において
も輝度信号を最大感度まで増幅する。

〔実施例〕

以下、この発明の実施例について、第１図を参
照して説明する。第１図は、この発明の単板式カ
ラーカメラの一実施例を示す回路構成図である。
なお、第１図中、第２図と同一構成部分には、同
一符号が付してある。

第１図中、単板式カラーカメラ２１は色度・輝
度分離手段に相当する低域ろ波回路７の後段のプ
ロセス処理回路１５とブランキング回路１６の間
に、利得可変型の第２のアンプ回路２２を設けて
構成してある。この第２のアンプ回路２２は、色
度信号と輝度信号の両方を増幅対象とする第１の
アンプ回路としてのバツフアアンプ回路４と異な
り、輝度信号のみを増幅対象とするものであり、
その利得制御入力端子は、スイツチ回路２３内の
切り換えスイツチ２３ａを介して、第２のアンプ
回路２２の出力端子又はマニユアル設定端子２３
ｂの一方に選択的に接続できるようにしてある。

すなわち、標準照度下の撮影にあつては、切り
換えスイツチ２３ａは第２のアンプ回路２２の出
力端子側に切り換わつており、この場合、第２の
アンプ回路２２は自動利得制御動作を行なう。従
つて、第２のアンプ回路２２の利得は、あらかじ
め定められた所定の利得となる。

また、標準照度以下の低照度時又は標準照度以
上の高照度時における撮像にあつては、切り換え
スイツチ２３ａはマニユアル設定端子２３ｂ側に
切り換えられる。本実施例の場合、マニユアル設
定端子２３ｂは、第２のアンプ回路２２の利得
を、つまみ操作によりハイ、ローの２段階に切り
換え設定できるよう構成してあり、低照度撮影時
にはハイ側が選択される。

このため、色度信号がSN比の関係で最大感度
となるまでバツフアアンプ回路４による増幅がな
されているような場合であつても、輝度信号の方
は、色度信号とは別個に、第２のアンプ回路２２
において、最大感度まで増幅することができる。
従つて、低照度撮影時においても、十分な解像度
を得ることができる。

また、高照度撮影時には、第２のアンプ回路２
２の利得をロー側に切り換えることにより、過大
入力を防止することも可能である。

なお、第２のアンプ回路２２の増幅機能に、ガ
ンマ曲線補正機能をもたせ、ガンマ曲線の立上り
部分でのガンマ係数を、標準照度時よりも低照度
時には、より小さな係数値に抑えることにより、
SN比の劣化を防止しながら輝度信号の感度上昇
が可能となる。

このように、上記単板式カラーカメラ２１は、
単板状の固体撮像素子３により光電変換された映
像信号を、バツフアアンプ回路（第１のアンプ回
路）４により色度・輝度分離前に増幅しておき、
更に色度・輝度分離後の輝度信号を利得可変型の
第２のアンプ回路２２により増幅する構成とした
から、バツフアアンプ回路４により標準照度下の
撮影における感度を適宜設定することができ、低
照度下の撮影では、第２のアンプ回路２２の利得
を大とし、色度信号に比較してSN比に余裕があ
る輝度信号の方を、標準照度時よりも増幅するこ
とにより、感度不足を十分補うことができ、色度
信号も輝度信号もそれぞれ別個に最大感度まで高
めることができる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、この発明によれば、単板
状の撮像素子により光電変換された映像信号を、
第１のアンプ回路により色度・輝度分離前に増幅
しておき、更に色度・輝度分離後の輝度信号、利
得可変型の第２のアンプ回路により増幅する構成
としたから、第１のアンプ回路により標準照度下
の撮影における感度を適宜設定することができ、
低照度下の撮影では、第２のアンプ回路の利得を
大とし、色度信号に比較してSN比に余裕がある
輝度信号の方を、標準照度時よりも増幅すること
により、感度不足を十分補うことができ、色度信
号も輝度信号もそれぞれ別個に最大感度まで高め
ることができる等の優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の単板式カラーカメラの一
実施例を示す回路構成図、第２図は、従来の単板
式カラーカメラの一例を示す回路構成図である。 ３……固体撮像素子、７……低域ろ波回路、４
……バツフアアンプ回路、２１……単板式カラー
カメラ、２２……第２のアンプ回路、２３……ス
イツチ回路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 撮像情報を光電変換する単板状の撮像素子
   と、 この単板状の撮像素子から得られる映像信号を
   増幅する第１のアンプ回路と、 この第１のアンプ回路により増幅された映像信
   号を色度信号と輝度信号に分離する色度・輝度分
   離手段と、 この色度・輝度分離手段により分離された輝度
   信号を増幅する利得可変型の第２のアンプ回路
   と、 撮影照度に応じて外部から操作され、前記第２
   のアンプ回路の利得を切り換えるスイツチ回路と
   を具備する単板式カラーカメラ。