JPH0131314Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は湿式ボールミル（特に高濃度石炭水ス
ラリ製造用の湿式ボールミル）の他、乾式ミルに
も応用できる多室ミルに関するものである。

（従来技術） 第３図は従来の多室ミルの１例を示し、ミル胴
体ａには内部に鋼球ｂが挿入されると共に、目板
ｃによつて２室に仕切られている。そして石炭供
給口ｄと、水及び添加剤供給口ｅより各試料が供
給されると、スクリユーフイーダーｆによりミル
内部に定量供給される。ミル内に試料が供給され
ると、ミル駆動モータｇを駆動し、ミル胴体ａに
取付けられているスプロケツトｈを回転させる。

ミル胴体ａは両側にトラニオン軸ｉ，ｉが接続
されており、夫々軸受ｊ，ｋにより支持されてい
る。ミルが回転して粉砕が進むと、石炭スラリー
は目板ｃの開口部c₁より２室目に流れ、さらに固
定目板ｌの開口部l₁を通り、トラニオン軸ｉ中央
の排出口ｍより外部に排出される。

ところで前記第３図のミルにおいて、粉砕室の
容積比を変えたい場合には、粉砕室を区切る目板
ｃの位置を変えることで行なつて来た。しかしこ
の第３図の構造では、ミルを長時間停止して分解
しなければならず、しかも目板の位置は予め設定
された取付位置にしか移動することが出来なかつ
た。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は前記従来の欠点を解消するために提案
されたもので、粉砕室の容積比の変更が容易にで
きる多室ミルを得ようとするものである。

（問題点を解決するための手段） このため本考案は、ミル内の粉砕室を区画する
目板を移動可能に支持してなる構成としたもので
ある。

（作用） さて第１粉砕室に供給され、粉砕されてスラリ
ー状となつた試料は、移動式目板の開口部を通つ
て第２粉砕室に流れ込み、この第２粉砕室で更に
細かく粉砕される。

（実施例） 以下本考案の実施例を図面について説明する
と、第１図は本考案の実施例を示す多室ミルの側
断面図、第２図は第１図のＡ〜Ａ断面図であ。さ
て第１図及び第２図において、ミル１０は移動式
目板６で第１粉砕室４と第２粉砕室５とに区切ら
れている。移動式目板６は移動目板保持金具７に
より、目板移動長穴１１を介して目板スライド用
ガイド板９と共に、ミルの軸方向に自由に移動出
来る。移動式目板６の固定は、位置固定ナツト８
により位置決め後固定される。

またミル１０の入口側には、石炭投入口１と水
及び添加剤投入口２が取付けられ、スクリユーフ
イーダー３により、第１粉砕室４に供給出来る様
になつている。また出口側には固定目板１２とス
ラリ排出箱１４が取付けられている。このスラリ
排出箱１４には、円周にスラリ排出掻出板１３が
数個取付けられ、かつ中央部にはミル排出口１５
が接続されている。

次に以上の如く構成された実施例について作用
を説明すると、石炭投入口１と水及び添加剤投入
口２から各々試料が供給され、スクリユーフイー
ダー３により第１粉砕室４に定量供給される。第
１粉砕室４で粉砕され、スラリー状になつた試料
は、移動式目板６の開口部６ａを通つて第２粉砕
室５へ流れ込む。第２粉砕室５でさらに細かく粉
砕されたスラリーは、固定目板１２の開口部１２
ａを通つてミル出口排出箱１４に貯まり、スラリ
排出掻出板１３により、ミル排出口１５より製品
スラリーとして排出される。

次に第１粉砕室４と第２粉砕室５との容積比を
変えたい時は、位置固定ナツト８を緩め、移動式
目板６を移動目板保持金具７と目板スライドガイ
ド板９と共に、目板移動用長穴１１に沿つてミル
軸方向に移動させ、位置固定ナツト８で固定す
る。また必要に応じて移動式目板６の位置を任意
に設定することも出来る。

（考案の効果） 以上詳細に説明した如く本考案は構成されてい
るので、多室ミルの粉砕室の各々の内容積を、ミ
ルを長時間停止して分解することなく変更するこ
とが出来る。またミルの軸方向に目板をスライド
させるので、スライドの巾内であれば任意の位置
に目板を固定することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す多室ミルの側断
面図、第２図は第１図のＡ〜Ａ断面図、第３図は
従来の多室ミルの１例を示す側断面図である。 図の主要部分の説明、４……第１粉砕室、５…
…第２粉砕室、６……目板、６ａ……開口部、７
……移動目板保持金具、８……位置固定ナツト、
９……目板スライド用ガイド板、１０……ミル、
１１……目板移動長穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ミル内の粉砕室を区画する目板を移動可能に支
   持してなることを特徴とする多室ミル。