JPH0130136Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案はロープ、ホース、紐、リボン等の各種
長尺物を店頭にて切り売りし得る如くした長尺物
巻取体の陳列兼収容ケースに関するものである。

〈従来の技術〉 従来、一般に用いられているロープ、ゴムホー
ス（ガス、水道など）、紐、リボンテープ、有刺
鉄線等の長尺物を店頭などに置いて切り売りする
場合、普通長尺物をボビンに巻き取つた商品形態
を採り、このボビンを特設のスタンドに軸架して
販売するものである。このときのスタンドは、単
にボビンの軸部が支承し得るだけの構造であり、
長尺物が全て露出してなり、このため巻き取り量
の少ないボビン等にあつては体裁が悪く、逆に陳
列効果を半減している。しかも、この単なるスタ
ンド構造で一番悪い点は、埃をかぶり易く、掃除
が面倒であることは勿論のこと、商品を色あせさ
すため、購買意欲を落す結果を招いているのが現
状である。また、数種サイズ等の巻取体を一挙に
陳列するに当つては、特殊なスタンドを設けねば
ならず、且つ場所を取る等の欠点を有する。

〈考案が解決しようとする問題点〉 本考案は上記実情に鑑み、長尺物を巻き取つた
ボビンを、倒壊を招かない積み重ね自在の化粧箱
となるケースに収容し、上記欠陥を一掃する如く
した長尺物巻取体の陳列兼収容ケースを提供する
ことを目的としたものである。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、フル・テレスコープ・スタイルを採
るかぶせ蓋式貼り箱等において、内ケースとなる
箱本体内いつぱいに、ボビン軸を両側壁部に対向
突設したコ字型ボビン受けを嵌合すると共に、該
両側壁部の上端に箱本体側面より突出する重ね爪
を形成し、且つボビン受けの底面及び箱本体の底
面の夫々の合致した隅部に、次段に重ねる箱本体
側の重ね爪用差込み孔を穿ち、更に箱本体の正面
上部に商品表示窓を形成し、該箱本体に、運搬
時、格納時等の非陳列用の蓋体をかぶせてなる構
成とした。

〈作用〉 上記のような構成のため、店頭陳列に際し各収
容ケースは蓋体を外し、箱本体を単に順次、該箱
本体上縁に突設した重ね爪に、上に重ねる次段の
箱本体及びその内側ボビン受けの差込み孔を嵌
め、適宜段数を積み、且つ各箱本体の正面の商品
表示窓より、内部にセツトしたボビン巻き取りの
長尺物の一部を繰返して販売形態とする。このた
め、各長尺物は常時箱内に位置するので汚れるこ
ともなく、この商品表示窓より適量（長さ）だけ
引出して切り売りすればよい。勿論、最上段の箱
本体上面には、重ね爪に係合する蓋片を適宜配せ
ばよい。

〈実施例〉 以下、本考案を実施例の図面に基づいて詳述す
れば、次の通りである。

図面は長尺物をロープ使用としたものであり、
１は蓋体２の下縁が箱本体３の底部まで達するフ
ル・テレスコープ・スタイルの段ボール等の板紙
よりなる陳列兼収容ケースである。この箱本体３
の構成は、この方形枠内いつぱいに、所定長さの
ボビン軸４を両側壁部５ａの中央に対向突設した
金属薄板、合成樹脂板等より形成のコ字型ボビン
受け５を嵌合するものであり、且つ該ボビン受け
５の側壁部５ａの上端には箱本体３の側面３ａの
上縁より少し突出する重ね爪６を前後に配すと共
に、底面５ｂの両側隅部に他の箱本体３側の重ね
爪６を差込みえる差込み孔７を、また箱本体３の
底面３ｂの両側隅部にも前記の重ね爪６が差込み
しえる差込み孔８を穿つてなり、更に箱本体３の
正面３ｃの中央上縁にはロープＡの引出し口とな
る商品表示窓９を切欠きしてなる。この場合、重
ね爪６は側壁部５ａの内面より鉛直突設し、また
前記側壁部５ａの上端縁と箱本体３の側面３ａの
上端縁とを同じ高さとすることにより、箱本体３
より突出した重ね爪６が、該箱本体３に重ねる次
段の箱本体３の底面３ｂ及びこの内側に重なつた
ボビン受け５の底面５ｂに合致の差込み孔７，８
に挿通され、積み重ねを確実とする構造となつて
いる。また蓋体２の深さは、箱本体３の側面３ａ
とこれより突出する重ね爪６の長さを加えた長さ
をもちフル・テレスコープ・スタイル箱を採る。
１０は箱本体３の正面３ｃ、蓋体２の正面２ｃ等
に印刷した規格寸法、標章等の表示マークであ
る。

いまこの陳列兼収容ケース１の使用に際し、ま
ずかぶせ蓋となる蓋体２を外せば、内部のボビン
受け５に巻き取りロープＡを装着した箱本体３が
現われる。この場合、巻き取りロープＡのセツト
に当つては、箱本体３より嵌合してなるコ字型ボ
ビン受け５を抜き取り、この状態で両側壁部５
ａ，５ａを外側へ拡げるように少し倒せば（第６
図１点鎖線参照）、該側壁部５ａ，５ａに横突設
のボビン軸４，４の間隔が開くため、ロープＡを
巻き取つたボビン１１の軸孔１１ａ，１１ａをボ
ビン軸４，４間に臨ませ得、この後側壁部５ａ，
５ａの拡げを解けば、ボビン１１は簡単に支承さ
れる。

ここにおいて、例えば各種太さ（12ｍ／ｍ，10
ｍ／ｍ，９ｍ／ｍ…等）のロープＡを収容した箱
本体３中、この太巻きボビン収容の箱本体３を最
下段とし、この上に次の太さのボビンを収容した
箱本体３を重ねる。この場合、下段の箱本体３の
側面３ａの内側に突出した重ね爪６部に、上方に
重ねる箱本体３の底面３ｂの差込み孔８と、この
内面に重なつたコ字型ボビン受け５とを差込み
し、該箱本体３，３を一種の爪連結とするため、
重ね位置がずれることなく積めるものとなる。以
下、上方へ箱本体３を適宜個数重ねて行くもので
ある。尚、最上段の箱本体３の上面には、必要に
あつて両側に差込み孔１２を穿つた屋根片１３を
嵌めて閉蓋使用とする。

このように積まれた箱本体３の正面３ｃの商品
表示窓９には内部の巻き取りロープＡが露出する
ため、該巻き取りロープＡの先端を商品表示窓９
より適宜量を繰り出しておけば、即販売体勢とな
る。

〈考案の効果〉 上述のように本考案の長尺物巻取体の陳列兼収
容ケースは、長尺物（ロープ、ホース、リボン、
紐等）を適宜巻き付けたボビンを軸架するコ字型
ボビン受けとこれを嵌合する箱本体並びに蓋体よ
りなり、且つボビン受けに突設の重ね爪を、次段
の箱本体及びボビン受けの底面の差込み孔に差込
む爪連結の重ね構造としたことにより、店頭にお
いて適宜寸法に切り売りする場合、この箱本体を
適宜個数単に重ね積むだけで、陳列ケースとなり
便利である。しかも、この各箱本体の正面には商
品表示窓を有し、内部の長尺物が直接見ることが
でき、且つ該商品表示窓より巻き取り端を繰出し
ておけばよく、整頓されたスタンド積みとなり体
裁がよい。また、巻き取りボビン部はあくまで箱
本体中に位置するため、長尺物に埃をかぶる虞も
なく、商品価値を高めるものである。尚、この蓋
体及び箱本体は板紙使用として説明したが、合成
樹脂製でもよいことは勿論である。

【図面の簡単な説明】

図面の簡単な説明は本考案の実施例を示すもの
で、第１図は箱本体部の斜面図、第２図は蓋体を
配した一部切欠き斜面図、第３図は要部縦断正面
図、第４図Ａ，Ｂ，Ｃは箱本体、コ字型ボビン受
け、ボビンを示す斜面図、第５図は箱本体の底面
よりみた斜面図、第６図はボビンのセツト状態の
説明図、第７図は使用状態の正面図である。 ２……蓋体、３……箱本体、４……ボビン軸、
５……コ字型ボビン受け、６……重ね爪、７，８
……差込み孔、９……商品表示窓。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. かぶせ蓋式箱において、箱本体内にボビン軸を
   対向した両側壁部の上端に重ね爪を突設してなる
   コ字型ボビン受けを嵌合すると共に、該ボビン受
   けの底面の隅部及び箱本体の底面の隅部に、次段
   の重ね爪用差込み孔を穿ち、且つ箱本体の正面に
   商品表示窓を形成してなる長尺物巻取体の陳列兼
   収容ケース。