JPH0127551Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (1) 考案の技術分野 本考案は継電器のヒンジバネ構造に関するもの
である。

(2) 技術の背景 継電器はそのリレーケース内に種々の部材を組
付けて構成されており、低コスト化の要求から各
部材の組付けをできるだけ容易にさせる必要があ
る。

(3) 従来技術と問題点 従来構造は、接極子のヒンジ部すなわち略Ｌ字
形に屈曲形成された折り曲げ部分に対しヒンジバ
ネで該折曲げ部分表面から押圧し、該折曲げ部分
裏面に当接している接極子回転支持用の継鉄に対
し押付けるものであつた。これであると、外部振
動等によつて接極子浮きやはずれを生じる場合が
あつた。

(4) 考案の目的 本考案は上記従来欠点を解決し、接極子浮きや
はずれを生じずに、且つ接極子の組付けが容易で
あるヒンジバネ構造を提供するものである。

(5) 考案の構成 この本考案の目的は、一端部にリードケース内
壁に設けられる挿入溝に嵌入し固定される切起し
片が、他端部に接極子を継鉄側へ押圧する舌片が
形成され、且つ中央部には前記接極子の両側面に
はめ込みバネ自身を該接極子に取付けるための一
対の腕片と前記接極子のヒンジ部を押圧するため
凹部が一体に形成されていることを特徴とした継
電器のヒンジバネ構造により達成できる。

(6) 考案の実施例 第１図は本考案に係る継電器の分解斜視図、第
２図は第１図におけるリレーケースに各構成部品
を組込んだ状態を示す平面図である。

図において、１は絶縁樹脂材にてモールド成形
した箱状のリレーケース、１０はリレーケース１
と同様にモールド成形したリレーカバー、２０は
電磁石、３０は接点バネ群、４０は絶縁樹脂体か
らなるカードである。

リレーケース１の内部には電磁石２０と接点バ
ネ群３０の収容部を区分けするための分離壁２，
３が一体形成され、又その内壁には、本考案で特
徴とする接極子押え用のヒンジバネが取付けられ
る挿入溝４を備えた突部５が一体形成されてい
る。一方、接点バネ群収容側のケース底部には固
定接点バネ保持用の突起６が、又その内壁の片側
には接点バネ群取付用の取付台７が一体形成され
ている。

また、分離壁２，３にはその長手方向にスリツ
ト１３がそれと直角方向の中央部にカード挿通溝
１３ａが形成されている。更に、取付台７には前
方が開口し後端が円形に広くなつたバネ取付用の
スリツト穴８ａ，８ｂ，８ｃが形成されている。
更に、またカバー１０が嵌入するリレーケース１
上方の周囲壁９の外面にはカバー取付用の突起９
ａと溝９ｂが形成されている。

カバー１０はその周囲壁１１がリレーケース１
の周囲壁９の外面に位置し、且つ該周囲壁１１の
内面に形成された図示せぬ突起および溝が対応し
た突起９ａと溝９ｂに嵌入することにより取付け
られる。又、カバー１０の裏面にはスリツト１３
に嵌入する分離壁１２が一体形成されている。

電磁石２０はコイル２１と巻装したコイルボビ
ン２２と鉄芯２３を直設したＬ形の継鉄２４およ
び接極子２５を備えて形成されている。又、コイ
ルボビン２２の片方の鍔部にはコイル端子２６が
設けられている。

更に、接極子２５の一方の折曲げ片にはカバー
が嵌入する貫通穴２７が形成され、且つその折曲
げ部分２８がヒンジ部分を与えていると共にその
裏面２９が継鉄２４によつて回転自在に支持され
る。

接点バネ群３０は可動接点３１を備えた一対の
薄い金属バネ板からなる接点バネ３２ａ，３２ｂ
と、固定接点３３を備えた板厚の厚い金属板から
なる固定接点バネ３４と、および復旧用の板バネ
３５を有し、各バネ３２ａ，３２ｂ，３４，３５
の後端には嵌合を強固なものとするための打出し
凸部３６が形成され、且つ各接点バネ３２ａ，３
２ｂ，３４はケース底部より導出する引出し端子
３７を一体に備えている。

カード４０は分離壁２，３の両端に位置する挿
通溝１３ａを塞ぐ一対の塞板４１と４２が連結形
成された形状からなり、一方の塞板４１の外方面
には貫通穴２７に嵌入する突起４３が形成され、
他方の塞板４２には可動接点バネ３２ｂが入るス
リツト４４と復旧用板バネ３５の先端が当接する
突起４５および可動接点バネ３２ａの貫通穴３８
に嵌入する突起４６が一体形成されている。

本考案で特徴とするヒンジバネ４７は第３図に
斜視図で示す如き形状になつている。これはバネ
板４を打抜き折曲げして形成されており、一端部
にリレーケース１に対する取付部を与える切起し
片４８が、他端部には接極子２５を継鉄２４へ押
圧する押圧部を与える舌片４９が設けられてい
る。また、その中央部には該ヒンジバネ４７自身
を接極子２５に取付けるための直角曲げした腕片
５０が一体に形成され、且つ取付時に接極子２５
のヒンジ部２８を押圧する凹部５１が形成されて
いる。

本継電器の組立ては、電磁石２０の組込みの場
合第４図に示す如く接極子２５にヒンジバネ４７
を取付ける。尚、ヒンジバネ４７の両腕片５０は
多少内側に曲つており、接極子２５のヒンジ部２
８の表面に凹部５１が当るように腕片５０間に接
極子２５をはめ込むことによりヒンジバネ４７の
取付けが行なわれている。そして、この状態の接
極子２５を第５図の部分平面図に示す如く、ヒン
ジバネ４７の切起し片４８が突部１５の挿入溝４
に嵌入するように挿着することにより接極子２５
のリレーケース１内への組付けが完了する。この
際リレーケース１に取付けられたヒンジバネ４７
は凹部５１が接極子２５のヒンジ部２８を外部か
ら押圧し継鉄２４の端縁に押付けそれを回転自在
に止める。また、舌片４９は接極子２５が所定以
上回転しないようにして、それの浮上りやはずれ
を防ぐ機能を果す。また、腕片５０は接極子２５
がリレーケース１の底部とリレーカバー１０の裏
面から離れ、浮いた状態になるように支持すると
共に、該接極子２５の上下動をなくしてはずれを
防ぐ機能を果す。この接極子２５の取付けは、コ
イル２１等の一体ものとリレーケース１内に挿着
した後に行なわれ、電磁石２０の組付けが終了す
る。

一方接点バネ群３０の組込みは、各バネ３２
ａ，３２ｂ，３４，３５をケース底部と平行に延
在するようリレーケース１の他の収容部に取付け
ると共に、引出し端子３７がケース底部を挿通す
る如く取付台７のスリツト穴８ａに可動接点バネ
３２ａの後端を圧入して固定し、他のバネ３２
ｂ，３４，３５についても同様に行なう。

このように電磁石２０と接点バネ群３０を取付
けた後、第２図に示す如く塞板４１，４２を分離
壁２，３の両側に位置させてカード４０を挿通溝
１３ａにスライド自在に配置し、且つ突起４３，
４６を貫通穴２７，３８に嵌入させ、スリツト４
４には可動接点バネ３２ｂを挿入し、突起４５に
は復旧用板バネ３５の先端が係止されるように位
置させる。しかる後、分離壁１２がスリツト１３
に嵌入するようカバー１０をリレーケース１の上
方開口に被着させることにより本継電器が製造さ
れる。

本継電器の動作は、第２図の如き復旧状態から
鉄芯２３がコイル２１により励磁されると、接極
子２５の一方片が鉄芯２３に磁気吸引されて接極
子２５は継鉄２４の先端を支点としてケース底部
と平行に回転し、これにより接極子２５の他方片
でカード４０がケース底部と平行にスライドして
復旧時には塞板４２で塞がれていた挿通溝１３ａ
が今度は塞板４１に塞がれるようになる。又、カ
ード４０のスライドに伴なつて復旧時に接点接続
していた可動接点バネ３２ａと固定接点バネ３４
が開放され、且つ開放されていた可動接点バネ３
２ｂと固定接点バネ３４が接点接続する接点切換
が行なわれる。また、この動作状態から鉄芯２３
の励磁を解くと、カード４０は可動接点バネ３２
ａ，３２ｂと板バネ３５のバネ力により復旧し第
２図の状態に復帰する。

(7) 考案の効果 以上説明した本考案に係る継電器のヒンジバネ
によれば、従来に比べより確実な接極子の浮上り
やはずれの防止が果され、且つ接極子にヒンジバ
ネを取付けた状態でリレーケースへの取付けを行
なうので、その組付け作業は極めて容易であるな
ど、実用上の効果は著しいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図と第２図は本考案に係る電磁継電器の分
解斜視図と組立状態の平面図、第３図は本考案に
係るヒンジバネの斜視図、第４図は第３図のヒン
ジバネを接極子に取付けた状態を示す斜視図、第
５図は第３図のヒンジバネをリレーケースに取付
けた状態を示す部分平面図である。 符号の説明、１……リレーケース、２４……継
鉄、２５……接極子、４７……ヒンジバネ、４８
……切起し片、４９……舌片、５０……腕片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 接極子の略Ｌ字形に形成されたヒンジ部を外側
   表面から押圧し、該ヒンジ部の裏面に当接してい
   る接極子回転支持用の継鉄に対して押付け、該継
   鉄からの前記接極子の浮きやはずれを防ぐ電磁継
   電器のヒンジバネ構造において、 該バネ板は一端部にリードケース内壁に設けら
   れる挿入溝に嵌入し固定される切起し片が、他端
   部に前記接極子を前記継鉄側へ押圧する舌片が形
   成され、且つ中央部には前記接極子の両側面には
   め込みバネ自身を該接極子に取付けるための一対
   の腕片と前記接極子のヒンジ部を押圧する凹部が
   一体に形成されていることを特徴とする電磁継電
   器のヒンジバネ構造。