JPH0127446Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案は、自動車用空気調和装置、特にインテ
ークユニツトの改良に関する。

（技術の背景） 一般に自動車用空気調和装置のインテークユニ
ツト１は第１図に示すように、内気循環口２およ
び外気流入口３をインテークドア６により切換え
る切換部４と、フアン７及びフアンモータ８を内
蔵しているフアンスクロール５とから成る。

前記フアンスクロール５には、フアン７に吸込
まれる空気を案内し中心に開口部１２を有するベ
ルマウス９が設けられ、該ベルマウス９の外側上
部に前記切換部４が取付けられる。

また、前記インテークドア６の回動軸は、前記
ベルマウス９の中心軸上に位置しており、インテ
ークドア６は回動軸を中心に左右対称に回動する
ようになつている。

このインテークユニツト１は自動車用空気調和
装置の構成部品であり、車室内又は外の空気を選
択的に導入し、この空気をクーラユニツト等（図
示せず）に送り込み空気調和を行なつた後選択さ
れた吹出口より車室内へ配風するためのものであ
る。

（先行技術の問題点） しかして、前記切換部４及びフアンスクロール
５のベルマウス９の形状は、インテークユニツト
１内の風の流れを考慮した形状とは言えないもの
であつた。すなわち、第１図に示すように、前記
ベルマウス９の上部で切換部４の取付角部１０が
風の流れに対するいわゆるデツドスペースとな
り、渦が発生するために、この渦のために騒音が
発生する虞れがあつた。

これらの不都合を解消するために、単にベルマ
ウスの形状を曲面にして風の流れの剥離を防ぎ騒
音の発生を防止しようとするものは従来から存在
した（例えば実開昭52−86708号公報、特開昭51
−145007号公報）。

しかしながら、ベルマウスの形状を単に曲面形
にしただけでは、インテークドアの開閉を妨害す
る虞れがあり、自動車用空気調和装置のインテー
クドアとして適したものとはいえなかつた。

（考案の目的） 本考案は、このような実情に鑑みてなされたも
のであり、インテークドアの開閉に支障がないと
共に、インテークユニツト内の風の流れをスムー
ズにして渦の発生を防ぎ、この渦による騒音の発
生を防止し得る自動車用空気調和装置のインテー
クユニツトを提供することを目的とする。

（考案の構成） 本考案は、かかる目的を達成するために、内気
循環口及び外気流入口をインテークドアにより切
替える切換部と、フアンを内蔵し該フアンにより
吸込まれる空気を案内すると共に中心に開口部が
形成されたベルマウスを有するフアンスクロール
とから成り、前記インテークドアの回動軸を、前
記ベルマウスの中心軸上に位置させ、前記インテ
ークドアが前記回動軸を中心に左右対称に回動す
るようにした自動車用空気調和装置のインテーク
ユニツトにおいて、前記インテークドアの先端近
傍に相当する前記切換部に前記ベルマウスの基端
部を形成し、当該基端部から前記開口部に向かう
前記ベルマウスの前記切換部側の表面を、前記切
換部内から前記開口部の向かう空気の流路面積を
徐々に減少させると共に、前記インテークドアの
左右対称な回動軌跡に沿う錐体面形状に形成して
成り、前記内気循環口及び前記外気流入口から前
記フアンスクロールに吸込まれる空気の流れを円
滑にしたものである。

（実施例） 以下、本考案を図面に示す実施列にしたがつて
説明する。

第２図は、本考案にかかる一実施例を示すイン
テークユニツトの概略断面図であり、第１図に示
す部材と同一部材には同一符号を付してある。

本実施例にかかるインテークユニツト１ａは、
内気循環口２及び外気流入口３をインテークドア
６により切換える切換部４ａと、フアン７及びフ
アンモータ８を内蔵し該フアンに吸込まれる空気
を案内するベルマウス９ａを有するフアンスクロ
ール５ａとからなる。

さらに、前記インテークドア６の回動軸は、前
記ベルマウス９ａの中心軸上に位置しており、イ
ンテークドア６は回動軸を中心に左右対称に回動
するようになつている。

前記ベルマウス９ａの切換部側の表面はその基
端部１３から開口部１２に向けて円錐体面形状を
しており、第１図に示すような取付角部１０を無
くし、内気循環口２又は外気流入口３から取り入
れた空気の流路面積を徐々に減少させるようにし
て風の流れに沿つた形状（いわゆる流線形状）に
している。また、該ベルマウス９ａの上部には、
インテークドア６を有する切替部４ａが取り付け
られるので、前記ベルマウス９ａの形状は、イン
テークドアの回動を妨害しないように該インテー
クドアの左右対称な回動軌跡に沿つた形状になつ
ている。

このようなインテークユニツト１ａでは、内気
循環口２及び外気流入口３のいずれか一方から、
又は、両方から空気を取込む等の如何なる場合で
あつても、取り入れた空気はベルマウス９ａに沿
つてフアン７に吸込まれるので、該ベルマウス９
ａの上部に騒音の発生原因となる渦が生じない。

また、本考案は上述した実施例に限定されるも
のではなく、次のような変形例が考えられる。

第３図に示すように、上述した実施例における
円錐体面形状のベルマウス９ａの内側の空間に吸
音材１１を設けてもよい。この吸音材１１として
は、一般の吸音材の他に焼結金属や発泡金属等の
多孔質金属板を用いてもよい。

このように形成すれば、インテークユニツト１
６内に渦が発生しないだけでなく、フアン７の回
転による脈動の騒音も除去されることになる。

さらに、第４図に示すように、ベルマウス９の
形状を第１図に示す従来例と同様な形状として、
第１図に示す取付角部１０に相当する部分に吸音
材１１ａを設け、吸音材１１ａの形状を風の流れ
に沿つた四角錐体形状にするとともに、インテー
クドア６の回動軌跡に沿つた形状にしてもよい。

このように形成すれば、インテークユニツト１
ｃ内に騒音の原因となる渦が発生しないだけでな
く、もし万一騒音が発生したとしても、前記吸音
材１１ａにより消音されることになる。

（考案の効果） 以上の説明より明らかなように、本考案によれ
ば、インテークドアの先端近傍に相当する切換部
にベルマウスの基端部を形成し、当該基端部から
開口部に向かう前記ベルマウスの前記切換部側の
表面を、前記切換部内から前記開口部に向かう空
気の流路面積を徐々に減少させると共に、前記イ
ンテークドアの左右対称な回動軌跡に沿う錐体面
形状に形成して成り、内気循環口及び外気流入口
からフアンスクロールに吸込まれる空気の流れを
円滑にした自動車用空気調和装置のインテークユ
ニツトであるため、内気循環口及び外気流入口の
いずれか一方から、又は、両方から空気を取込む
等の如何なる場合であつても、インテークドアの
開閉に支障がないと共に、インテークユニツト内
の風の流れをスムーズにして渦の発生を防ぎ、こ
の渦による騒音の発生を防止し、きわめて静かな
自動車用空気調和装置のインテークユニツトを得
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的な自動車用空気調和装置のイン
テークユニツトの概略断面図、第２図は本考案の
一実施例を示すインテークユニツトの概略断面
図、第３図は他の実施例を示すインテークユニツ
トの概略断面図、第４図はその他の実施例を示す
インテークユニツトの概略断面図である。 １，１ａ，１ｂ，１ｃ……インテークユニツ
ト、２……内気循環口、３……外気流入口、４，
４ａ……切換部、５，５ａ……フアンスクロー
ル、６……インテークドア、７……フアン、８…
…フアンモータ、９，９ａ……ベルマウス。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 内気循環口及び外気流入口をインテークドアに
   より切替える切換部と、フアンを内蔵し該フアン
   により吸込まれる空気を案内すると共に中心に開
   口部が形成されたベルマウスを有するフアンスク
   ロールとから成り、前記インテークドアの回動軸
   を、前記ベルマウスの中心軸上に位置させ、前記
   インテークドアが前記回動軸を中心に左右対称に
   回動するようにした自動車用空気調和装置のイン
   テークユニツトにおいて、 前記インテークドアの先端近傍に相当する前記
   切換部に前記ベルマウスの基端部を形成し、当該
   基端部から前記開口部に向かう前記ベルマウスの
   前記切換部側の表面を、前記切換部内から前記開
   口部に向かう空気の流路面積を徐々に減少させる
   と共に、前記インテークドアの左右対称な回動軌
   跡に沿う錐体面形状に形成して成り、前記内気循
   環口及び前記外気流入口から前記フアンスクロー
   ルに吸込まれる空気の流れを円滑にしたことを特
   徴とする自動車用空気調和装置のインテークユニ
   ツト。