JPH0127317Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、可聴周波の２周波信号をダイヤル信
号として送出すると共に、必要に応じ、可聴周波
の報知信号を扱者または線路へ送出する電話機の
改良に関するものである。

〔従来技術〕

従来、公衆電話機等の特殊電話機においては、
硬貨投入催促音、通話の強制切断予報音等を必要
に応じて受話器へ送出し、扱者にこれらの報知を
行なうと共に、市外台等を経由する通話の際に
は、硬貨収納確認音を線路へ送出するものとなつ
ており、これらの報知音送出用として信号発生回
路を設けねばならず、構成の複雑化により高価と
なる欠点を生じている。

〔考案の概要〕

本考案は、近来普及されたタツチトーン式電話
機においては、ダイヤル信号として周波信号が用
いられ、これの送出用に可聴周波信号発生器を備
えており、この信号発生器は、制御信号の与え方
により単一周波信号の発生も行なうことに着目
し、可聴信号の送出条件にしたがつて信号発生器
へ所望の単一周波信号を発生させると共に、この
出力をスイツチ回路を介して電話機の送話器出力
端、受話器入力端及び線路へ選択的に接続するも
のとし、同一の信号発生器をダイヤル信号と報知
音との発生に共用した極めて効果的な、電話機の
可聴信号送出回路を提供するものである。

〔実施例〕

以下、実施例を示す図によつて本発明の詳細を
説明する。

第１図は、公衆電話機の例を示す全構成のブロ
ツク図であり、線路端子１には、線路を介して電
話局の交換機が接続されており、オフフツクを行
なうと、フツクスイツチHS¹がオンとなり、課金
信号受信回路２、ダイオードブリツジ３、電源回
路４および通話回路５により直流ループが閉成さ
れ、交換機の電源からこの直流ループへ通ずる電
流が、ダイオードブリツジ３により一定極性とな
つて電源回路４へ通じ、この電流に応じて同回路
４が電源Ｖを各部へ供給するものとなる。

このため、各部が動作状態となり、制御回路と
して用いられるマイクロプロセツサ等のプロセツ
サ６が固定メモリ７へ格納されている命令を実行
し、必要とするデータを可変メモリ８へアクセス
しながら制御動作を行なうものとなる。

なお、プロセツサ６は、フツクスイツチHS¹の
閉成に伴なう電源回路４からの電源Ｖの供給によ
つて起動してイニシヤライズを行ない、以降の制
御を開始する。

したがつて、相手先のダイヤル番号に応じてキ
ーボード１０を操作すれば、マトリクス状に配列
されたキーのＸ軸およびＹ軸出力XOおよびYO
がキーボード１０から送出され、これが入出力回
路９を介してプロセツサ６により判別されたうえ
同様の制御信号として入出力回路９を介し、信号
発生回路１１へ与えられる。

すると、同回路１１は、各軸出力XO，YOが
各単一であることを前提とし、操作されたキーに
応ずる周波数組み合せの２周波信号を送信々号
LTNとして送出するため、これが結合コンデン
サおよび変成器等からなるトーン送出回路１２を
介し、通話回路５の線路側へ与えられ、ダイヤル
信号となつて線路へ送信される。

ただし、このときは、受話信号RTNとしても
周波信号が送出され、受話器Ｒに対しコンデンサ
Crおよび変成器Trを介して与えられるため、扱
者による聴取が可能となる。

また、課金信号受信回路２は、相手応答時およ
び通話中に交換機から送られて来る転極パルス等
の課金信号を受信し、この出力を入出力回路９へ
与えており、これに応じてプロセツサ６が硬貨処
理部１３を制御し、硬貨の収納を行なうものとな
つているが、投入されて待機中の硬貨が無くなれ
ば、これの検出々力を同処理部１３が生ずるた
め、これにしたがつてプロセツサ６が信号発生回
路１１を制御し、硬貨投入催促音用の単一周波信
号を発生させたうえ、送話信号TTNとして送出
させ、コンデンサCtおよび変成器Ttを介して受
話器回路へ与え、これを相手側へ送信すると共に
側音として扱者に聴取させる。

なお、これの後も硬貨の投入がなければ、通話
回路５を制御し、これの中のスイツチング素子を
オフとして通話の強制切断を行なうものとなつて
いるが、これに先立ち、プロセツサ６が信号発生
回路１１を制御し、強制切断予報音用の単一周波
信号を発生させたうえ、送話信号TTNとして送
出させるため、前述と同様に相手側への送信が行
なわれると共に、扱者による聴取が行なわれる。

たゞし、市外台等を介する場合は、公衆電話機
を示す報知音が当初送話信号TTNとして送出さ
れると共に、硬貨の収納に応じ、硬貨収納音が送
信々号LTNとして送出される。

このほか、線路端子１とフツクスイツチHS¹と
の間には、ベルおよびコンデンサ等の着信表示回
路１４が橋絡接続されており、呼出信号の到来に
応動するものとなつている。

第２図は、信号発生回路１１の詳細を示すブロ
ツク図であり、集積回路化された信号発生器
MFGが設けられ、キーボード１１のＸ軸出力
XOと対応するＸ軸信号X₁〜X₄および、Ｙ軸出力
YOと対応するＹ軸信号Y₁〜Y₄が与えられるもの
となつており、Ｘ軸信号X₁〜X₄中のいずれか一
つおよびＹ軸信号Y₁〜Y₄中のいずれか一つが同
時に与えられゝば、これに応じた２周波信号を送
出するが、例えば、Ｘ軸信号X₁とＹ軸信号Y₁〜
Y₄中のいずれか複数とが同時に与えられると、
Ｘ軸信号X₁に応じた周波数の単一周波信号を送
出するものとなつている。

すなわち、信号発生器MFGは、キーボード１
０と直結した場合、Ｘ軸およびＹ軸の各単一出力
に応じた２周波信号を発生し、かつ、Ｘ軸および
Ｙ軸中のいずれか一方の単一出力と他方の複数出
力とが同時に与えられたときには、一方の単一出
力に応ずる単一周波出力を発生するものとなつて
おり、第２図の場合は、キーボード１０の操作に
応じ、Ｘ軸信号X₁〜X₄およびＹ軸信号Y₁〜Y₄中
の各々いずれか一つづゝが制御信号として与えら
れ、これに応じた２周波信号が送出される。

また、この際には、開放状態防止用の抵抗器
R₁を有する信号発生器MFGの出力へ、入力側が
共通接続されたアナログスイツチ等のスイツチ回
路SW₁〜SW₅中、同回路SW₃，SW₅へ制御信号
MFSDが与えられ、これらをオンとするため、
抵抗器R₅，R₆により分圧され、２周波信号が受
話信号RTNとして低レベルにより送出されると
共に、抵抗器R₇，R₉により分圧され、２周波信
号が送信々号LTNとしてトーン送出回路１２へ
送出される。

以上に対し、プロセツサ６が可聴信号を送出す
べしと判断すれば、これの送出条件にしたがい、
Ｘ軸信号X₁〜X₄中のいずれか一つと、Ｙ軸信号
Y₁〜Y₄中のいずれか二つを同時に制御信号とし
て与えるため、与えられたＸ軸信号に応ずる所望
の単一周波信号が送出されると共に、市外台等へ
公衆電話機である旨を報知する場合は、制御信号
IDSDが与えられ、スイツチ回路SW₁がオンとな
り、抵抗器R₂，R₃により単一周波信号が分圧さ
れたうえ、送話信号TTNとして送出され、硬貨
投入催促または強制切断予報の際は、制御信号
WTSDによりスイツチ回路SW₂がオンとなり、
抵抗器R₄，R₃により単一周波信号が分圧され、
送話信号TTNとして送出される。

また、市外台等へ硬貨の収納を報知するときに
は、制御信号COSDによりスイツチ回路SW₅がオ
ンとなり、抵抗器R₈，R₉により単一周波信号が
分圧されたうえ送信々号LTNとして送出される。

なお、各単一周波信号の周波数は、目的に応じ
て周波数が選定され、これにしたがつてＸ軸信号
X₁〜X₄中のいずれかゞ定められる。

このため、特に可聴周波発生回路を別途に設け
ずとも、十分に目的が達せられ、本来プロセツサ
６は、可聴信号送出条件の判断を行なうものとな
つているのが一般的であり、スイツチ回路SW₁〜
SW₅の付加のみにより所定の機能が実現するた
め、構成の簡略化と共に所要消費電源の低減が達
せられる。

たゞし、可聴信号の送出条件は状況に応じた選
定が任意であり、これにしたがつて可聴信号を送
出する所望の所定回路を定めればよく、スイツチ
回路としては、各種のスイツチング素子、ゲート
回路等を用いてもよい等、種々の変形が自在であ
る。

〔考案の効果〕

以上の説明により明らかなとおり、本考案によ
れば、可聴信号の送出を行なう電話機の構成が簡
略化すると共に、価格の低減が達せられ、公衆電
話機のみならず、可聴信号の送出を必要とする各
種の電話機において多大な効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示し、第１図は全構成の
ブロツク図、第２図は信号発生回路の詳細を示す
ブロツク図である。 ５……通話回路、６……プロセツサ（制御回
路）、１０……キーボード、１１……信号発生回
路、１２……トーン送出回路、Ｔ……送話器、Ｒ
……受話器、Cr，Ct……コンデンサ、Tr，Tt…
…変成器、MFG……信号発生器、SW₁〜SW₅…
…スイツチ回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ダイヤル番号に応じた操作にしたがいＸ軸およ
   びＹ軸の出力を送出するキーボードと、前記Ｘ軸
   およびＹ軸の各単一出力に応じた２周波信号を発
   生しかつ前記各軸中のいずれか一方の単一出力と
   他方の複数出力とが同時に与えられたとき前記単
   一出力に応ずる単一周波信号を発生する信号発生
   器とを有する電話機において、前記信号発生器の
   出力を共通入力として送話器出力端、受話器入力
   端及び線路へ選択的に送出する複数のスイツチ回
   路と、前記信号発生器へ所望の単一周波信号を発
   生させる制御信号を与えると共にこの制御信号に
   対応する前記各スイツチ回路をオンとする制御回
   路とを備えたことを特徴とする電話機の可聴信号
   送出回路。