JPH01272807A - 溶融紡糸装置および該装置による溶融紡糸方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野」 本発明は、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリウ
レタン繊維のような熱可塑性合成ｍ維を溶融紡糸する装
置および方法に関する。さらに詳しくは、スピンボック
ス内のポリマ温度を高精度で温度制御することが可能か
つ容易な溶融紡糸装置および方法に関する。

［従来の技術］ 熱用塑性合成繊維を溶融紡糸する際、ポリマ溶融手段（
例えば押出機）により溶融供給されたポリマを導入する
通路、８４損するポンプ、紡糸パック内へ移送する通路
および紡糸パックを、スピンボックス本体内に配設し、
このスピンボックス本体を熱媒体により加熱することに
より、そのスピンボックスの内部を全体的に７ＩＱ熱す
る溶融紡糸装置が、一般的に用いられている。

また、上記とは装置描込が若干穴なり、スピンボックス
による加熱を紡糸バック挿看部およびその近傍の加熱用
のみとし、ポリマ通路部分の加熱には別の加熱手段を用
いる溶融紡糸装置が、復合紡糸と！■１−ポリマ紡糸と
の切替えが可能な溶融紡光装置として、特開昭６１−２
９６１１０号公報などで提案されている。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、前者の装置構造を右づる従来の溶融紡糸
装置では、一つの加熱手段によりスピンボックス内を全
体的に加熱しているので、同一スピンボックス内でもス
ピンボックス各部の保温性能や各装置部分の熱的特性（
断熱性や密閉性）の相違などにより、スピンボックス内
の位置が上下、左石のように異なれば、その各装置部分
の温度水準はかなり異なってくる。

この加熱温度水準のバラツキはポリマの熱履歴のバラツ
キとなるので、１ｑられた糸条の品質低下や操業成績の
安定性低下などの悪影響となって現れる。特に、同一ス
ピンボックスに複数の紡糸パックを挿着して多糸条を溶
融紡糸づる場合や、また、耐熱性が比較的不十分なポリ
マを癖融紡糸する場合などに、この悪影響は大きく現わ
れる。

ざらに、スピンボックス周囲の雰囲気温度（通常、常温
程度）に抗してスピンボックスを設定温度に維持するた
めその加熱手段はオン・オフを繰返すが、そのオン・オ
フの繰返しにより装置温度水準が経時的に変動する。こ
の装置温度の経時的変動もポリマの熱履歴のバラツキの
原因となるので、上記と同様な悪影響が現れる。

また、後者の装置のようにポリマ通路部分を独立の加熱
手段で加熱Ｊることとしても、この加熱手段も溶融紡糸
装置周囲の雰囲気温度の影響を受けることに代わりはな
いので、前述した各装置部分の温度バラツキや経時的温
度変動を防止することは困難である。

そこで、本発明は、前述した従来の溶融紡糸装置におけ
る各装置部分の温度バラツキや経時的温度変動を大巾に
かつ容易に改善することができ、紡糸バックに至る前の
ポリマ通路各部の温度を高精度で温度制御することが可
能な溶融紡糸装置ａ３よび方法を提供すること、さらに
、これにより製糸工程における操業性の安定化や製品品
質の向上を図ることが可能な溶融紡糸装置および方法を
提供することを主な目的とする。

特に、本発明は、同一スピンボックスに複数の紡糸パッ
クを挿着して溶融紡糸する場合や、耐熱性が比較的不十
分なポリマを用いる場合における操業性や製品品質を向
上させるために有効な溶融紡糸装置および方法を提供す
るものである。

［課題を解決するための手段］ この目的を達成するため、本発明は、少なくともポリマ
通路（４，５＞および紡糸パック（６）をスピンボック
ス（７）内に配設してなる溶融紡糸装置であって、前記
スピンボックス内を全体的加熱手段（８）により加熱す
るとともに、前記ポリマ通路を前記全体的加熱手段とは
独立した個別的加熱手段（１１）により加熱でる溶融紡
糸装置：および、スピンボックス（７）内に少なくとも
ポリマ通路（４，５＞および紡糸パック（６）が配設さ
れてなる溶融紡糸装置を用いて熱可塑性合成繊維を溶融
紡糸する際、前記ポリマ通路を個別的加熱手段（１１）
により、前記スピンボックス内全体の加熱手段（８）の
設定温度よりも０〜３０°Ｃ高い設定温度で加熱する溶
融紡糸方法からなる。

以下、本発明に係る溶融紡糸装置の一実施態様を示す第
１図（縦断面概略図）に沿って説明する。

図示した溶融紡糸装置において、スピンボックス７内に
、ポリマ移送路４、接続ブロック５などのポリマ通路、
および、紡糸パック６などが配設されている。この装置
において、押出機のようなポリマ溶融手段１により溶融
・供給された溶融ポリンは、ポリマ導入路２、ポリマ計
間部３、ポリマ移送路４、さらに、接続ブロック５を通
って、紡糸バック６内に流入し、この紡糸バック内で通
常の方θ：により濾過されて口金から吐出される。

スピンボックス７の最外部には、ジャケット掌８のよう
な全体的加熱手段が形成されており、そのジャケラ１〜
室８内には、“ダウサーム゛′ヤ“″デイフィール″（
商品名）のような熱媒体９が封入され、電熱ヒータ１０
により加熱されている。この装置構造においては、ジセ
ケット室８による加熱によりスピンボックス７内が全体
的に加熱されているが、本発明にいう全体的加熱手段は
、これに限定されず、仙の加熱手段、例えば、電熱ヒー
タや電磁誘導加熱手段により直接的に加熱する手段等に
よってもよい。

また、この装置構造においては、ポリマ通路用の個別的
加熱手段として、ポリマ移送路４および接続ブロック５
の部分を加熱する加熱手段１１を設置している。本発明
で個別的加熱手段を設置するポリマ通路とは、溶融ポリ
マが紡糸パック６内に流入する前のポリマの、スピンボ
ックス内における通路を一般的にさすが、特に、ポリマ
計量部３以降かつ紡糸パック６前の通路に個別的加熱手
段を設けることが有効である。

この個別的加熱手段として、図示した装置では、アルミ
鋳込みヒータを用いたが、他に、バンドヒータ、電ｖｉ
ｉ誘導加熱手段、熱媒体の加熱蒸気中あるいは加熱液中
にポリマ通路を配づることによる間接的加熱手段などを
用いることもできる。なかでも、ポリマ通路をその部分
の実際の温度水準に応じて局部的にも加熱制御すること
が迅速かつ容易に行えることからして、直接的にポリマ
通路を加熱する手段が好ましい。

また、この個別的加熱手段の設定温度は、単一ポリマ流
を紡糸する場合には、ポリマ流全部について実質的同じ
温度水準に設定すればよいが、複数のポリマ流から複合
紡糸する場合には、ポリマ流部に異なる温度設定が可能
な個別的加熱手段とし、ポリマ流部に最適な温度水準に
設定することが好ましい。

［作用］ 本発明に係る装置は、スピンボックス７内を全体的加熱
手段８で加熱することにより、スピンボックス内のほぼ
全体を溶融紡糸に必要な高温度水準あるいはその近辺ま
で高めること、さらに、このスピンボックス内の温度制
御された加熱雰囲気内に個別的加熱手段を設け、紡糸パ
ックに至る前のポリマ通路をこの個別的加熱手段により
加熱することを主たる特徴とするものである。

このように、ポリマ通路の加熱を二重の加熱手段により
行うと、スピンボックスを全体的に加熱することによる
温度制御が精度不十分でも、このスピンボックス内での
個別的加熱手段による温度制御により、スピンボックス
内の温度バラツキ、変動は十分補償することができ、温
度制御の精度を著しく高めることができる。

そして、この個別的加熱手段は、全体的に加熱され、し
かも外気の季節的温度変動や流動による温度変動の要因
から隔離されたスピンボックス内に設置することが必要
である。この個別的加熱手段をスピンボックス外に設置
しても、温度制御の精度向上という本発明の目的を達成
することは困難である。これは、温度変動幅が比較的小
ざいスピンボックス内で、しかも、直接上記のような外
乱を受けることなく加熱されるので、急激な加熱や、そ
れにより温度制御範囲の上限を越えてしまうといういわ
ゆるオーバーラン現象が生じることがなくなり、この結
果、精度の高い温度コントロールが可能となるためと考
えられる。ざらに、ポリマ通路を個別的に加熱するので
、その通路’ｆＡｒＵを実測しこの実測温度に基き加熱
の制御を行うことが容易であり、従って、そこを通過す
るポリマ温度が局部的に変化した場合でもそのポリマ温
度を適正温度に補正すること（いわゆるポリマ温度の安
定化）が短時間でしかも容易に達成できる。

全体的加熱手段による加熱温度設定水準は、ポリマ通路
の最適加熱温度水準と同程度あるいはそれよりやや低目
に抑えておき個別的加熱手段により最適加熱温度まで高
めるようにすること、すなわち、個別的加熱手段の設定
温度をスピンボックス内全体の加熱手段の設定温度より
も０〜３０℃高く設定すること、さらに好ましくは０〜
２０℃高く設定することが、温度制御の精度を高めるた
めに有効である。

この温度差が３０℃を越えると、個別的加熱手段による
加熱温度幅が比較的大ぎくなるため、この個別的加熱手
段による温度制御の精度が逆に悪化してくる傾向にある
し、また、この個別的加熱手段の設置された装置部分と
それ以外の装置部分との温度差によるポリマの不均一化
が生じ易くなる。

また、全体的加熱手段によりスピンボックス内を全体的
に加熱しても、通常の加熱手段では、熱伝導の関係から
しで、そのスピンボックス内各部の実際の温度は全体的
加熱手段の設定温度よりもやや低目となるのが実情であ
るから、全体的加熱手段と個別的加熱手段とを同温度に
設定しても、個別的加熱手段の設置部分の温度はその設
定温度以上にはならず、個別的加熱手段はその機能を発
揮できる。しかし、全体的加熱手段の設定温度の方が高
くなると個別的加熱手段はその機能を発揮することが困
難となる。

本発明により、溶融紡糸装置内におりるポリマ通路の温
度制御の精度が大巾に向上するので、その通路を流れる
溶融ポリマの温度が均一化されその熱狽歴のバラツキの
大巾な解消、それに伴う操業成績の向上、紡糸パック間
における操業成績や製品品質のバラツキの解消という効
果が奏される。

［実施例コ 第１図に示す構造を有する装置を用い、２００℃で溶融
した熱可塑性ポリ１クレタンボリマから、通常の方法で
繊維を溶融紡糸し引取りし巻取った。

この際、スピンボックスに取付けた全体的加熱手段８の
温度設定値、およびポリマ移送路・接続ブロックの部分
に取イ・」りた個別的加熱手段１１の温度設定値をそれ
ぞれ個別に変更して、溶融紡糸を繰返し、ポリマ通路（
接続ブロック）部分での温度を、それぞれ第２図（ポリ
マ移送路および接続ブロックの部分を示す部分拡大断面
図）における符号１３の位置で測定し、その結果を第１
表に示した。

この温度は、第２図に示したように接続ブロック５に、
そのポリマ流路内管（点線）に近接する位置まで細孔を
空（ブ、その中に測温体感知部１２を挿入することによ
り測定した値であり、この温度によりその部分を通過す
るポリマの温度を知ることができる。そして、その経時
的温度変動幅は５日間紡糸の平均値でもって、また、鍾
間温１宴差は、紡糸パック２鍾の間の差でもって表した
。

また、比較として、個別的加熱手段１１を取外した装置
で前記と同じ溶融紡糸を繰返し、その結果も第１表に示
した。

また、溶融紡糸し巻取るまでの紡糸糸切れ、および、得
られた未延伸糸を常法ににり延伸したポリウレタン延伸
糸の破断強度バラツキを測定した。

その紡糸糸切れは、紡糸パック１錘・１日あたりの糸切
れ回数でもって表し、また、破断強度バラツキは、各紡
糸錘４木、０８４８本の試料の破断強度値（（＋／ｄ　
）の標準偏差でもって表した。

第１表の結果から、個別的加熱手段を全体的加熱手段と
併用することにより、ポリマ通路におけるポリマの経時
的温度変動および鈍間温度差を大巾に抑えることができ
、この結果、製糸時の操業成績および１ｎられるｗ４別
の品質が向上することがわかる。

また、個別的加熱手段は、全体的加熱手段よりも０〜３
０℃高い温度に設定して加熱する条ｆｌ下で上記効果が
十分に発揮されることがわかる。なお、個別的加熱手段
の設定温度を全体的加熱手段の設定温度よりも５℃低く
したＮ００９の場合では、個別的加熱手段は全く作動状
態とならなかった。

［発明の効果］ 本発明によると、ポリマ通路の加熱温度を高精度で制御
することが可能になるので、溶融紡糸装置内におけるポ
リマ温度の経時的変動や鍾間差が大巾に改善され、これ
によるポリマ熱層歴の均質化により製糸工程における操
業成績の向上や製品品質、操業成績の安定化が達成でき
る。

ざらｋ、本発明は、装置的に簡単な手段で上記効果を１
ｑることができるものであり、工業的な溶融紡糸に有効
である。

本発明は、温度に敏感なポリマ（例えば、ポリウレタン
、共重合ポリアミドなど）を溶融紡糸する場合や、同一
スピンボックス内に複数の紡糸パックを挿着して紡糸す
る場合に特に有効であり、また、第１図に示すように単
一のポリマを溶融紡糸する場合にも、複数のポリマを溶
融複合紡糸する場合（図示なし）にも有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に係る溶融紡糸装置の一実施態様を示
す縦断面概略図でおる。 第２図は、実施例におけるポリマ通路の温度測定につい
て説明する部分拡大縦断面図である。 ［符号の説明］ ４：　ポリマ通路（ポリマ移送路） ５：　ポリマ通路（接続ブロック） ６：　紡糸パック ７：　スピンボックス ８：　全体的加熱手段（ジャケット室）１１：　個別的
加熱手段

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）少なくともポリマ通路および紡糸パックをスピン
   ボックス内に配設してなる溶融紡糸装置であつて、前記
   スピンボックス内を全体的加熱手段により加熱するとと
   もに、前記ポリマ通路を前記全体的加熱手段とは独立し
   た個別的加熱手段により加熱することを特徴とする溶融
   紡糸装置。
2. （２）スピンボックス内に少なくともポリマ通路および
   紡糸パックが配設されてなる溶融紡糸装置を用いて熱可
   塑性合成繊維を溶融紡糸する際、前記ポリマ通路を個別
   的加熱手段により、前記スピンボックス内全体の加熱手
   段の設定温度よりも０〜３０℃高い設定温度で加熱する
   ことを特徴とする溶融紡糸方法。