JPH0126710B2 - - Google Patents

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JPH0126710B2
JPH0126710B2 JP60070106A JP7010685A JPH0126710B2 JP H0126710 B2 JPH0126710 B2 JP H0126710B2 JP 60070106 A JP60070106 A JP 60070106A JP 7010685 A JP7010685 A JP 7010685A JP H0126710 B2 JPH0126710 B2 JP H0126710B2
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JP
Japan
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group
hydrogen
general formula
adsorbent
carbon atoms
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Takeshi Sonoda
Yoshitaka Tanaka
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Agency of Industrial Science and Technology
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Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は血液浄化用吸着剤に関する。詳しく
は、血液は又血漿中の病因物質を除去するために
吸着剤を使用する際に、血小板や血漿蛋白質中の
吸着剤への付着を抑制し安全に治療を行なうため
の、吸着剤の被覆剤に関する。 [従来の技術] 肝機能障害時や薬物中毒時に脳障害、肝壊死な
どの原因になるとみられる血液中の有害成分や腎
不全時の有議害な代謝産物などを、活性炭やイオ
ン交換樹脂による吸着、透析あるいは過によつ
て除去する療法が人工肝臓あるいは人工肝補助、
人工腎臓と称されて近年臨床的に実施されてい
る。さらに最近では自己免疫疾患などの治療に病
因とみられる血液中の坑体を除去する免疫吸着剤
も開発されようとしている。 このうち、吸着剤を用いる血液潅流法において
は、吸着剤粉末の血液中への遊離、血液の疑固、
溶血、血小板の減少などを避けるため、種々の被
覆剤で吸着剤を被覆することが行なわれてきた。
その代表例は、ポリヒドロキシエチルメタクリレ
ートで被覆すること(米国人工臓器学会誌17
222頁(1971))であり、この方法はコロジオンや
ゼラチン等で被覆する方法にくらべ血液適合性が
すぐれている。しかしながら、ポリヒドロキシエ
チルメタクリレート等の親水性アクリレート類に
よる被覆のみでは被覆層の強度が弱く、その一部
の剥落がみられ、これを避けることが望まれる。 この目的のためには、吸着剤を被覆する際に用
いる重合体溶液中に適当な二官能性単量体(架橋
剤)や重クロム酸塩や遊離ラジカル触媒などの硬
化剤を混合して、被覆後の熱処理などによつて架
橋硬化させる方法が知られている(特開昭50−
76219)がこの方法では未重合の架橋剤や、硬化
剤の一部がわずかに被覆層中に混入し、使用時に
血液中へ溶出する可能性は否定できない。 それらを改良した方法として、後架橋剤として
エポキシ基やN―メチロール基を有する重合性単
量体を共重合する方法が提案されている(特開昭
53−103696、特開昭56−54853)。しかしながら、
これらの方法によつて吸着剤粉末の遊離は抑えら
れたが、血液や血漿中の凝固線溶系への悪影響は
大きく、例えば市販活性炭吸着剤を肝不全患者の
治療に用いた場合などには、血液凝固線溶機能を
乱し、出血による死亡例さえもが出ている。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明の目的は、例えば2―ヒドロキシエチル
メタクリレートのような分子量が200以下の親水
性単量体を含有する合成高分子では達成できない
抗血栓性や血液適合性にすぐれた被覆層で被覆さ
れた血液浄化用吸着剤を提供することにある。 [問題点を解決するための手段] 本発明は 一般式() (但し()においてR1は水素又はメチル
基;R2は置換基を有し又は有しない炭素数2〜
3の二価アルキレン基もしくは、炭素数の合計が
20以下のポリ(オキシアルキレン)基;R3は水
素又は炭素数1〜3のアルキル基である。)で表
わされる親水性アクリル酸エステル又はメタクリ
ル酸エステル系単量体が80〜10重量%と、 一般式()―1 (但し()―1においてR1は水素又はメチ
ル基;R2は水酸基又は炭素数1〜4のアルコキ
シ基又はCHφ(φはフエニル基);nは15以上)
で表わされるアクリル酸エステル又はメタクリ酸
エステル単量体あるいは、 一般式()―2 (但し()―2においてR1は水素又はメチ
ル基;nは15以上)で表わされるビニル単量体で
あつて、これら()の単量体が10〜40重量%
と、 一般式() (但し()においてR1は水素又は、メチル
基;R2は炭素数1〜4のアルキル基である。)で
表わされるアクリル酸エステル又はメタクリル酸
エステル単量体が10〜50重量%からなる(メタ)
アクリル酸成分と、これに加うるに後架橋のため
N―メチロール基、N―メチロールエーテル基、
又はエポキシ基を有する少量の重合性単量体とを
主成分とする親水性共重合体を吸着剤に被覆し、
加熱して該被覆層を架橋してなる血液浄化用吸着
剤を提供するものである。 本発明の好ましい組成の例は()として2―
ヒドロキシエチルメタクリレートを30wt%、
()としてメトキシポリエチレングリコールメ
タクリレートを(MnG)でn=100の単量体
(M100G)を30wt%、()としてメチルメタク
リレートを40wt%、それに加うるにN―メチロ
ールアクリルアミドを()、()、()の合計
量に対し1.0wt%添加し重合した共重合体である。 すなわち、本発明の目的を達成するためには、
側鎖に柔軟性および親水性に富むn=15以上のポ
リエチレンオキサイド(PEO)を有する単量体
(―1又は―2)を共重合することが必須で
ある。しかしながら、単に()と()とを共
重合した場合は、得られたポリマは水溶性となる
か、非常に溶出物が多い医療用に使い難いものと
なる。 それを解消するため、()と同量程度の疎水
性に近い(メタ)アクリル酸エステル()を共
重合するものである。さらにこれらに加うるに加
熱による後架橋で被覆層の強度を大きくするため
の架橋剤として少量のN―メチロール基、N―メ
チロール基、又はエポキシ基を有する重合性単量
体を共重合するものである。 以下に、本発明による血液浄化用吸着剤の構成
について詳述する。 吸着剤としては、活性炭、アルミナ、シリカ、
多孔質ガラスビーズ、有機系合成吸着剤(アンバ
ーライトXAD、ポリビニルアルコールビーズな
ど)あるいは、それらの担体として、トリプトフ
アンやフエニルアラニンなどのアミノ酸を担持し
た吸着剤、ポリリポサツカライドやモノクローナ
ル坑体などを担持したいわゆる免疫吸着剤など、
従来用いられている吸着剤が用いられる。 吸着剤の形状はなるべく角や稜がないもの、す
なわち真球状のものや繊維のような円筒状のもの
が適当である。 活性炭を用いる場合には特に石油ピツチを原料
とする球状活性炭が好適である。吸着剤の寸法は
径0.1〜5mm、特に0.5〜1mm程度のものが吸着性
能が大きく、圧損失が少ないので好ましい。従つ
て、本発明の共重合体を被覆した球状活性炭吸着
剤は、当該技術の最も好ましい組合せの例であ
る。 本発明の被覆層の母体となる親水性共重合体と
は、親水性アクリレート系または親水性はメタア
クリレート系共重合体である。 その主成分は、先に述べたように一般式()、
()および()の重合性単量体からなり、そ
れに少量の後架橋剤を使用するものである。 一般式()の単量体は次の化合物である。 (但し()においてR1は水素又はメチル
基;R2は置換基を有し又は有しない炭素数2〜
3の二価アルキレン基、もしくは、炭素数の合計
が20以下のポリ(オキシアルキレン)基;R3
水素又は炭素数1〜3のアルキル基である。)で
表わされる。置換または未置換のヒドロキシまた
はアルコキシアルキル(メタ)アクリレート類、
もしくはポリ(アルキレングリコール)(メタ)
アクリレート類(但し、アルキレングリコールの
部分の炭素数の合計は20以下)からなる単量体の
群から選択される1種または2種以上の単量体が
適当であり、具体的にはヒドロキシエチルメタク
リレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒド
ロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシプロ
ピルアクリレート、ポリエチレングリコールモノ
メタクリレート、ポリエチレングリコールモノア
クリレート、ポリプロピレングリコールモノメタ
クリレート、ポリプロピレングリコールモノアク
リレート、メトキシエチルメタクリレート、メト
キシエチルアクリレートなどが挙げられる。 一般式()の単量体は2種に大別される次の
化合物である。 (但し()―1においてR1は水素又はメチ
ル基;R2は水酸基又は炭素数1〜4のアルコキ
シ基又はCHφ(φはフエニル基);nは15以上)
で表わされる、ポリ(アルキレングコール)(メ
タ)アクリレート類からなる単量体の群から選択
される単量体が適当であり、具体的にはポリエチ
レングリコールモノメタクリレート、ポリエチレ
ングリコールモノアクリレート、メトキシポリエ
チレングリコールメタクリレート、エトキシポリ
エチレングコールメタクリレート、メトキシポリ
エチレングリコールアクリレートなどが挙げられ
る。 (但し()―2においてR1は水素又はメチ
ル基;nは15以上の整数)で表わされるビニル単
量体も一般式()のポリエチレングリコール
(nは15以上)として使用される。 これらの付加重合性化合物の製法は公知であ
り、例えば()―1のうちR1=CH3、R2
OCH3の化合物は、メタノールにエチレンオキサ
イドを付加して得られる片末端メトキシポリエチ
レングリコールとメタクリル酸メチルのエステル
交換反応により得ることができる。()―1お
よび()―2中のポリエチレンオキサイドの重
合度nは該化合物の分子量をゲルパーミエイシヨ
ンクロマトグラフイーなどので測定することがで
き、本発明の目的を達成するためにはnは15以上
が好ましく、特にnは20以上が好ましく、さらに
は50以上が好ましい。 一般式()の単量体は次の化合物である。 (但し()においてR1は水素又はメチル
基;R2は炭素数1〜4のアルキル基である。)で
表わされる(メタ)アクリル酸エステル類であ
る。 具体的にはメチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート、プロピルメタクリレート、メチルア
クリレート、エチルアクリレートなどが挙げられ
る。 本発明の被覆層の母体となる親水性共重合体は
上述の()、()および()のそれぞれから
選ばれる少なくとも1種以上の単量体を共重合す
ることにより得られるが、本発明の目的である血
液適合性にすぐれる性能には、()のポリ(ア
ルキレングリコール)を有する化合物が最も寄与
している。すなわち、本発明の基本には()を
可能なかぎり多く含み、機能的特性にすぐれた被
覆層を作ることにある。さらには、これを用いて
吸着剤を被覆する際にエチルアルコールのような
安全性が高い溶媒に溶解でき、しかも水や血液と
接触した際、この親水性共重合体に基ずく溶出物
が少なく、吸着剤の吸着性能を十分保持できる被
覆層を作ることにある。 単量体()の役割は、後架橋剤との反応によ
る機械的特性の改善、エチルアルコールへの溶解
性向上、多孔質被覆層形式にあり、単量体()
の役割は架橋前の強度の保持と溶出物の低減にあ
る。 親水性共重合体()、()および()の組
成比は、上の理由により、単量体()の含有量
が10〜40wt%と変化するに従い、架橋前の特性
を維持するため()は10〜50wt%とほぼ同量
に近い値(()は()の1/2〜2倍の範囲内に
ある。)で変化する。単量体()はそれに伴な
つて決る値となる。より好ましい組成比は()
が20〜35wt%、()が25〜45wt%。()が55
〜20wt%である。 すなわち、()が10wt%以下においては、血
液適合性の発現が十分でなく、40wt%より多く
なると親水性共重合体が水溶性となり好ましくな
い。()の値が10wt%の際にその水溶性を抑え
るための()の値は10wt%以上を必要とする。
また、()が50wt%以上となると被覆溶媒とし
て最も好ましいエチルアルコールに不溶となり好
ましくない。 次に被覆層の強度向上および溶出防止のために
加熱による後架橋剤として添加されるN―メチロ
ール基、N―メチロールエーテル基又は、エポキ
シ基を有する重合性単量体としては、一般式
()〜()の化合物である。 一般式()の単量体としては、 (但しR1,R2,R3は水素又はメチル基;R4
水素又は炭素数1〜4のアルキル基)で表わされ
る単量体群から選択される単量体、具体的にはN
―メチロールアクリルアミド、N―メチロールメ
タクリルアミド、N―n―プトキシメチルアクリ
ルアミドなどが好適であり、特に被覆層の強度向
上及び溶出防止のために熱処理によつて架橋する
際に生ずる主成物が水である、N―メチロールア
クリルアミド及びN―メチロールメタクリルアミ
ドが適する。 一般式()〜()の単量体としては、 又は一般式 (但し()()、()において、R1,R1′,
R1″は、()におけるR1と同じ、また()に
おいてR2は置換基を有し又は有しない炭素数1
〜3の二価アルキレン基又はポリ(オキシアルキ
レン)基である)で表われる単量体群から選択さ
れる単量体、具体的にはグリシジルメタクリレー
ト、グリシジルアクリレート、グリシジルクロト
ネート、アリルグリシジルエーテル、メタリルグ
リシジルエーテル、ブタジエンモノオキシド、イ
ソプレンモノオキシドなどが好適であり、上記親
水性(メタ)アクリル酸エステル系単量体との共
重合のしやすさから、特にグリシジルメタクリレ
ート又はグリシジルアクリレートが適する。 これら後架橋剤として添加されるN―メチロー
ル基、N―メチロールエーテル基、又はエポキシ
基を有する重合性単量体の仕込割合は、先の
()、()および()の重合性重合体の和を
100として、これに加うるに0.1〜10重量%、好ま
しくは0.1〜5重量%、通常0.1〜1重量%の少量
で十分である。 本発明の被覆層を構成する親水性共重合体は上
記()、()、()から選択された単量体を主
成分とし、()〜()から選択された少量の
後架橋剤を共重合成分として、溶液重合、懸濁重
合などの通常の方法で重合して調製される。 また、必要に応じて上記の共重合体に少量の他
の成分を共重合して用いることは何ら差つかえな
い。特にジメチルアミノエチルメタクリレート
や、ジエチルアミノエチルメタクリレートなどの
塩基性化合物を少量、例えば0.1〜2重量%程度
共重合することは、後架橋後の溶出物を低減させ
るに効果があり、好ましいことである。 重合法の一例として溶液重合の例を挙げると、
メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミド
あるいは、それらと水、アセトンなどの混合溶媒
などの溶媒中、アゾビスイソブチロニトリル、ア
ゾビス―2,4―ジメチルバレロニトリル、ジイ
ソプロピルパーオキシカーボネート、ターシヤリ
ーブチルパーオクトエートなどの通常のラジカル
重合開始剤を用いて100℃以下、好ましくは30〜
70℃で重合して得られる。得られる重合体は非溶
媒中で洗浄あるいは繰返し沈澱することによつて
精製する。好ましい精製法は重合体を水中に沈澱
させて洗浄する方法である。N―メチロール基あ
るいはN―メチロールエーテル基を有する重合性
単量体は水への溶解度が極めて高く、エポキシ基
を有する重合性単量体にくらべて残留の可能性が
少なく、より好ましい架橋剤といえる。得られた
重合体はメタノール、エタノールあるいはアセト
ンなど適当な溶媒の溶液とし、浸漬、吹付けもし
くは湿式凝固法などにより吸着剤を被覆すること
ができる。その際の溶液の重合体濃度は、0.01〜
5%、好ましくは0.2〜2%である。 被覆後は風乾ののち、70〜150℃で熱処理する
ことにより、被覆層を構成する重合体は、その中
に含まれるN―メチロール基、N―メチロールエ
ーテル基あるいはエポキシ基の反応のための架橋
不溶化し、耐摩耗性が向上し、微粒子の発生が大
巾に低減し、さらに医療用として不可欠な滅菌操
作(特に高圧蒸気滅菌)の際、被覆層からの溶出
を抑制することができる。 また、被覆工程を2回以上行なうことにより、
この効果はさらに確実にすることができる。 本発明で得られた、被覆された吸着剤は、高圧
蒸気、乾熱、エチレンオキサイドやホルマリンな
どの薬剤もしくは放射線照射などで滅菌したの
ち、血液の直接潅流吸着あるいは血漿の潅流吸着
さらには限外過や腹水の潅流吸着などにより、
毒物中毒、肝性昏睡、腎不全、免疫疾患などの治
療および保存血液中の有害物質の除去など、体液
中の有害物質の除去による疾病の予防および治療
に用いられる。 [発明の効果] 本発明の親水性共重合体を被覆してなる血液浄
化用吸着剤は、被覆前の吸着剤の吸着性能を大き
く損うことなく、吸着剤粉末の血液中への融離を
防止するとともに、血小板や血漿蛋白質の付着を
抑制し凝固線溶系への悪影響を防止し安全に体外
潅流を実施できる特性を有する。 なお、各種血液成分の付着に関しては、走査型
あるいは透過型の電子顕微鏡、アミノ酸分析など
の方法で付着血球成分や付着蛋白質成分を測定す
ることにより定量できる。一方、医療用途として
の評価、例えば坑血栓性に関しては、Lee―
White法、モデル動物によるex vivoテストで評
価できる。 以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。 なお、実施例中の部は重量部を示す。 実施例1および比較例1〜3 ヒドロキシエチルメタクリレート30部、メトキ
シポリエチレングリコールメタクリレート(この
化合物中のポリエチレンオキサイドの重合度n=
100)30部、メチルメタクリレート40部、N―メ
チロールアクリルアミド1.0部、ジメチルアミノ
エチルメタクリレート0.5部、アゾビス―2,4
―ジメチルバレロニトリル0.1部、エチルアルコ
ール600部の混合液をアルゴン雰囲気中50℃で24
時間攪拌して得た共重合体溶液を水中に入れ、生
じた沈澱物を小さく破砕して水で十分洗浄した。 洗浄後遠心法で水切りした含水重合体95%エチ
ルアルコール中の濃度1.0%の溶液として被覆液
を調製した。 太洋化研(株)製球状活性炭BAC―MUL(粒径0.4
〜0.8mmの球状)を前洗浄、乾燥後、活性炭:被
覆液=1:2の割合で浸漬した。 この活性炭を過、風乾、80℃で一夜乾燥後、
さらに120℃で3時間を熱処理し、ついで水中で
十分洗浄した。この試料および比較のため十分水
で洗浄したが被覆処理を適さない上記球状活性炭
(比較例1)、ヒドロキシエチルメタクリレート
100部とN―メチロールアクリルアミド1.0部から
実施例1と同様の共重合を行ない得られた親水性
共重合体を用いて同様の被覆処理を行なつた球状
活性炭(比較例2)、ヒドロキシエチルメタクリ
レート100部とグリシジルメタクリレート1.0部か
ら実施例1と同様の共重合を行ない得られた親水
性共重合体を用いて同様の被覆処理を行なつた球
状活性炭(比較例3)の計4種を用いて以下の如
く吸着性能、溶出物、微粒子の発生及び血液適合
性の評価を行なつた。 1 吸着性能 クレアチニン20mg/dl、アルブミン1g/dl
を含む。PH7.4のリン酸緩衝生理食塩水溶液150
mlに試料活性炭、それぞれ2.5gを加えて37℃
で100r.p.mのしんとう下、2時間の吸着を行な
つた。その際のクレアチニンの吸着量を、表1
に示す。 ビタミンB1240mg/dlを添加したAKソリタ
溶液(清水製薬(株)製人工腎臓透析液を35倍に希
釈した溶液)150mlに試料活性炭2.5gを加え同
様の吸着を行なつた際のビタミンB12の吸着量
を表1に示す。
【表】 すなわち、これらの被覆剤による被覆によつ
て吸着性能の低下はほとんどみられない。 2 被覆剤からの溶出物 先に重合した被覆剤(実施例1、比較例2、
比較例3)の水洗後の沈澱物を真空乾燥後、
120℃で3時間熱処理して得られるガラス状破
砕片それぞれ2gを蒸烈留水100mlに入れ、蒸
気減菌器中121℃、1時間の加熱を行なつた。
その上澄液20mlをとり、これに0.01N―
KMnO4水溶液20mlを加え、常法により
KMnO4消費量による溶出物試験を行なつた。
ブランクとしては、蒸留水20mlを用い、その滴
定量の差を求め表2の結果を得た。 さらに先に被覆した活性炭それぞれ10gを用
いて同様の操作を行ない表2の結果を得た。
【表】 結果は、溶出量(過マンガン酸カリウム消費
量)に若干の差はあるものの、いずれも医療用
に使える範囲であつた。 3 微粒子の発生 先に被覆した被覆活性炭(実施例1、比較例
1)をそれぞれ内容積300mlのポリプロピレン
製容器(臨床使用にも使えるように成型した両
端に血液回路との接続口を有する筒型容器)に
充填し無菌水で洗浄した後、生理食塩液(扶桑
薬品工業(株)フイシザルツ)に置換し、121℃20
分間の蒸気滅菌を行なつた。これらをダンボー
ルに入れ鎌倉市と京都市の間をトラツク便で往
復させた後、容器中充填液を生理食塩液で、
200ml/分で押し出し、それぞれ最初の100ml
2000ml流した後の100mlを検液とした。生理食
塩液を比較例としてコールターカウンター(モ
デルTA―)で検液中の微粒子数(2ミクロ
ン以上、5ミクロン以上、および25ミクロン以
上に分けて測定)を測定し表3の結果を得た。
【表】
【表】 4 血液適合性 先に得られた3種の被覆剤(実施例1、比較
例2および比較例3)を95%エチルアルコール
に溶解した濃度1.0%の被覆液中に2cm×20cm
のたんざく形に切り出したポリエチレンテレフ
タレートフイルム(東レ・ルミラー、膜厚
75μ)に短時間浸漬した。これらを乾燥室素気
流中50℃で乾燥後、さらに120℃で3時間熱処
理し、ついで水中で十分洗浄した後50℃で乾燥
した。 この3種の被覆したフイルムと未被覆のフイ
ルム、およびガラス板(パイレツクス7740)を
用いて、それらへの血小板および血漿蛋白質の
付着量を測定した。 ウサギの頚動脈から3.8%クエン酸ナトリウ
ムを加えて採取した新鮮血から遠心分離によ
り、多血小板血漿(PRP)および貧血小板血
漿(PPP)を調整し、それぞれの検体と37℃
で3時間接触させた後、リン酸緩衝液で洗浄
し、3%グルタルアルデヒド溶液で固定した。 これらの検体の電子顕微鏡観察と、付着物を
塩酸で分解して得られたアミノ酸量から蛋白質
を換算した。 なお、血小板付着量はPRPで蛋白付着量か
らPPPでの蛋白付着量を差し引いた値とした。 結果を表4に示す。 すなわち、本発明の被覆剤で被覆すると、血
栓の主因となる血小板の付着が完全に抑制さ
れ、血漿蛋白質の付着も大巾に抑制される。
【表】 実施例 2 実施例1の微粒子の発生評価の方法で作製した
内容積300mlの活性炭吸着筒を前日に両腎を摘出
した腎不全犬(16Kgの雑犬)を用いて評価した。 “ネンブタール”(大日本製薬(株)麻酔下に大腿
動静脈に人工腎臓用血液回路を用いて活性炭吸着
筒を接続し、100ml/分の流量で血液潅流実験を
行なつた。その結果血中クレアチニンは2.9mg/
dlから0.6mg/dlに低下し、活性炭吸着筒を接続
しない場合覚醒しない摩酔下の犬がこの実験では
約20分毎覚醒し、そのたび毎にネンブタール1ml
を追加投与する必要があつた。 その間、血液回路、活性炭吸着筒には凝血およ
び溶血は全く認められず、比較例2および比較例
3の活性炭を充填した活性炭吸着筒を使用した際
にみられる部分トロンボプラスチン時間の延長
(血液凝固線溶系の乱れを示す)も軽度であり、
安定した血液潅流を行ない得た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式() (但し()においてR1は水素又はメチル
    基;R2は置換基を有し又は有しない炭素数2〜
    3の二価アルキレン基もしくは、炭素数の合計が
    20以下のポリ(オキシアルキレン)基;R3は水
    素又は炭素数1〜3のアルキル基である。)で表
    わされる親水性アクリル酸エステル又はメタクリ
    ル酸エステル系単量体が80〜10重量%と、 一般式()―1 (但し()―1においてR1は水素又はメチ
    ル基;R2は水酸基又は炭素数1〜4のアルコキ
    シ基又はCHφ(φはフエニル基);nは15以上)
    で表わされるアクリル酸エステル又はメタクリ酸
    エステル単量体、あるいは、 一般式()―2 (但し()―2においてR1は水素又はメチ
    ル基;nは15以上)で表わされるビニル単量体で
    あつて、これら()の単量体が10〜40重量%
    と、 一般式() (但し()においてR1は水素又はメチル
    基;R2は炭素数1〜4のアルキル基である。) で表わされるアクリル酸エステル又はメタクリル
    酸エステル単量体が10〜50重量%からなる(メ
    タ)アクリル酸成分と、これに加うるに後架橋の
    ためN―メチロール基、N―メチロールエーテル
    基、又はエポキシ基を有する少量の重合性単量体
    とを主成分とする親水性共重合体を吸着剤に被覆
    し、加熱して該被覆層を架橋してなる血液浄化用
    吸着剤。
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