JP2742808B2 - 抗血栓性を有するビリルビン吸着剤 - Google Patents

抗血栓性を有するビリルビン吸着剤

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、特に血液と直接接触する部位に用いる医用
材料として好適な、抗血栓性に優れた重合体、及び、該
重合体を構成成分とするビリルビン吸着剤に関する。
〔従来の技術およびその問題点〕
医用材料、特に血液と直接接触する、例えば、人工心
肺、人工腎臓、血管カテーテル、血管バイパスチュー
ブ、人工心臓ボンピングチェンバー、血液貯蔵用容器、
血液浄化用吸着剤等は、生体適合性、特に抗血栓性に優
れていることを必要とされている。
従来、上記医用材料としては、シリコーン樹脂、軟質
ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂等が一般的であり、
また、血液浄化用吸着剤としては活性炭もしくは上記樹
脂を構成成分とする多孔化重合体粒子が用いられてい
る。しかし、これら樹脂等は必ずしも抗血栓性に優れて
いるとはいい難く、このことは、血液と接触する部位に
用いられる医用材料としては大きな欠点となっており、
このため、これら樹脂の抗血栓性を改善する種々の試み
がなされている。
例えば、活性炭吸着剤の場合には、「Poly−HEMAコー
ト処理」と称し、該活性炭をヒドロキシ(メタ)アクリ
レートポリマーで被覆することが一部で実用化されてい
る(化学同人社発行、化学増刊84、バイオメディカルポ
リマー、第141〜152頁)。しかしながら、ヒドロキシ
(メタ)アクリレートポリマーの抗血栓性はそれ程優れ
ているとはいい難く、活性炭吸着剤の抗血栓性の改善効
果が小さいという問題点があり、また、該ポリマーは水
中での被膜強度が低くなる傾向があり、吸着剤の取扱方
法によっては被膜の一部が剥落して血液中に混入すると
いう問題点もある。
また、吸着剤が多孔質合成樹脂粒子の場合は、該粒子
の平均細孔径が数十〜数千Åの多孔質構造の重合体粒子
であり、該粒子は上記活性炭と異なり、重合体組成及び
重合条件等を適宜に変えることによって、得られる重合
体粒子の多孔質構造を、被吸着物質の大きさに合わせて
比較的容易にコントロールすることができるので、生体
関連物質のような高分子量物質の吸着剤として有用であ
る反面、その特異な表面構造からくる難しさも加わり、
直接血液潅流法での使用に耐え得るだけの抗血栓性を有
するまでには至っていない。このため、該合成樹脂吸着
剤を血液浄化用に用いる場合は、低密度リポ蛋白吸着剤
にみられるように、他の治療法では得られない劇的な効
果が認められてはいるものの、抗血栓性の問題から、血
漿分離器により血球成分を分離した血漿のみを吸着剤に
潅流させることが必要となり、治療用装置の複雑化、ひ
いては治療費の増大を招くと共に、装置内を循環する血
液量も増大し、患者への負担が大きくなるという問題点
がある。
さらにまた、上記吸着剤以外の医用材料においては、
抗凝固剤、例えば、ヘパリン、ウロキナーゼ等を上記樹
脂に混合したり、または、化学的に結合せしめたり、あ
るいは、コーティングするなどの方法によって抗血栓性
を改善する試みがなされているが、これらの方法によっ
ても抗血栓性が十分に改善されたとはいい難く、また、
滅菌のための熱処理等によって抗血栓性能が消失ないし
低下するという問題点がある。
本発明は、上記のような現状に鑑み、抗血栓性に優れ
た重合体を得るべく鋭意研究を重ねた結果、特定の構造
のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートオリゴマー
を共重合体の一成分とすることによって、上記問題点の
解消が可能であることを見いだして、本発明を完成する
に至ったものである。
〔問題を解決するための手段〕
すなわち、本発明は、 (1)ビニルモノマー、及び、下記一般式[I] (但し式中、Rは水素原子またはメチル基でありそれぞ
れ同一であってもまた異なっていてもよく、Zはエチレ
ン基及び/又はプロピレン基から選ばれる2価の有機基
であり、nは1〜100の整数である) で示される末端に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エ
ステルオリゴマー(以下、「HAAオリゴマー」と称す
る)の共重合体を構成成分とする多孔質重合体粒子から
なる抗血栓性を有するビリルビン吸着剤に関するもので
ある。
本発明において、上記重合体を得るのに用いることの
できるビニルモノマーの具体例としては、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、グリシジル(メタ)アクリレート等のアクリル系モ
ノマー、及び、酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、ジ
ビニルベンゼン等であり、これらビニルモノマーは単独
で、あるいは、2種以上の組合せで用いることができ
る。
上記重合体における他の成分であるHAAオリゴマー
は、下記一般式[I] (但し式中、Rは水素原子またはメチル基でありそれぞ
れ同一であってもまた異なっていてもよく、Zは炭素数
2〜20の2価の有機基でありそれぞれ同一であってもま
た異なっていてもよく、nは1〜100の整数である) で示される化合物であり、特に、上記式中Zは炭素数2
〜10の有機基、好ましくは2〜5、さらに好ましくは2
〜3の有機基であるエチレン基及びプロピレン基である
のが好ましい。また、nは1〜100の整数からなる化合
物であり、具体的には、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレートオリゴマー、ヒドロキシプロピル(メタ)アク
リレートオリゴマー、ヒドロキシブチル(メタ)アクリ
レートオリゴマー、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリ
レートオリゴマー、ジエチレングリコールモノ(メタ)
アクリレートオリゴマー、ジプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレートオリゴマー、ヒドロキシシクロヘ
キシル(メタ)アクリレートオリゴマー等であり、これ
らオリゴマーは単独で、あるいは、2種以上の組合せで
用いることができる。
本発明の重合体において、上記ビニルモノマーとHAA
オリゴマーの共重合比は、特に限定するものではなく、
各々の用途に応じて適宜決定することができる。一例と
しては、ビニルモノマー対HAAオリゴマーが、50〜95重
量%:50〜5重量%の範囲とするのが好ましい。該共重
合比において、HAAオリゴマーの共重合比率が上記範囲
を外れて多くなると、抗血栓性は良好となるが、その他
の特性、例えば、耐水性、機械的強度等に低下傾向が見
られるようになる。
本発明の重合体を製造するのに、特殊な製造法を必要
とするものではなく、公知の重合方法、例えば、溶液重
合法、懸濁重合法、乳化重合法、塊状重合法等によって
製造することができる。
以上のようにして得られる本発明の重合体は、共重合
成分として上記特定のHAAオリゴマーを用いているの
で、優れた抗血栓性を示し、この抗血栓性を利用して人
工心臓、人工肺、人工腎臓、人工血管、カテーテル、血
液貯蔵用容器等の種々の医用材料として利用できる他、
該重合体を溶液状とすることによって、活性炭吸着材の
コート処理剤として、あるいは、上記種々の医用材料の
被覆処理剤として利用し得る。
本発明のビリルビン吸着剤は、上記重合体におけるビ
ニルモノマー、及び、HAAオリゴマーの共重合体を構成
成分とする多孔質重合体粒子からなるものであり、該多
孔質重合体粒子は、以下のような製造例よって製造する
ことができる。なお、以下に述べる製造例は一例に過ぎ
ないものであり、本発明はこの製造例によって限定され
るものではない。
すなわち、本発明のビリルビン吸着剤は、上記のビニ
ルモノマーとHAAオリゴマーの所定量を混合し、これに
所望の多孔質構造が得られる量の多孔化溶剤を加え、水
中で懸濁重合後、生成した共重合体粒子を適宜な精製工
程で処理して、該粒子中に残存している多孔化溶剤、及
び、未反応モノマー等を除去することにより製造するこ
とができる。
本発明のビリルビン吸着剤において、ビニルモノマー
としては、上記第1発明の重合体を得るのに用いた種々
のビニルモノマーが何れも使用可能であるが、ジビニル
ベンゼン、及び、グリシジル(メタ)アクリレートを用
いるのが好ましく、特にジビニルベンゼン35〜99重量
%、及び、グリシジル(メタ)アクリレート65〜1重量
%の範囲で混合して用いるのが好ましい。
本発明でいう多孔化溶剤とは、「混合モノマーとは完
全に相溶するが、重合により生成したポリマーを溶解し
ない溶媒」を意味し、該溶媒の共存下で上記混合モノマ
ーを懸濁重合すると、その多くは直径1μm以下の著し
く微細なポリマー一次粒子を生成し、これが凝集体とな
って一般にマクロレティキュラー型多孔性樹脂と称され
る多孔質粒子を形成する。
上記多孔質重合体粒子の製造において、好ましく用い
ることのできる多孔化溶剤としては、炭素数5〜12個の
一価アルコール(但し、tert−アミルアルコールを除
く)、または、リシノール酸と一価または二価アルコー
ルのエステル化物等であり、これら多孔化溶剤は皮張り
や割れ等の表面欠陥の無い粒子が得られる点で優れてい
る。
なお、上記多孔質粒子の抗血栓性及びビリルビン吸着
性は、該粒子のモノマー組成、粒子表面の物理的形状、
及び、粒子自体の大きさ等にも関係し、例えば、上記ビ
ニルモマーとHAAオリゴマーの共重合比において、HAAの
共重合比が多くなるにつれて抗血栓性が良好となるが、
耐水性、機械的強度等の低下傾向が現れるようになるの
で、本発明のビリルビン吸着剤において好ましいモノマ
ー組成は、ビニルモノマー対HAAオリゴマーが50〜95重
量:50〜5重量%の範囲である。また、粒子径が大きく
なるにつれて抗血栓性は良好となるが、吸着速度が低下
する傾向があるので、実用に適した粒子径としては、両
特性のバランスの点から直径0.3〜1.0mm程度とするのが
好ましく、この様な比較的大粒子径の粒子を得るのに好
ましい多孔化溶剤の具体例としては、リシノール酸メチ
ル、リシノール酸エチル、リシノール酸−n−ブチル等
のリシノール酸アルキルエステルであり、また、これら
にエチレングリコール−モノ−リシノレート、プロピレ
ングリコール−モノ−リシノレート、4−メチル−2−
ペンタノール等を適宜加えた混合物も同様に好ましく用
いることができる。
また、懸濁重合法それ自体は特殊なものではなく、従
来公知の方法でおこなうことができ、生成した重合体粒
子は、適宜な精製方法、例えば、始めに水、次いでメタ
ノールで洗浄し、さらにアセトンで恒量になるまでソッ
クスレー抽出し、粒子中に残存している多孔化溶剤及び
未反応モノマー等を除去することにより、血液浄化のた
めのビリルビン吸着剤として好適な多孔質粒子とするこ
とができる。
〔実施例〕
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明す
る。
実施例−1 ウォーターバスに設置した撹拌翼、コンデンサー付の
セパラブルフラスコに、イオン交換水1200gを仕込み、1
20〜140rpmの撹拌下で、分散剤(6%ポリビニールアル
コール水溶液)24g、及び、NaCl 60gを加え溶解させて
水相を形成させた。これにジビニルベンゼン(ジビニル
ベンゼン含有量55%の工業用ジビニルベンゼン)132g、
グリシジルメタクリレート36g、及び、HAAオリゴマー
(日本触媒化学工業社製、ヒドロキシエチルアクリレー
トオリゴマーHE−20、分子量=280)72gからなる混合モ
ノマー、多孔化溶剤(リシノール酸メチル)240g、重合
開始剤(ベンゾイルパーオキサイド)3.6gの混合液を、
同じく撹拌下で加え、外温を60℃から90℃に段階的に昇
温しつつ7時間かけて重合反応を行った。
得られた反応液から16〜35メッシュの範囲の粒子をろ
別し、得られた粒子は最初に水、次いでメタノールで十
分に洗浄し、さらにアセトンで恒量になるまでソックス
レー抽出をおこなって精製し、直径0.5〜1.0mmの多孔質
重合体粒子を得た。
以上のようにして得られた多孔質粒子について、下記
の試験方法で試験し、その結果を後記表−1に示した。
試験方法 (1)粒子の細孔容積及び比表面積:島津製作所社製、
「ポアサイザー9310型」を用い、水銀圧入法により測定
し、細孔容積はml/gで、比表面積はm2/gでそれぞれ表
す。
(2)粒子の平均細孔径:上記(1)の測定値から、次
式により算出し、Åで表す。
(3)抗血栓性:下記(a)〜(c)の手順で抗血栓性
を評価する。
(a)多孔質粒子の親水化処理;乾燥した多孔質粒子
は水との親和性に乏しく、水溶液中に浸漬しても細孔中
の空気と水溶液の置換が起こり難いため、該粒子をエタ
ノール中に入れて脱気後水で十分に洗浄し、粒子をろ別
し、含水率約60重量%の湿粉とする。
(b)吸着剤充填カラムの作成;生理食塩水を用い
て、容量20mlのカラムに上記(a)で親水化処理した多
孔質粒子を充填し、高圧蒸気滅菌(118℃×30分間)
し、以下の動物試験に供する。
(c)動物試験;総胆管結紮して3日経過した肝不全
症の家兎の頚部動静脈間にシャントを設置し、上記
(b)の充填カラムを用いて、流量5ml/分で、直接血液
潅流実験をおこなう。次いで経時的に血液を採取して、
血液中の血小板数を、血球測定装置(オルソ社製、ELT
−8型)を用いて測定し、その変化率(%)で抗血栓性
を評価する。
なお、この動物試験において、抗凝固剤としてヘパリ
ンを用い、試験開始時に300U/kg、その後30分毎に50U/k
gを追加静注した、また、試験に供した血液回路及びカ
ラムは、実験開始に先立ってヘパリン添加生理食塩水で
プライミングした。
比較例−1 実施例−1の組成において、HAAオリゴマーに代えて
ヒドロキシエチルメタクリレートを用いた他は、実施例
−1と全く同様にして多孔質重合体粒子を製造した。得
られた粒子について実施例−1と同様にして試験し、そ
の結果を後記表−1に示した。
比較例−2 ジビニルベンゼン204gとグリシジルメタクリレート36
gの混合モノマー、多孔化溶剤(4−メチル−2−ペン
タノール)216g、及び、重合開始剤(ベンゾイルパーオ
キサイド)からなる混合溶液を用い、実施例−1と同様
の方法で多孔質重合体粒子を製造した。
得られた重合体粒子は、風乾によりアセトンを除去
後、1%ポリヒドロキシエチルメタクリレートのエタノ
ール溶液中に浸漬し、次いでろ別し、80℃×24時間熱処
理し、蒸留水で十分洗浄することにより表面にPoly−HE
MAコートしてなる多孔質重合体粒子を製造した。
得られた粒子について実施例−1と同様に試験し、そ
の結果を下記表−1に示した。
上記表−1の試験結果から明らかなように、本発明の
実施に相当する実施例−1の多孔質重合体粒子は、血小
板数の減少が、従来技術を応用した比較例−1及び2の
多孔質重合体粒子に比べて著しく少なく、優れた抗血栓
性を有するものであった。
実施例−2 上記実施例−1において用いた混合モノマーを、 ジビニルベンゼン 153.1g グリシジルメタクリレート 12.5g HAAオリゴマー 74.4g の組成に代えた他は実施例−1と全く同様にして、直径
約0.5〜1.0mmの多孔質重合体粒子を製造した。
得られた多孔質粒子の細孔容積、比表面積、及び、平
均細孔径については、上記実施例−1の試験方法(1)
〜(3)に従って測定し、抗血栓性、及び、ビリルビン
吸着率については下記の試験方法で試験した。各々の試
験結果を後記表−2に示した。
試験方法 (4)抗血栓性、ビリルビン吸着率:上記実施例−1の
試験方法(3)−(a)の方法で多孔質粒子の親水化処
理をおこなった後、下記(a)〜(b)の手順で抗血栓
性及びビリルビン吸着率を測定する。
(a)吸着剤充填カラムの作成;上記親水化処理後の
多孔質粒子を高圧蒸気滅菌後、容量50mlのアクリル樹脂
製カラムに充填し、滅菌した生理食塩水で洗浄して以下
の動物試験に供する。
(c)動物試験;体重10kg前後の雑種成犬を用い、総
胆管結紮切離して黄疸犬を作成する。この黄疸犬を全身
ヘパリン化し、大腿動静脈間シャントを設置し、対外循
環回路を形成させ、上記(a)の充填カラムを用いて、
血流量50ml/分で直接血液潅流実験をおこなう。次いで
経時的に採血して血液中の血小板数とビリルビン濃度を
測定する。
比較例−3 実施例−2の混合モノマー組成において、HAAオリゴ
マーに代えてヒドロキシエチルメタクリレートを用いた
他は、実施例−1と全く同様にして多孔質重合体粒子を
製造し、得られた多孔質粒子について上記実施例−2と
同様にして試験し、その結果を後記表−2に示した。
比較例−4 ジビニルベンゼン227.5gとグリシジルメタクリレート
12.5gの混合モノマー、多孔化溶剤(4−メチル−2−
ペンタノール)216g、及び、重合開始剤(ベンゾイルパ
ーオキサイド)からなる混合液を用い、実施例−1と同
様の方法で多孔質重合体粒子を製造した。得られた多孔
質粒子について上記比較例−2と同様にしてPoly−HEMA
コート処理をおこなった後、上記実施例−2と同様に試
験し、その結果を下記表−2に示した。
上記表−2の結果から明らかなように、本発明の実施
に相当する実施例−2の多孔質重合体粒子は、血小板数
の減少が従来技術を応用した比較例−3、4の多孔質重
合体粒子に比べて著しく少なく、優れた抗血栓性を有す
るものであり、又、ビリルビン吸着率も高く、ビニルビ
ン吸着剤として極めて優れた性能を有するものであっ
た。これに対し、比較例−3、4の多孔質粒子は、抗血
栓性及びビリルビン吸着率共に劣り、ビリルビン吸着剤
としての実用性は低いものであった。
〔発明の効果〕
本発明の重合体は、前記したように特定の構造のHAA
オリゴマーを含む共重合体からなっているので、優れた
抗血栓性を示し、種々の医用材料として好適に使用する
ことができ、また、本発明のビリルビン吸着剤は、上記
特定の共重合体から構成されているので、抗血栓性を有
するビリルビン吸着剤としても極めて有用性の高いもの
である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビニルモノマー、及び、下記一般式[I] (但し式中、Rは水素原子またはメチル基でありそれぞ
    れ同一であってもまた異なっていてもよく、Zはエチレ
    ン基及び/又はプロピレン基から選ばれる2価の有機基
    であり、nは1〜100の整数である) で示される末端に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エ
    ステルオリゴマーの共重合体を構成成分とする多孔質重
    合体粒子からなることを特徴とする抗血栓性を有するビ
    リルビン吸着剤。
  2. 【請求項2】前記ビニルモノマーが、ジビニルベンゼン
    及びグリシジル(メタ)アクリレートである請求項1に
    記載の抗血栓性を有するビリルビン吸着剤。
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