JPH0126572Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 この考案は、段ボール板等のブランクから組み
立てられるトレイ形の包装用箱に関するものであ
つて、さらに限定していうと、六面体の底面を構
成する底パネルから同六面体の側面と端面をそれ
ぞれ構成する側パネルと端パネルを立ち上がら
せ、側パネルまたは端パネルから延設した差込み
フラツプを隣接する端パネルまたは側パネルの側
面に開設したスリツトに差し込んで、これら側パ
ネルと端パネルを互いに固定する形式の包装用箱
に関する。

〔従来技術〕

この種の従来の箱としては、例えば実公昭38−
16391号公報で示されたもの等がある。この箱は、
第１図及び第２図に示すようなもので、第１図の
ブランクにおいて、まず六面体の底面を構成する
底パネル１から、二点鎖線で示す折線に沿つて六
面体の側面と端面を構成する側パネル２，２と端
パネル３，３を内側（出来上がつた箱を基準とし
ていう、以下同じ）へ折り曲げ、かつ側パネル
２，２から延設した差込みフラツプ４，４…の先
端を端パネル３，３に開設したスリツト５，５…
に差し込むことにより、第２図で示すような箱と
して組み立てられる。

この種の箱では、側パネル２，２と端パネル
３，３が差込みフラツプ４，４…の上記嵌合状態
によつてのみ固定されているため、極めて脆い特
質があり、箱の内側から外側へ向けて多少の力が
加わると上記の嵌合状態が簡単に外れて箱が分解
してしまうことがある。そのため上記の箱でも、
端パネル３，３…の内側にもう１枚の内フラツプ
６，６を延設し、同フラツプ６，６を箱の内側へ
折り曲げ、かつこれから突設した突起７，７…を
底パネル１に開設したスリツト８，８…に差し込
んで固定するようにしている。これによつて端面
が補強されると同時に、差込みフラツプ４，４…
がこの内フラツプ６，６と端パネル３，３との間
に挟まれるようにして保持される。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、前述のような構造によつても側
パネル２と端パネル３との接合強度は、差込みフ
ラツプ４がスリツト５等から受ける摩擦抵抗のみ
に依存していることから、必ずしも充分でなく、
簡単に組み立てることができないが、より高い強
度の箱の提供が望まれている。特に前記従来例の
箱では、差込フラツプ４がスリツト５から抜け、
箱が分解し易いという問題があつた。

本考案の目的は、前記の従来技術における問題
点に鑑み、差込フラツプが簡単に差し込め、一旦
差し込むと容易に抜けることがない丈夫なトレイ
形包装用箱を提供することにある。

〔問題を解決するための手段〕

すなわち、本考案の前記目的は、トレイ形包装
用箱において、端パネル１３からその内面に添え
られる内フラツプ２０を延設し、この内フラツプ
２０及び同フラツプ２０と対向する他のパネルの
両側から接合フラツプ２３，２９を各々延設し、
これら接合フラツプ２３，２９を側パネル１２の
内側に添えると共に、これらを連結し、フラツプ
２３，２９を側パネル１２とその内フラツプ１６
との間に挟み込むことによつて達成される。

〔作用〕

前記本考案によるトレイ形包装用箱では、側パ
ネル１２の内側に添えられた接合フラツプ２３，
２９により、端パネル１３がこれと対向する仕切
パネル１９と相互に連結され、固定される。そし
て、この連結された状態の接合フラツプ２３，２
９が、側パネル１２とその内フラツプ１６の間に
挟み込まれて、外部から容易に分離できない。こ
のため、一旦箱が組み上がると、側パネル１２の
スリツト１５に差し込まれた差込みフラツプ１４
が容易に抜けずに、丈夫なトレイ形包装用箱が出
来る。

〔実施例〕

第３図及び第４図は、本考案を２連式の包装用
箱に適用した実施例を示すものである。

この包装用箱のブランクは、１枚の板紙を実線
に沿つて打抜くと共に、２点鎖線で示す所定の個
所に折線を付けることによつて作られている。こ
のブランクでは、底パネル１１が２組設けられ、
底パネル１１が折線を介して連続した仕切パネル
１９で互いに連結されている。他方、底パネル１
１の他の３辺からは、それぞれ折線を介して六面
体の側面と端面を構成する側パネル１２と端パネ
ル１３が延設されている。

以降の説明は特記する場合を除き第３図におけ
るものとする。

端パネル１３からは、上、下に差込みフラツプ
１４が延設されている。この差込みフラツプ１４
の先端は、差し込みやすいようにやや丸みを帯び
ており、先端部の付け根部には、かえし状の段差
２１が設けられている。

他方、側パネル１２の差込みフラツプ１４に対
応する個所には、縦方向にスリツト１５が開設さ
れている。また、側パネル１２から第１図中の
上、下側へ、平行な２本の折線を介して内フラツ
プ１６が延設され、更にこの内フラツプ１６から
第３図中の左、右側へ折線を介して接合フラツプ
２３が延設されている。この内フラツプ１６の
上、下辺からは突起２４が設けられている。これ
に対して、底パネル１１の側パネル１２と端パネ
ル１３との折線上には、スリツト２６が開設され
る。

前記仕切パネル１９の中央には、横方向に仕切
スリツト２８が切設されており、また同パネル１
９から、上、下側にそれぞれ折線を介して接合フ
ラツプ２９が延設されている。更に、この接合フ
ラツプ２９と前記内フラツプ１６によつて囲まれ
た部分から、仕切プレート３０が分離されるよう
になつており、これら仕切プレート３０には、仕
切スリツト３１が切設されている。

なお、端パネル１３及び仕切パネル１９は、何
れも同じ高さであるが、側パネル１２の中央部
は、他の部分より一段低く切設された切り欠き３
２となつている。また、同パネル１２と差込みフ
ラツプ１４との折線を中心とした僅かの区間は、
他の部分よりやや高くなつている。

このブランクを箱として組み立てる場合は、ま
ず仕切プレート３０を切り離した後、仕切パネル
１９の境界にある折線を外側（組立てられる箱を
基準とする。以下同じ。）へ折り曲げ、次いで全
ての折線を内側へ折り曲げる。そして、内フラツ
プ１６と接合フラツプ２３の突起２４をスリツト
２６に嵌め込む。更に、差込みフラツプ１４の先
端をスリツト１５に差込む。他方、仕切プレート
３０を、その仕切スリツト３１が同２８に噛み合
うよう仕切パネル１９に差し込んで固定する。

このようにして組立てられた箱は、第４図で示
すように、差込みフラツプ１４がスリツト１５に
差し込まれることによつて、隣接する側パネル１
２と端パネル１３が互いに固定される。また、こ
れと同時に、端面の内壁を構成する内フラツプ１
６が、その突起２４をスリツト２６に差し込むこ
とによつて、底パネル１１に固定される。

なお、前記包装用箱は、仕切パネル１９と仕切
プレート３０によつて都合４つに区画されてい
る。また、側パネル１２と差込みフラツプ１４に
わたる一段高くなつた部分は、コーナーの立上が
り部３３となる。

また、本実施例においては、側パネル１２から
だけでなく、端パネル１３からも内フラツプ２０
が延設され、この内フラツプ２０から接合フラツ
プ２３が延設されることもある。この場合、接合
フラツプ２３の先端側には、Ｖ字形の切り欠き３
４が切設され、これに対応する切り欠き３５が差
込みフラツプ２９にも切設される。この場合の組
立ては、側面の内壁を構成する内フラツプ２０か
ら端面側へ折り曲げられた接合フラツプ２３を、
仕切パネル１９から端面側へ折り曲げられた接合
フラツプ２９に、切り欠き３４と３５を互いに噛
み合わせることによつて接合させる。なお、この
接合された接合フラツプ２３，２９は、端パネル
１３とその内フラツプ１６に挟まれて、箱の内外
何れからも見えないようになつている。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案によれば差込み
フラツプ１４による接合だけでなく、端面の内壁
を構成する内フラツプ２０と一体的に延設された
接合フラツプ２３と、前記内フラツプ２０と対向
するパネルから延設された接合フラツプ２９と
が、互いに連結される。そして、これらが側パネ
ル１２とその内フラツプ１６の間に挟み込んで固
定される。これによつて、一旦組み上がると、容
易に分解しにくい、丈夫なトレイ形包装用箱を提
供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、トレイ形包装用箱の従来例を示す展
開図、第２図は、同組み立て状態の斜視図、第３
図は、この考案の実施例を示す展開図、第４図
は、同組み立て状態の斜視図である。 １１…底パネル、１２…側パネル、１３…端パ
ネル、１４…差込みフラツプ、１５…スリツト、
１６，２０…内フラツプ、２３，２９…接合フラ
ツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 六面体の底面を構成する底パネル１１から、同
   六面体の側面と端面をそれぞれ構成する側パネル
   １２と端パネル１３を立ち上がらせ、端パネル１
   ３の両側から延設した差込みフラツプ１４を隣接
   する側パネル１２に開設したスリツト１５に差し
   込んで固定してなるトレイ形包装用箱において、
   端フラツプ１３からその内面に添えられる内フラ
   ツプ２０を延設し、この内フラツプ２０及び同フ
   ラツプ２０と対向する他のパネルの両側から延設
   された接合フラツプ２３，２９を、側パネル１２
   の内側に添えると共に、これらを連結し、接合フ
   ラツプ２３，２９を側パネル１２とその内フラツ
   プ１６との間に挟み込んでなることを特徴とする
   トレイ形包装用箱。