JPH0126558Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は３胴型作業船、特にその内部に複数の
土運船を導き得る蓋付ケーソン中詰用３胴型作業
船に関するものである。

近年の港湾構造物建設にあたつてはその立地条
件が厳しくなり、次第に沖合化、大水深化へと向
かつている。又最近では海岸より数10Kmの海域に
大規模な沖合人工島を建設する提案も各方面より
なされ種々工法の検討も行われている模様であ
る。かゝる情況下においてこれら港湾、海上構造
物建設には欠かせない防波堤或いは防波護岸の建
造に際し、過酷な環境（自然）条件に対する耐候
性、急速施工性等の要求を満し得る適当な施工法
は未だ発案されていない。

従来の一般的工法としては、ガツト船或いはリ
クレーマー船等により上蓋のないケーソンに上部
から中詰材を投下充填する方法が主流であり、こ
れらの工法ではケーソンの大型化への対応（バケ
ツトのリーチ等）が難しく、又荒天時の作業性は
極端に低下し、要求される急速施工性にはとても
追随できない。

本考案は上蓋なしの従来ケーソンとは違つた蓋
付きのケーソンを使用し、これにスラリー搬送に
より中詰材を充填する蓋付きケーソンへのスラリ
ー搬送による急速中詰工法による施工環境下での
適応を確立すべく、前記工法用として、 １ 中詰材の土運船よりのアンロード・充填機能 ２ 土運船（さらに資機材運搬船等）の荒天下で
の係留確保 ３ 中詰用注排水管類又は各種資機材の吊支持、
積下し用クレーン（ケーソン沈設時の補助吊支
持用も兼ねる）の装備 等の諸機能を有する耐候型の「３胴型の作業船」
を得ることを目的とする。

本考案の蓋付ケーソン中詰用３胴型作業船は下
部水平ガーダーによつて水平方向に離間して互い
に連結される２個の常時海面下に位置される下部
ハルと、上部水平ガーダーによつて水平方向に離
間して互いに連結される２個の常時海面上に位置
される上部ハルと、前記下部ハル及び上部ハルを
連結するコラムと、前記下部水平ガーダーと上部
水平ガーダーの中間部間を連結する中央ハルと、
この中央ハルと前記コラム間に形成した土運船を
引き込み得るスペースとより成る３胴船と、前記
中央ハルに配置した土運船係留設備とアンロード
設備並びに中詰材アンロード・充填用スラリーポ
ンプと、前記上部水平ガーダーに配置した蓋付ケ
ーソン吊下用クレーンとより成ることを特徴とす
る。

以下図面によつて本考案の実施例を説明する。

第１図は本考案蓋付ケーソン中詰用３胴型作業
船を適用するケーソンの中詰工法説明図であつて
１は蓋付ケーソン、２はマウンド、３は土運船、
４はスラリーポンプ、５は注入管、６は排水管、
７は中詰材を示し、本考案においては第２図〜第
４図に示すように左右に互に離間して配置した常
時海面下に位置される下部ハル８ａ，８ｂと、常
時海面上に位置される上部ハル９ａ，９ｂと、土
運船係留設備とアンロード設備並びにアンロー
ド・充填用スラリーポンプ４とを有する中央ハル
１０と、上下部ハル８ａ，９ａと８ｂ，９ｂを前
部、中央部及び後部において夫々連結する垂直コ
ラム１１ａ，１１ｂと、下部ハル８ａ，８ｂ間及
び上部ハル９ａ，９ｂ間を夫々連結する下部水平
ガーダー１２及び上部水平ガーダー１３と、この
上、下部水平ガーダー１２，１３と前記中央ハル
１０間を連結する垂直コラム１４，１５とにより
その内部に複数の土運船３を引き込み得るスペー
スを有する３胴船を形成し、この双胴船の上部水
平ガーダー１３からは揚下し機構１６を介してア
ンロード用吸入管１７及びジエツト水管１８を吊
下し、又上部水平ガーダー１３上には注入管５と
排水管６の先端部を保持する回転クレーン１９を
載置せしめる。

本考案蓋付ケーソン中詰用３胴型作業船は上記
のような構成であるから下記のような種々の利点
を有する。

１ 下部ハルが常時海面下に位置する双胴型であ
り耐候性の高い作業船ゆえ、蓋付きケーソンへ
のスラリー充填工法のメリツトを十分活かした
稼動が期待できる。

２ アンロード・充填機能、土運船の係留の安全
性が高く、クレーン機能等々の多機能を一船に
て有した作業船である為従来の様な多数船団を
要しなくても良い。

３ 上下ハル間に中央ハルを設けた３胴型とした
のでコンパクトな構造となり、且つ船内水域に
土運船を複数隻、例えば２隻抱き込みアンロー
ドも交互に連続的にできる為高能率での充填が
可能である。

４ クレーン船としても使える多機能船である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案３胴型作業船を適用するケーソ
ンの中詰工法説明図、第２図は本考案作業船の側
面図、第３図はそのＡ−Ａ線断面図、第４図はそ
の平面図である。 １……蓋付ケーソン、２……マウンド、３……
土運船、４……スラリーポンプ、５……注入管、
６……排水管、７……中詰材、８ａ，８ｂ……下
部ハル、９ａ，９ｂ……上部ハル、１０……中央
ハル、１１ａ，１１ｂ……垂直コラム、１２下部
水平ガーダー、１３……上部水平ガーダー、１
４，１５……垂直コラム、１６……揚下し機構、
１７……吸入管、１８……ジエツト水管、１９…
…回転クレーン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下部水平ガーダーによつて水平方向に離間して
   互いに連結される２個の常時海面下に位置される
   下部ハルと、上部水平ガーダーによつて水平方向
   に離間して互いに連結される２個の常時海面上に
   位置される上部ハルと、前記下部ハル及び上部ハ
   ルを連結するコラムと、前記下部水平ガーダーと
   上部水平ガーダーの中間部間を連結する中央ハル
   と、この中央ハルと前記コラム間に形成した土運
   船を引き込み得るスペースとより成る３胴船と、
   前記中央ハルに配置した土運船係留設備とアンロ
   ード設備並びに中詰材アンロード・充填用スラリ
   ーポンプと、前記上部水平ガーダーに配置した蓋
   付ケーソン吊下用クレーンとより成ることを特徴
   とする蓋付ケーソン中詰用３胴型作業船。