JPH0126348Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、茶（緑茶、紅茶）を入れるために用
いられるこし器を備えたテイーポツトの改良に関
する。

(ロ) 従来の技術 従来のこの種のテイーポツトとしては、注出口
の基部に茶こし網を備えた急須や、給湯口に別体
の茶こし網を装着するようにした急須等がある。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 しかるに、前者の場合は湯を多く入れすぎて急
須内に湯が残ると、長く茶葉が湯に浸ることによ
つてタンニン化し、このため次回以降に入れた茶
の味が落ちてしまうという問題があり、又、後者
の場合は茶こし網が給湯口に設けれるので上記の
ような問題はおこらないが、茶こし網の湯の通過
速度が早すぎると、新しい茶葉の場合には茶液の
浸出が不十分で薄くなりすぎてしまい、逆に湯の
通過速度が遅い茶こし網を用いた場合は、２回目
以降に入れる茶が濃くなりすぎるという問題があ
る。

そこで出願人は、かかる問題点を解決できるテ
イーポツトの考案をなし、先に出願（実願昭61−
046571号）をした。

このテイーポツトは、上面開口状のポツト本体
内を隔壁により上下方向に２分割し、下部室の一
側壁に注出口を連設すると共に、該注出口とは反
対側の上部室側壁に、こし網を備えたこし出し穴
を開設し、該こし出し穴と下部室とを連通させる
流路を形成し、かつ前記隔壁により構成される上
部室の内底面を、こし出し穴方向に行くに従つて
次第に低くなるような傾斜面に形成したものであ
る。即ち、このテイーポツトは、ポツト本体自体
を定置状態からこし出し穴方向が低くなるように
傾斜させることによつて、該こし出し穴の有効排
出面積が拡大し、もつて湯の排出速度の変更が行
なえるようにしたものであり、従つて何回目でも
適度な濃度のおいしい茶液等を得ることができる
ようになしたものである。

ところが、上述のテイーポツトでは、下部室が
上部室との隔壁によつて閉塞され、外部と通ずる
のは細い注出口と、こし網により閉塞されたこし
出し穴のみであるため、下部室内の洗浄が十分に
行い難い問題点があつた。

そこで本考案ではかかる問題点を解消し、先に
出願のテイーポツトと同様に常に適度な濃度のお
いしい緑茶や紅茶を入れることができ、かつ茶葉
等を経済的に使用できると共に、内部の洗浄が十
分に可能で衛生状態を維持できるテイーポツトの
構造を提供せんとするものである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案では前記目的を達成する手段として、一
側壁に注出口を備え、かつ上面には蓋体により開
閉可能な給湯口を備えたポツト本体と、該ポツト
本体の給湯口に対して着脱自在な状態に装着され
る上面開口状のこし容器との組み合わせより成
り、前記こし容器は、その一側壁面にこし網を備
えたこし出し穴を開設すると共に、その内底面を
こし出し穴方向に行くに従つて次第に低くなるよ
うな傾斜面に形成した構成となしたものである。

(ホ) 作用 本考案では上記構成より成るため、こし容器内
に茶葉を入れた後、該こし容器内に湯を注ぎ込む
と、こし出し穴はこし容器側壁部の一部に開設さ
れているだけであるため、該こし出し穴より排出
される湯の量が少なく、このため茶葉が湯に浸る
時間が長くなつて新しい茶葉でも適度な濃度の茶
液の浸出が行われると共に、こし容器内の湯は同
こし容器内底面に形成された傾斜面に案内されて
全てこし出し穴より排出されるので、茶葉の湯切
りが完全に行なわれてタンニン化が防止される。

また、こし出し穴より排出された茶液は、ポツ
ト本体内に流れ込み、注出口より湯のみ等へ注ぎ
出されるものである。

次に、第２回目以降の茶だしの際は、こし出し
穴方向が下になるようにポツト本体自体を傾斜さ
せることによつて、湯の排出効率が向上し、早く
こし容器から湯が排出されるため、茶液が濃く出
すぎることもない。

また、こし容器を取り外すことによつてポツト
本体の内部まで十分に洗浄することができる。

(ヘ) 実施例 第１図〜第３図は本考案の一実施例を示すもの
であり、図においてＡポツト本体、Ｂはこし容器
を示す。

ポツト本体Ａは、その一側壁に注出口１備える
と共に、その上面には蓋体２により開閉可能な給
湯口３を備え、該給湯口３の口縁部にはこし容器
Ｂと蓋体２を係止するための段部４が形成されて
いる。

こし容器Ｂは、前記ポツト本体Ａにおける給湯
口３に対して着脱自在な状態に装着されるもので
あつて、上面開縁部より外方へ向けて突設された
係止縁部５を給湯口３に形成された段部４上に係
止することによつて給湯口３部分への装着がなさ
れるように構成されている。

また、こし容器Ｂは、その一側壁面にこし網６
を備えたこし出し穴７が開設されており、このこ
し出し穴７は幅狭で、こし容器Ｂの深さ方向全長
に亘る広い範囲に設けることにより、湯の排出速
度の調整範囲が広くなる。

また、こし容器Ｂの内底面ｂがこし出し穴７方
向に行くに従つて次第に低くなるような傾斜面に
形成されている。

この実施例では上記構成より成るため、まずこ
し容器Ｂ内に新しい茶葉Ｃを入れて第１回目の茶
だしをするときは、単にこし容器Ｂ内に湯を注ぎ
込むだけで適度な濃度の茶液ｃが浸出され、こし
網６で茶葉がこされた茶液ｃがこし出し穴７を通
つてポツト本体Ａ内に流れ込む。即ち、本実施例
におけるこし出し穴７は、こし容器Ｂの側壁部の
一部にのみ開設したものであるため、湯面ｄとの
関係もあつてこし出し穴７の有効排出面積が極め
て狭くなり、このため湯の排出速度が遅く、茶葉
が湯に浸る時間がその分長くなつて新しい茶葉で
も適度な濃度の茶液ｃが得られるものである。

なお、この場合において、こし容器Ｂ内の湯は
その内底面ｂに形成された傾斜面に案内されて全
てこし出し穴７より排出されてしまうので、茶葉
Ｃの湯切りが完全に行なわれてタンニン化が防止
でき、従つて２回目以降もおいしい茶を入れるこ
とができる。

次に、２回目以降の茶出しの際は、こし出し穴
７が下方になるようにポツト本体Ａ自体を傾斜さ
せることによつて、湯の排出方向の変化と湯面ｄ
の変化とによつて湯の排出速度が増加し、かつ、
こし出し穴７の有効排出面積が広くなるので、茶
葉Ｃが湯に浸る時間が短くなり、従つて、２回目
以降の茶出しでも茶液ｃが濃くなりすぎることが
なくなり、何回目でもおいしい茶だしができるこ
とになる。

なお、この場合において、こし出し穴７が注出
口１とは反対側になるようにこし容器Ｂをセツト
しておけば、前記のようにポツト本体Ａ自体をこ
し出し穴７が下になる方向に傾斜させても、ポツ
ト本体Ａ内に残留した茶液ｃが注出口１から流出
するおそれはない。

また、紅茶を入れた場合において、ポツト本体
Ａごと火にかけることによつて温め直すこともで
きる。

更に、使用後はこし容器Ｂを給湯口３より取り
外すことによつてポツト本板Ａの内部まで十分に
洗浄を行なうことができる。

(ト) 考案の効果 以上詳細に説明した如く本考案によれば、こし
出し穴から排出される湯の排出速度の調整が可能
であり、かつ、茶葉等の湯切りがその都度完全に
行なわれるので、何回目でも適度な濃度のおいし
い茶液等を得ることが出来、その上使用後に於い
ては各部の洗浄が十分なため衛生状態を良好に維
持できるすばらしい効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す平面図、第２
図は第１図−線における断面図、第３図は第
２図−線における断面図を示す。 Ａ……ポツト本体、Ｂ……こし容器、１……注
出口、２……蓋体、３……給湯口、６……こし
網、７……こし出し穴、ｂ……内底面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一側壁に注出口を備え、かつ上面には蓋体によ
   り開閉可能な給湯口を備えたポツト本体と、該ポ
   ツト本体の給湯口に対して着脱自在な状態に装着
   される上面開口状のこし容器との組み合わせより
   成り、前記こし容器は、その一側壁面にこし網を
   備えたこし出し穴を開設すると共に、その内底面
   をこし出し穴方向に行くに従つて次第に低くなる
   ような傾斜面に形成したことを特徴とするテイー
   ポツト。