JPH0125876Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、火葬炉に取付けるバーナーに関す
る。

〔従来の技術〕

従来、この種のバーナーは中心部のノズルより
火炎を放射し、ノズルの外周より燃焼に必要な空
気を噴射するように構成してある。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、火葬炉は周知の如く縦長のもので、
短辺となる後壁にバーナーを設けるため、火葬す
べき距離が長くなり、従来のバーナーであるとバ
ーナーを上下左右に振り動かして火葬処理される
と同時に、火葬時間の短縮から被火葬体を火炎の
最も強く当たる位置へ寄せ付ける操作が行われて
いるのが現状である。

この考案は以上の現状を鑑み、ノズルの外周よ
り噴射する空気の調節によつて、火炎を細く長く
して遠方へ到達され、また火炎を広く短くして噴
射できるように切換え、被火葬体の寄せ付け操作
が廃止され、火葬作業の容易化を計ると共に、火
葬遺体の変形が避けられることを目的として提供
することにある。

〔課題を解決するための手段〕

この考案による解決手段は、火炎を放射するノ
ズルの外周を外筒で間隔をおいて覆つて、ノズル
と外筒間の前部には空洞部を設け、ノズルと外筒
間の後部には空気受け口に連続する広い空間部を
前記空洞部と連通して設け、広い空間部から空洞
部内へ突入する旋回羽根を、ノズルの長手方向に
沿つて摺動可能に設けものである。

〔作用〕

従つて、旋回羽根を空洞部内へ突入して空気受
け口より空気を供給した時には、ノズルより噴射
する火炎が横に広く拡がるものであり、また旋回
羽根を空洞部内より引き出せば、火炎が細長く遠
方にまで到達するものである。更に、旋回羽根を
空洞部内への挿入加減を調節することにより、火
炎の長さを所要の長さに調節出来るものである。

〔実施例〕

この考案を実施例によつて具体的に説明する
と、第１図に示すように、両端を解放した内筒１
内にノズル４が嵌装してあつて、該内筒１の後端
外周に鍔２を突設し、内筒１より太い外筒３を内
筒１に被せて鍔２に固着し、外筒３の前面は解放
してあるが、後端は鍔２によつて封鎖してあり、
この内筒１と外筒３間の前部には空洞部７を備
え、内筒１と外筒３間の後部に空洞部７の直径よ
り大きい広い空間部１１が形成してあり、また広
い空間部１１にダンパー５を有する空気受け口６
が開設してある。更に、広い空間部１１に旋回羽
根８を空洞部７内へ突入及び抜出し自在に設け、
鍔２よりねじ込んだ調節ボルト９の先端部を旋回
羽根８に当接し、一方スプリング１０で旋回羽根
８を調節ボルト９に圧接するように附勢し、調節
ボルト９を進入することにより旋回羽根８を広い
空間部１１より空洞部７内へ突入することがで
き、逆に調節ボルト９を弛めるように後退すれ
ば、旋回羽根８が空洞部７内より広い空間部１１
へ抜き出すことができるもので、この調節ボルト
９の調節加減によつて、旋回羽根８の空洞部７内
への突入加減を調節することが出来るものであ
る。

前記旋回羽根８は第３図図示のように、リング
状円盤１３の外周に複数の羽根１４を等間隔おき
に一方へ捩れた状態でスパイラルギアの如くに突
設したもので、この旋回羽根８を内筒１の外周に
摺動自在に嵌め、内筒１に設けたストツパー１５
で最大の後退位置を制約してある。尚、旋回羽根
８をストツパー１５にまで後退した時には、空洞
部７の開口が全開となるものである。

ノズル４は、従来のガス、オイル、ガスとオイ
ルの混合などの燃料を使用する何れの形態のもの
であつてでも良く、図示するノズル４はガスとオ
イルの混焼式のもので、第１図において１６はオ
イル口、１７は空気口、１８はガス口である。

以上の構造であるから、第１図に示すように、
旋回羽根８を前進して空洞部７内に完全に突入し
た状態で空気を流入すれば、空気は各羽根１４に
よつて旋回流動され、火炎は広角に広がつて放射
される。また第２図図示のように、旋回羽根８を
後退して空洞部７内より完全に抜出した場合に
は、空洞部７内に空気が何等の妨げがなく流入す
るので殆ど直進流動し、火炎は狭角になつて放射
される。更に、旋回羽根８の空洞部７内への突入
加減を増減することにより、空気の流動に直進と
旋回流が混合され、これによつて火炎の放射する
角度を大小に調節されるものである。

〔考案の効果〕

この考案による火葬炉用バーナーは、ノズルの
外周前部に空洞部を設け、後部に広い空間部を備
え、空洞部と広い空間部とを互いに連通し、広い
空間部には空気受け口が開設してあり、広い空間
部に設けた旋回羽根を摺動して空洞部内へ突入す
ることにより広角火炎となり、旋回羽根を空洞部
内より広い空間部へ後退することにより狭角火炎
に切替えられ、しかも旋回羽根の空洞部への突入
加減を調節することにより火炎の広狭を任意に設
定されるもので、それらの切替え操作が容易であ
り、且つ火炎の切替え操作に対して確実に応答し
て変化されるものである。特に旋回羽根を空洞部
より完全に抜いた時には、空気は旋回羽根に影響
されることがなく空洞部内に流入され、火炎が遠
方にまで届く細長い状態で噴射されるものであ
る。従つて、バーナーを一々振る必要が殆どなく
なり、被火葬体をバーナー側に寄せ付ける手間が
省け、炉内に当初挿入した時の状態のまま確実に
火葬を施すことが出来るものであり、作業員の労
働条件が向上されるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による火葬炉用バーナーを狭
角火炎で噴射している時の状態で示す断面図、第
２図は広角火炎時の状態で示す断面図、第３図は
旋回羽根を示す斜視図である。 １……内筒、２……鍔、３……外筒、４……ノ
ズル、６……空気受け口、７……空洞部、８……
旋回羽根、１１……広い空間部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 火炎を放射するノズル４の外周を外筒３で間隔
   をおいて覆つて、ノズル４と外筒３間の前部には
   空洞部７を設け、ノズル４と外筒３間の後部には
   空気受け口６に連続する広い空間部１１を前記空
   洞部７と連通して設け、広い空間部１１から空洞
   部７内へ突入する旋回羽根８を、ノズル４の長手
   方向に沿つて摺動可能に設けていることを特徴と
   する火葬炉用バーナー。