JPH0125757B2 - - Google Patents

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JPH0125757B2
JPH0125757B2 JP57013038A JP1303882A JPH0125757B2 JP H0125757 B2 JPH0125757 B2 JP H0125757B2 JP 57013038 A JP57013038 A JP 57013038A JP 1303882 A JP1303882 A JP 1303882A JP H0125757 B2 JPH0125757 B2 JP H0125757B2
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Japan
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monoester
adhesive
acid
phosphoric acid
reaction
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JP57013038A
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JPS58128393A (ja
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Ikuo Komura
Junichi Yamauchi
Yoshinori Nagase
Fumiko Uemura
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Priority to DE8282303942T priority patent/DE3269173D1/de
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Priority to US06/525,410 priority patent/US4539382A/en
Priority to US06/631,316 priority patent/US4612384A/en
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は一般式 (式中、RはHまたはCH3を、nは2から4ま
での整数を表わす)で示される新規なリン酸モノ
エステル化合物及びその製造法に関する。かかる
化合物は金属および人体硬組織(特に歯牙)に対
して非常に優れた接着力を示し、かつ高度の耐水
性を有する。 従来、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル
ジハイドロジエン ホスフエートを配合した重
合性組成物を鉄やステンレス鋼表面に塗布して重
合硬化させると、金属に接着した被膜が得られる
ことが知られ、工業用途に各種組成物の特許出願
がなされている(例えば、特開昭50−100120号
等)。リン酸エステル系化合物(モノエステル、
ジエステル)には一般的に金属への接着作用があ
ることは公知であるが、2−(メタ)アクリロイ
ルオキシエチル ジハイドロジエン ホスフエー
トより格段に接着力の優れたリン酸エステル系化
合物が化学構造式又は化学名を明記して報告され
た例はない。 本発明者らは歯科用接着剤の開発を目的とし
て、ホスホリツク残基{−PO(OH)2}を有する
(メタ)アクリル酸エステルの金属及び歯質に対
する接着力を詳細に検討して行く過程で驚くべき
事実を発見した。即ち前記の2−メタアクリロイ
ルオキシエチル ジハイドロジエン ホスフエー
トを0.5〜5重量%配合した接着性組成物のNi−
Cr合金及びステンレス鋼に対する接着力の耐水
性は特開昭54−12338に開示されている金属及び
歯質に接着作用を示す4−メタクリロキシエチル
トリメリツト酸のそれに比べ著しく劣つている上
に歯牙に対しては全く接着効果を示さなかつた。
一方本発明者がリン酸エステル系化合物の接着力
評価のために合成した上記の新規化合物は4−メ
タクリロキシエチルトリメリツト酸を更に数倍上
まわる金属および歯牙接着力を示すことが明らか
となつた。 リン酸エステル系化合物が金属に接着すること
は公知でありながら、2−メタクリロイルオキシ
エチル ジハイドロジエン ホスフエートを凌駕
するリン酸エステル系化合物が知られていなかつ
た理由は、接着力の発現は
【式】残基又 は
【式】残基と重合可能なエチレン性不飽 和結合の存在のみによると考え、有機残基の構造
全体に注目してリン酸エステル化合物を系統的に
合成し、接着力を評価するまでに至らなかつた為
であろう。本発明者等はリン酸エステル系化合物
の接着力発現機構を鋭く追求した結果、リン酸基
と重合性2重結合の存在のみでなく、両基をつな
ぐ有機残基の構造も接着力に決定的な影響を及ぼ
すという新事実を発見し、本発明化合物を合成す
るに至つた。 即ち本発明は前記の一般式(A)にて示される
新規な重合性リン酸モノエステル化合物である。
その化学名は2−〔P−{2−(メタクリロイルオ
キシ)エトキシ}フエノキシ〕エチル ジハイド
ロジエン ホスフエート,3−〔P−{3−(メタ
クリロイルオキシ)プロポキシ}フエノキシ〕プ
ロピル ジハイドロジエンホスフエート,4−
〔P−{4−(メタクリロイルオキシ)ブトキシ}
フエノキシ〕ブチルジハイドロジエン ホスフエ
ート,2−〔P−{2−(アクリロイルオキシ)エ
トキシ}フエノキシ〕エチル ジハイドロジエン
ホスフエート,3−〔P−{3−(アクリロイル
オキシ)プロポキシ}フエノキシ〕プロピル ジ
ハイドロジエン ホスフエート,4−〔P−{4−
(アクリロイルオキシ)ブトキシ}フエノキシ〕
ブチル ジハイドロジエン ホスフエートであ
る。 これらの化合物の合成は(i)(メタ)アクリル酸
(ただし、n=2〜4の整数)とのエステル化
反応(モノエステル、ジエステル混合物が生成)
と(ii)該エステル混合物中のモノエステルをリン酸
エステル化する反応とからなる2段プロセスにて
行われる。第1段階の(メタ)アクリル酸とジオ
ールのエステル化反応では本発明に必要なモノエ
ステルのみを選択的に合成する事は困難で、両成
分を等モル量ずつ反応させれば、通常下記に構造
を示したモノエステル(B)とジエステル(C) (式中、RはHまたはCH3、nは2から4まで
の整数を表わす)およびその原料である(メタ)
アクリル酸とジオールの混合系となつてしまう。
ここからモノエステル(B)のみを単離しようとする
とクロマトグラフイーを利用しなければならず精
製コストは極めて高価になる。 そこで本願発明者等は該混合系から分離が容易
な原料成分〔ジオールと(メタ)アクリル酸をま
ず除去し、分離が困難なモノエステル(B)とジエス
テル(C)は混合系のまま、次のリン酸エステル化反
応に供し、モノエステル(B)の水酸基をリン酸エス
テル化した後単離する事により、上記のモノエス
テルとジエステル単離の問題を回避した。すなわ
ち、一般式 (nは2〜4の整数を表わす)で表わされるジ
オールに(メタ)アクリル酸を反応させて得られ
た該ジオールのモノエステルとジエステル混合物
と該モノエステルに対し等モル以上のオキシ塩化
リンとを反応させ、次いで得られた反応生成物の
P−C結合を加水分解して、該モノエステルの
水酸基をリン酸エステル化し、しかる後該リン酸
エステルと上記ジエステルの混合物から該リン酸
エステルを単離することにより、一般式 (式中、RはHまたはCH3,nは2から4まで
の整数を表わす)で示される重合性リン酸モノエ
ステル化合物を得ることができる。 具体的には次のように行うのが望ましい。ジオ
ール1モルに対して(メタ)アクリル酸0.5〜1.5
モルを反応容器に仕込み無溶媒かまたは溶媒、例
えばベンゼンを適量加えて酸触媒存在下120℃以
下でバツチ方式にてエステル化反応を行う。ジオ
ール1モルに対して(メタ)アクリル酸の仕込量
が0.5モル未満または1.5モルを越える場合はモノ
エステルの収量の低下が大きく好ましくない。エ
ステル化触媒としては、硫酸、スルホン酸、リン
酸などの不揮発性強酸を全仕込量に対して0.1〜
10重量%加える。また、エステル化反応中の重合
抑制のためにハイドロキノンモノメチルエーテ
ル、ハイドロキノン、2,2′−メチレンビス(4
−エチル−6−tert−ブチルフエノール)などの
重合禁止剤を(メタ)アクリル酸に対し100〜
10000ppm加える。空気または酸素を反応溶液に
吹き込み、重合抑制を計るが、反応温度が120℃
を越えるとなお重合する危険がある。従つて120
℃以下、好ましくは100℃以下で減圧下、生成水
を溜出させながら反応を行うかまた、水をベンゼ
ンと共に共沸・溜去しながら反応を行う。数時間
経て水が溜出しなくなつたら、反応を停止し、反
応液を芳香族系溶剤、好ましくはトルエンにて
1.5倍以上に希釈する。該希釈により未反応のジ
オールは殆んど全部固体として析出して来るの
で、これを別除去する。液はアルカリ水溶液
にて水洗し(メタ)アクリル酸と触媒として添加
した酸を除去し、中性水で繰返し洗つた後、
Na2SO4、MgSO4等の乾燥剤にて脱水し、溶媒を
減圧溜去すれば、モノエステル(B)ジエステル(C)混
合物が得られる。高速液体クロマトグラフイー
(以下、HLCと略す。)にて混合比は容易に決定
され、該混合物は次の反応の原料とされる。 次にリン酸エステル化反応について述べる。オ
キシ塩化リンをテトラヒドロフラン、エチルエー
テル、酢酸エチル、ハロゲン化炭化水素等の溶
媒、好ましくはテトラヒドロフランにて濃度が5
重量%以下にならない範囲で希釈して、除湿がな
された反応容器内に入れ、−10〜−60℃まで冷却
する。オキシ塩化リンの使用量はモノエステル(B)
1モルに対して1.0〜2.0モルである。一方、モノ
エステル(B)・ジエステル(C)混合物は、該モノエス
テルと等モル量かあるいは若干過剰量の第3級ア
ミン、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、ピリジン、N−メチルモルホリン等と混合
し、そのままか又は前記テトラヒドロフラン等の
溶媒で適度に希釈し、冷却した反応容器内へ滴下
する。滴下時、反応溶液を激しく撹拌し、反応温
度は−10゜〜−60℃に保つ。−10℃以上になると、
下記に示すリン酸ジエステル(D)が副生しやすくな
り、 (式中、RはHまたはCH3,nは2から4まで
の自然数を表わす。) また−60℃以下では反応速度の低下、溶液の固
化等の問題が生ずる。滴下終了後少なくとも30分
間は−10〜−60℃に保つて撹拌を続け、その後0
℃まで反応温度を上げ、水と前述の第3級アミン
を滴下し、未反応のP−Cl結合を加水分解する。
この際、水は残存していると推定されるP−Cl結
合よりも過剰モル量を、第3級アミンは総滴下量
がオキシ塩化リンの3倍モル量となるように滴下
する。滴下終了後0℃〜室温でP−Cl結合の加水
分解が完了するまで反応を継続する。反応終了時
反応容器内には、生成物としてリン酸モノエステ
ル(A)、副生物のリン酸ジエステル(D)、トリエチル
アンモニウムクロリド、リン酸、原料成分として
のジエステル(C)、水、それに有機溶剤(例えばテ
トラヒドロフラン)が存在している。これらのな
かから目的物である、リン酸モノエステル(A)のみ
を単離する方法は幾通りか考えられる。例えばリ
ン酸モノエステル(A)をNa塩として水相に抽出し、
再び酸性にもどして、適当な有機溶剤で水相から
有機相へ再抽出する方法などが挙げられる。しか
し、本発明者が試みた中で最も能率的で収率の良
かつた方法は次の通りである。 まず、テトラヒドロフラン中でリン酸エステル
化反応を行つた後反応溶液中に析出しているトリ
エチルアンモニウムクロリドをフイルターで別
し、液に前記重合禁止剤を適量加え、溶媒を減
圧溜去する。得られた残渣を希塩酸水溶液中に注
ぐと、水溶性成分のリン酸、残存テトラヒドロフ
ラン、トリエチルアンモニウムクロリドが除去さ
れ、残渣は完全に固化する。そこで該固体をフイ
ルターで別し希塩酸水溶液で洗浄する。その後
直ちにトルエン、ベンゼン等芳香族炭化水素にて
該固体残渣の洗浄を繰り返し、ジエステル(C)とリ
ン酸ジエステル(D)を洗い流してやる。するとリン
酸モノエステル(A)のみが含水固体残渣として残る
ので、これを減圧乾燥すると純度95%以上のもの
が得られる。該粗リン酸モノエステルはテトラヒ
ドロフラン、酢酸エチル、エタノール等適当な有
機溶剤に溶解し不溶物を別した後、n−ヘキサ
ン、トルエン、ベンゼン等の沈澱剤を加えて再結
晶することにより、容易に精度高純度化がなされ
る。得られた結晶はNMR、赤外、マススペクト
ル、元素分析等の分析手段で構造の同定を行ない
化学構造が式(A)であることが確認された。 次に本発明化合物の用途・用法について述べ
る。該化合物は、それ単独または他の共重合性ビ
ニル化合物と混合して塗布し、重合硬化させるこ
とにより各種金属(Fe,Ni,Cr,Cu,Zn等)の
みならず、2−メタクリロイルオキシエチル ジ
ハイドロジエン ホスフエートが接着効果を殆ど
示さなかつた歯牙に対しても強力に接着するた
め、歯科用接着剤(歯牙修復時歯牙に塗布される
接着剤、インレー・クラウン等を歯に接着するた
めの接着剤、歯列矯正用接着剤、ブリツヂ・ポス
ト等を保持するための接着剤、歯科複合充填材料
等)の成分として極めて有用である。また歯牙と
同様、骨にも良く接着するのでボーンセメントと
しても用途が期待される。更に金属への接着力を
活かして、構造用接着剤、塗料、金属表面処理剤
等の工業用途への応用も可能である。 とくに、本発明の化合物を歯科用接着剤に用い
る場合、(1)接着性モノマーとしての該化合物、(2)
共重合性ビニル化合物および(3)硬化剤からなる組
成物として用いられるのが好ましい。組成物中に
おける該接着性化合物の含量は接着性の点から全
単量体に対し0.5重量%以上であり、通常は1.5〜
50重量%の範囲で用いられる。共重合性ビニル化
合物としては、従来から歯科用接着剤に用いられ
ているものが使用可能であり、スチレン、酢酸ビ
ニル、(メタ)アクリレート系単量体〔メチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−メタクリロイルオキ
シエチル フエニル ハイドロジエン ホスフエ
ート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)ア
クリレート、Bis−GMA、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、ビスフエノール
−Aジ(メタ)アクリレート等、特開昭52−
113089号の記載参照〕等があげられる。これらは
適宜選択されて、接着剤の粘度、濡れ特性、硬化
特性、機械的性質などが調節される。硬化剤とし
ては、歯科分野で用いられている。ベンゾイルパ
ーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、ト
リブチルボラン、芳香族スルフイン酸(または
塩)、芳香族スルフイン酸塩/ジアシルパーオキ
サイド/芳香族第3級アミン系等が用いられる。
また、光増感剤(ベンゾインメチルエーテル等)
も用いられる。硬化剤については、特開昭53−
110637号、54−11149号の記載が参照される。さ
らに、上記の組成物に揮発性の有機溶剤(エタノ
ール等)、結晶石英等の無機フイラー、ポリメチ
ルメタクリレート粉末等の有機フイラーが加えら
れることもできる。 以下、実施例および比較例によつて本発明をさ
らに詳細に説明する。 実施例 1 メタクリル酸250g(2.9モル)、1,4−ビス
(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン480g(2.4
モル)、P−トルエンスルホン酸35g、ハイドロ
キノンモノメチルエーテル0.6gを1の三つ口
フラスコに入れ、85℃まで加熱した。全体が溶解
して均一な溶液になつてから、アスピレータで減
圧(20〜100mmHg)にし、酸素を吹き込みなが
ら、内温85℃〜90℃で生成水を溜出させた。約4
時間後水が溜出しなくなつたら、反応を停止し、
反応溶液が熱いうちに1.5のトルエン中に注ぎ、
析出して来た未反応ジオールを4号フイルターで
別した。液は5%Na2CO3水溶液500c.c.にて
2度水洗し、次いで中性水で3度水洗してからボ
ウ硝にて乾燥し、ハイドロキノンモノメチルエー
テルを0.1g加えトルエンを80℃以下で減圧溜去
した。以上の操作によりモノエステル(B)とジエス
テル(C)の混合物を440g得た。 HLC分析の結果、該混合物中のモノエステル
含量は65重量%で、原料のジオールの残存量は痕
跡程度であつた。 次にオキシ塩化リン55.2g(0.36mo)を150
c.c.のテトラヒドロフランに溶解し1の反応容器
に入れ、−50℃まで冷却した。先に合成しておい
たモノエステル・ジエステル混合物160g(モノ
エステルが0.3モル)とトリエチルアミン33.4g
(0.33モル)をテトラヒドロフラン150c.c.に溶解
し、500c.c.の滴下ロートに入れ反応容器に接続し
た。乾燥N2ガスを吹き込みながらオキシ塩化リ
ン溶液を激しく撹拌し、前記モノエステル溶液を
ゆつくり滴下した。滴下中は内温を−45〜−50℃
に保ち、滴下終了後1時間は−45℃に保つた。そ
の後0℃まで昇温し、水30mlとトリエチルアミン
75.9gを100c.c.のテトラヒドロフランに溶解した
溶液をゆつくり滴下した。滴下終了後15時間、氷
冷下反応溶液の撹拌を続けてP−Cl結合の加水分
解を完了させた。その後析出して来たトリエチル
アンモニウムクロリドを4号ガラスフイルターで
別し、液に30mgのハイドロキノンモノメチル
エーテルを加えてから、テトラヒドロフランを30
℃以下の温度で減圧溜去した。得られた残渣は
400c.c.の0.3N塩酸水溶液中に注ぎ、固化した残渣
を別して、0.3N塩酸水溶液500c.c.で洗浄しフイ
ルター上で水切りをした。次に該残渣はトルエン
にて数回洗浄し、トルエン可溶物を洗い流してか
ら、室温にて減圧乾燥した。以上の操作により74
gの粗リン酸モノエステルを白色固体として得
た。更に該リン酸モノエステルを300c.c.のテトラ
ヒドロフランに溶解し、不溶物を別した後、ト
ルエンとn−ヘキサンの1:1(体積比)混合溶
媒を加えて再結晶し、69gの結晶を得た。 該結晶の融点は108.5〜109.5℃であつた。d6
アセトン溶液とし、室温で90MHzNMRの測定を
行なうと、δ=6.05と5.55にエチレン性プロトン
のシグナルを、δ=4.0〜4.5に8個のメチレンプ
ロトンの多量シグナルを、δ=1.85にメチルプロ
トンのシグナルを、δ=6.9にフエニレン基の4
個のプロトンのシグナルを、δ=8.3にリン酸基
のプロトンのシグナルを観測した。また元素分析
の結果はC:48.1%P:9.1%〔計算値、C:48.6
%、P:8.9%〕で該化合物が であることを確認した。 実施例 2 実施例1において、メタクリル酸をアクリル酸
216g(3.0モル)に替えた以外は、実施例1と全
く同一の条件で実験を行い、ジオールのモノエス
テル、ジエステル混合物を得た。HLCでモノエ
ステル含量を決定した後、モノエステル0.3モル
に相当する量の該混合物を使用して、リン酸エス
テル化反応を行つた後、単離を実施例1と全く同
一の方法で行ない、65gの白色固体を得た。該化
合物のNMR測定、元素分析〔C:46.5%(47.0)
P:9.1%(9.3)、ただし( )内は計算値〕を
行つた結果、該化合物が であることを確認した。またHLC分析の結果純
度は95%以上であつた。 実施例 3〜6 メタクリル酸またはアクリル酸と、ジオールと
して1,4−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)
ベンゼンまたは1,4−ビス(4−ヒドロキシブ
トキシ)ベンゼンを使用し、実施例1および2の
方法に従つて、第1表に記載した4種の化合物を
合成した。NMR、元素分析にて構造を確認し、
HLCで純度を決定した。なお、元素分析値のう
ち、C,H,Pの値を第1表に示した。いずれの
化合物も純度95%以上であつた。
【表】 実施例7,8および比較例1 接着性モノマーとして本発明の2種類の化合物
(実施例7,8)および2−メタクリロイルオキ
シエチル ジハイドロジエン ホスフエート(比
較例1)をそれぞれ含有する3種の接着剤を下記
の処方で調合し、金属に対する接着力の耐水性試
験を行つた。 接着剤組成 包装 接着性モノマー 3重量部 メチルメタクリレート 97 〃 ベンゾイルパーオキシド 1 〃 包装 ポリメチルメタクリレート粉末 100重量部 ベンゼンスルフイン酸ソーダ 3 〃 N,N−ジエタノール−P−トルイジン
1 〃 (但し、包装はPMMA粉末にベンゼンスル
フイン酸及びアミンの粉末を均一に混合分散させ
たもの。) 10×10×3mmのNi−Cr合金(Ni:92.7%)チ
ツプを#1000研磨紙で磨きあげ、水、メチルエチ
ルケトン中で超音波洗浄した。この鋳造板に5mm
φの孔を穿つたセロテープを孔が該研磨面の中心
に一致する様貼り付けた。別に7mmφ×35mmのス
テンレス棒をNi−Cr合金鋳造板と同数用意し、
その一方の端面を同様に研磨洗浄した。上記の接
着剤包装と包装を同重量づつ混合し、筆で合
金鋳造板(セロテープの孔の部分)とステンレス
棒に塗布し、突き合せ接着を行つた。1つの接着
剤につき20個の接着試料をつくり、接着1時間後
37℃水中に浸漬した。24時間後及び10日後に試料
を各10個づつ取り出しインストロン引張試験機で
引張接着強さを測定し、その平均値を第2表に示
した。なお引張強さが400Kg/cm2以上の場合は接
着剤の凝集破壊が起き、それ以下の場合は主とし
てNi−Cr合金面での界面破壊であつた。
【表】 第2表から明らかなように本発明の接着性モノ
マーを使用した場合、初期の接着力が400Kg/cm2
以上と非常に高く、しかも水中浸漬10日後でも接
着力の低下は認められなかつたが、公知のリン酸
エステルモノマーである2−メタクリロイルオキ
シエチル ジハイドロジエン ホスフエートを用
いた場合には水中浸漬により急激に接着力が低下
した。 実施例9,10および比較例2 実施例1,2および比較例1のモノマーを用い
て、下記の処方にしたがつてそれぞれ2液型接着
剤を調合し、該接着剤で市販コンポジツトレジン
を、酸エツチングをした人歯象牙質と、酸エツチ
ングしない象牙質の双方に接着し、その性能を評
価した。 液 2,2−ビス(3−メタクリロイルオキシ−
2−ヒドロキシ プロポキシ)フエニル プ
ロパン 40 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 30 ジエチレングリコール ジメタクリレート23 接着性モノマー 7 ベンゾイルパーオキサイド 1.5 液 95%エタノール 100 ベンゼンスルフイン酸ソーダ 4 N,N−ジエタノール−P−トルイジン 1 人歯大臼歯を象牙質が接着面に出るように角柱
状に削り出したものと、象牙角棒(10×10×30
mm)を準備する。これらは使用直前まで水中冷蔵
保存する。象牙質を酸エツチングしてから接着す
る場合、使用直前に人歯の接着すべき象牙質面か
ら水を拭き、40%正リン酸水溶液で1分間該象牙
質面をエツチングする。次いで流水で良く水洗し
水分は清浄空気または窒素を吹きつけて蒸発させ
側面にアルミストリツプを巻きつける。一方象牙
棒は接着面の水分を拭き取つておく。人歯、象牙
棒とも液と液の等体積混合液を塗布し、清浄
空気または窒素を吹きつけて乾燥する。市販コン
ポジツトレジン「Clearfil F 」(クラレ製)を
混練りし、このペーストを人歯と象牙接着面間に
サンドウイツチに挾んで接着した。酸エツチング
しないで接着する場合には上記操作のうちエツチ
ングとそれに続く水洗の操作だけを省き、他は全
く同一方法で接着を行つた。接着30分後に試料片
を37℃水中に浸漬し、1日後インストロン引張試
験機で引張接着強度を測定(クロスヘツドスピー
ド2mm/min)し、その結果を第3表に示した。
なお1種の接着剤の評価に人歯7本を使用し、7
本の接着力の平均値を示した。
【表】 第3表から明らかなように本発明の化合物(A)
は、公知のリン酸モノエステルモノマーである2
−メタクリロイルオキシエチル ジハイドロジエ
ン ホスフエートに比べ著しく高い接着力を示し
た。特に、象牙質の酸エツチングなしでも歯科臨
床上使用に耐え得るだけの高い接着力を示し、従
来技術では到底考えられなかつた治療手法の簡略
化が可能である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 (式中、RはHまたはCH3、nは2から4まで
    の整数を表わす) で示される重合性リン酸モノエステル化合物。 2 nが2である特許請求の範囲第1項記載の重
    合性リン酸モノエステル化合物。 3 RがCH3である特許請求の範囲第2項記載の
    重合性リン酸モノエステル化合物。
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