JPH01252514A - 鉄炭素複合材料 - Google Patents

鉄炭素複合材料

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JPH01252514A
JPH01252514A JP1042134A JP4213489A JPH01252514A JP H01252514 A JPH01252514 A JP H01252514A JP 1042134 A JP1042134 A JP 1042134A JP 4213489 A JP4213489 A JP 4213489A JP H01252514 A JPH01252514 A JP H01252514A
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iron
carbon
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polymer
less
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JP1042134A
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Akira Nakamura
晃 中村
Hajime Yasuda
源 安田
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は鉄炭素複合材料に関する。さらに詳しくは、本
発明は炭素材料を主成分とし鉄超微粒子を高度に分散さ
せた複合材料に関するものであり、触媒や導電性材料、
電極材料、磁性材料等を始めとする高度な機能材料を提
供するものである。
[従来の技術およびその解決すべき課題]現在金属材料
や炭素材料はその性質の多様さ、資源の豊富さからきわ
めて広い分野に適用されている。しかし、一方では、そ
の中で更に高性能、高機能なものが望まれている分野が
あり、より精密な素材設計による、より高活性な材料が
期待されている。
金属材料に関しては、例えば触媒としてより活性で操作
性、作業性、選択性に優れた素材が求められており、ま
た磁性材料としてより高密度に記録できる磁性層や磁性
粉が求められている。
炭素材料には、化学的安定性に加え軽量、耐熱性、潤滑
性、良伝熱性、良導電性等の特性があり、これに更に賦
形性と機械的強度を与えた炭素繊維や、多孔性を賦与し
た特性を生かせる活性炭等がある。このような炭素繊維
や活性炭はそれ自身有効であるだけでなく、これを活性
の場や、補強材等として用いるなど、副次的用途にも多
大な期待がかけられている。
これら金属材料と炭素材料との複合化に関連する技術と
して、例えば炭素繊維の金属による表面加工がある。こ
れは、特開昭60−16805号公報の記載に代表され
るように金属イオン、金属微粒子またはセラミックス微
粒子などの溶液や分散液を用い、これに炭素繊維を浸漬
後乾燥、熱処理することによって得られるものである。
また、特開昭60−155715号公報の記載に代表さ
れるように、炭素繊維の表面の官能基に金属塩を形成さ
せ、その後熱処理する方法も知られている。また、電気
めっき液または無電解めっき液の中に浸漬したり、めっ
き液をスプレーにより繊維に塗布したりする方法(特開
昭60−119269号公報)や更に、被覆方法を乾式
にし、金属材料を蒸発源として蒸着やスパッタリングで
形成する方法(Cryogenics  l 984 
、24’、 636)等も知られている。以上のような
諸方法は、何れも炭素繊維とプラスチックスとの複合化
に際して、マトリックスと繊維との界面における濡れ性
の改善を目的としたものである。また、炭素繊維、活性
炭、或は活性炭繊維等の表面の活性化を目的として上記
と同様の処理を行い表面に金属微粒子の析出を行う等も
公知のことである。
これらは何れも炭素の表面付近に金属を析出させたもの
であって、炭素と釡属との均一な複合材料とは言い難い
。金属炭素複合材料をバルク機能をもつものとして導電
材料、磁性材料等に適用するとなると、炭素と金属とか
均一に分散しあった材料が必要になる。
この様な材料について特に金属として鉄を用いたもので
の複合化の試みがなされている。例えば、ビニルフェロ
センとジビニルベンゼンのモノマー混合物やビニルフェ
ロセンとポリノビニルベンゼンの混合重合物を高圧で熱
処理する方法(J、Mater、Sci、、 18,2
81 +)であるが、この場合にあっては、球状物を形
成したり、均質性に問題があり、収量にも乏しいという
欠点がある。
また、アセチルフェロセンとフルフラールを縮合させる
方法(Chem、Lett、、277(1974)、1
bid、  843 (1972))やビニルフェロセ
ンとフルフリルアルコールを縮合硬化させ熱処理する方
法(Amorphous Magnetism P I
er+um(1973))にあっては、熱的、経時的に
空気中で発火し安定性の面で大きな問題を残したままで
ある。同時に、マトリックス成分である炭素の結晶構造
も発達しにくいため十分なグラファイト層の形成が見ら
れず、導電材料のような用途には不適である。
一方、分散される側の金属成分に関しては特に安定なフ
ェロセンタイブ(二ついてのみ研究が進められてきたの
が現状である。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは上述のような課題を解決するため鋭意研究
の結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、鉄を超微粒子として炭素マトリッ
クス中に分散させた鉄炭素複合材料の製法を提供するも
のである。鉄超微粒子成分は粒径5μm以下であること
が材料としての均一性、表面平滑性、金属としての機能
、例えば導電性、伝熱性、触媒活性、磁性等を特異的に
発現させる上で不可欠であり、本発明はこのような鉄炭
素複合材料の製造方法を提供するものであって、分散粒
子の粒径および粒径分布を目的にあわせて制御すること
が可能である。
本発明によるこれらの鉄炭素複合材料の具体的製造方法
は、主鎖および/または側鎖に配位能を有する原子団を
備えた、高分子化合物に鉄を配位させ、得られた有機鉄
高分子化合物を不活性雰囲気下400℃〜2000℃の
温度で熱処理することを特徴とするものである。また、
重合可能な官能基を有する有機鉄化合物を重合すること
によって得られた有機鉄高分子化合物を不活性雰囲気下
400°C〜2000℃で熱処理することを特徴とする
ものである。
さらに、本発明にあってはこれらの鉄成分が均一に分散
していることが特徴的であって、凝集したり材料表面や
マトリックス結晶粒界に析出あるいはaWiされたもの
でないことが重要である。
鉄超微粒子を均一分散させるためには、その超微粒子表
面に鉄炭化物層を残留させた方がよい場合があり、これ
によって鉄炭素複合材料の機械的強度、摩擦堅牢性、化
学安定性を向上させることができる。しかし、一方この
層によって電気伝導性や触媒能等も影響を受けるため、
鉄炭化物層の有無や層厚については、目的、用途に応じ
て選ぶのが好ましい。本発明の製造方法によって、鉄微
粉末表面の炭化物層を制御することが可能である。
本発明の製造方法によれば、粒径5μス以下の粒径をも
つ鉄超微粒子を均一分散させた炭素材料を再現性良く安
定に製造することが可能である。
特に0.1μm以下の超微粒子においては他の気相法等
による製造が極めて困難な鉄についても調製が可能であ
る。この点を生かして、本発明によって製造された鉄炭
素複合材料は、担持鉄触媒調製、高密度磁性材料、焼結
材料、化学センサー等にひろく用途展開することができ
る。尚、本明細書中において粒径とは透過電子顕微鏡写
真における面積平均径の中位径を意味する。
本発明の鉄炭素複合材料の製法によれば、鉄を0.2〜
50重爪%含む鉄炭素複合材料を得ることができる。た
だし、含有量をこの50%以上とすることも例えば後処
理として徐酸化を行い、カーボン部分を部分的に除去す
る方法や複合材調製時に徐酸化を施す方法等によりJ、
す製できる。このような方法によって表面の多孔化も可
能となり多方面への適用が可能となる。
本発明の製法による鉄炭素複合材料において、炭素成分
はマトリックスを構成し、この中に上述のような鉄超微
粒子が分散している。この炭素成分の構造は製造原料お
よび焼成条件によっているいろであるが、通常、グラフ
ァイトを主成分とし一部無定型炭素からなっている。存
在する鉄の触媒作用によって、比較的低温で炭素構造が
発達し易く、閉殻の構造をとり、グラファイト構造が発
達しているという特異な構造を有している。このため、
酸化され易い鉄を酸化から保護することができ、本来安
定に存在し難い鉄属微粉でも極めて安定に存在させるこ
とかできる。ただし、用いる高分子化合物で、架橋構造
をとりにくいものや一部ピッチ系の前駆体を用いた場合
には閉殻構造をとりにくく、後処理で活性な而を出し易
いものもある。
本発明の鉄炭素複合材料の製法は、上述のように前駆体
の有機鉄高分子化合物を焼成するものであって、配位可
能な高分子化合物と鉄との配位化合物が原料となってい
る。
こあ配位可能な高分子化合物とは、分子中の主鎖および
/または側鎖に配位能を有する原子団を備えた高分子化
合物のことであり、下記のように一般式で表示されるも
のである。
+L −) n−または −←T−)n−り これらの鉄°への配位により形成された有機鉄高分子化
合物とは、下記に一般式で示される。
ここで、Lは配位能のある基を示し、Mは鉄または鉄イ
オン、Xはカルボニル、ハロゲン、シア2ノ、アミン、
ニトロシル等の補助配位子であり、nは高分子鎖の繰り
返し単位であり、mは補助配位子の個数を表わす。
L7M結合はπ配位、n配位、σ配位を含む。
このような配位可能な高分子化合物を例示すれば以下の
通りである。
すなわち、a)鉄が炭素原子団のみからなる配位子に担
持されるような高分子化合物のうちで、高分子主鎖およ
び/または側鎖に鎖状および/または環状の不飽和結合
を有するか、または鉄と炭素が置換反応によってσ結合
を形成し得るような基を持つ配位子を有する高分子化合
物であって、具体的にはポリブタジェン、ポリモノビニ
ルアセチレン、ポリブタジイン、ポリスチレン、ポリビ
ニ・ルナフタレン、ポリベンジルアクリレート、ポリビ
ニルシクロペンタジェン、ポリビニルシクロオクタジエ
ン、ポリジビニルベンゼン、ポリジビニルエーテル、ポ
リアリルビニルエーテル、ポリイソプレン、ポリクロロ
プレン、ポリジフェニルブタジェン、ポリペンタジェン
、ポリへキサジエン、ポリジビニルケトン、ポリジビニ
ルアセチレン、ポリフタル酸ジアリル、クロロポリスチ
レン、クロロメヂルボリスチレン、ポリ[3−[(ビニ
ロキシ)アルキル]−1,3−ペンタジェン]、ポリ[
3−(1,3−ペンタジェニル)アルキルアクリレ−ト
コ、ポリ(シクロペンタジェニルアルキルアクリレート
)、ポリ[p−(シクロペンタジェニルメチル)スチレ
ンコ、ポリ[(フェニルアルキル)アクリレート]、ポ
リしくフェニルアルキル)メタクリレ−トコ、ポリ[(
ペンタジェニル)アクリレート]、ポリ[(フェニルメ
チル)エヂレン]等であり、これらは単独重合体または
、これらの繰り返し単位での交互もしくはブロック共重
合物、さ)に重合物中にこれらの重合繰り返し単位を一
部に有する高分子化合物を含む。これらの高分子化合物
は天然の石油系および石炭系ピンチ、リグニン等を含む
さらに、b)炭素以外の原子例えば、N、O等の異核原
子を有する原子団を鉄と配位させる配位子とする高分子
化合物であり、詳しくは、配位子としてピリジン、ピリ
ミジン、アミド、カルボジイミド、ニトリル等の原子団
を有する高分子化合物であり、さらに具体的には、例え
ば、ポリ[1(4−ビリノル)エチレン]、ポリ[1−
(N−イミダゾイル)エチレン]、ポリ[+−(2−イ
ミダゾイル)エチレン]、ポリ[1−(2−イミダゾイ
ルメチル)エチレン]、ポリ(1−シアノエチレン)、
ポリ[l−(シアノメチル)エヂレンコ、ポリ(1−サ
リヂロキンエチレン)、ポリ(アクリロイロヒド口キザ
ミン)等であり、これら単独重合体および、これらの重
合繰り返し単位での交互、ブロックまたはランダム共重
合物、さらに重合物中にこれらの重合繰り返し単位を一
部有する高分子化合物を含む。
また、これらの主に付加重合および開環重合生成物の他
に不飽和ポリエステル、フェノール樹脂、ナイロン等の
縮合系高分子化合物を含む。
本発明のもう一つの製造方法は、重合可能な官能基を有
する有機鉄化合物を重合してなる有機鉄高分子化合物を
焼成することによって得られるものである。
重合可能な官能基を有する有機鉄化合物は、配位能を有
する部位と重合能を有する部位とからなる有機化合物に
鉄を配位させることによりなる化合物群であって、C)
配位子能を有する部位が炭素以外の原子、例えばN、O
等の異核原子を有する原子団を有するもので、詳しくは
配位原子団が、ピリジン、ピリミジン、アミド、ニトリ
ル、カルボン酸等の原子団を有する有機化合物であり、
さらに具体的に例示すれば、アクリル酸、メタクリル酸
、アクリロニトリル、システィン等であるか、または、
d)配位子能を有する部位が二重結合を有する環式化合
物と2ヶ以上の補助配位子からなっているものであって
、一般式として次式のようなものである。
L−MXm   (m=2〜6) ここで、Lは二重結合を有する環式配位子てあってたと
えば、スチレン、ビニルナフタレン、ベンジルアクリレ
ート、ビニルシクロペンタジェン、ビニルシクロオクタ
ノエン、ジビニルベンゼン、アリルビニルエーテル、フ
タル酸ジアリル、1−オキシ[3−(1,3−ペンタジ
ェニル)アルキル]エチレン、1−オキシ[3−(1,
3−ペンタジェニル)アルキルコアクリレート、l−オ
キシ[3−(1,3−シクロペンタジェニル)アルキル
コアクリレート、[(1,3−シクロペンタジェニル)
メチルアセチレン、(フェニルアルキル)アクリレート
、(フェニルアルキル)メタクリレート、(ペンタジェ
ニル)アクリレート等であり、Mは鉄または鉄イオン、
Xはカルボニル、ハロゲン、シアノ、アミン、ニトロシ
ル等の補助配位子である。
これらの鉄への配位は配位子側がa)、b)に示された
高分子化合物であっても、C)、d)に示された低分子
化合物であっても、一般の有機鉄分子錯体合成法に適用
される方法を用い得る。すなわち、鉄の置換反応による
直接メタル化反応、ハロゲン化物との置換反応、鉄塩を
用いる鉄−水素交換反応、有機鉄による鉄−ハロゲン交
換反応、配位子交換反応の他、鉄や鉄塩、鉄カルボニル
、有機鉄類等の直接的な配位も可能である。
これらの重合性有機鉄化合物の重合体もしくは共重合体
、または、該化合物と重合性モノマーとの共重合体また
は架橋重合体、あるいは、これらの重合体、共重合体ま
たは架橋重合体の混合物を、本発明における前駆体有機
鉄高分子化合物として用いる。重合性有機鉄化合物と共
に用いることのできる重合性モノマーとしては、該重合
性有機鉄化合物に用いた重合可能な官能基を持った配位
子の鉄に未配位の化合物の他に、一般的なモノマーが使
用可能である。
すなわち、一般的なオレフィン類として、エチレン、プ
ロピレン、ブテン類、イソブチレン、シクロブテン、シ
クロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シク
ロオクテン等があり、アセヂレン類としては、アセチレ
ン、メチルアセチレン、プロビルアセヂレン、フヱニル
アセヂレン等がある。さらに、ハロゲノオレフィン類と
して塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化
ビニル等があり、その他酢酸ビニル等のビニルエステル
類、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン
、クロルスチレン、アミノスチレン、ヒドロキシスチレ
ン等やビニルナフタリン、ビニルアントラセン、アセナ
フチレン、サリヂル酸ビニル等の芳香族ビニル化合物、
エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、プロ
ピルビニルエーテル等のアルキルおよび芳香族ビニルエ
ーテル類、α−ソアノアクリル酸エステル、α−ハロゲ
ノアクリル酸エステル等のアクリル酸およびアクリル酸
エステル類、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸およ
びメタクリル酸エステル類、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、アジポニトリル、ビニリデンシアナイド
、フタリロニトリル、イソニトリル等のニトリルおよび
イソニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、
ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド類、メチ
ルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケト
ン類の他、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール類等が
ある。
これらの配位化合物には、鉄の配位によって配位子中の
水素イオンの離脱や転位、配位子自体の酸化還元等を伴
い、新たな分子中の電子配置が生じたり、配位される鉄
の原子価やイオン性が変動する場合が生じるが、このよ
うなものも本発明の鉄炭素複合材料の出発物質とするこ
とができる。
上記例示中にはこのような配位化合物をも一部示した。
このような有機鉄化合物は賦形性に優れ、前駆体重合物
を様々な成形方法を用いて最終の鉄炭素複合材料の必要
とする計上に併せて成形が可能である。バルク体として
加圧成形、押出成形、射出成形等の一般的な成形方法の
他に分子量の制御により紡糸することや、シート化が可
能である。
以上述べたようにして得られる鉄を含んだ前駆体重合物
を選んで焼成することにより本発明の鉄炭素複合材料を
得ることができる。
焼成は通常窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で常
圧で行うことが多いが、場合によって1000 atm
前後の加圧下または減圧下での焼成が必要である。
焼成温度は、通常400〜2000℃で好ましい。また
、有機物を焼成するため熱分解する際に昇温コントロー
ルする必要がある。特にこの昇温過程では、マトリック
スの熱分解が重合を伴うことがあるため、異常に発生す
る熱を避ける必要がある。このため、昇温速度を0.0
1−1’c/分の範囲内で行うことが望ましい。さらに
、炭素化初期温度領域まで熱処理した後加圧成形を施し
、再び熱処理することにより、生産性を向上させ得る場
合がある。最終処理温度における定温保持時間は0.5
時間以上50時間までが望ましい。
以上のようにして得られる鉄炭素複合材料の構造および
組成を同定確認した。すなわち、原料の高分子化合物お
よび有機鉄化合物は一般の有機化合物および有機鉄化合
物の構造決定に用いられる赤外分光光度計(■R)、核
磁気共鳴(NMR)、元素分析、さらに紫外線分光分析
(UV)等の分光学的方法により構造決定した。
焼成途中の過程では熱重量分析を行い、熱分解過程に伴
う減量の様子を観察した。焼成完了物中の巨視的な鉄の
分布、分散状態は、走査型電子顕微鏡(SEM)像およ
びX線マイクロアナライザー(EPMA)像で解析した
さらに、微視的な鉄の分布、分散状態、マトリックスの
炭素の状態は透過電子顕微鏡(T E M)像より観察
し、鉄とマトリックスの炭素の区別はエネルギー分散型
X線回折装置(EDX)によった。また、鉄の金属部分
の同定にはメスバウアースペクトルを用いた。
尚、具体的な製造方法の例を以下に示す:p−クロロメ
チルスチレンをテトラヒドロフランに溶解し、これにシ
クロペンタジェニルナトリウムのテトラヒト【1フラン
溶液を加え、溶媒を留去後ベンゼンを加え可溶分にエニ
アカルボニルFe。
(Co)、を粉末のまま加え、例えば40℃24時間反
応させる。ベンゼン可溶部を重合させる。黄色のベンゼ
ン可溶部で、ヘキサン不溶部分から有機高分子鉄化合物
が得られ、このポリマー中−CHt(Csl−1t)F
e(Go)3の存在が認められる。これを乾燥後窒素気
流下400℃で仮焼成し、更に1000℃2日間焼成す
ることにより、鉄炭素複合材料を得る。
ビニルシクロペンタジェンあるいはビニルシクロオクタ
ジエンのベンゼン溶液にエニアカルボニルF et(c
 O)eを粉末のまま加え、例えば40℃24時間反応
させる。ベンゼン可溶部を重合体のスチレン単位が10
〜90%となるようにスチレンと共重合さける。黄色の
ベンゼン可溶部でヘキサン不溶部分から有機高分子鉄化
合物が得られ、このポリマー中−Cl−1t(CsI(
4)F e(CO)+の存在が認められる。これを乾燥
後窒素気流下400℃で仮焼成し、更に1000℃2日
間焼成することにより、鉄炭素複合材料を得る。
シクロオクタジェニルアルコールをアクリル酸エステル
とし、このベンゼン溶液中にエニアカルボニルFe1(
CO)sを加えて還流し、粉末のまま加え、例えば40
℃24時間反応させる。ベンゼン可溶部を重合体のスチ
レン単位が10〜90%となるようにスチレンと共重合
させる。黄色のベンゼン可溶部でヘキサン不溶部分から
有機高分子鉄化合物が得られ、このポリマー中−CI−
L(C5H4) F e(CO)3の存在が認められる
。これを乾燥後窒素気流下400℃で仮焼成し、更に1
000℃2日間焼成することにより、鉄炭素複合材料を
得る。
[実施例] 以下実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、以
下の例はあくまで一例であって、これにより本発明の対
象範囲が限定されるものではない。
(実施例1) ベンゼン可溶の固形石油ピッチ109にPet(C0)
e  1.89(5,0ミリモル)をベンゼン50x1
2中で24時間還流して反応を行った。放冷後メンブラ
ンフィルタ−で濾過し、溶液を5mQに濃縮した。
大量のヘキサンを加えて沈澱したピッチを濾取し、40
0〜1000℃で焼成ルた。得られた炭素材料中の鉄の
含Kmは1.2%(重量)であり、空気中で安定であっ
た。この材料のTEM像を第1図に示す。
(実施例2) ビリノン/エーテル混合溶液中で得られた2゜4−ヘキ
サノエン−1−オールのアクリレートとスチレンをベン
ゼン中アゾイソブヂロニトリル(A113N)開始剤で
l:5で重合さ仕た。得られた共重合体をでベンゼン中
で撹拌しなからPet(CO)。と5時間アルゴン雰囲
気下還流さけた。得られた配位高分子化合物を洗浄乾燥
後、400℃窒素気流中で仮焼成し、1000℃まで1
’C/分で昇温後10時間保持し、黒色の鉄炭素複合材
料を得た。
(実施例3) p−クロロメチルスチレンとスチレンの1:9共重合体
(市販品)3gをテトラヒドロフラン50i(に溶解し
、これにシクロペンタジェニルナトリウム1.6g(4
ミリモル)のテトラヒドロフラン溶液を加え1時間反応
させた。溶媒を留去後ベンゼン50112を加え、濾別
後回溶分にエニアカルボニルF et(Co)、 1 
、69(5ミリモル)を粉末のまま加え、40℃24時
間撹拌する。黄色のベンゼン可溶部をヘキサン中に注ぐ
とフェニル基に−C1〜■。
(CsH4)Fe(Co)3を含む黄色のポリマーが析
出した。(収率92%) 、これを乾燥後、窒素気流中下400℃2日、1000
°C4日間仮焼成して、鉄炭素複合材料を得た。焼成に
よる重量減は70%であった。InスペクトルでCOの
存在は認められなかった。Feの含有mは4.1重量%
であっtこ。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られた材料の粒子構造を示す透過
電子顕微鏡写真である。 第1図

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.主鎖および/または側鎖に配位能を有する原子団を
    備えた配位可能な高分子化合物に鉄または鉄イオンを配
    位させて得られる有機鉄高分子化合物を、不活性雰囲気
    下400℃〜2000℃の温度で熱処理して得られる、
    少なくとも一部が鉄炭化物で被覆されることもある粒径
    5μm以下の鉄超微粒子が炭素を主成分とする炭素材料
    中に均一に分散された鉄炭素複合材料。
  2. 2.主鎖および/または側鎖にN,Oから成る群から選
    ばれた1種または2種以上の異核原子を含む配位能を有
    する原子団を備えた配位可能な高分子化合物に鉄または
    鉄イオンを配位させて得られる有機鉄高分子化合物を、
    不活性雰囲気下400℃〜2000℃の温度で熱処理し
    て得られる、少なくとも一部が鉄炭化物で被覆されるこ
    ともある粒径5μm以下の鉄超微粒子が炭素を主成分と
    する炭素材料中に均一に分散された鉄炭素複合材料。
  3. 3.環状不飽和配位子と2ヶ以上の補助配位子とに配位
    された鉄または鉄イオンを有し、かつ付加重合可能な官
    能基を有する重合性有機鉄配位化合物の1種または2種
    以上を重合して得られる重合体もしくは共重合体、また
    はこれらの重合体もしくは共重合体の混合物を、不活性
    雰囲気下400℃以上2000℃以下の温度で熱処理す
    ることによって得られる、少なくとも一部が鉄炭化物で
    被覆されることもある粒径5μm以下の鉄超微粒子が炭
    素を主成分とする炭素材料中に均一に分散された鉄炭素
    複合材料。
  4. 4.環状不飽和配位子と2ヶ以上の補助配位子とに配位
    された鉄または鉄イオンを有し、かつ付加重合可能な官
    能基を有する重合性有機鉄配位化合物の1種または2種
    以上と、これと共重合し得る重合性モノマーとを共重合
    して得られる共重合体らしくは架橋重合体、またはこれ
    らの共重合体もしくは架橋重合体の混合物を、不活性雰
    囲気下400℃以上2000℃以下の温度で熱処理する
    ことによって得られる、少なくとも一部が鉄炭化物で被
    覆されることもある粒径5μm以下の鉄超微粒子が炭素
    を主成分とする炭素材料中に均一に分散された鉄炭素複
    合材料。
  5. 5.N,Oから成る群から選ばれた1種または2種以上
    の異核原子を含む配位子に配位された鉄または鉄イオン
    を有し、かつ付加重合可能な官能基を有する重合性有機
    鉄配位化合物の1種または2種以上を重合して得られる
    重合体、もしくは共重合体、またはこれらの重合体もし
    くは共重合体の混合物を、不活性雰囲気下400℃以上
    2000℃以下の温度で熱処理することによって得られ
    る、少なくとも一部が鉄炭化物で被覆されることもある
    粒径5μm以下の鉄超微粒子が炭素を主成分とする炭素
    材料中に均一に分散された鉄炭素複合材料。
  6. 6.N,Oから成る群から選ばれた1種または2種以上
    の異核原子を含む配位子に配位された鉄または鉄イオン
    を有し、かつ付加重合可能な官能基を有する重合性有機
    鉄配位化合物の1種または2種以上と、これと共重合し
    得る重合性モノマーとの共重合体もしくは架橋重合体、
    またはこれらの共重合体もしくは架橋重合体の混合物を
    、不活性雰囲気下400℃以上2000℃以下の温度で
    熱処理することによって得られる、少なくとも一部が鉄
    炭化物で被覆されることもある粒径5μm以下の鉄超微
    粒子が炭素を主成分とする炭素材料中に均一に分散され
    た鉄炭素複合材料。
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