JPH01250430A - 多層構造織物及び該織物からなる複合材 - Google Patents

多層構造織物及び該織物からなる複合材

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JPH01250430A
JPH01250430A JP63019671A JP1967188A JPH01250430A JP H01250430 A JPH01250430 A JP H01250430A JP 63019671 A JP63019671 A JP 63019671A JP 1967188 A JP1967188 A JP 1967188A JP H01250430 A JPH01250430 A JP H01250430A
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JP
Japan
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fabric
fibers
weft
warp
layers
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JP63019671A
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English (en)
Inventor
Koji Takenaka
竹中 幸次
Eiji Sato
栄二 佐藤
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、複数の織物層からなり、繊維強化複合材の強
化用繊維基材に通した立体構造をもつ多層構造の織物及
び該織物を補強材とする複合材に関するものである。
更に詳しくは、多層構造織物において、接結部及び無接
結部とが組み合わされることにより、展張することによ
ってハニカム状の空隙を形成することのできる多層構造
織物及びその織物と特定の樹脂とを組合せることによっ
て得られる、機械的特性に優れた高度な複合材に関する
ものである。
〔従来の技術〕
複合材料の一つとして、表面層を形成するための表面材
をハニカム状の空孔を有する芯材(以下、「ハニカムコ
ア」と称する)に貼り合わせた構造材が知られている。
従来、ハニカムコアは、例えば紙、アルミ箔1、フィル
ム等の薄いシートに等間隔帯状に接着剤を塗布して積層
接着したのち、これを展張してハニカム状の空孔を形成
することによって得られるものが一般的であった。
シート材料としてガラス繊維等の平面状の織物を用いて
上述の方法によりハニカムコアを形成することは知られ
ており、更にかかるハニカムコア材に例えばエポキシ樹
脂等の熱硬化性樹脂を含浸させた複合材も既に知られて
いる。しかしながら、かかるハニカムコアにおいても、
接着された面の引張強度(剥離強度)や剪断強度に対し
ては充分に高い性能を有するものではない。特に近年、
ハニカム状構造材を航空機の構造部材として使用するこ
とが熱望されているが、上記の特性の点で未だ充分に満
足できるものは得られていない。
米国特許第3102559号明細書には、天然繊維、ナ
イロン、ガラス繊維などの糸から織成せるハニカム構造
織物に、熱硬化性樹脂を含浸した複合材が記載されてい
る。この複合材は、接着面での引張強度が改善され、か
つ熱硬化性樹脂との組合せによって比較的高い圧縮強度
は持つものの、航空機用構造材とするには未だ不充分で
あり、更に脆いために繰返し応力が加わった場合に破壊
しやすいという欠点を有する。
一方、炭素繊維やアラミド繊維の織物やマットに熱硬化
性樹脂を含浸した複合材が知られている。
この複合材は、引張強度が強く、圧縮強度にも優れるも
のの脆さ、衝撃強度の点では不充分であり、特に航空機
等の従来の用途に比べて一層過酷な用途への適用は難か
しく、自ずと適用分野は制限されているのが実状である
。しかも航空機用分野に適用するには軽量であることが
重要な条件であるが、軽量化をはかろうとすると、引張
強度、圧縮強度が低下し、繰返し応力−が加わった場合
に破壊し易くなり、しかも耐衝撃性が低下する。また、
航空機部材においては高温及び低温下に繰返し曝された
場合の耐久性、耐熱性が乏しいという問題点がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、軽量化されたうえに、広範な温度領域
にわたって圧縮強度にすぐれ、繰返し応力が加わった場
合に破壊し難く、衝撃性にすぐれた複合材用として特に
好適な織物、及びこの織物を用いて前記の諸性能が最も
効果的に発揮し得る複合材を提供するにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上述の従来技術にみられる問題点を、特定の
繊維を用い経糸及び緯糸を多層間に特異な配置とする構
造織物とすること、及び該多層構造織物と特定のマトリ
ックス樹脂とにより構成された複合材とすることによっ
て解決するものである。
即ち、本発明は、複数の織物層からなる多層織物におい
て、隣接する織物層の一方の織物層の経糸群(あるいは
緯糸群)または経糸群の一部の経糸(あるいは緯糸群の
一部の緯糸)と、他方の織物層の経糸群(あるいは緯糸
群)または経糸群の一部の経糸(あるいは緯糸群の一部
の緯糸)とが共通の緯糸(あるいは経糸)に交錯するこ
とにより形成された接結部により一体構成した多層の織
物であって、互いに隣接する1組の4層は、中間の2層
によって形成される1組の接結部(A)、 接結部を持たない無接結部(B)、 順次隣接する2層によってそれぞれ形成される2組の接
結部(C)、および 接結部を持たない無接結部(B) からなる構成単位の繰返しからなり、展張することによ
って織物層間全体に4角、6角または4角と6角の組合
せのハニカム形状を形成する多層構造織物であり、この
織物を形成する繊維の40〜100重量%が、溶融しな
いか又は融点が300℃以上であって、初期モジュラス
が250g/d以上の有機繊維であり、0〜60重量%
が無機繊維又は金属繊維であることを特徴とする多層構
造織物を提供する。
さらに、本発明は、上述の多層構造織物を補強材とし、
熱変形温度が150℃以上の熱可塑性樹脂をマトリック
スとする複合材であって、この複合材において、多層構
造織物を形成する繊維が20〜70重量%、マトリック
スを形成する樹脂が80〜30重量%であることを特徴
とするハニカム状構造を有する複合材を提供する。
本発明の多層織物は、複数の織物層からなる多層織物G
こおいて、隣接する織物層の一方の織物層の経糸群(あ
るいは緯糸群)または経糸群の一部の経糸(あるいは緯
糸群の一部の緯糸)と、他方の織物層の経糸群(あるい
は緯糸群)または経糸群の一部の経糸(あるいは緯糸群
の一部の緯糸)とが共通の緯糸(あるいは経糸)に交錯
することにより形成された接結部により一体構成した多
層の織物である。
接結部においては、相隣接対向する一組の上糸・下糸で
織成した2Nの織物の各経糸群又は経糸群の一部が、該
2層の織物とは別に挿入された同一共通の接結用緯糸に
、それぞれの織物を構成する上糸・下糸の経糸が一緒に
、接結部を構成する上糸又は下糸として交錯することに
よって一枚の接結された織U織を構成する。
本発明の多層織物においては、互いに隣接する一組の4
層は、 中間の2層によって形成される1組の接結部(A)、 接結部を持たない無接結部(B)、 順次隣接する2層によってそれぞれ形成される2組の接
結部(C)、および 接結部を持たない無接結部(B) からなる構成単位の繰返しからなり、展張することによ
って織物層間全体にハニカム形状を形成することが必要
である。
織物層間全体にハニカム形状を形成することによって、
複合材とした時の軽量化が達成され、ひいては、複合材
の高い比強度が実現される。
本発明の多層構造織物においては、展張時の多層構造織
物の密度と展張される前の多層構造織物の密度との比が
0..05〜0.3であることが好ましい。
但し、展張時の多層構造織物の密度とは、4角及び/又
は6角形の各セルの内角が同一となるように正規展張さ
れた時の体積と重量とから求められる見掛は密度をいう
密度は、織物を構成する経糸又は緯糸の繊度、織密度等
により多少異なるが、展張したときに形成される空孔(
セル)のサイズに依存して変化する。密度の比が大きい
方が多層構造織物は、補強材として使用する場合、高い
機械的性能を与えるため好ましいが軽量化の点では不利
となる。一方、密度の比が小さい場合には、補強材とし
てのm械的性能を低下させるため好ましくない。
本発明の目的である、例えば航空機用の構造材の如き高
度な複合材においては、単に軽量、あるいは機械的性能
が高いというだけではその目的を満足することは出来ず
、軽量でかつ機械的性能が高いことが強く要求される。
この要求を満足するためには、本発明の多層構造織物に
おいて、上述の密度の比が0.05〜0.3であること
が好ましい。
上述の通り、本発明においては、多層構造織物の層間全
体が、展張前後の密度比が特定の範囲となるようにハニ
カム形状を形成することに重要な意味を持つものである
。かかるハニカム形状を形成する構成値位を、以下に本
発明の実施例を示す図面を参照しながら具体的にかつ詳
細に説明する。
第1図は多層織物のうち、隣接する1組の4層の断面の
模式図である。平織U織された各織物層11 、12 
、13および14は4Mi織BごとにA部および0部に
おいて連続した接結部を有する。A部において、第2織
物層12と第3織物層13とのそれぞれの経糸群は3個
連続して挿入された接結緯糸3Qa、30bおよび30
cのそれぞれと平織組織により交錯して中段接結部を形
成する。この接結部は独立の単一織物層を構成している
。従ってA部は第1織物層11と上記中段接結部層と第
4織物層14との3層構造になっている。また、0部に
おいては、第1織物11層と第2織物層12のそれぞれ
の経糸群は3個の連続した接結緯糸31a。
31bおよび31cのそれぞれと平織組織して上段接結
部を形成し、かつ第3織物層13と第4織物層14のそ
れぞれの経糸群が連続挿入された3個の接結緯糸32a
、32bおよび32Cのそれぞれと平織組織して下段接
結部を形成している。従って、0部においては上段およ
び下段接結部により2層織物が形成されることとなる。
このようにして構成された多層織物を展張すれば第2図
に示すようなハニカム構造の立体織物となる。
上記接結部AおよびCの長さはこの接結部の形成に関与
する2層の織物の経糸と緯糸との接結点数を増減するこ
とによって調整自在であるので、ハニカム構造体の使用
目的および所望のハニカム形状に応じて接結点数を適宜
決定できる。例えば、上記接結部Aと接結部Cとの接結
距離の長さを変えて変形6角形のハニカム構造体として
もよいし、4角形と6角形の組合せからなるハニカム構
造体とすることもできる。
第3図は本発明による他の実施例を示す4層織物である
。第3図において、各織物層は平織組織で形成されてお
り、A部および0部において層間接結部を有する。A部
では第2織物層12の経糸群12aおよび12bと、第
3織物層13の経糸群13aおよび13bとが接結緯糸
30aおよび30bと交錯して中段接結部を形成してい
る。C部では第1織物層11の経糸群と第2織物層の経
糸群とが接結緯糸31.aおよび31bと交錯して上段
接結部を形成し、かつ第3織物層13の経糸群と第4織
物層14の経糸群とが接結緯糸32aおよび32bと交
錯して下段接結部を形成している。A部およびB部にお
ける各接結部は各織物層において平織組v%4回ごとに
接結緯糸2個との1点接結により形成されているので、
この4層織物を展張すれば第4図に示すように織物の断
面にダイヤ形状の空孔を持った立体織物になる。
第5図は11〜14で示される各織物の、各々の経糸群
11a 、 12a 、 13a 、 14aの各1部
が接結緯糸30a 、 31a 、 32aとそれぞれ
交を什し、八、B、C部を構成した多層織物の例である
無接結部Bの長さについても格別の制限はない。
無接結部Bの距離を長くすれば、より大きな多角形空洞
を持つハニカム構造の織物を形成できるので単体の軽量
大型化の要望に適した複合材料用繊維材料を提供できる
。逆に無接結部の距離を短かくすれば緻密で強力なハニ
カム構造をもつ産業用資材としての多層織物を提供でき
る。
本発明の各層を構成する織物の組織は上記平織に限定さ
れることなく、斜文織、朱子織等任意の織物U織を選択
できる。
本発明の多層織物は最低4層の、織物が一体化されて、
積層断面にハニカム形状の空洞列を形成するが、積層す
る織物枚数を増加することによって、積層厚を増加する
ことができる。
本発明の多層織物は例えば両側多丁杼をもつ複数枚ドビ
ー付きフライ織機、複数枚ドビー付きレピア織機等を用
いて同時的に製織できる。積層する織物枚数をさらに増
加する場合、ジャカード開口装置または複数の経糸ビー
ムを設置し複数の開口装置と複数の緯入機構をもつ複数
開口装置付レピア織機等を用いる。また、経糸の送出し
および織物の巻取りを織物組織と連動して間欠的に停止
する機構を備えた織機を用いる。
本発明の多層構造織物を構成する繊維は、この織物を構
成する全繊維の40〜100重量%が、熔融しないか又
は融点が300℃以上であり、初期モジュラスが250
 g / d以上の有機繊維であり、0〜60重量%が
無機繊維又は金属繊維であることが肝要である。
本発明の多層構造織物を形成する繊維の構成は極めて重
要であり、織物を構成する全繊維の40〜100重量%
が、溶融しないかまたは融点が300℃以上であり、初
期モジュラスが250 g / d以上の有機繊維であ
ることに最大の特徴がある。
即ち、複合材を本発明の目的である航空機用の構造材等
に用いる場合には、低温から高温に至る広い温度範囲で
、しかもかかる温度範囲に繰返し曝露される極めて過酷
な条件下において、構造材としての力学的性能を維持で
きることが必要であり、補強材として用いられる繊維自
体が高い耐熱性を有することが重要である。そのために
溶融しないかまたは融点が300℃以上であることが肝
要である。更に、かかる繊維は高低温間に繰返しさらさ
れた場合のヒートサイクルに対して繊維の切断等が起こ
らないことが重要であり、ガラス繊維等と比較して、特
定の有機繊維であることの重要な意味は耐衝撃性に優れ
、殊に、過酷なヒートサイクルによって繊維自体の切断
が起こり難い点にある。
本発明に用いられる有機繊維は、初期モジュラスが25
0 g / d以上であることが必要である。即ち、ハ
ニカム複合材に対する要求性能として圧縮強度が高いこ
とが重要である。複合材としての圧縮応力は主に補強材
である織物を構成する経糸あるいは緯糸の長さ方向に加
わるが、初期モジュラスが低い軟らかい繊維の場合には
容易に変形を起こし、高い圧縮強度を得ることが出来な
い。この変形の起こし易さは当然のことながら高温域で
より顕著となる。従って、複合材として高温域でも充分
に高い圧縮強度を保持するためには、織物を構成する有
機繊維の初期モジュラスは高いことが必要であり、複合
材を本発明の目的である航空機用の構造材等に用いる場
合には、250g/d以上であることが必要である。
かかる有機繊維と無機繊維又は金属繊維の比率は重要で
ある。即ち、有機繊維が40重量%以下、無機繊維又は
金属繊維が60重量%以上では、耐熱性の点では優れる
ものの、前述のヒートサイクルに対する繊維(特に無機
繊維)の切断および金属疲労(金属繊維の場合)のため
に充分に高い力学的性能を保持することは難かしい。さ
らに、無機繊維又は金属繊維は屈曲性が乏しい為、充分
に高い織密度の多層構造織物とすることができず充分な
機械的性能を発揮することが出来ない。一方、無機繊維
又は金属繊維は必ずしも本発明の多層構造織物において
使用される必要はなく、織物の使用目的によっては上述
の有機繊維のみであってもよく、目的に応じて0〜60
重量%の範囲内で任意に設定すればよい。
本発明に用いられる溶融しないか又は融点が300℃以
上である有機繊維は、具体的には、例えば、ポリメタフ
ェニレンイソフタルアミド、ポリパラフェニレンテレフ
タルアミドで代表される如き芳香族ポリアミド繊維、パ
ラフェニレンジアミン、4.4′−ジアミノジフェニル
エーテル等の芳香族ジアミンとトリメリット酸無水物、
ピロメリット酸無水物などの芳香族3又は4塩基酸とか
ら誘導される芳香族ポリアミドイミド、芳香族ポリイミ
ド等からなる繊維、あるいは芳香族ジカルボン酸及びそ
の誘導体と芳香族ジオールとから誘導される芳香族ポリ
エステル繊維、あるいは、例えば、ボッベンゾオキサゾ
ール、ポリベンゾ〔1゜2−d ; 5 、4−d ’
)ビスオキサゾール−2゜6−ジイル−1,4−フェニ
レン、ポリベンゾ[1,2−d、4.5−d’lビスオ
キサゾール−2,6−ジイル−1,4−フェニレン、ポ
リベンゾ[1,1−d、4.5−d’)ビスオキサゾー
ル−2,6−ジイル−4,4′−ビフェニレン、ポリ−
6,6′−ビヘンゾオキサゾールー2,2′−ジイル−
1,4−フェニレン等のポリベンゾオキサゾール類から
なる繊維、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾ(1,2
−d;5,4−d’)ビスチアゾール−2,6−ジイル
−1,4−フェニレン、ポリベンゾ(1、2−d ;4
 、5−d’)ビスチアゾール−2,6−ジイル−1,
4−フェニレン、ボリヘンヅN、2−d、4.5−d’
lビスチアヅール−2,6−ジイル−4,4′−ビフェ
ニレン、ポリ−6,6′−ビベンゾチアゾールー2,2
′−ジイル−1,4−フェニレン等のポリヘンヅチアゾ
ール類からなる繊維等があげられる。これらのうち、ポ
リパラフェニレンテレフタルアミドあるいはポリ (パ
ラフェニレン、3゜4′ジフエニルエーテル)テレフタ
ルアミドに代表されるパラ配向の芳香族ポリアミド繊維
、及びポリベンゾオキサゾール又はポリベンゾチアゾー
ル類からなる繊維は、引張強度が18g/d以上、初期
モジュラスが300g/d以上の高強度繊維とすること
が出来、本発明に最も好適に用いられる有機繊維である
無機繊維又は金属繊維の具体的な例としては、例えば、
ポリアクリロニトリル繊維を焼成して得られる炭素繊維
、ピッチから成形されるピッチ系炭素繊維、Eガラス、
Sガラス、Cガラス等のガラス繊維、アルミナ繊維、シ
リコンカーバイト繊維、窒化ケイ素、窒化ホウ素等から
なる繊維等をあげることが出来る。このうち炭素繊維及
びガラス繊維は取扱い性、経済性の点から有用に本発明
に用いられる。
かかる繊維は、通常マルチフィラメントヤーンとして経
糸あるいは緯糸に用いられるが、紡績糸であっても本発
明を損うものではない。
通常、本発明に用いられる繊維の太さ即ち繊度は、単繊
維の繊度として0.1〜50dの範囲、マルチフィラメ
ントヤーンとしての経糸、緯糸の繊度は50d〜600
0 dの範囲が好ましく用いられるが、これに限定され
るものではない。
かかる有機繊維、無機繊維又は金属繊維は、多層構造織
物とする際、経糸、緯糸のいずれにも用いられる。場合
によっては側繊維を交織することもなされてよい。場合
によっては、一方の繊維を経糸とし他方の繊維を緯糸と
することも可能である。特に、無機繊維又は金属繊維は
耐屈曲、屈折性に劣ることから、有機繊維を経糸に用い
て、無機繊維を緯糸として使用することが好ましい。も
−ちろん、有機繊維を緯糸に用いることもできる。
経糸として引張強度が18g/d以上、初期モジュラス
が300g/d以上の芳香族ポリアミド繊維、ポリベン
ゾオキサゾール繊維またはポリベンゾチアゾール繊維を
用い、緯糸として炭素繊維またはガラス繊維を用いた多
層構造織物は本発明の最も好ましい態様の一つである。
本発明の多層構造織物において、織物を構成する経糸及
び緯糸のカバーファクターは、下式で表わされ、経糸方
向のカバーファクターkwと、緯糸方向のカバーファク
ターkWとの和が300以上であり、かつ下記に1とk
Wとの和が3000以上であることが好ましい。
k、=d、7d/ρ kr =dF 、/’77丁 K1.l=D、 、/−丁7j KF −DF 、/’77T 但し、k、1およびに、それぞれ多層構造織物を構成す
る各−層毎の経糸方向および緯糸方向のカバーファクタ
ーであり、K8およびKrはそれぞれ多層構造織物金属
における経糸方向および緯糸方向のカバーファクターで
あって、d8およびd。
はそれぞれ各−層毎の経糸密度および緯糸密度(本/イ
ンチ)であり、DwおよびDFはそれぞれ多層構造織物
全層における絵経糸密度および総緯糸密度(本/インチ
)であり、dは経糸又は緯糸の繊度(デニール)、ρは
繊維の密度(g/Cd)を表わす。
カバーファクターによる製織限界には定説はないが、本
発明の多層構造織物におけるカバーファクターは、〔−
層のカバーファクターX層数〕で表わされており、−層
のカバーファクターが小さいとU織強度が低下する。ま
た、−層のカバーファクターが大きくても多層織物全体
としてのカバーファクターが小さいと複合材とした時の
強度が低下する。本発明においては、この観点からカバ
ーファクターとして、k、とkFの和が300以上、K
1.lとkFの和が3000以上であることが好ましく
、特にKwとkFの和が5000〜20000であるの
が更に好ましい。
本発明の複合材は、上述の本発明による多層構造織物と
、熱変形温度が150℃以上の熱可塑性樹脂とから実質
的になる複合材である。
本発明においてマトリックスである樹脂が熱可塑性樹脂
であることは極めて重要である。即ち、航空機用の構造
材等に用いられる複合材は、前述した通り、低−高温に
繰返しさらされるうえに、かかる雰囲気下で応力を繰返
し受ける極めて過酷な条件下で使用されるものであるが
、従来、複合材のマトリック樹脂として用いられてきた
熱硬化性樹脂にあっては、樹脂自体が脆いため、繰返し
さらされる高低温間の熱履歴及び応力の印加によって極
めて破壊しやすいものであった。これに対して本発明の
複合材においては、特定の熱可塑性樹脂を用いる結果、
樹脂自体の脆さが小さく、殊に、応力が繰返し印加され
た場合及び高低温のヒートサイクルにさらされた場合、
樹脂にクラックが入り難く、結果として構造体が破壊し
難く、耐衝撃性に優れるものとなる。
更に、熱可塑性樹脂を用いる結果、多層構造織物を構成
する補強繊維の変形に追随して樹脂が変形することから
、補強繊維の性能が完全に活用されるため、破壊強度、
引張強度等の機械的強度が大きくなり、補強効果は極め
て高いものとなる。
上記の観点から本発明において用いられる熱可塑性樹脂
の硬さは、通常、用いられる補強繊維の変形のし易さに
応じて決められる。即ち、補強繊維の伸度と等しいか、
あるいはそれ以上の伸度を有する熱可塑性樹脂を用いる
ことが本発明において好ましい。
本発明の複合材において、マトリックスである樹脂は熱
変形温度が150℃以上であることが必要である。即ち
、本発明の目的である高温下においても充分に高い機械
的性能を発揮する複合材とするためには、高温下で複合
材自体の変形が生じないようにすることが肝要であり、
少くとも熱変形温度が150℃以上であることが必要と
なる。更に高温の熱変形温度を持つ樹脂であることはよ
り好ましい。
本発明の複合材においては、補強材となる多層構造織物
を構成する繊維が20〜70重量%、マトリ 5ソクス
を形成する熱可塑性樹脂が80〜30重量%であること
が肝要である。即ち、補強材である多層構造織物が70
重量%を超え、マトリックス熱可塑性樹脂が30重量%
未満では、該織物全体を熱可塑性樹脂で覆うことが難か
しく、また覆ったとしても複合材としての充分な硬度を
得ることが出来す、充分に高い圧縮強度、剪断強度を得
ることが出来ない。一方、多層構造織物が20重量%未
満、熱可塑性樹脂が80重量%を超えると、複合材を形
成することは可能であるが、補強材である繊維の充分な
補強効果を発揮することが出来ず、同様に充分に高い圧
縮強度、剪断強度を得ることが出来ず、更には熱に対し
て変形しやすい複合材となるからである。従って、本発
明の複合材においては、上述の範囲において複合材を構
成されることが肝要であり、この範囲内において機械的
性能に極めて優れたハニカム状構造を有する複合材とな
る。
本発明の複合材は、このような構成を備えることによっ
て、軽量でありながら、広い温度領域にわたって引張強
度、圧縮強度が大きく、繰返し応力に対しても破壊し難
く、かつ耐衝撃性が大きいという特性を有する。
本発明の複合材を形成するかかる熱可塑性樹脂の具体的
な例としては、例えば、下記a)〜g)で示されるポリ
マーが挙げられる。
a)下記一般式で表わさる芳香族ポリアミドイミド: b)下記一般式で表わされる芳香族ポリエーテルイミド
: C)下記一般弐で表わされる芳香族系ポリエステル: d)下記一般式で表わされるポリエーテルスルホン: e)下記一般弐で表わされるポリエーテルエーテルケト
ン: f)下記一般式で表わされるポリパラフェニレンサルフ
ァイド: g)下記一般式で表わされるポリパラフェニレンオキサ
イド: 特に、これらのうちc)、d)、e)、f)で表わされ
るAr、 、 Arz 、 Ar3がパラフェニレン基
である芳香族ポリエーテルイミド、芳香族ポリエステル
、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン
は熱変形温度が高く、かつ熱可塑性の溶融成形が可能な
ポリマーであり、本発明の複合材に好適である。即ち、
本発明の複合材においては、複強材として本発明の多層
構造織物が用いられるが、該多層構造織物は、一体構成
されているにも拘らず、柔軟性に冨み、また該織物を構
成する繊維の機械的性能をフルに発揮するためには、マ
トリックス樹脂として比較的伸度の高い樹脂を用いるこ
とが好ましく、その点からも上述のポリマーは特に本発
明の複合材に適している。
本発明の複合材においては、上述のポリマーは必ずしも
1種である必要はなく2種以上の混合物であってもよい
。場合によっては、1種のポリマーで一旦複合材を成形
したのち、その複合材に更に別のポリマーを付与した構
造、即ち複数層の樹脂層で構成されてもよい。
本発明の複合材の見掛は密度は、0.03〜0.2g/
dであることが好ましい。密度は、展張された多層構造
織物のセルサイズと展張の度合及びマトリックスの樹脂
量において異なるものであるが、見掛は密度が0.03
g/cd未満では充分に高い圧縮強度を達成し難く、セ
ルサイズが大きい場合には耐衝撃性の低下を引き起こす
。一方、見掛は密度が0.2g/cJlを超える場合に
は複合材の機械的性能は充分に高いものとすることが出
来るが、軽量化の効果が低下する。本発明の複合材の見
掛は密度は上述する理由により、0.03〜0.2 g
 / cutであることが好ましく、特に0.03〜0
.18 g / c+Ilであることがより好ましく、
更に、0.04〜0.15 g / ctAであるのが
最も好ましい。
本発明の複合材において、前述の好ましい多層構造織物
を用いると複合材として一層優れた効果を発揮する。例
えば、多層構造織物を構成する経糸が少くとも18g/
d以上の引張強度、300g/d以上の初期モジュラス
を有する芳香族ポリアミド繊維及び/又は、ポリヘンジ
オキサゾールもしくはポリベンゾチアゾール類からなる
繊維であり、緯糸が炭素繊維又はガラス繊維であり、マ
トリックス樹脂が前記(d)ポリエーテルスルホン、e
)ポリエーテルエーテルケトン、b)芳香族ポリエーテ
ルイミドから選ばれる1種又は2種以上で構成された複
合材は機械的性能及び耐熱的性能のいずれの面でも優れ
、極めて有用な複合材である。
本発明の複合材を得る方法は特に限定されるものではな
く、通常複合材を製造する汎用な手段、例えば、展張し
た多層構造織物を展張したまま、樹脂の溶液に浸漬し、
充分に樹脂を含浸させたのち浸漬浴から取り出し、溶媒
を蒸発除去あるいは他の)8媒で一旦溶媒を抽出除去し
たのち洗浄乾燥する方法、あるいは樹脂の溶融液中に展
張した多層構造織物を浸漬する方法、あるいは展張した
多層構造織物に、刷毛等で樹脂液を塗布する方法等のい
ずれであってもよい。
本発明の複合材においては、本発明の目的を損わない限
りにおいて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、撥
水剤等の添加剤を含むことが出来る。
〔実施例〕
以下、実施例によって更に詳細に本発明を説明する。な
お、実施例中、特にことわりのない限り、%は重量%を
表わし、また、本発明の多層構造織物及び複合材の特性
値は以下の方法によって測定したものである。
セルサイズ: 多層構造織物を、セル形状が正四角又は正六角形状とな
るように展張し、セルを形成する対向する織物層壁間長
さをセルサイズとした。
複合材の機械的性能: 圧縮強度、圧縮弾性率、剪断強度、剪断弾性率を門IL
−5TD−4018に従って測定した。
実施例1〜24 32枚ドビー付きレピア繊維を用いて、第4図に示す構
成単位からなる多層構造織物を製織した。
第4図に示される構成単位において、平織Mi織された
各織物層11 、12 、13および14は4組織Bご
とにA部および0部において連続した接結部を有する。
A部において、第2織物層12と第3織物層13との夫
々の経糸群は3個連続して挿入された接結緯糸30a、
30bおよび30Cのそれぞれと平織組織により交錯し
て中段接結部を形成する。この接結部は独立の単一織物
層を構成している。従って、A部は第1織物層11と上
記中段接結部層と第4織物層14との3層構造になって
いる。また、0部においては、第1織物11層と第2織
物層12のそれぞれの経糸群は3個の連続した接結緯糸
31a、31bおよび31Cのそれぞれと平織組織して
上段接結部を形成し、かつ第3織物層13と第4織物層
14のそれぞれの経糸群が連続挿入された3個の接結緯
糸32a、32bおよび32cのそれぞれと平織組織し
て下段接結部を形成している。
従って、0部においては上段および下段接結部により2
層織物が形成されることとなる。このようにして構成さ
れた多層織物を展張すればハニカム構造の立体織物とな
る。
得られた多層構造織物の繊維種、織密度等の特性値を第
1表にまとめて記載した。
第1表に示す通り、本発明実施例1〜4においては、経
糸にアラミドマルチフィラメントヤーン380d、(デ
ュポン社製、ケブラー49・T −968)を用い、経
糸密度が325本/インチとなるように6500本の経
糸を32枚の綜絖に通し16層を構成するように配置し
、緯糸は、実施例1〜2においては経糸と同じアラミド
マルチフィラメントヤーン380dを、実施例3におい
てはガラスフィラメントヤーン(日本ファイバーグラス
社製、線径9声、Eタイプ)68Texを、実施例4に
おいてはアラミドマルチフィラメントヤーン1140d
  (デュポン社製、ケブラー49・T−968)を用
い、各々緯糸密度が第1表に示す通り325本/インチ
、244本/インチとなるように経糸送り出し量を調整
し、かつ巻取りを織物組織と連動して間欠的に停止しな
がら緯糸を挿入する方法で製織した。
実施例5においては、経糸にアラミドマルチフィラメン
トヤーン380dを、緯糸に炭素繊維3000フイラメ
ントからなるヤーン(旭日本カーボン社製)を用いて上
記の方法にて製織した。
以下同様に実施例6〜24において、経糸にはアラミド
マルチフィラメントヤーン(いずれもデュポン社製、ケ
ブラー49・T−968)を、緯糸には、経糸と同じア
ラミドマルチフィラメントヤーン、ガラスフィラメント
ヤーン(いずれも日本ファイバーグラス社製)及び炭素
繊維ヤーン(いずれも旭日本カーボン社製)を用いて第
1表に示される組合せの多層構造織物を製織した。
本実施例によって得られた多層構造織物は、いずれもセ
ル形状は安定しており、6角形の空孔を有するハニカム
状の多層構造織物であり、展張することによって正規の
6角形を形成した。一方、比較のために、ナイロン66
マルチフィラメントヤーンからなる同様の多層構造織物
(比較例1参照)を展張したところ、展張のために把持
した周辺部のセルは正規な6角形状を示すものの、内層
部はセル形状が歪んでおり、この歪みを矯正する為に展
張力を増すと周辺部のセル形状が変形し、均一な正規の
セル形状をもつ展張が極めて困難であることが認められ
た。すなわち、本発明の多層構造織物がセル形状の安定
性、均一性に優れたものであることが認められた。この
ことは、織物を構成する繊維の初期弾性率に起因するも
のと推定される。
比較例1 経糸、緯糸共に1260 dのナイロン66マルチフィ
ラメントヤーン(旭化成工業社製)(初期モジュラス4
8 g/d)を用い、実施例14と同様に経糸密度が3
05本/インチ、緯糸密度が183本/インチである6
角形状のセルサイズが1部2インチの12層構造織物を
製織した。その際の緒特性を第1表に併記した。得られ
た織物は、実施例1〜24の項に記載した通り、展張に
際してセル形状及びその安定性に著しく劣ったものであ
った。
以下余白 実施例25 本実施例は、本発明の複合材を示すものである。
実施例14によって得られた経糸、緯糸共にアラミドマ
ルチフィラメントヤーンからなる6角形状の1/2イン
チサイズのセルを有する巾7001■、長さ1500n
の多層構造物を用いた。
この多層構造織物の周辺セル部空孔にステンレス製の棒
を挿入し、各ステンレス製の棒をセルが正規の6角形状
となる様に引張って展張した。展張された織物の厚みは
38.6mであった。ついでこの展張された織物を展張
したまま、ポリエーテルスルホン(住友化学社、ピクト
レックス4100P)を4度が40%となるようにN−
メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液に浸漬した。そ
の際樹脂の含浸を充分に行う為、浸漬浴内は密閉して真
空ポンプにより排気し10Torr以下の真空状態とな
る様に保った。なお、浸漬溶液の温度は室温であった。
このようにして約2時間含浸を行ったのち、展張したま
ま、含浸多層構造織物を含浸浴から引き上げ、滴下する
溶液の液切りを行ったのち、150℃の熱風乾燥炉の中
に3時間入れて溶媒の蒸発除去を行った。次いで、更に
炉内温度を180℃に上げて2時間蒸発乾燥を行った。
次いで、炉内から溶媒が蒸発することによって固化し、
成形された複合材を取り出して冷却したのち、各月をダ
イヤモンドバンドソーにより切断し、巾600鶴、長さ
12001m、厚さ39.5m−の複合材を得た。
得られた複合材は、繊維が55%、ポリエーテルスルホ
ンが45%からなり、物性は第2表に示す通りであって
、第2表に並記した従来のハニカム構造材に比較して優
れた圧縮特性及び剪断物性を示すものであることが確認
された。
比較例2 比較例1で得られたナイロン66マルチフィラメントヤ
ーンからなる多層構造織物を、実施例25と全く同様に
して、ハニカム状複合材を得た。
得られた複合材のハニカム形状は、周辺部は正規の6角
形を有するものの、内層部は歪んだ楕円形状を示すもの
であった。機械的性能を第2表に並記したが、本発明の
複合材に比較していずれも劣るものであった。
実施例26 実施例25の方法によって、ポリエーテルスルホンの量
の異なる複合材を作成した。その際、ポリエーテルスル
ホンの量の調整は、N−メチル−2−ピロリドンに溶解
する濃度を変えることによって行った。それ以外は全(
実施例25と同し方法による。得られた複合材の物性を
第2表に示した。
第2表からマトリックスであるポリエーテルスルホンの
量が30重量%以下である場合には、充分な機械的物性
が得られないことが認められた。
以下全白 実施例27 実施例25において用いられたポリエーテルスルホンに
かえて、ポリエーテルイミド樹脂(ゼネラルエレクトリ
ック社製、ウルテム1000)を用いた以外は全〈実施
例25と同じ多層構造織物及び方法によって複合材を得
た。
得られた複合材の特性は以下の通りであった。
多層構造織物繊維(W%)/ポリエーテルイミド樹脂(
W%) =60/40 見掛は密度 0.092 圧縮強度(kg / cj ) /圧縮弾性率(kg/
cd) =54.9/3200 L方向剪断強度(kg/coり / L方向剪断弾性率
(kg/cd) =32/3510 W方向剪断強度(kg/cnり /W方向剪断弾性率(
kg/ cjA) =24.5/2860実施例28 経糸、緯糸共に400 dのポリベンゾオキサゾールか
らなるマルチフィラメントヤーンを用い、実施例1と同
様に、経糸密度が325本/インチとなるように324
本の経糸を16枚の綜絖に通し8層を構成するように配
置し、緯糸は密度が325本/インチとなる様に実施例
1の方法によって挿入して多層構造織物を製織した。得
られた織物はセルサイズが1層8インチの6角形状をも
つ多層構造織物であり、展張時の厚みは12.91mで
あった。
この多層構造織物に実施例25と同じ方法により処理し
て、ポリエーテルスルホンが50%である複合材を得た
。得られた複合材の特性値は次の通りであり極めて優れ
た性能を持つことが認められる。
見掛は密度 0.089 圧縮強度(kg/cflI) /圧縮弾性率(kg /
 CIl+ ) =62.5/4650 L方向剪断強度(kg/cd) / L方向剪断弾性率
(kg/cI11) =37/3940W方向剪断強度
(kg/coり /W方向剪断弾性率(kg/cd) 
=27/3050 〔発明の効果〕 上述の構成による本発明の多層構造織物は、展張するこ
とによって、ハニカム状の構造を有し、各織物層間を、
相隣接する織物を形成している経糸群(または緯糸群)
を共通同一の緯糸(または経糸)と交錯させて一体構成
されているので、積層量剥離がないのみならず、軽量で
ありながら層間方向の引張強度および剪断強度が高く、
また構造が安定であり、耐熱性にも極めて優れているた
め、このような特性をもつ複合材を製造する為に好適な
補強織物である。
この多層構造織物と特定の樹脂とからなる本発明の複合
材は、軽量でありながら、広い温度領域にわたって引張
強度、圧縮強度が大きく、くり返し応力に対しても破壊
し難く、かつ耐衝撃性が大きいという特性を有する。こ
のような特性に基づいて、本発明の複合材は航空機の構
造材料として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の4層構造織物の断面Mi織図であり
、第2図は、第1図の4層構造織物から得られる展張時
のセル形状を示す図である。 第3図は、本発明の別の4N構造織物の断面組織図であ
り、第4図は、第3図の4層構造織物から得られる展張
時のセル形状を示す図である。 第5図は、本発明のさらに他の4層構造織物の断面組織
図である。 各図において番号は次の通りである。 11・・・第1織物層、 11a、llb・・・第1織物層の経糸、12・・・第
2織物層、 12a、12b・・・第2織物層の経糸、13・・・第
3織物層、   14・・・第4織物層、21・・・第
1織物層の緯糸、 22・・・第2織物層の緯糸、 30・・・接結部、

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)複数の織物層からなる多層織物において、隣接す
    る織物層の一方の織物層の経糸群(あるいは緯糸群)ま
    たは経糸群の一部の経糸(あるいは緯糸群の一部の緯糸
    )と、他方の織物層の経糸群(あるいは緯糸群)または
    経糸群の一部の経糸(あるいは緯糸群の一部の緯糸)と
    が共通の緯糸(あるいは経糸)に交錯することにより形
    成された接結部により一体構成した多層の織物であって
    、互いに隣接する一組の4層は、 中間の2層によって形成される1組の接結部(A)、 接結部を持たない無接結部(B)、 順次隣接する2層によってそれぞれ形成される2組の接
    結部(C)、および 接結部を持たない無接結部(B) からなる構成単位の繰返しからなり、展張することによ
    って織物層間全体に4角、6角又は4角と6角の組合せ
    のハニカム形状を形成する多層構造織物であり、この織
    物を構成する繊維の40〜100重量%が溶融しないか
    又は融点が300℃以上であって、初期モジュラスが2
    50g/d以上の有機繊維であり、0〜60重量%が無
    機繊維又は金属繊維であることを特徴とする多層構造織
    物。
  2. (2)展張時の多層構造織物の密度と展張される前の多
    層構造織物の密度との比が0.05〜0.3である請求
    項(1)記載の多層構造織物、 但し、展張時の多層構造織物の密度とは、4角及び/又
    は6角形の各セルの内角が同一となるように正規展張さ
    れた時の体積と重量とから求められる見掛け密度をいう
  3. (3)下式で表わされる経糸方向のカバーファクターk
    _Wと緯方向のカバーファクターk_Fの和が300以
    上であり、かつK_WとK_Fの和が3000以上であ
    る請求項(1)記載の多層構造織物。 k_W=d_W√(d/ρ) k_F=d_F√(d/ρ) K_W=D_W√(d/ρ) K_F=D_F√(d/ρ) 但し、k_Wおよびにk_Fはそれぞれ多層構造織物を
    構成する各一層毎の経糸方向および緯糸方向のカバーフ
    ァクターであり、K_WおよびK_Fはそれぞれ多層構
    造織物金層における経糸方向および緯糸方向のカバーフ
    ァクターであって、d_Wおよびd_Fはそれぞれ各一
    層毎の経糸密度及び緯糸密度(本/インチ)であり、D
    _WおよびD_Fはそれぞれ多層構造織物金層における
    総経糸密度及び総緯糸密度(本/インチ)であり、dは
    経糸又は緯糸の繊度(デニール)であり、ρは繊維の密
    度(g/cm^3)である。
  4. (4)織物を構成する経糸が有機繊維である請求項(1
    )記載の多層構造織物。
  5. (5)有機繊維が、少くとも18g/d以上の引張強度
    、300g/d以上の初期モジュラスを有する芳香族ポ
    リアミド繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維およびポリ
    ベンゾチアゾール繊維から選ばれる請求項(1)記載の
    多層構造織物。
  6. (6)無機繊維が、炭素繊維及び/又はガラス繊維であ
    る請求項(1)記載の多層構造織物。
  7. (7)織物を構成する経糸が、少くとも18g/d以上
    の引張強度、300g/d以上の初期モジュラスを有す
    る芳香族ポリアミド繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維
    およびポリベンゾチアゾール繊維から選ばれる請求項(
    1)記載の多層構造織物。
  8. (8)緯糸が炭素繊維またはガラス繊維である請求項(
    1)記載の多層構造織物。
  9. (9)複数の織物層からなる多層織物において、隣接す
    る織物層の一方の織物層の経糸群(あるいは緯糸群)ま
    たは経糸群の一部の経糸(あるいは緯糸群の一部の緯糸
    )と、他方の織物層の経糸群(あるいは緯糸群)または
    経糸群の一部の経糸(あるいは緯糸群の一部の緯糸)と
    が共通の緯糸(あるいは経糸)に交錯することにより形
    成された接結部により一体構成した多層の織物であって
    、互いに隣接する1組の4層は、 中間の2層によって形成される1組の接結部(A)、 接結部を持たない無接結部(B)、 順次隣接する2層によってそれぞれ形成される2組の接
    結部(C)、および 接結部を持たない無接結部(B) からなる構成単位の繰返しからなり、展張することによ
    って織物層間全体に4角、6角または4角と6角の組合
    せのハニカム形状を形成する多層構造織物であり、この
    織物を構成する繊維の40〜100重量%が溶融しない
    か又は融点が300℃以上であって、初期モジュラスが
    250g/d以上の有機繊維であり、0〜60重量%が
    無機繊維又は金属繊維である展張された多層構造織物を
    補強材とし、熱変形温度が150℃以上の熱可塑性樹脂
    をマトリックスとする複合材であって、この複合材にお
    いて、多層構造織物を形成する繊維が20〜70重量%
    、マトリックスを形成する樹脂が80〜30重量%であ
    ることを特徴とするハニカム状構造を有する複合材。
  10. (10)マトリックスを形成する樹脂が、下記a)〜g
    )に示されるポリマーの1種又は2種以上からなる請求
    項(9)記載の複合材。 a)下記一般式で表わさる芳香族ポリアミドイミド: ▲数式、化学式、表等があります▼ b)下記一般式で表わされる芳香族ポリエーテルイミド
    : ▲数式、化学式、表等があります▼ c)下記一般式で表わされる芳香族系ポリエステル: ▲数式、化学式、表等があります▼ d)下記一般式で表わされるポリエーテルスルホン: ▲数式、化学式、表等があります▼ e)下記一般式で表わされるポリエーテルエーテルケト
    ン: ▲数式、化学式、表等があります▼ f)下記一般式で表わされるポリパラフェニレンサルフ
    ァイド: ▲数式、化学式、表等があります▼ g)下記一般式で表わされるポリパラフェニレンオキサ
    イド: ▲数式、化学式、表等があります▼ [但し、a) 〜g)において、Ar_1、Ar_2、
    Ar_3は▲数式、化学式、表等があります▼、▲数式
    、化学式、表等があります▼、▲数式、化学式、表等が
    あります▼及び ▲数式、化学式、表等があります▼(Xは、−O−、−
    SO_2−、 −CH_2−、−C(CH_3)_2−のいずれかであ
    る)で表わされる置換基を有する又は置換基をもたない
    2価の芳香族残基であって、同一又は異なったものであ
    ってよい。]
  11. (11)見掛け密度が0.03〜0.2g/cm^3で
    ある請求項(9)記載の複合材。(12)多層構造織物
    を構成する経糸が、少くとも18g/d以上の引張強度
    、300g/d以上の初期モジュラスを有する芳香族ポ
    リアミド繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維およびポリ
    ベンゾチアゾール繊維から選ばれ、緯糸が炭素繊維又は
    ガラス繊維であり、マトリックス樹脂がd)ポリエーテ
    ルスルホン、e)ポリエーテルエーテルケトン、b)芳
    香族ポリエーテルイミドから選ばれる少くとも1種であ
    る請求項(9)記載の複合材。
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