JPH01249839A - ポリカーボネート用コーティング組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はポリカーボネートの透明性を損なわないで耐候
性、耐薬品性を向上させるための、新規な含フッ素重合
体コーティング用組成物に関するものである。

（産業上の利用分野） ポリカーボネートは強度、寸法安定性、電気絶縁性、耐
熱性、透明性などに優れたいわゆるエンジニアリングプ
ラスチックであり、電気、電子材料の部品や機械類のハ
ウジング、日用雑貨品等に広く用いられている。また透
明であると同時に耐衝撃性が高いため、樹脂ガラスとし
て建築物や自動車等の用途にも次第に使われてきている
。

（従来の技術） しかるにポリカーボネートは元来耐候性、耐薬品性に関
し、必ずしも十分満足しうる性能を持っているとは言い
がたい。すなわちポリカーボネートを屋外に使用した場
合、主として太陽光中の紫外線により劣化をきたし、黄
変、失透、タレイジングの発生が認められ、強伸度特性
が次第に低下することが知られている。またアルカリ、
有機溶剤等の雰囲気下で使用した場合にも、失透、タレ
イジングの発生等が認められる。

このためポリカーボネート樹脂中に紫外線吸収剤を添加
することによって耐候性を改良しているが、必ずしも充
分な性能を発揮しているとは言いがたい。またこの方法
だと耐薬品性もあわせて要求される用途には通していな
い。

一方ポリカーボネートの表面を紫外線吸収剤の入ったア
クリル、アクリル−ウレタン、ウレタン系の樹脂で、コ
ーティングすることによって耐候性および耐薬品性を改
良したポリカーボネートの製造も一部行われているが、
これらの被覆用樹脂そのものの耐候性が必ずしも良くな
いため、満足のいく性能が得られているとは言いがたい
。

（問題点を解決するための手段） 本発明者らはこれらの点に鑑み、ポリカーボネートの物
性をそこなうことなく、かつ耐候性および耐薬性を付与
可能な被覆用組成物について鋭意検討した結果、特定の
含フッ素重合体、硬化剤および紫外線吸収剤を特定の有
機溶剤を主成分とする溶剤系に溶解させた被、覆用組成
物を用いることによって初期の目的を達成できることを
見い出し本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は分子中に水酸基を有する含フッ素重合体、この重合体
と相溶する硬化剤、紫外線吸収剤および環状エーテルを
主成分とする溶剤を必須成分とするコーティング用組成
物を用いることにより、失透およびクレージングのない
透明な被覆をポリカーボネートに形成させ°ることがで
きる。しかも得られた被覆ポリカーボネートは長期間に
恒り耐候性に優れ、また耐薬品性にも優れていることを
見い出し本発明を完成した。

本発明において用いられる分子中に水酸基を有する含フ
ッ素重合体としては、例えばクロロトリフルオロエチレ
ン−脂肪酸ビニルエステル−ヒドロキシ含有アリルエー
テルを必須成分とする重合体であって、クロロトリフル
オロエチレン、脂肪酸ビニルエステル、ヒドロキシ含有
アリルエーテルおよびその他の単量体に基づく単位の含
有量がそれぞれ２５〜７５モル％、１０〜７０モ）Ｌ／
％、３〜７０モル％および０〜２０モル％である重合体
が挙げられ、その他の共単量体としてはヒドロキシエチ
ルアクリレート、メチルメタクリレート、グリシジルメ
タクリレート等のアクリル酸またはメタクリル酸のエス
テル、アクリルアミド、Ｎ−メチロールアクリルアミド
等のアクリルアミド類、エチルビニルエーテル、ブチル
ビニルエーテル等のビニルエーテル類が挙げられる。

また好ましい脂肪酸ビニルエステルとしてはエステル部
の炭素数が０２〜ＣＩｇである直鎮状あるいは分校状ビ
ニルエステルであり具体的には、酢酸ビニル、乳酸ビニ
ル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、
イソカプロン酸ビニル、ビバリック酸ビニル、カプリル
酸ビニル、カブリリック酸ビニル、カプロイック酸ビニ
ル等が例示される。さらにヒドロキシ基含有アリルエー
テルとしては、エチレングリコールモノアリルエーテル
、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、トリエチ
レングリコールモノアリルエーテル等が例示される。

上記のごとき重合体は、重合開始剤の存在下あるいは電
離放射線の作用下、乳化、懸濁、溶液、塊状といった重
合法により製造可能であるが、溶剤の選定が自由に行な
える乳化、懸濁、塊状重合法による製造が好ましい。

本発明において用いられる含弗素重合体は硬化部位とし
て水酸基を有しているため、硬化剤と組み合わせること
により硬化反応を起こさせることができる。硬化剤とし
ては常温硬化の場合にはジイソシアネートあるいはチタ
ンアルコキシが好適に使用される。また加熱硬化の場合
にはメラミン、尿素樹脂、多塩基酸等が使用可能である
。これら硬化剤の使用割合は含フッ素重合体１００重量
部に対し０．１〜１００重量部、好ましくは０．５〜３
０重量部が適当である。０．１重量部以下では硬化時間
を長く必要とし、１００重量部以上では硬化が早くなり
塗布が困難となる。また本発明の上記含弗素重合体はケ
トン、エステル、環状エーテル、芳香族系溶剤、塩素系
溶剤に溶解可能であるが、ポリカーボネートにコーティ
ングする場合失透およびタレイジングの発生が生じない
透明な被覆を得るためには溶剤の選定が特に肝要である
。本発明によればポリカーボネートに失透やタレイジン
グの発生しない被覆を得るための溶剤としては、環状エ
ーテルすなわちエチレンオキシド、テトラヒドロフラン
、ジオキサン等を５０重量％以上含有する溶剤系を用い
ることが重要でありそれ以下の含有量では透明性の保持
が困難である。

また紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン系、ベンゾト
リアゾール系あるいはアクリル系のものをその特性を失
わない程度の量で適宜使用し得る。

本発明の被覆用組成物には、目的とする耐候性、耐薬品
性、透明性を損なわない範囲で安定剤、その他の添加剤
を配合することもできる。

以下実施例によって本発明の詳細な説明するが、これら
により限定されるものではない。

実施例１ 含フッ素重合体としてクロロトリフルオロエチレン、酢
酸ビニル、エチレングリコールモノアリルエーテルの含
有モル比が５０．４０．１０％であり、水酸基価が６０
ｍｇＫＯＨ／ｇである含フッ素重合体１６．７重量部、
テトラヒドロフラン／シクロへキサノン＝８０／２０混
合溶媒７９．８重量部、硬化剤としてヘキサメチレンジ
イソシアネート三量体３．３重量部、紫外線吸収剤とし
てベンゾフェノン０．２重量部を添加した被覆用組成物
を作り、厚さ５１１のポリカーボネート板にスプレーに
て塗装した。得られたコーティング板は１００℃で６０
分加熱し硬化させたが透明であり、失透、タレイジング
の発生等は認められず、原片と比較した透明性保持率は
９８％であった。またサンシャインウェザ−メーターに
て２０００時間の促進耐候性試験を行ったが、透明性の
低下はほとんど認められなかった（透明保持率８８％）
。また、１０％力性ソーダ、１０％硫酸、酢酸ブチル、
メチルエチルケトンを用いて室温にて７日間の耐薬品性
スポット試験を実施したが、何らの異状は認められなか
った（◎：変化なし）。その結果を第１表に示す。

実施例２〜５ 実施例１と同様の方法で被覆用組成物を作り、第１表に
示す配合処方でポリカーボネート板に塗装硬化させたコ
ーティング板の諸性能を第１表に示した。

実施例６ クロロトリフルオロエチレン、酢酸ビニル、エチレング
リコールモノアリルエーテルおよびヒドロキシエヂルア
クリレートの含有モル比が、５０．４０．７．３％で水
酸基価が６０■ＫＯＨ／ｇである含フッ素重合体１６．
７重量部を用い以下実施例Ｉと同様にしてポリカーボネ
ート板に塗装硬化させたコーティング板の諸物性を第１
表に示した。

比較例１〜２ 実施例１と同様の方法で環状エーテルを５０％以上含ま
ない被覆用組成物を作り、ポリカーボネート板に塗装硬
化させたが第１表に示す如くいずれも塗装面は失透、ダ
レイジングが発生し塗膜面としては好ましくない結果を
得た。

°（発明の効果） 以上のように、本発明の被覆用組成物をコーティングし
たポリカーボネートは耐候性、耐薬品性、透明性に優れ
ているため、屋外用途や厳しい雰囲気下の用途に適して
おり、長期間に恒り透明性を維持することができる。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）分子中に水酸基を有する含フッ素重合体、該重合
   体と相溶する硬化剤、紫外線吸収剤および環状エーテル
   を主成分とする溶剤を必須成分とするポリカーボネート
   用コーティング組成物。
2. （２）分子中に水酸基を有する含フッ素重合体がクロロ
   トリフルオロエチレン、脂肪酸ビニルエステル、ヒドロ
   キシ基含有アリルエーテルおよびその他の共単量体に基
   づく単位の含有量がそれぞれ２５〜７５モル％、１０〜
   ７０モル％、３〜４０モル％、および０〜２０モル％で
   ある請求項１記載のポリカーボネート用コーティング組
   成物。
3. （３）溶剤中の環状エーテルの含有量が５０重量％以上
   である請求項１記載のポリカーボネート用コーティング
   組成物。