JPH0124831B2 - - Google Patents

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JPH0124831B2
JPH0124831B2 JP61097703A JP9770386A JPH0124831B2 JP H0124831 B2 JPH0124831 B2 JP H0124831B2 JP 61097703 A JP61097703 A JP 61097703A JP 9770386 A JP9770386 A JP 9770386A JP H0124831 B2 JPH0124831 B2 JP H0124831B2
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JP
Japan
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polyethylene oxide
heat storage
heat
storage body
body according
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JP61097703A
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JPS62253682A (ja
Inventor
Kyoshi Hayakawa
Hiroshi Taoda
Hiromi Yamakita
Masato Tazawa
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
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【発明の詳細な説明】
(a) 産業上の利用分野 本発明はエネルギー利用技術に関するものであ
り、詳しく言えば、ポリエチレンオキサイドを母
材とする経済的な低温用潜熱型蓄熱体に関するも
のである。 (b) 従来の技術 現在ポリエチレンオキサイド(ポリエチレング
リコール)には広範囲の分子量をカバーする各種
の製品が生産されていて、その範囲は分子量約
400から数百万に及んでいる。これらはいずれも
結晶性のポリマーであり、平均分子量が異なると
異なつた融解(結晶化)温度域を示すことが特徴
で、かつ融解−結晶化に伴い顕著な吸・発熱現象
を示すために、他物質には見られない優れた性能
を持つ有機の潜熱型蓄熱材として注目されてい
る。例えば示差走査熱量計による測定によれば、
分子量、融解温度、融解熱量の関係は次表のよう
である。
【表】
【表】 上表のように、平均分子量域を選択することに
より所望の融解温度域に対応できる点は、ポリエ
チレンを母材とする潜熱型蓄熱材などには見られ
ない有利な特徴で、経済的に種々の使用目的を満
足させることができる特色ある潜熱型蓄熱材と言
えよう。しかし、実際の使用にあたつては、加熱
−冷却による融解−結晶化に必然的に伴う固−液
相変化のために、そのままの形では熱媒体の流路
を確保することは困難であり、たとえば現在試み
られている温室用の潜熱型蓄熱材としての利用に
おいても、金属板、または管などに封入して熱媒
体である空気、水、エチレングリコールなどと非
接触で間接的に熱交換をせざるを得ず、そのため
に蓄しく経済性を損なう結果となつている。従つ
てポリエチレンオキサイドを潜熱型蓄熱材として
有利に使用するためには熱交換器を使用せず、直
接熱交換を可能にして経済性を上げる必要があ
る。ポリエチレンオキサイドは、何等かの対策を
講ずれば低温用の蓄熱材として第1表からもわか
るように暴露温度も低いので、直接空気や液状熱
媒体と接触しても充分な耐久性を持つて、長時間
安定に使用できると期待される。 (c) 発明の目的 本発明者らは、ポリエチレンオキサイド架橋を
導入すれば、固−液相転移による形状変化を伴う
ことなく、融解−結晶化による熱の出入を繰り返
し行うことができることに着目し、鋭意研究を進
めた結果、真空またはこれに準ずる環境中で塊状
ポリエチレンオキサイドを電離性放射線で照射す
ることにより有効に架橋を導入することが可能で
形状安定化の目的を達成することが可能となるこ
とを見出し、本発明をなすに至つた。 (d)発明の構成 本発明の要件を説明すれば次の通りである。 ポリエチレンオキサイドは、液状、粉末状、塊
状、または板状等、どのような形でもよいが、な
るべく空気の接触下での照射となることを避ける
ため、表面積の小さい形状のもの、たとえば球
状、塊状等、潜熱型蓄熱材として使用するための
形状に成型されたものが望ましい。従つて、粉末
状材料の場合にはあらかじめ一旦加熱融解−加圧
冷却して所定の形状に成形することが、本法の実
施を容易にさせる方法の一つである。電離性放射
線の照射にあたつては、高度の減圧排気または窒
素、アルゴン等の不活性気体により空気を置換し
て照射を行う。空気中では架橋の進行が遅く、実
質上分解だけが進行して本発明を実現できない。
ただし、塊状ポリエチレンオキサイドの場合、空
気中酸素の内部への拡散が問題にならない程度の
短時間内に高照射線量を成型物に与えることがで
きるならば、特に排気または空気置換を行う必要
はない。電離性放射線としては放射性物質からの
γ線、加速器よりの電子線、またはX線を用いる
ことができる。架橋の進行はポリエチレンオキサ
イドの分子量とは負の相関関係にあるため、必要
な照射線量はポリエチレンオキサイドにより大き
く異なる。実施例に二、三の例を示したが、一
方、ポリエチレンオキサイドに高密度の架橋を導
入すると結晶度が低下するため肝心の単位重量あ
たりの蓄熱量が低下するので、なるべく小照射線
量が望ましく、高分子量ポリマーでは5×107rad
までで充分である。しかし、低分子量ポリマーで
は更に大線量を必要とする。ポリエチレンオキサ
イドの電離性放射線照射においては一般に架橋は
主鎖切断と並行して進行するので、100%のゲル
化率を実現することは困難だが、約50%程度のゲ
ル化率が架橋によつて達成されれば充分である。 電離性照射線による架橋により、加熱−冷却時
の固−液相変化を阻止し、熱媒体の流路を確保
し、繰り返し加熱−冷却時に熱媒体との直接熱交
換が可能となるが、それでも加熱時における軟化
のために、成型ポリマー同志の表面接着、圧着等
が問題になる場合がある。そのような現象を防止
して熱媒体の流路を確保し、また同時に表面層の
酸化、劣化を可及的に予防し、耐用寿命を延長す
るための方法として、次のように塊状架橋ポリエ
チレンオキサイドの表面被覆を行うことができ
る。なお、このような被覆処理は、あらかじめ照
射による架橋前に行つておくことも可能である。 まず第1の方法として、耐熱性の不活性無機粉
末を塊状ポリエチレンオキサイドの表面に付着さ
せることにより、有効に加熱時の相互接着を防止
できる。本発明に用いることのできる耐熱性の微
粉末としてはシリカゲル、酸化アルミニウム、炭
酸マグネシウム、粘土等を挙げることができる。
これらを付着させるには、あらかじめ表面が軟化
する程度に加熱しておいた塊状または球状架橋ポ
リエチレンオキサイドを粉末中でかきまぜたの
ち、分離すればよい。 第2の方法として、架橋ポリエチレンオキサイ
ド成型物の表面を耐熱性樹脂膜で被覆することに
より、相互接着を防止する方法をとることができ
る。耐熱性樹脂としてはポリエチレンオキサイド
より高い融点を示すものであればよく、ポリテト
ラフルオロエチレン、シリコーン、ポリ塩化ビニ
ル等を挙げることができる。これらを加熱による
乾式法または溶剤、分散剤を用いた湿式法によつ
て表面に付着または被覆させることにより、付着
団塊化を防ぐことができる。 第3の方法として、金属の薄膜により塊状架橋
ポリエチレンオキサイドを被覆する方法を挙げる
ことができる。すなわち、表面に無電解メツキ
法、真空蒸着法等により、金属薄膜を被覆する方
法で、これにより相互接着だけでなく、蓄熱材と
して使用中の酸化劣化をも予防することができ
る。 なおポリエチレンオキサイドは、なるべく製造
時の触媒等の金属化合物残渣を含まないものが潜
熱型蓄熱材として望ましい。触媒等が残存する
と、自動酸化反応が促進されて長期の繰り返し使
用における耐久性を著しく損なう恐れがある。従
つて、なるべく精製してそれらの不純物をあらか
じめ除去するか、またはそれらを使用しない製造
法で製造されたポリエチレンオキサイドを使用す
ることが望ましい。 本発明において使用するフエノール化合物やア
ミンは、ポリエチレンオキサイド蓄熱体を長期間
使用した場合に生じる劣化つまり蓄熱能力の喪失
を抑制するためのものである。フエノール化合物
あるいはアミンとしては、フエノール、クレゾー
ル、ヒドロキノン、カテコール、アニソール、キ
シレノール、N−ニトロソアニリン、N−ニトロ
ソアミン、フエニレンジアミン、エチレンジアミ
ン及びそれらの物質の誘導体などが挙げられる。
これらの物質は単独で用いてもよいし、2種以上
混合して用いてもよい。ポリエチレンオキサイド
にフエノール化合物やアミンを添加する場合は、
ポリエチレンオキサイドに電離性放射線を照射し
た後、添加する方がよい。ポリエチレンオキサイ
ドに対するフエノール化合物あるいはアミンの添
加量は通常数重量%でよいが、蓄熱体の使用期間
により、それが長い場合には添加量を増やすな
ど、適宜増減することができる。 ポリエチレンオキサイド蓄熱体は、熱伝導度あ
るいは熱の入出力速度を大きくするため、金属
粉、金属繊維、炭素粉、炭素繊維などを混ぜて使
用してもよい。 (e) 発明の実施例 以下、本発明の代表的な実施例を示す。 実施例 1 ポリエチレンオキサイド粉末(平均分子量約
100万)を加熱プレスを用いて厚さ約10mmの板状
に成型し、これを約20mm角に切断したのち、その
約30gを排気管付きすり合せ試験管(直径約40
mm)に入れ、10-3mmHgに排気しながら密封し
た。これを常温で回転させながら1.5×105r/hr
の線量率のコバルト−60からのγ線により300時
間照射(計4.5×107rad)した。照射後の融解熱
量は25cal/gで、照射前の28cal/gより10%程
度の低下が見られた。照射後、ポリエチレンオキ
サイドを取り出し、これを粗く積み重ねた状態で
開口試験管に入れ、空気中で、1日に30℃で6時
間放置後、5時間かけて90℃に昇温し、そのまま
90℃に8時間保ちながら加熱し、その後5時間か
けて30℃まで温度を低下させるような加熱−冷却
サイクルを1週間繰り返した。架橋ポリエチレン
オキサイドは、塊状物同志が相互に接着したが、
空隙はそのままで、熱媒体の流路が残存すること
が知られた。しかし、同様の方法で照射量が
107radの場合には、塊状ポリエチレンオキサイド
は加熱−冷却サイクルにより圧着状態となつた。 実施例 2 実施例1で得たγ線架橋ポリエチレンオキサイ
ド成型物を約80℃に加熱しておき、これに炭酸カ
ルシウム粉を混和し、機械的に撹拌して成型物表
面に微粉末を付着させた。このようにして処理し
た架橋ポリエチレンオキサイド成型物を、実施例
1と同様にして1週間加熱−冷却サイクル試験を
行い、相互接着性を検査したところ、接着は見ら
れず、外形はそのままで熱媒体流路は確保されて
いた。 実施例 3 実施例1で得たγ線架橋ポリエチレンオキサイ
ド成型物をポリスチレンの10%ベンゼン溶液に浸
漬し、乾燥させる操作を5回繰り返して、成型物
表面にポリスチレンの膜を生成させた。このよう
にして処理した架橋ポリエチレンオキサイド成型
物を100℃に加熱後、相互接着性を調べた結果、
接着は見られず外形はそのままであつた。 (f) 発明の効果 本発明の架橋ポリエチレンオキサイドならびに
相互接着防止のための被覆を施した架橋ポリエチ
レンオキサイドは、0℃付近の低温度から約70℃
までの広範囲にわたり、所望の動作温度を選択で
きる低温用有機系潜熱型蓄熱材として、経済的に
長期間使用できる。さらに、本蓄熱材は熱媒体と
の直接熱交換を目的としたもので、熱交換器を必
要としない、経済的に極めて有利に使用できるも
のである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 所定形状の結晶性ポリエチレンオキサイドに
    電離性放射線を照射して上記ポリエチレンオキサ
    イドの分子間を架橋したことを特徴とするポリエ
    チレンオキサイド蓄熱体。 2 架橋された結晶性ポリエチレンオキサイドの
    表面が耐熱性物質の微粉末によつて被覆されてい
    る特許請求の範囲第1項記載のポリエチレンオキ
    サイド蓄熱体。 3 架橋された結晶性ポリエチレンオキサイドの
    表面が耐熱性樹脂膜によつて被覆されている特許
    請求の範囲第1項記載のポリエチレンオキサイド
    蓄熱体。 4 架橋された結晶性ポリエチレンオキサイドの
    表面が金属により被覆されている特許請求の範囲
    第1項記載のポリエチレンオキサイド蓄熱体。 5 特許請求の範囲第1項、第2項、第3項、第
    4項記載のポリエチレンオキサイド蓄熱体にフエ
    ノ、ール化合物あるいはアミンを添加して成るこ
    とを特徴とするポリエチレンオキサイド蓄熱体。
JP61097703A 1986-04-26 1986-04-26 ポリエチレンオキサイド蓄熱体 Granted JPS62253682A (ja)

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JPH0762598B2 (ja) * 1986-10-13 1995-07-05 株式会社フジクラ 直接接触型蓄熱装置
JPH0781135B2 (ja) * 1991-02-26 1995-08-30 積水化成品工業株式会社 潜熱型蓄熱材及びその製造法

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