JPH0124743B2 - - Google Patents

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JPH0124743B2
JPH0124743B2 JP56116727A JP11672781A JPH0124743B2 JP H0124743 B2 JPH0124743 B2 JP H0124743B2 JP 56116727 A JP56116727 A JP 56116727A JP 11672781 A JP11672781 A JP 11672781A JP H0124743 B2 JPH0124743 B2 JP H0124743B2
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JP
Japan
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binder
wax
powder
sintered body
inorganic
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JP56116727A
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Tadanori Hashimoto
Masaaki Hama
Osamu Kobayashi
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Producing Shaped Articles From Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は無機粉末の焼結体(無機焼結体、以
下、単に焼結体と略称)を製造するに当つて、成
形工程および焼成工程における取扱い上において
も優れたバインダーを使用して無機粉末を成形加
工し、焼結して均質で高密度の無機焼結体を製造
する方法に関するものである。 従来より、押出或いは射出成形加工法により無
機焼結体製造用の無機粉末の成形体(以下、成形
体と略称)を製造する為に種々のバインダーが用
いられているが成形上の観点から無機粉末とバイ
ンダーの混合物の流動性を主眼にしたバインダー
が多用されており、製品の物性に多大な影響を与
える成形体の高密度の向上および生産者に影響す
る焼成時におけるバインダー除去の容易性からの
考慮はほとんどなされていないというのが実情で
あつた。これは押出、射出成形においては成形機
械の吐出能力に制限があるため粉末の流動性を確
保するには成形体の嵩密度および焼成工程から望
まれる量よりもはるかに多量のバインダーを使用
するという成形加工の制約から生じたものであ
る。押出、射出成形された成形体はプレス成形に
よるものに比べ無機粉末の充填状態が均質なもの
が得られるという利点があり、粒径の揃つた焼結
体が製造しやすい。しかし、プレス成形法では通
常5重量%程度の少ないバインダー量で成形する
ため理論密度の60%程度の粉末充填密度をもつ成
形体が比較的容易に得られる。これに対して押
出、射出成形法では時として30重量%ものバイン
ダーを使用するため粉末の充填密度は40%程度の
ものしか得ることができずこれを焼成した場合に
プレス成形法のものに比べ焼結体の密度が低いと
いう問題があつた。押出、射出成形法は成形体の
生産性の面ではプレス成形法、泥漿鋳込成形法よ
りも優れているにもかかわらず、高密度焼結体を
得ることが困難であつたため、理輪密度に近い焼
結体にすることで初めてその機能を発揮する透光
性セラミツクス、磁性体セラミツクス、誘電体セ
ラミツクス、高強度セラミツクスなどの機能性セ
ラミツクス製造に適用することが困難であつた。 また粉末充填密度の低い押出、射出成形による
成形体は焼成時の収縮率が大きいため焼結体の寸
法精度を保つことが難しく、焼成後の加工が困難
なセラミツクスにおいては特に問題となつてい
る。無機粉末の押出、射出成形における上記問題
を改良するために従来より各種のバインダー類が
検討されている。これらのバインダー類は水溶性
バインダーと合成樹脂バインダーに大別されるが
両者とも以下に示すような欠点があり上記問題を
解決するに至つていない。第1のバインダー類と
しての水溶性バインダーは澱粉、セルロース誘導
体、ポリビニールアルコールなどが広く使用され
ている。これらの水溶性バインダーは後者の合成
樹脂バインダーに比べると固型分としてのバイン
ダー量は少なくてすむが溶媒としての水を込みに
したバインダー溶液の使用量は、合成樹脂バイン
ダーと同程度で無機粉末20重量%程度が必要であ
る。水溶性バインダー溶液は合成樹脂バインダー
に比べ粘度が低く粉末の間に浸透しやすく粉末の
分散性は良いが、潤滑性が劣るため所定の流動性
を賦与するためには多量の水が必要である。また
水溶性バインダーを使用した粉末を押出、射出成
形した場合、成形体の強度は溶媒の蒸発に伴なつ
て発揮されるため成形直後の成形体は強度的に弱
く変形しやすいため取扱いづらいという本質的な
問題をかかえている。このため水の量を減らして
ある程度の強度を保持した成形体を押出、射出す
ることが行なわれているがこの方法は粉体の流動
性を犠性にしているため吐出圧力の上昇および無
機粉末による成形機の摩耗とそれに伴なう成形体
の汚染という問題を生じている。さらに成形体を
乾燥して水を除去する際、不均一な乾燥により成
形体に亀裂が発生しやすくこれを防止するため乾
燥工程に長時間を必要とし押出、射出成形法の特
徴である生産性が大幅に低下するという問題もあ
る。 第2のバインダー類としての合成樹脂バインダ
ーはポリスチレン、ポリプロピン、ポリエチレン
などが使用されているが以下の欠点がある。合成
樹脂バインダーは溶融粘度が高いため無機粉末凝
集体に浸透しづらく粉末の分散性が不十分になり
やすく、しかも粉末の充填密度の低い成形体しか
得られないのでこれを焼成しても均質な高密度焼
結体が得られないという欠点がある。合成樹脂バ
インダーは加熱溶融状態で成形に使用するため成
形直後に成形体を冷却することにより強度の高い
成形体が得られる。このため水溶性バインダーと
異なり、多量のバインダーを使用することにより
成形時の粉末流動性を良くすることができるが、
バインダー量が多くなると焼成時にバインダーか
ら発生する熱分解ガスによつて成形体が発泡しや
すくなるという欠点がある。この発泡を防ぐため
通常脱脂工程と称されるバインダーを熱分解によ
つて除去する工程は水溶性バインダーの場合の乾
燥工程以上に長時間を必要としやはり生産性が大
幅に低下する。また合成樹脂バインダーの中には
上記の熱可塑性樹脂だけでなくフエノール樹脂、
ウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂を用いて成形時
にこれらのバインダーを反応硬化させて強度の高
い成形体を成形する方法もある。しかしこれらの
バインダーは成形を中断した場合に成形機の中で
硬化反応が起つてしまい成形を継続することが不
可能になる危険性がある。 以上、述べたように従来の押出、射出成形用バ
インダーにはいずれの場合も粉末充填率が低い、
バインダーの除去に長時間を必要とするといつた
問題の他に、バインダーの種類によつては成形体
の強度不足、成形機の所要吐出力の増大、成形機
の摩耗による不純物の混入、成形体の不均質など
の問題があり、これらの点を満足するバインダー
技術の確立が産業界から強く望まれている。 本発明者らは上記問題点に鑑み鋭意研究の結
果、含酸素ワツクス成分を含む複数のワツクス類
(以下含酸素ワツクス系バインダーと称す)を用
いることによりかかる欠点のない成形体を得るこ
とに成功し、このような特性を成形体に賦与させ
うる無機粉末の押出、射出成形用バインダー類を
見出し本発明を完成するに至つた。 本発明の含酸素ワツクス系バインダーは溶融時
の粘度が低く無機粉末となじみが良いため微粒の
無機粉末凝集体の〓間に非常に良く浸透し、しか
も潤滑性に優れている。そのため従来のバインダ
ーでは達成することのできなかつた粉末の均質分
散と非常に高い粉末の充填密度を兼ね備えた成形
体を得ることができる。また本発明の含酸素ワツ
クス系バインダーを用いた成形体は冷却すること
により成形直後に硬化させることが容易であり、
特に成形体の寸法精度を保つことが困難な射出成
形法においては従来のバインダーと比べて飛躍的
に寸法精度を向上させることができる。従来のバ
インダーのうち熱可塑性合成樹脂バインダーも冷
却により成形体を硬化させることは可能だが、本
発明のバインダーに比べ溶融粘度が高く流動性が
劣るのでそれを補う為無機粉末に比べ熱伝導度の
悪いバインダー使用量をふやさなければならず、
結局冷却時に時間がかかりその間に成形体が変形
しやすい欠点がある。また従来の水溶性バインダ
ーでは、溶媒である水が蒸発するまでは成形体の
強度も弱く取扱いが困難であるだけでなく、薄肉
製品や大型製品では成形体の自重で変形すること
もあり寸法精度の保持はなおさら困難である。 このように本発明の含酸素ワツクス系バインダ
ーは無機粉末の押出、射出成形工程における従来
のバインダー問題点を解決しただけではなく、以
下に述べるバインダー除去工程においても従来の
バインダーよりも格段に優れた性能を有してい
る。 本発明の含酸素ワツクス系バインダーは含酸素
ワツクス成分を含む複数のワツクス類から成り立
つているため特定の熱分解点を持たす熱分解温度
域は相当の幅を持つている。そのため本発明のバ
インダーを用いた成形体を加熱昇温した際には、
含酸素ワツクス系バインダーの熱分解はある温度
で急激に起ることがなく昇温につれて徐々に進行
するという従来のバインダーには見られない特徴
を有している。従来の合成樹脂バインダーでは熱
分解温度付近では1時間に数℃場合によつてはそ
れ以下の非常にゆつくりとした昇温速度でないと
急激に分解するバインダーから発生するガスによ
り成形体に発泡または亀裂が発生するのを防げな
かつた。これに対して本発明の含酸素ワツクス系
バインダーは1時間に数10〜100℃位の昇温速度
で加熱しても成形体が損傷することなしにバイン
ダーを除去することができるようになり、バイン
ダーの熱分解工程を一挙に短縮することに成功し
た。従来のバインダーを用いた押出、射出成形法
により無機粉末の焼結体を製造する工程ではこの
バインダー除去工程に最も時間がかかつていたた
め、本発明の含酸素ワツクス系バインダーが焼結
体製造における生産性向上に果す役割は計り知れ
ないものがある。 なお、従来の水溶性バインダーでも溶媒として
の水を成形体から除く際には合成樹脂バインダー
と同程度にゆつくりと蒸発させないと成形体に発
泡または亀裂が生じるため広義のバインダー除去
工程は非常に生産性が悪かつた。またワツクス系
バインダーにおいても本発明とは異なる主として
単一化合物からのみ成るワツクスを使用した場合
には、加熱昇温時におけるバインダーの熱分解は
急激で本発明の含酸素ワツクス系バインダーのみ
に見られる効果は得られない。 以上述べたように本発明の含酸素ワツクス系バ
インダーを用いることによつて従来のバインダー
を用いた押出、射出成形法では得ることのできな
かつた均質で充填密度の高い無機粉末成形体が生
産できるようになつたため、焼結体の焼成温度も
大幅に下げることが可能になつた。 本発明の含酸素ワツクス系バインダーによつて
もたらされるこれらの効果は特に高温焼成が必要
な透光性アルミナ焼結体に代表される透光性セラ
ミツクスを製造する際に発揮され、高品質の製品
を安価に供給できるようにした本発明の工業的価
置は計り知れないものがある。 以下に本発明を詳細に説明する。 本発明に使用する含酸素ワツクス系バインダー
としては植物系ワツクスのカルナバワツクス、変
性ワツクスの酸化パラフインワツクス、酸化マイ
クロクリスタリンワツクスから選ばれたワツクス
に高級脂肪酸を混合してなるものがあげられる。 これらのワツクス類のうち成形性の点から植物
系ワツクス、変性ワツクス、高級脂肪酸などの含
酸素ワツクス、およびこれらの含酸素ワツクスと
石油系ワツクスとの混合物を単独または混合した
組成物が好適に使用される。特に成形性、熱分解
性の点からカルナバワツクス、パラフインワツク
ス誘導体である酸化パラフインワツクス、マイク
ロクリスタリンワツクス誘導体である酸化マイク
ロクリスタリンワツクス、高級脂肪酸であるステ
アリン酸、インステアリン酸、ラウリン酸、およ
びこれらの含酸素ワツクス類とパラフインワツク
ス、マイクロクリスタリンワツクスの混合物が単
独または混合して用いられると本発明の効果を最
も効果的に発揮することができる。さらに、これ
らの組合せの中でもカルナバワツクス、酸化パラ
フインワツクス、酸化マイクロクリスタリンワツ
クスにステアリン酸などの高級脂肪酸を混合した
組成物が最も効果を発揮する。 本発明の含酸素ワツクス系バインダー中に含ま
れる含酸素ワツクス類は熱分解性の点から1重量
%以上あることが好ましく、特に5重量%以上含
まれる時に良い結果が得られる。最も好ましくは
バインダー組成物中に占める含酸素ワツクス類の
含有率が10重量%以上の時に最も効果を発揮す
る。 本発明の含酸素ワツクス系バインダーの使用量
は成形する無機粉末の物性によつてその値は異な
るが、バインダーと無機粉末から成る成形体に占
めるバインダーの割合が、15〜60体積%の範囲で
使用することが好ましい。含酸素ワツクス系バイ
ンダーの使用量がこの範囲より少ないと成形時の
流動性が不足するため成形が困難になる。またこ
の範囲より多い場合は本発明の特徴であるバイン
ダーの熱分解の容易性が減少する。最も好ましく
は成形体に占めるバインダーの割合が25〜55体積
%の時に、本発明のワツクス系バインダーはその
効果を発揮する。 本発明のバインダーが適用される無機粉末とし
ては、粉体治金またはセラミツクス製造に使用さ
れうる金属または非金属の単体、もしくはそれら
の化合物としての酸化物または非酸化物の粉末が
あげられる。また、これらの粉末の組成は単一組
成、合金、化合物の状態のものを単独または混合
して使用してもさしつかえない。なお金属の酸化
物または非酸化物の構成元素はカチオンまたはア
ニオンともに、単元素でもあるいは複数の元素か
ら成り立つていてもよく、さらに酸化物または非
酸化物の特性を改良するために加えられる添加物
を含む系についても本発明に使用することができ
る。 これらの粉末のうちで金属粉末として具体的な
ものは、長周期型周期律表の族のアルミニウ
ム、タリウム、b族のシリコン、ゲルマニウ
ム、スズ、鉛、b族のヒ素、アンチモン、ビス
マス、b族のテルル、ポロニウム、a族のス
カンジウム、イツトリウム、ランタノイド元素、
アクチノイド元素のトリウム、プロトアクチニウ
ム、ウラン、a族のチタン、ジルコニウム、ハ
フニウム、a族のバナジウム、ニオブ、タンタ
ル、a族のクロム、モリブデン、タングステ
ン、a族のマンガン、テクネチウム、レニウ
ム、族の鉄、コバルト、ニツケル、ルテニウ
ム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジ
ウム、白金、b族の銅、銀、金、b族の亜
鉛、カドミウムなどがあげられる。 酸化物粉末の具体的なものとしては、上記の金
属の酸化物があげられる。また上記以外の金属の
酸化物として酸化ベリリウム、酸化マグネシウ
ム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化
バリウム、酸化ランタン、酸化ガリウム、酸化イ
ンジウム、酸化セレンなどがあげられる。また通
常、複酸化物と称せられる複数の金属元素を含む
酸化物粉末の具体的なものを結晶構造から分類す
ると、ペロブスカイト型構造をとるものとして、
NaNbO3、SrZrO3、PbZrO3、SrTiO3
BaZrO3、PbTiO3、AgTaO3、BaTiO3
LaAlO3などが、スピネル型構造をとるものとし
てはMgAl2O4、ZnAl2O4、CoAl2O4、NiAl2O4
NiCr2O4、FeCr2P4、MgFe2O4、Fe3O4
ZnFe2O4などが、イルメナイト型構造をとるもの
としてはMgTiO3、MnTiO3、FeTiO3
CoTiO3、NiTiO3、ZnTiO3、LiNbO3、LiTaO3
などがガーネツト型構造の具体的なものとしては
Gd3Ga5O12に代表される希土類ガリウムガーネツ
ト、Y3Fe5O12に代表される希土類鉄ガーネツト
などがあげられる。 金属の非酸化物粉末としては上記に例示した金
属の炭化物、窒化物、ホウ化物、硫化物などの粉
末があげられる。これらの金属非酸化のなかでも
特に炭化物としてはSiC、TiC、WC、TaC、
TfC、ZrC、B4C、窒化物としては、Si3N4
AlN、BN、TiN、ホウ化物としてはTiB2
ZrB2、LaB6などに本発明のバインダーが有効で
ある。 本発明のバインダーは粉末の粒径および形状に
よらず有効であるが、100μ以下の平均粒子径を
有する粉末に有効である。また粉体が微細になる
につれて、成形体の均質性の問題が重要となるこ
とから20μ以下の平均粒子を有する粒体には特に
有効である。さらに平均粒子径が5μ以下の微粉
体に適用するとその効果は最も発揮される。なお
平均粒子径が0.01μ以下の超微粉体にも本発明の
バインダーは有効であるが、0.01μ以上の微粉体
に使用した時の方がその効果がより発揮される。 これらの無機粉末のうち、酸化物粉末、とりわ
け透光性材料、絶縁材料、半導体材料、圧電体材
料、磁性材料、電気光学材料などを製造するため
の金属酸化物粉末に本発明のバインダーが好適に
使用される。さらに放電灯の発光管としてパイプ
状に成形されるAl2O3、MgO、Y2O3、MgAl2O4
あるいは種々の形状に成形されるPb1−xLaxZr1
−yTiyO3(X=0〜1.0、y=0〜1.0)などの透
光性材料の製造には特に有効である。 本発明の含酸素ワツクス系バインダーを用いて
無機粉末を成形する装置としては、バインダー組
成物が溶融する温度以上に加熱ができるプラスチ
ツクまたはセラミツクスの押出、射出成形機が使
用できる。また無機粉末と本発明のバインダー組
成物は予め混練もしくは造粒してから上記の成形
機で成形しても、あるいは配合物を直接成形機に
投入して成形しても本発明の含酸素ワツクス系バ
インダーの効果を損わない範囲で任意に選定する
ことができる。 以下に本発明を実施例、比較例により、詳しく
説明するが本発明はこれらの実施例に限られるも
のではない。なお実施例中の特に表示しない場合
を除いて百分率はすべて重量によつている。また
焼結体物性のうち密度については酸化アルミニウ
ムの理論密度に対する焼結体の密度の比を百分率
で示した値である。光線透過率は厚さ0.8mmのパ
イプ状焼結体の内面からパイプの長手方向と直角
に(パイプの内周面に垂直に)平行光束を入射し
た時の入射光強度と試料を透過した光のうち入射
光束の延長上にある透過光束の強度の比を百分率
で示したものである。 実施例 1 含酸素ワツクスとして酸化マイクロクリスタリ
ンワツクス(融点78℃、酸化12)100gおよびス
テアリン酸20gを0.1%の酸化マグネシウムを添
加した酸化アルミニウム粉末(純度99.99%、平
均粒子径0.5μ)1Kgを160℃に加熱したニーダー
で10分間混練した。この混合組成物を温度90〜
180℃で内径10mm、肉厚1mmのパイプ状に押出成
形した後50℃/Hrの温度勾配で加熱して800℃で
1時間加熱して脱脂と仮焼を行なつた。しかる後
これを真空中において1700℃で3時間焼成して透
光性アルミナ焼結管を製造した。このようにして
得られた透光性アルミナ焼結体の結果を表1に示
す。後述の比較例をあわせて記載した表におい
て明らかなように本発明の含酸素ワツクス系バイ
ンダーのみが、成形時の流動性、成形体における
粉末充填密度の高さ、脱脂に要する短かさおよび
得られる焼結体の透光性の高さを示している。 比較例 1 実施例1の含酸素ワツクスの代りに炭化水素か
らなるパラフインワツクス(融点70℃)、マイク
ロクリスタリンワツクス(融点78℃)のみを使用
する以外は全て実施例1と同様に行ない、成形
性、脱脂性能、焼結体の性能を評価した。パラフ
インワツクスおよびマイクロクリスタリンワツク
スを使用した成形体は脱脂の際急激な熱分解のた
め成形体に発泡および亀裂を生じた。このため焼
結体を製造したものは400℃までは実施例1の50
倍の時間をかけ1℃/Hrの温度勾配で加熱して
脱脂を行なつた。評価結果を表1に示す。 比較例 2 実施例1のワツクス系バインダーの代りにポリ
スチレン100g、ステアリン酸20gを使用して180
℃で実施例1と同様の押出成形を行なつたが流動
性が悪く成形体を得ることができなかつた。そこ
でポリスチレンを170gに増して実施例1と同様
の押出成形および脱脂を行なつた。しかし実施例
1と同じ脱脂条件ではポリスチレンの分解が急激
なため成形体が発泡した。焼結体は比較例1と同
様に1℃/Hrの加熱で脱脂して製造した。評価
結果を表1に示す。 比較例 3 実施例1の含酸素ワツクス系バインダーの代り
にポリビニルアルコール50g、水200gを使用し
て室温で押出成形する他はすべて実施例1と同様
にして行ない成形性、脱脂性能と焼結体の性能を
比較した。しかし得られた成形体は押出直後に自
重で変形しパイプの断面形状は真円にならなかつ
た。また実施例1と同様の加熱条件では100℃付
近における水の蒸発が急激なため成形体に亀裂が
入つた。そこで成形体に亀裂が入らないように飽
和水蒸気圧下で2℃/Hrの温度勾配で加熱して
100℃で5時間加熱した後20℃/Hrの温度勾配で
800℃で1時間加熱し。その後実施例1と同様の
焼結を行なつたが透光性を有する焼結体は得られ
なかつた。 実施例 2 実施例1の含酸素ワツクス系バインダーと酸化
アルミナ粉末の混合物を、スクリユータイプ射出
成形機を用いて、シリンダー温度120〜180℃、金
型温度を常温、圧力700Kg/cm2、型中の時間を2
秒として横20mm、縦50mm、厚み2mmの成形体を射
出成形した。得られた成形体は「す」がなく均質
であつた。この成形体を実施例1と同様の方法で
脱脂、焼結を行なつた。得られた焼結体は良好な
透光性を示した。 実施例 3 含酸素ワツクス系バインダーとしてカルナバワ
ツクス(融点83℃、酸化8)140gおよびステア
リン酸10gを0.2%のフツ化マグネシウムを含む
酸化マグネシウム(平均粒子径1μ)1Kgを実施
例1と同様の方法で押出成形および脱脂を行なつ
た。その後、真空中で1400℃、2時間の焼成を行
なつた。本実施例の成形体は非常に均質でしかも
成形体強度も良好であつた。また得られた焼結体
は透光性を有していた。 【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 カルナバワツクス、酸化パラフインワツク
    ス、酸化マイクロクリスタリンワツクスから選ば
    れたワツクスに高級脂肪酸を混合してなる含酸素
    ワツクス系バインダーを用いて無機粉末を押出成
    形加工または射出成形加工して成形体を製造する
    ことを特徴とする無機焼結体の製造方法。 2 成形体に占める含酸素ワツクス系バインダー
    の含有率が15〜60体積%であることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の無機焼結体の製造方
    法。 3 無機粉末が平均粒子径20μ以下の金属酸化
    物、金属複酸化物、金属炭化物、金属窒化物およ
    び/または金属ホウ化物の粉末であることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の無機焼結体の
    製造方法。 4 無機粉末が透光性セラミツク原料としての金
    属酸化物または金属複酸化物の粉末であることを
    特徴とする特許請求の範囲第8項記載の無機焼結
    体の製造方法。 5 無機粉末が平均粒子径20μ以下の酸化アルミ
    ニウムであることを特徴とする特許請求の範囲第
    4項記載の無機焼結体の製造方法。
JP56116727A 1981-07-24 1981-07-24 無機焼結体の製造方法 Granted JPS5820775A (ja)

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JPS5820775A JPS5820775A (ja) 1983-02-07
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