JPH0124627Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はデイスポーザルタイプの血沈測定用チ
ユーブ、更に詳しくはチユーブ状容器の上部内に
中空円筒状の中栓を弾性嵌合してなる血液リーク
のない血沈測定用チユーブに関するものである。

従来においてもデイスポーザルタイプの血沈測
定用チユーブとしてチユーブ状の血液容器とピペ
ツト挿着用チユーブとを弾性嵌合により結合した
ものも提案されているが、この場合には均一径の
チユーブ状容器の上部にピペツト挿着用チユーブ
を外部から被せるように嵌合する方式であるため
両チユーブの嵌合面は上下とも外部に抜けてお
り、そこでピペツト挿着時にその挿着圧力により
チユーブ状容器とピペツト挿着用チユーブとの嵌
合面に沿つて血液が下方にリークするおそれがあ
る。

本考案はこのような問題に対処してなされたも
ので、チユーブ状の血液容器の上部にピペツト挿
着用チユーブを収容しうる受部を一体的に拡径延
設し、この受部内にピペツト挿着用チユーブを弾
性嵌合せしめることにより所期の目的を収めたも
のである。

即ち、本考案の要旨とする所はチユーブ状血液
容器の上部に段付面を経て該チユーブ状血液容器
の内径よりも大きい内径を有する拡径円筒状の受
部を一体的に延設してなる透明ないしは半透明の
合成樹脂製の血液収容用本体と、該本体の拡径円
筒状の受部内に嵌合収容される合成樹脂製の中空
円筒状ピペツト挿着用中栓とからなり、該中栓は
上端には拡径円筒状受部の上端に係合しうる外周
鍔を設けると共に下端には上記段付面に接合しう
る内周鍔を設け、かつ上記拡径円筒状受部と中栓
とはその嵌合面に円周溝と円周突条からなる弾性
嵌合部を備えている血沈測定用チユーブに存する
ものであり、その実施例として拡径円筒状受部の
内周に円周溝を設けると共に中栓の外周に円周突
条を設けて両者の嵌合時の弾性嵌合部を形成した
り、中栓の下端に設けた内周鍔はその肉厚を該鍔
の内周に向つて順次薄く形成し、又中栓の内周鍔
はその内周部に血沈測定用ピペツトを弾性嵌合し
うるようにする等の手段を適宜に組合せ実施する
のが望ましい。

以下に本考案を図面に示す実施例によつて説明
する。

血沈測定用チユーブは血液収容用本体Ａとピペ
ツト挿着用中栓Ｂとからなり前者Ａは血液の収容
状態を識別しうるように透明ないしは半透明の合
成樹脂例えばポリプロピレンで作られている。
又、後者Ｂは例えば高圧法のポリエチレン等の合
成樹脂で作られるが、必ずしも透明ないしは半透
明でなくてもよい。

上記の本体Ａは均一径のチユーブ状血液容器１
の上部に段付面２を経て拡径円筒状の受部３が同
心状に一体的に延設された構造をもつており、本
体Ａの肉厚１mmとしたとき容器１の内径d₁を例え
ば９mmとした場合に受部３の内径d₂は例えば14mm
というようにd₂はd₁に対し十分に大きくとつてあ
る。これは段付面２上にピペツト挿着用中栓Ｂを
密接状態に安定的に面支持しうるようにするため
である。又、容器１の高さh₁を例えば31mmとした
とき受部３の高さh₂は例えば12mmというようにh₂
を十分に長くとり受部３と中栓Ｂとの嵌合面の長
さを十分に大きくするようにしている。

又、受部３の内周にはその中間高さ位置に円周
溝４が設けられている。

他方、ピペツト挿着用中栓Ｂは中空円筒部５の
上端には外方に張り出す外周鍔６を周設すると共
にその下端には内方に張り出す内周鍔７を周設す
るが、内周鍔７の内径d₃はピペツト径より縮小径
としてピペツトを液密的に嵌合しうるようにして
いる。

今、中栓Ｂの肉厚を１mmとしたとき、d₃は例え
ば５mm、円筒部５の内径d₄は12mmというように設
定される。又、中栓Ｂの外周鍔６の肉厚を除いた
高さh₃は受部３の高さh₂と等しく例えば12mmとさ
れる。又、円筒部５の外周の中間高さ位置に円周
突条８が周設されている。

そこで中栓Ｂを本体Ａの受部３内に入れ込み嵌
合すると内周鍔７が段付面２上に接合すると共に
円周突条８が円周溝４に弾性嵌合され、又外周鍔
６も受部３の上端に係合する。

このように嵌合結合された血液収容用本体Ａと
中栓Ｂとからなる血沈測定用チユーブのチユーブ
状血液容器１内に血沈測定用血液を入れ、長さ目
盛を施したピペツトを中栓Ｂの内周鍔７に液密的
に嵌合しながら容器１内に所定深さまで入れるこ
とによりピペツトの所定高さまで血液柱を上昇せ
しめることができる。その際、中栓Ｂと受部３の
嵌合面は下方は容器１内に抜け上方のみが外部に
抜けており、しかもその嵌合延面距離は内周鍔７
と段付面２、円周部５の外周と受部３の内周、次
いで外周鍔６と受部３の上端に至る十分な長さと
なつており、その中間に溝４と突条８との弾性嵌
合による液密部を介在させているので、これらの
間からの血液リークは十分に阻止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す血液収容用本体
とピペツト挿着用中栓との分解時の各断面図であ
る。 Ａ……血液収容用本体、Ｂ……ピペツト挿着用
中栓、１……チユーブ状血液容器、２……段付
面、３……受部、４……円周溝、５……円筒部、
６……外周鍔、７……内周鍔、８……円周突条。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) チユーブ状血液容器の上部に段付面を経て該
   チユーブ状血液容器の内径よりも大きい内径を
   有する拡径円筒状の受部を一体的に延設してな
   る透明ないしは半透明の合成樹脂製の血液収容
   用本体と、該本体の拡径円筒状の受部内に嵌合
   収容される合成樹脂製の中空円筒状ピペツト挿
   着用中栓とからなり、該中栓は上端には拡径円
   筒状受部の上端に係合しうる外周鍔を設けると
   共に下端には上記段付面に接合しうる内周鍔を
   設け、かつ上記拡径円筒状受部と中栓とはその
   嵌合面に円周溝と円周突条からなる弾性嵌合部
   を備えていることを特徴とする血沈測定用チユ
   ーブ。 (2) 拡径円筒状受部の内周に円周溝を設けると共
   に中栓の外周に円周突条を設けて両者の嵌合時
   の弾性嵌合部を形成した実用新案登録請求の範
   囲第(1)項記載の血沈測定用チユーブ。 (3) 中栓の下端に設けた内周鍔はその肉厚を該鍔
   の内周に向つて順次薄く形成した実用新案登録
   請求の範囲第(1)項又は第(2)項記載の血沈測定用
   チユーブ。 (4) 中栓の内周鍔はその内周部に血沈測定用ピペ
   ツトを弾性嵌合しうるように形成した実用新案
   登録請求の範囲第(1)項から第(3)項までの何れか
   (1)項記載の血沈測定用チユーブ。