JPH0123398B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はタンクローリ、特にその混油防止装置
に関する。

一般に、タンクローリの搭載タンクは、区画壁
により複数のタンク室に分割されており、油槽所
において数種類の油を各タンク室に別々に積載
し、所定の給油所まで連搬し、各油種に応じた貯
蔵タンクに補給できるようになつている。

このように、タンクローリでは、１つの搭載タ
ンクローリ内に複数の油が積載される一方、給油
所における貯蔵タンクも前記複数の油に対応して
複数個あるため、搭載タンクより貯蔵タンクへの
給油の際、搭載タンクの底弁の操作ミスなどによ
つて、貯蔵タンク側の油種と異なる油種の底弁が
開かれ、混油事故を発生する場合があつた。

本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、車
体適所に配設され複数のタンク室を有する搭載タ
ンクと、各タンク室に配設され油種を検出する検
出手段と、各タンク室毎に検出結果の油種を表示
する表示手段とを備えてなり、検出手段はガソリ
ンと同一比重のフロートを装填した支持管と支持
管の上下端に配設された位置センサとよりなる比
重検出器と光センサよりなる透過光量検出器と、
比重検出器のフロート位置及び透過光量検出器に
よる光量の検出結果を判別、記憶値と比較するコ
ントロールボツクスとよりなり、比重検出器によ
りガソリンを判別し、比重検出器と透過光量検出
器により灯油、軽油を判別することを特徴として
各油の性質に着目することにより、簡単な構造で
もつて、混油事故を確実に防止することができる
タンクローリを提供することを主目的とする。

タンクローリに積載される油は主としてガソリ
ン・軽油・灯油であり、各油の性質についてみれ
ば、比重（15／４℃）はガソリンが0.71〜0.75、
軽油0.78〜0.83、灯油が0.81〜0.84であり（軽油
と灯油の比重については同一の場合がある）、色
は灯油（白灯油）が無色、軽油が淡黄色あるいは
淡かつ色である。

即ち、ガソリンと軽油・灯油とは比重により区
別でき、また、軽油と灯油とは色により区別でき
るので、この点に着目すれば簡単な油種判別が可
能であることがわかる。

以下、本発明の構成を、実施例について、図面
に沿つて説明する。

１はタンクローリで、その後部に、複数のタン
ク室（本例では、４つ）を有する搭載タンク２が
搭載されている。

搭載タンク２には、各タンク室に対して、注油
口であるマンホール３と、排出弁部としての底弁
４、緊急弁（図示せず）及び底弁４に連結された
ハンドル４０が配設されている。

搭載タンク２の各タンク室には検出器５が設さ
れ、該検出器５はコントロールボツクス６に接続
され、また、コントロールボツクス６には油種表
示器７が接続される（油種表示器７は運転席、搭
載タンク２の側方、上方等の適所に設けられる）。

検出器５について説明すると、タンク室下部に
は透明管５０が配設され、その内部にはフロート
５１が装填され、フロート５１は比重0.75となる
ように形成されている。また、透明管５０の上下
端には光電管等による位置センサ５３，５４が配
設され、フロート５１の位置を検出し、コントロ
ールボツクス６に伝達する。ここで透明管５０，
フロート５１、位置センサ５３，５４は比重検出
器を構成している。５５は光センサで透過する光
量をポテンシヨメータ５６を介してコントロール
ボツクス６に伝達し、コントロールボツクス６に
は事前に軽油、灯油の光透過量を記憶させてお
く。ここで光センサ５５、ポテンシヨメータ５６
は透過光量検出器を構成している。尚、各機器は
防爆型のものを用いるとよい。

油種表示器７について説明すると、表示版７０
には各タンク室に応じて油種（ガソリン・灯油・
軽油）が表示され、検出器５の検出結果に応じコ
ントロールボツクス６から指示された油種部分が
点灯する。

油種表示器７の別実施例としては各油種を表示
した回転盤と表示窓との組み合わせたものでもよ
い。

次に、本発明の作用について説明すると、油槽
所において、搭載タンク２の各タンク室に油を積
載し、コントロールボツクス６を操作して検出器
５を作動させると油種に応じて次のように油種が
判別される。

(1) ガソリンの場合……比重（15／４℃）は0.71
〜0.75の範囲にあり、積載油の比重が0.74以下
ならフロート５１は透明管５０下端に沈下状態
で位置センサ５３はON、同５４はOFFとな
り、比重が0.75ならフロート５１は透明管５０
中間部で浮遊状態で位置センサ５３，５４はと
もにON、比重が0.75を越えるとフロート５１
は透明管５０上端まで浮上し、位置センサ５３
はOFF、同５４はONとなる。

即ち、フロート５１が浮上して位置センサ５
３がOFF、同５４がONになつたときは積載油
はガソリンでなく、それ以外のときはガソリン
であることが判別できる。

(2) 灯油・軽油の場合……前記(1)でフロート５１
が浮上したときは積載油が灯油か軽油であり、
この場合は光センサ５５により判別する。

即ち、灯油は色が透明のため光の透過量が多
く、ポテンシヨメータ５６は大きく作動してコ
ントロールボツクス６に伝達する。また、軽油
は淡黄色あるいは淡かつ色であり灯油に比べて
光の透過量が小さく、ポテンシヨメータ５６は
小作動する。

而して、各タンク室毎に上記の如く判別され
た油種がコントロールボツクス６を通じて油種
表示器７に表示される。

尚、検出器５の作動は積載時に限らず、給油
所における給油時等、所望の際に初めて作動し
てもよい。

また、コントロールボツクス６は油種を記憶
しているので、底弁ハンドル４０にロツク装置
を設け、給油したい油種を積載したタンク室の
みを開放可とする制御装置を組み合わせること
もできる。

以上のように本発明によれば、車体適所に配設
され搭載タンクの油種を検出する比重検出器と透
過光量検出器とよりなる検出手段と、検出結果を
表示する表示手段とを備えたことにより積載油種
の表示は必ずタンク内油種と一致し、作業者が誤
操作をすることが防止でき、給油時の信頼度が向
上する。

【図面の簡単な説明】

第１図はタンクローリの全体側面図、第２図は
要部の択大図、第３図は油種表示器の正面図、第
４図は検出手順のフロチヤートである。 ２……搭載タンク、５……検出器、７……油種
表示器（表示手段）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 車体適所に配設され複数のタンク室を有する
   搭載タンクと、各タンク室に配設され油種を検出
   する検出手段と、各タンク室毎に検出結果の油種
   を表示する表示手段とを備えてなり、検出手段は
   ガソリンと同一比重のフロートを装填した支持管
   と支持管の上下端に配設された位置センサとより
   なる比重検出器と光センサよりなる透過光量検出
   器と、比重検出器のフロート位置及び透過光量検
   出器による光量の検出結果を判別、記憶値と比較
   するコントロールボツクスとよりなり、比重検出
   器によりガソリンを判別し、比重検出器と透過光
   量検出器により灯油、軽油を判別することを特徴
   とするタンクローリ。