JPH01233053A - 横型高圧鋳造機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は高圧鋳造機に係り、特にダイカスト法に代表さ
れる高圧鋳造法により熱処理可能な高強度鋳物を製造可
能とする横型の高圧鋳造機に関する。

（従来の技術） 従来より、ダイカス１〜鋳造法はアルミニウム合金鋳物
部品を大量に精度よく製造する生産性の高い方法として
知られているが、溶湯を金型キャビティー内に高速で加
圧注入するため、キャビティー内のガスが十分に排出さ
れず、製品内部に巻き込まれ、特に熱処理した場合にふ
くれが生しるという問題がある。このため、熱処理を要
する高強度鋳物に対しては、ガスの巻込みを少なくする
ためにＰ　Ｆダイカス１−法、ＧＦダイカス１〜法或い
は低速充填ダイカスト法等が開発され、これらのダイカ
ス１〜法を適用して鋳物を鋳造し、熱処理を施した鋳物
が製造されている。

（発明が解決しようとする課題） しかし乍ら、」−足熱処理を要する鋳物に適用される鋳
造法のうち、例えば、低速充填ダイカス１−法はプラン
ジャーチップの充填速度、すなわち移動速度を遅くして
いるため、スリーブ中の溶湯滞留時間が長くなり、溶湯
が冷えて、凝固層が住じる場合がある。このような場合
には、得られた鋳物を熱処理するとふくれが発生し、ま
た強度の低下も著しいという欠点があった。

この凝固層の生成に関しては、従来より様々な対策が検
討されている。例えば、軽金属３４（１９８４）ｐ、３
８９　；３４（１９８４）ｐ、５２５；ダイカスト８２
（１９８５）ｐ、２３において凝固層の生成原因につい
て述べられており、これらを要約すると、■スリーブ充
填率を高くすること、■スリーブ径を大きくすることが
望ましいとされている。

しかし、これらの点を考慮しても、特に低速充填法の場
合は、プランジャーチップの移動速度が遅いためにスリ
ーブ内での溶湯の滞留時間が長くなり、湯揚の温度低下
は避は難い。このことは、第４図に示すスリーブ壁面か
らの距離と凝固状態の関係（ダイカスト８２　（１９８
５）、ｐ、２３）からも明らかである。

すなわち、従来のこの種の鋳造機は、第３図に示すよう
に、構造上、固定プラテン４の射出用孔６に支持具７を
介してプランジャースリーブ２取付けられ、且つ給湯口
５が固定プラテン４の後方に設けられているので、プラ
ンジャーチップ３の移動距離は殆んど固定されている。

このため、充填率を上げようとすると、必然的にスリー
ブ径を小さくせざるを得す、このことは前述の報告にあ
るスリーブ径を大きくすることとは合い反する結果とな
り、必ずしも凝固層の発生防止対策としては満足できる
ものではなかった。

このような問題は大なり小なり他のダイカスト法にも云
える問題でもあった。

本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになさ
れたものであって、スリーブ径を小さくする必要がなく
充填率を高めることができ、凝固層の巻き込み等を効果
的に防止し得る横型高圧鋳造装置を提供することを目的
とするものである。

（課題を解決するための手段） 前記目的を達成するため、本発明者は、従来のこの種の
鋳造機ではプランジャーチップの移動距離が実質的に固
定されている構造上の制約に着目し、プランジャーチッ
プの移動距離を可及的に短かくし、且つ充填率を高める
ことができる方策について鋭意研究を重ねた結果、プラ
ンジャースリーブに設ける給湯口を固定プラテンの後方
側に配置する従来の設計概念にとられれず、逆に、でき
るだけ金型よりに給湯口を配置する構造とすることによ
り、プランジャーチップの移動距離、すなわち充填時間
を短かくし、スリーブ径を小さくすることなく充填率を
上げることができることを知見し、ここに本発明をなし
たものである。

すなわち、本発明は、固定プラテンの射出孔内に取付け
たプランジャースリーブにアルミニウム合金溶湯を給湯
し、これをプランジャーチップにて横方向から金型内に
充填し高圧鋳造する横型高圧鋳造機において、前記固定
プラテンの射出孔の上部に切欠き部を形成し、この切欠
き部内にあるプランジャースリーブの上面であって金型
寄りに給湯口を設けると共に、給湯管を切欠き部を利用
して配置して一端を給湯口に接続し、他端を固定プラテ
ン外側まで延在させたことを特徴とする横型高圧鋳造機
を要旨とするものである。

以下に本発明を図面を参照しつつ更に詳細に説明する。

第１図は本発明に係る横型高圧鋳造機の一例を概要的に
示す図である。

従来のこの種の鋳造機では、第３図に示したように、固
定プラテン４の射出用孔内にプランジャースリーブ２を
嵌合して取付け、この固定プラテン４の後側のスリーブ
上面に給湯口５が設けられているので、構造上、給湯口
５は金型１から遠い反対側に位置している。

これに対し、本発明では、固定プラテンの射出用孔の上
部に所要の切欠き部（空隙）を形成し、この切欠き部内
にあるプランジャースリーブ上面の金型寄りに給湯口を
設け、この切欠き部空隙を利用して給湯する構成とした
ものである。

すなわち、第１図に示すように、固定プラテン４の射出
用孔６内に支持具７を介してプランジャースリーブ２を
取付ける点は従来と同様であるが、給湯口５をできるだ
け金型寄りに設けるために、固定プラテン４の射出用孔
６の上部に固定プラテン４の一部を切欠いて切欠き部８
を形成した点が従来と基本的に相違している。

具体的には、通常、固定プラテン４の中央部に、３５０
Ｔ鋳造機の場合は１３５ｍＩｎφ、５００Ｔの場合は１
７０ｍｍφ、６５０Ｔの場合は１８０ｍｍφ、８００Ｔ
の場合は２］、Ｏｍｍφの射出用孔６が開いているが、
本発明では、この射出用孔６の」一部に、例えば、幅５
０−３００ｍｍで高さ５０−４．００ｍｍ程度の丸形状
又は角形状の孔（すなわち、切欠き部）８を開けるので
ある。

なお、プランジャースリーブ２を取付けた場合のスリー
ブ２とプランジャーチップ３の芯が一致していないと、
鋳造に際してプランジャーチップ３の前進がスムーズに
ならす、鋳造不良発生の原因となる。したがって、固定
プラテン４の射出用孔６の上部の切欠きに際しては、円
周の１７４以内に留めることにより、プランジャースリ
ーブ２を固定プラテン４にセラ１−シた場合の当たりを
小さくすることに起因する芯ズレを生しにくくするのが
望ましい。この場合、切欠き部８を形成する範囲として
は、第２図に示すように、射出用孔６の上方」８０°の
範囲内（−点鎖線部）であることが望ましい。

したがって、給湯［１５は、この切欠き部８を利用して
、可及的に金型寄りにてプランジャースリーブ上面に設
けることが可能となる。

固定プラテン４を上記構成にした場合、取鍋」２より給
湯口５に直接溶湯を給湯することができないので、給湯
口５から固定プラテン４の後方にまで給湯管９を配設す
る必要がある。この給湯管９は、通ｌ（（°、管状とす
るが、凹状板でも良い。

給湯管内面には湯揚の温度低下を防止するために断熱材
をコーティングすることが望ましい。また給湯管９の外
周にヒーターを巻いて６００Ｔ以」二に予熱すれば、管
内面に酸化物が付着するのを防止できるので、ヒーター
１−０を設けることが好ましい。なお、１１は溶湯を取
鍋」２がら給湯管９に注湯する際に用いられる溶湯受け
である。

次に、上記鋳造機の作用を説明する。

低速充填ダイカス１へ法の場合、射出速度は３〜、＋−
５ｃｍ／　ｓｅｃの範囲であることが好ましい。これは
、３　ｃａｎ　／　ｓｅｃ以下では湯廻り不良が生じ、
また１５ｃｍ／ｓｅｅ以−」二ではプランジャースリー
ブ又は製品部キャビティー内のガスの巻き込みを生しる
ためである。

このような射出速度を実現する場合、本発明によれば、
前述の如く、給湯口が金型寄りに設けられているので、
第１表に示すように、プランジャースリーブの長さを短
かく設ｄ１することが可能となり、したかって、射出時
間を短かくすることができるのである。

【以下余白］ つまり、スリーブ長さ（射出の際のプランジャーチップ
移動距離に相当する）が短かくなるので、射出速度が一
定のもとでは必然的に給湯時間が従来の半分以下となる
。このため、スリーブ内での凝固開始時間は３〜４秒程
度であるので（第４図参照）、製品内への凝固層の巻き
込みがなくなる効果がある。

また、このようにスリーブ長さが短かくなるので、充填
率（＝（溶湯容積）／（スリーブ内容積））を高めるこ
ともできる。したがって、溶湯温度の低下を防止でき、
凝固層の発生を防止することができる。

更には、ガスの巻き込みが少なくなる。これは、スリー
ブ充填率が向上するとスリーブ空間容積（空気の容積）
が小さくなり、製品キャビティ一部のガス抜き部より排
出に要する空気も少なくなるので、ガスの巻き込みが少
なくなるからであり、製品品質の向上に効果がある。

なお、第１表において、鋳造機能力に対応する射出時間
の上限がそれぞれ１０秒、１１．７秒、＝１０− １３．３秒では長すぎて湯不廻りが生じる恐れがあるの
で、射出時間は８秒以内が望ましい。したがって、プラ
ンジャースリーブの長さが３００＋ｎｎ＋、３５０ｍｍ
、４００ｍｍの場合には、射出速度はそれぞれ３　、７
５　ｃｍ／　ｓｅｃ、４．３７５ｃｍ／ｓｅｅ、５ｃｍ
／ｓｅｃ以上にするのが望ましい。

また、鋳造するアルミニウム合金としては、その材質は
特に制限はされず、ＪＩＳに規定されているダイカスト
用アルミニウム合金（Ａ　Ｄ　Ｃ１〜１２）、金型鋳物
用アルミニウム合金（ＡＣＩＡ〜ＡＣ９Ｂ）はいずれも
使用できる。また、展伸用アルミニウム合金（１１００
〜７０７５）のいずれも使用可能である。特に、本発明
によれば凝固層の巻き込みを防止できるので、鋳物を熱
処理してもふくれが発生せず、機械的性質、特に高強度
で靭性を向上させることが可能である。

次に本発明の実施例を示す。

（実施例） 第１図に示す鋳造機において、固定金型側の固定プラテ
ンの射出孔上部１５０ｍｍ口を穴ぐりして空隙（切欠き
部）を形成し、この空隙内で金型寄りのプランジャース
リーブの上面に給湯口を配置した。スリーブ長さは１５
０ｍｍである。な才９、プランジャースリーブは射出用
孔に取付けた。

更に、固定プラテンの空隙にヒーター付き給湯管を挿入
し、一端を給湯口に接続し、他端に溶湯受けを取り付け
た。

次いで、ヒーターで給湯管１６００℃に加熱した後、取
鍋からＡ／Ｄ　Ｃ３−２アルミニウム合金の溶湯（７０
０℃）を給湯管を介してスリーブに給湯し、プランジャ
ーチップにて充填してシリンダーブロックを鋳造した。

なお、製品肉厚は２０ｍｍ、射出速度は５０ｃｍ／ｓｅ
ｅとした。

また、比較のため、固定プラテンに空隙を設けない従来
の横型高圧鋳造機（第３図）を使用して、同−利質のア
ルミニウム合金溶湯からシリンダーブロックを鋳造した
。製品肉厚、射出速度等は」−記の場合と同様の条件と
した。

なお、鋳造機公称容量、スリーブ径、鋳込重量、スリー
ブ長さ、射出時間、充填率等は第２表に示すとおりであ
る。

鋳造後、５１０℃Ｘ　４　ｈｒ−＋　１−７０℃Ｘ１０
ｈｒの熱処理（溶体化処理、時効処理）を実施した。得
られた製品について、ふくれの有無を調べると共に機械
的性質を調べた。その結果製筒３表に示す。

第３表より明らかなように、本発明例の場合、鋳込重量
の如何に拘らず第２表に示す如く射出時間が３秒と短か
くなり、充填率が大幅に向上したため、熱処理の際にふ
くれは発生せず、また引張強さ：　３０　ｋｇｆ／ｍｍ
２以上、伸び２５％以上を示し、強度も良好であり、高
品質の製品が得られた。

一方、比較例の製品はいずれも熱処理によりふくれか発
生し、強度が不十分であった。

［以下余白］ （発明の効果） 以上説明したように、本発明によれば、横型高圧鋳造機
において給湯口を固定プラテンの切欠き部内で金型寄り
に設けるので、スリーブ長さが短かくなり、射出時間が
短縮されると共に充填率が高められ、凝固層の巻き込み
を防止できると同時に金型キャビティー内のガス抜きを
効果的に達成することができる。したがって、高品質の
鋳物を製造することが可能となる。特に鋳物を熱処理し
てもふくれの発生がないので、熱処理可能な高強度鋳物
の製造に好適であり、また低速充填ダイカスト法に適し
ている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る横型高圧鋳造機の一例を示す概略
断面図、 第２図（ａ）、（ｂ）は固定プラテンに切欠き部を設は
得る範囲を示す説明図、 第３図はこの種の従来の鋳造機を示す概略断面図、 第４図はスリーブ壁面からの距離とスリーブ内溶湯の凝
固状態の関係を示す図である。 １・・・金型、２・・・プランジャースリーブ、３・・
プランジャーチップ、４・・固定プラテン、５・・・給
湯口、６・・射出用孔、７・・・スリーブ支持具、８・
・切欠き部（空隙）、９・・給湯管、１０・・・ヒータ
ー、１１・・溶湯受け、１２・・・取鍋。 特許出願人　　株式会社神戸製鋼所 代理人弁理士　中　　村　　　尚 へ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）固定プラテンの射出用孔内に取付けたプランジャ
   ースリーブにアルミニウム合金溶湯を給湯し、これをプ
   ランジャーチップにて横方向から金型内に充填し高圧鋳
   造する横型高圧鋳造機において、前記固定プラテンの射
   出用孔の上部に切欠き部を形成し、この切欠き部内にあ
   るプランジャースリーブの上面であって金型寄りに給湯
   口を設けると共に、給湯管を切欠き部を利用して配置し
   て一端を給湯口に接続し、他端を固定プラテン外側まで
   延在させたことを特徴とする横型高圧鋳造機。
2. （２）給湯管にヒーターが設けられている請求項１記載
   の横型高圧鋳造機。
3. （３）アルミニウム合金は鋳造後、熱処理可能なタイプ
   である請求項１記載の横型高圧鋳造機。